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神代栂

国産地栂(じつが・じとが)の無垢天井板


何かつながっているのかもしれません。

先日の神代栂(じんだいつが・じんだいとが)とほぼ時を同じくして見積もりしていました「国産地栂」の加工が決定しました。


国産地栂天井板1














今回は、旧家の塀を作りかえるのですが、その中で「瓦屋根の乗る天井板は栂がいいんじゃないかなぁ?!」というお話があり、採用頂きました。

柱等は桧ですが、今回国産地栂を加工してもらう大工さんは以前に2度ほど「総国産栂造りの門」を建てた事があるそうで、その時の栂の素晴らしい色合いや美しい杢目、針葉樹としては重硬であることがとても印象強く残っていたそうで、予算を考えて総国産栂とはいかないまでも、天井板はこだわりたい!ということでの採用でした。

国産地栂天井板2














昔は(10数年前までは)国産地栂は、名古屋方面でも住宅の構造材として賞用されていたそうです。
名古屋の方は地栂の良さを知ってらっしゃったのでしょう。
重硬で樹齢の高い地栂を使った梁桁(はりけた。住宅の構造部材名称。)さぞ美しく存在感のあった事でしょうね。
今でも大量にとはいきませんが、以前にご紹介したように梁桁などの構造材や柱、そして室内の造作材という仕上げ部材まで地栂で仕上げる事ができますので、これからもわかっていただけるお客様に地栂の家をお勧めしていきたいと思います。


一概にはいえないかもしれませんが私の様な木の好きな人間や、木造建築を好きな人間、また門や伝統建築をなさる大工さんなどは、やはり自身の目につく木には自然と興味を持つ場合が多いので、今回の塀も、天井というとあまり見えないところの様に感じるけれども、もし他の場所で同じような形で工事したところがあれば、おそらく天井やその仕事ぶりまでに目を向けるだろうということで、「今回の天井板は栂」となったわけです。


国産地栂天井板4




 こんなに年輪が細かい!










これから加工なので、完成はもう少し先ですが今から仕上がりが楽しみです。

国産の地栂(じつが・じとが)がどれだけ良いものかを知っていなければ、今回のお話は無かったでしょう。
私も知っていますし、大工さんもよくご存じだった。
稀少な国産栂という樹種をお互いに理解している稀なケースですが、本当は全てのケースで、材木店・大工さん・お施主様や設計士さん全員が、使う樹種の特色や良さを理解してるほうが、仕上がりの喜びも大きいですし、その木を使う価値があると思います。

良いものが何故良いのかをきちんと説明できる材木屋さんであり続け、お客様に喜んでいただける木材をどんどんお届けしたいと思います。


国産地栂天井板3


















木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ! 

神代割ってまた神代 −神代栂との出会い−


さてお待ちかね(?!)の新・神代の樹種紹介です。
先日のこれ。


新・神代







 良い木目ですねぇ。

















ぱっと見た感じはやはり神代杉に似ているでしょうか。
中央の2本は割れ止めを塗布されているため色合いが濃く写っています。

さてさて、杉に似ているけども杉ではないんです。
私の今までの神代木記事でも紹介していなかった樹種。
しかも、私も今まで見た事のなかった神代です。
その正体は「神代栂(じんだいつが・じんだいとが)」でした。


神代栂 2














どおりで針葉樹なのに重さを感じる(生木だからというのも手伝ってですが)し、とてもよい木目です。
この栂という樹種については、国産地栂(じつが)幅広無垢一枚物フローリングの記事の時にいろいろと書いていますので、是非そちらも参照していただきたいところです。

この栂という木は、読んで字のごとく。
その字の由来が、「木の中のおかぁさん」だから、なんです。
というのも、木偏に母(はは)という字を書いて栂(つが)と読みますが、母=おかぁさんは子供にお乳を与えますよね。
だから、母という漢字の真ん中の「ちょんちょん」(なんていうんだろう・・・)という点は、乳房を意味しているそうなので、これを続け字で書いてしまうと正式にはいけないのだとか、聞いた事があります。
その乳を意味する漢字を用いている母という字が木偏とともに用いられている栂は、木の幹を傷つけると「お乳のような白っぽい樹液がでる」ことから、木偏に母の字をあてて「栂」となったそうです。

良い話ですよね。

そんな日本の栂の木ですが、植林という事がされていないことで天然林からの木材が基本になるのですが、現在では入荷が少なく安定しないこともあり、なかなか見る事の出来ない貴重な樹種になってしまっています。
普通の栂でもそんな状態なのに、今回は「神代(じんだい)の栂(つが・とが)」です。

どれだけ珍しいか・・・
私も初耳でした。

栂普請といえば、関西では桧普請よりも立派だとされ、古くから愛され使われてきたのですが、その理由もわかります。
前回ご紹介した、構造材や階段他の化粧仕上げ材に栂を使用した「現代版栂普請の家」を思い出せば・・・


さすがに神代栂普請とまではいきませんが、薄板から框材、その他が入手できましたので、栂普請の中に神代栂をあしらうという「現在と神代の粋な栂使い」は可能かと思います。


神代栂 1






 厚みのある栂らしい節板もあり、短い杢板もあり。

















こりゃ、栂だ!というしっかりとした大きな節ですね。

神代栂 3














良材とはいっても、神代。やはり少し傷や割れはあります。
いたしかたないところです。
余すことなく有効に使いたいもんです。

神代栂 6















神代栂 4














この神代栂ですが、まだまだ製材したてですので、残念ながら?これからじっくりと弊社倉庫で寝てもらう事にします。
神代(かみよ)からの眠気をとるために、しばしの休息です。
数千年単位の時間を過ごしてきた神代栂へのしばしの休息時間です。

数年後にお渡しできるようにしっかりと乾燥をしてもらわねばなりません。
いつご案内できるか・・・気長に待っていてくださいね!!
乾燥期間中にも神代栂をご覧いただけますので、お問い合わせをくださいませ。


神代栂 5


























木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ!