2011年05月26日
国産地栂(じつが・じとが)の無垢天井板
何かつながっているのかもしれません。
先日の神代栂(じんだいつが・じんだいとが)とほぼ時を同じくして見積もりしていました「国産地栂」の加工が決定しました。

今回は、旧家の塀を作りかえるのですが、その中で「瓦屋根の乗る天井板は栂がいいんじゃないかなぁ?!」というお話があり、採用頂きました。
柱等は桧ですが、今回国産地栂を加工してもらう大工さんは以前に2度ほど「総国産栂造りの門」を建てた事があるそうで、その時の栂の素晴らしい色合いや美しい杢目、針葉樹としては重硬であることがとても印象強く残っていたそうで、予算を考えて総国産栂とはいかないまでも、天井板はこだわりたい!ということでの採用でした。

昔は(10数年前までは)国産地栂は、名古屋方面でも住宅の構造材として賞用されていたそうです。
名古屋の方は地栂の良さを知ってらっしゃったのでしょう。
重硬で樹齢の高い地栂を使った梁桁(はりけた。住宅の構造部材名称。)さぞ美しく存在感のあった事でしょうね。
今でも大量にとはいきませんが、以前にご紹介したように梁桁などの構造材や柱、そして室内の造作材という仕上げ部材まで地栂で仕上げる事ができますので、これからもわかっていただけるお客様に地栂の家をお勧めしていきたいと思います。
一概にはいえないかもしれませんが私の様な木の好きな人間や、木造建築を好きな人間、また門や伝統建築をなさる大工さんなどは、やはり自身の目につく木には自然と興味を持つ場合が多いので、今回の塀も、天井というとあまり見えないところの様に感じるけれども、もし他の場所で同じような形で工事したところがあれば、おそらく天井やその仕事ぶりまでに目を向けるだろうということで、「今回の天井板は栂」となったわけです。

こんなに年輪が細かい!
これから加工なので、完成はもう少し先ですが今から仕上がりが楽しみです。
国産の地栂(じつが・じとが)がどれだけ良いものかを知っていなければ、今回のお話は無かったでしょう。
私も知っていますし、大工さんもよくご存じだった。
稀少な国産栂という樹種をお互いに理解している稀なケースですが、本当は全てのケースで、材木店・大工さん・お施主様や設計士さん全員が、使う樹種の特色や良さを理解してるほうが、仕上がりの喜びも大きいですし、その木を使う価値があると思います。
良いものが何故良いのかをきちんと説明できる材木屋さんであり続け、お客様に喜んでいただける木材をどんどんお届けしたいと思います。
