2025年01月08日
巨樹王国を見下ろす巨樹 〜奥大野のアカマツ〜
巨樹王国の存在、ご存じでしょうか。
名だたる巨樹を要する県や市町村は各地にあると思いますが、それを公言している町があることは、巨樹探訪者と地元周辺の方にしか知られていないかもしれません。
その「王国」をデカデカと名乗るのは、徳島県の山間の一宇地区。
当地国は、巨樹巨木といわれるものが80本を数えるといいます。
80本です。
その中には、令和4年に倒壊の報に接した日本一のエノキである、赤羽根大師のエノキもある場所。
速足でも、とてもじゃないけれども回り切れない、そしてどこを優先的に回ろうか悩むのが一宇地区。
なにせ、目的地にはお目当てが密集している場所があるものの、また少し離れると密集している、という具合で「ここに行くならこっちも・・・」と思っているうちに、不可能な行程を組んでしまう恐ろしい（？！）場所。
路上駐車の車内で失礼します・・・（汗）。
これを見て、ワクワクしないわけありませんよね。
そんな魅力いっぱいで、担当もまだコンプリートできていない一宇地区において、必ず紹介しなければいけない巨樹があります。
拙ブログにおいて、そのウェイトの大きさは想像していただけるはずであろう樹種。
担当が、「一番好きな木はなんですか？」と聞かれた折に、迷いながらも必ず脳裏に浮かぶ樹種。
そうです、アカマツを含む地松！
地松、ことアカマツは伐採授業のメイン樹種であることも当然ですが、その授業の中で目前で「ねかせる（伐倒する）」ことを経験することで、ほかの樹種よりも一層想いが深く、そしてねかせたあとの流麗な曲線美は、言葉にならない美しさですから、どうしても推したくなる存在であるのです。
しかし、ご存じの通りの松枯れなどの影響により、全国の地松は壊滅の一途をたどっているようです。
一部では、その予防と称して皆伐し樹種転換を促進している場所もありますが、立派な立木のその後の木材利用はされていない状況・・・
そんなことを考えながら、貴重な生き残り巨樹である奥大野のアカマツを目指します。
道路から若干の登山（急勾配あり）を経るという事前情報の通り、登山に入る道路の際にはきちんと看板がありました。
どこから入るかわからないという場所も多い中、正確に表示されているのは非常にありがたいものです。
なにせ、一人で山中に入るドキドキといったら・・・
今回は四国、ということでクマの心配はほぼないことから、安心はしているもののやはり電波が届かない状況というのは、不安になるものです。
さて、この看板のすぐそばに階段があり（コンクリート壁に、かすかに「いらっしゃい、奥大野の赤松・・・」と見える）、そこから山に入っていきます。
登り始めは、徳島らしい？！スギ林。
暗くないところが、まだ心の救い。
青い下枝が付いているところもあり、そして足元には切られた枝もたくさんあり、人がしっかりと入っているのだと実感。
人の気配を感じるだけで、独り身にはありがたい。
スギの林を上り始め、景色が若干かわるところで若干進路を右がちに取りながらいく。
途中からは道しるべはないのですが、登山道からの下り道を逆走している形になるので、若干踏み分け道のようになっているため、注意していれば間違うことはないでしょう。
スギ林から一気に明るい広葉樹林になったとおもったら、斜面上部にかすかに階段が見えます。
この階段の上、登りきったところにアカマツが待っています。
因みに、担当が訪れたのは4月。
サクラはすでにほぼ散っていて、ほかの樹種も青葉が出始めているところ。
町のホームページによる奥大野のアカマツの紹介によると、この場所は何度も訪れたくなる場所だそうです。
それは、アカマツと周囲の状況の変化が非常に印象深いから、だそうです。
紅葉のころは特に見ごろだといいますから、その時に訪れたいとおもいますが、巨樹の見ごろの時期に合わせて無理に動くのは、サクラくらいのこと。
その他は、なかなかタイミングを合わせることができないので、又の機会を、といつも思うようにしています。
階段を上り切った先、「アカマツ！」と言ってしまった姿がこちら。
すみません。
正確には、これは登り切って背中側を振り向いた視点。
先に言っておきましょう。
アングルがない！
こうやって紹介したい気持ちを胸に、写真で伝わるアングルを探すのですが、これがない！
アカマツの周囲は、当然のことながら鎖で立ち入りを制限されています。
そのため、登山道沿いからしか撮影できずにこのようなアングルに。
山中ですので、ほかの樹木が邪魔、とは言いたくないのですけれど、やはり写真写りが良くない・・・
こちらは、階段を上り切るくらいのところから横を見たアングル。
見事なアカマツ、というのは伝わると思うのですが、「引き」で全体を写すこともできずにモヤモヤ。
どのようにして伝えようかと迷いながらも、とりあえず現地の看板からアカマツの情報を拾いましょう。
アカマツとともに、生息地（この表現がいい！）542�屬�県により指定されています。
全国的にも上位にあるアカマツ、ということで見ごたえは十分。
ほかにも見事なアカマツはありますが、登山者がこのアカマツに出会うとやはり、すがすがしい気持ちになることでしょう。
弥栄で縁起の良いアカマツの巨樹が山中に。
そして、先に挙げたように何度も訪れたくなる理由はこの美しい姿と幹。
アカマツを誇示するように、美しい赤をまとっています。
そして、その赤がもっとも映えるのが夕日だそうです。
アカマツが見下ろす下界とともに、空が夕焼けに染まるころにはその幹も、真っ赤に染まるのだろうと思います。
さぞかし美しいものだと思います。
幹を見ても、イキイキとした雰囲気を感じますし、その枝ぶりもとにかく美しい。
いくつかの大枝は除去されています。
おそらく、登山者への落枝のためかもしれませんし、健康を維持するためかもしれません。
そのおかげか、残っている枝はうねりながら周囲に広がり、樹形の良さを維持してくれています。
現地でかんじるのは、まるで蛸。
その赤い樹皮、そして切り取られた大枝の跡が口や目に見え、そして伸びる枝はまさしく蛸の足！
うねうねと周囲を探るように、斜面下部へと領域を広げているようです。
枝が斜面下部に伸びすぎると、その自重により傾いてしまう心配もしてしまいますけれども、見ごたえは十分です。
そして、見くびられるであろう幹回り。
看板にある、5.35mという数字ですが巨樹の数字としては物足りないでしょう。
実際も、美しいものの驚くような幹回りではありません。
しかし、しかしです。
某巨樹探訪家で日本一の（樹種別）巨樹を紹介されている書籍によると、アカマツの中では山形県の一本にが枯れたならばこちらを日本一に、と表記されているのです。
その他のアカマツたちは、幹が分岐（生長の途中で折損しているのでしょう）していることからも、大きさだけではなく単幹であることを含めて、現状の二位推定なのです。
巨樹の中で、単幹であることは非常に貴重。
そして、マツクイムシの被害を免れてこの大きさでこの場所にあること。
徳島県でも多くのアカマツがすでに失われていることを考えても、とにかく元気でいてほしいと願うのです。
そして、忘れてはならないのが記念撮影！
でも、やっぱりアングルがない！！
なんとかこれ・・・
鎖の中に少しだけ・・・
じゃないと映らない。でも、ちゃんと岩の上に乗っています。
土は踏んでいません。
鎖からすぐの岩に・・・
言い訳をしてしまいますが、とにかく映らない。
そして、どこから撮影しても看板が邪魔・・・
何とか撮影を、とおもうアングルで看板がドカンと映ってしまい、幹が映らないんです。
そのもどかしさは是非現地で堪能してください（笑）。
因みにですが、帰路を間違うとこのような「ポツンと〇軒家」みたいな「うわー、崖ですよ！」ってな道に出ますので、ナビにはご注意を・・・
奥大野のアカマツ所在地
徳島県美馬郡つるぎ町一宇
緯度：33.9133092
経度：134.0987945
路上駐車になりますが、スペースあり。通行はほとんどありませんが邪魔にならないように。
・弊社へのお問い合わせはこちらから
・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ
＊2019年以前のリンク表示をクリックしても過去リンク記事が見られない場合は、こちらの手順でお願いをいたします。
＊消費税10％への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。（ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。）
木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。
・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧
http://muku-mokuzai.livedoor.biz/archives/1611916.html
・戸田材木店・セルバのホームページ
http://selva-mukumokuzai.jp
・無垢材と樹木が大好きな材木屋が配信する、きのむしラジオ | Podcast on Spotify
https://open.spotify.com/show/6HBMrFR3UFHaNLNfgdFE8l?si=ff6525ab5d0f464a
名だたる巨樹を要する県や市町村は各地にあると思いますが、それを公言している町があることは、巨樹探訪者と地元周辺の方にしか知られていないかもしれません。
その「王国」をデカデカと名乗るのは、徳島県の山間の一宇地区。
当地国は、巨樹巨木といわれるものが80本を数えるといいます。
80本です。
その中には、令和4年に倒壊の報に接した日本一のエノキである、赤羽根大師のエノキもある場所。
速足でも、とてもじゃないけれども回り切れない、そしてどこを優先的に回ろうか悩むのが一宇地区。
なにせ、目的地にはお目当てが密集している場所があるものの、また少し離れると密集している、という具合で「ここに行くならこっちも・・・」と思っているうちに、不可能な行程を組んでしまう恐ろしい（？！）場所。
路上駐車の車内で失礼します・・・（汗）。
これを見て、ワクワクしないわけありませんよね。
そんな魅力いっぱいで、担当もまだコンプリートできていない一宇地区において、必ず紹介しなければいけない巨樹があります。
拙ブログにおいて、そのウェイトの大きさは想像していただけるはずであろう樹種。
担当が、「一番好きな木はなんですか？」と聞かれた折に、迷いながらも必ず脳裏に浮かぶ樹種。
そうです、アカマツを含む地松！
地松、ことアカマツは伐採授業のメイン樹種であることも当然ですが、その授業の中で目前で「ねかせる（伐倒する）」ことを経験することで、ほかの樹種よりも一層想いが深く、そしてねかせたあとの流麗な曲線美は、言葉にならない美しさですから、どうしても推したくなる存在であるのです。
しかし、ご存じの通りの松枯れなどの影響により、全国の地松は壊滅の一途をたどっているようです。
一部では、その予防と称して皆伐し樹種転換を促進している場所もありますが、立派な立木のその後の木材利用はされていない状況・・・
そんなことを考えながら、貴重な生き残り巨樹である奥大野のアカマツを目指します。
道路から若干の登山（急勾配あり）を経るという事前情報の通り、登山に入る道路の際にはきちんと看板がありました。
どこから入るかわからないという場所も多い中、正確に表示されているのは非常にありがたいものです。
なにせ、一人で山中に入るドキドキといったら・・・
今回は四国、ということでクマの心配はほぼないことから、安心はしているもののやはり電波が届かない状況というのは、不安になるものです。
さて、この看板のすぐそばに階段があり（コンクリート壁に、かすかに「いらっしゃい、奥大野の赤松・・・」と見える）、そこから山に入っていきます。
登り始めは、徳島らしい？！スギ林。
暗くないところが、まだ心の救い。
青い下枝が付いているところもあり、そして足元には切られた枝もたくさんあり、人がしっかりと入っているのだと実感。
人の気配を感じるだけで、独り身にはありがたい。
スギの林を上り始め、景色が若干かわるところで若干進路を右がちに取りながらいく。
途中からは道しるべはないのですが、登山道からの下り道を逆走している形になるので、若干踏み分け道のようになっているため、注意していれば間違うことはないでしょう。
スギ林から一気に明るい広葉樹林になったとおもったら、斜面上部にかすかに階段が見えます。
この階段の上、登りきったところにアカマツが待っています。
因みに、担当が訪れたのは4月。
サクラはすでにほぼ散っていて、ほかの樹種も青葉が出始めているところ。
町のホームページによる奥大野のアカマツの紹介によると、この場所は何度も訪れたくなる場所だそうです。
それは、アカマツと周囲の状況の変化が非常に印象深いから、だそうです。
紅葉のころは特に見ごろだといいますから、その時に訪れたいとおもいますが、巨樹の見ごろの時期に合わせて無理に動くのは、サクラくらいのこと。
その他は、なかなかタイミングを合わせることができないので、又の機会を、といつも思うようにしています。
階段を上り切った先、「アカマツ！」と言ってしまった姿がこちら。
すみません。
正確には、これは登り切って背中側を振り向いた視点。
先に言っておきましょう。
アングルがない！
こうやって紹介したい気持ちを胸に、写真で伝わるアングルを探すのですが、これがない！
アカマツの周囲は、当然のことながら鎖で立ち入りを制限されています。
そのため、登山道沿いからしか撮影できずにこのようなアングルに。
山中ですので、ほかの樹木が邪魔、とは言いたくないのですけれど、やはり写真写りが良くない・・・
こちらは、階段を上り切るくらいのところから横を見たアングル。
見事なアカマツ、というのは伝わると思うのですが、「引き」で全体を写すこともできずにモヤモヤ。
どのようにして伝えようかと迷いながらも、とりあえず現地の看板からアカマツの情報を拾いましょう。
アカマツとともに、生息地（この表現がいい！）542�屬�県により指定されています。
全国的にも上位にあるアカマツ、ということで見ごたえは十分。
ほかにも見事なアカマツはありますが、登山者がこのアカマツに出会うとやはり、すがすがしい気持ちになることでしょう。
弥栄で縁起の良いアカマツの巨樹が山中に。
そして、先に挙げたように何度も訪れたくなる理由はこの美しい姿と幹。
アカマツを誇示するように、美しい赤をまとっています。
そして、その赤がもっとも映えるのが夕日だそうです。
アカマツが見下ろす下界とともに、空が夕焼けに染まるころにはその幹も、真っ赤に染まるのだろうと思います。
さぞかし美しいものだと思います。
幹を見ても、イキイキとした雰囲気を感じますし、その枝ぶりもとにかく美しい。
いくつかの大枝は除去されています。
おそらく、登山者への落枝のためかもしれませんし、健康を維持するためかもしれません。
そのおかげか、残っている枝はうねりながら周囲に広がり、樹形の良さを維持してくれています。
現地でかんじるのは、まるで蛸。
その赤い樹皮、そして切り取られた大枝の跡が口や目に見え、そして伸びる枝はまさしく蛸の足！
うねうねと周囲を探るように、斜面下部へと領域を広げているようです。
枝が斜面下部に伸びすぎると、その自重により傾いてしまう心配もしてしまいますけれども、見ごたえは十分です。
そして、見くびられるであろう幹回り。
看板にある、5.35mという数字ですが巨樹の数字としては物足りないでしょう。
実際も、美しいものの驚くような幹回りではありません。
しかし、しかしです。
某巨樹探訪家で日本一の（樹種別）巨樹を紹介されている書籍によると、アカマツの中では山形県の一本にが枯れたならばこちらを日本一に、と表記されているのです。
その他のアカマツたちは、幹が分岐（生長の途中で折損しているのでしょう）していることからも、大きさだけではなく単幹であることを含めて、現状の二位推定なのです。
巨樹の中で、単幹であることは非常に貴重。
そして、マツクイムシの被害を免れてこの大きさでこの場所にあること。
徳島県でも多くのアカマツがすでに失われていることを考えても、とにかく元気でいてほしいと願うのです。
そして、忘れてはならないのが記念撮影！
でも、やっぱりアングルがない！！
なんとかこれ・・・
鎖の中に少しだけ・・・
じゃないと映らない。でも、ちゃんと岩の上に乗っています。
土は踏んでいません。
鎖からすぐの岩に・・・
言い訳をしてしまいますが、とにかく映らない。
そして、どこから撮影しても看板が邪魔・・・
何とか撮影を、とおもうアングルで看板がドカンと映ってしまい、幹が映らないんです。
そのもどかしさは是非現地で堪能してください（笑）。
因みにですが、帰路を間違うとこのような「ポツンと〇軒家」みたいな「うわー、崖ですよ！」ってな道に出ますので、ナビにはご注意を・・・
奥大野のアカマツ所在地
徳島県美馬郡つるぎ町一宇
緯度：33.9133092
経度：134.0987945
路上駐車になりますが、スペースあり。通行はほとんどありませんが邪魔にならないように。
・弊社へのお問い合わせはこちらから
・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ
＊2019年以前のリンク表示をクリックしても過去リンク記事が見られない場合は、こちらの手順でお願いをいたします。
＊消費税10％への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。（ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。）
木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。
・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧
http://muku-mokuzai.livedoor.biz/archives/1611916.html
・戸田材木店・セルバのホームページ
http://selva-mukumokuzai.jp
・無垢材と樹木が大好きな材木屋が配信する、きのむしラジオ | Podcast on Spotify
https://open.spotify.com/show/6HBMrFR3UFHaNLNfgdFE8l?si=ff6525ab5d0f464a
muku_mokuzai
