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石徹白の大スギ

御神木の大スギへと続く道のり 〜白山中居神社の巨木林と浄安杉〜

一番最初に訪れた巨樹は何だったのか?!考えてみるけどもはっきりしない。
それは、もともと好きだったこともあるし、「よし!今日からめぐろう!」と決めたわけでもなく、またカメラの性能も良くなかったうえ撮影の仕方も稚拙だったこともあり、こんなのめぐったうちに入らないと自分の中でバッサリきり捨てているからかも、と思っています。


そんな中で、2014年に紹介している日本を代表する巨樹の一つである石徹白のスギは、今に続く巨樹めぐりのルーティーンを行い始めた場所の一つです。
撮影のアングルや方法、撮影する視点など自分なりのルールができたところ。
当時の記事は、大スギのことを伝えたいがゆえに詳細を記載しきれていなかったがあります。

それは、大スギに至るまでに存在する巨木の森を持つ神社と、その神社の奥にあるもう一つの巨樹のこと。

先日、仕事で使う古い資料を探していた時に偶然見つけた写真。
それは浄安杉なる巨樹の写真。
実は、その名称は覚えていたもののすぐに姿を思い出せない自分に驚き、早速写真を見てみました。
そこにあったのはそう、石徹白の大スギに通じる白山中居神社。


白山中居神社1


岐阜県の白鳥観光協会のホームページによれば、富士山・立山と並ぶ日本三名山である白山を開いた泰澄大師が養老年間に社城を拡張したと伝えられ、宮川のせせらぎと樹齢200年から1,000年の150本に及ぶ杉の大木に囲まれた静かな場所、とあります。

あまりにも有名な石徹白の大スギに隠れて注目していなかったのですが、説明のとおり数百年生のスギの巨木がいたる所にあり、なおその先にはさらなる巨杉が存在するのですから、信仰の上での神社という観点以上に訪れておかねばならない場所でした。

立派な鳥居を超えて進んでいくとすぐに表れる巨杉群。


白山中居神社2


おいおい、いきなりこんなに林立するの?と思わず声が出るほどに並び立つスギたち。
上を見上げているうちに、進む石段を踏み外してしまいそうです(汗)。

先にはさらなる巨樹が、と分かってはいてもどうしても立ち止まってしまうのは、木々の中では本当にちっぽけな自分の存在を実感するとともに、だからこそ再度自分の存在を確認できるような気がするから。
でも、あまりにも並びすぎてアングルに困っちゃう。

そんな悩みを抱えながら、本当の目的(?!)までの道のりを進みます。
境内の端、浄安杉と呼ばれる巨杉への案内板のあるところから「登山」です。
その看板にある200mに惑わされてしまいますが、今までの常瀧寺の大公孫樹大古井の千本カツラのように、垂直距離表示である場合は想像以上の苦労を伴うので注意が必要!(200mって、近いイメージがしますよね?!)

途中にある巨木に視線を奪われながら(岐阜県は本当に山が豊かだから・・・)200m(といわれる)道のりを進むと視界に入ってくるその姿!


浄安杉2


なんとなんと・・・
先入観やイメージというのは、本当に深く人の思考に影響するものだと感じました。
石徹白の大スギがすごすぎて、大きくはあるだろうけれどもさすがに比較にならないのでは・・・なんてバカバカしい考えをしていた自分を恥じました。
比較なんてとんでもない。
同じ地域にあるとはいえ、まったく別物の存在感とその姿。
想像以上、期待を超える、そんな姿です。


浄安杉5


ずんぐりとしていながらも樹高も高く、目通り幹回りの公表値では12.1m。
私が出逢ったときに驚く巨樹の数値の目安の一つである、目通り10mの基準を超えているのですから立派に感じるのは当然。

その上、太い幹からまるで猛牛の角の様に突き出ているように思える枝や、太い株に巻き付くように出ている細い根などが、生命力の強さを物語っているようです。

迫力さえ感じる姿ですが、樹齢は不明とされているものの500〜600年ほどではないかともいわれています。
そう考えると、受ける印象は若さある力強さなんだろうか・・・


浄安杉10


神社の解説にある樹齢1000年の巨木というのは石徹白の大スギの事なのでしょうけども、浄安杉の持つ迫力と山中に聳える姿に出逢うと、数字以上の感動があります。

写真からも分かるように、根元の近辺で幹が分かれておりさらにそこから太い幹が分かれているのですが、一本のスギではなく合体したものだと考えられています。
太い幹を跨いで細い根があるような状況を見ても、おそらくそれは間違いないでしょう。

しかし、合体木だからと言ってその存在価値が薄まることは全くありません。
それ以上に、樹木は通常では癒着したとしても樹勢の強い方に飲み込まれるような状況になる場合が多くあります。
しかし、浄安杉はどうでしょう。

太さも高さも勢いも、それぞれが猛々しく威勢を保っているではないですか。


浄安杉3


スギの巨樹では意外と多くに合体木が見られます。
そうですね、高井の千本杉などは最たるものではないでしょうか。
巨樹めぐり初心者である私が、畏れおののいて近づくことさえできなかった大スギ。
確実に飲み込まれてしまう、と確信するほどの迫力は鮮明です。

それとはまた異なるものの、浄安杉も見事に合体している個体です。


さて、この巨杉の名の由来については解説板に表記があります。
しかし、その表記よりも名称の文字から想像する意味を尊重したい気持ちになるのは、白山という信仰とともに石徹白の大スギの存在があるから。

浄は「けがれなく清らか」で「きよい、きよめる」を意味し、安はそのとおり「やすらぎ、穏やかに落ち着く」であり、白山や石徹白の大スギへと続く道のりにおいて人のけがれを落とし、穏やかな心で神域へと向かうことを意図していると私は感じていますがどうでしょうか・・・


有難いことに、すぐそばまで近づくことのできた巨樹。
石徹白の大スギではこんなにそばによることは叶いませんが、ここではその傍らに寄り添うことができます。


浄安杉6


訪問時はあいにくの雨天でしたが、降り注ぐ雨でさえその存在を美しく見せるものであり、晴天時には感じられない貴重な空気を感じる事ができました。
大スギへと続く一部分でもあり、神社も浄安杉も石徹白の大スギも含めた白山というものの大きさを、改めて感じることのできた素晴らしい出逢いとなりました。


浄安杉所在地

岐阜県郡上市白鳥町石徹白3-48

駐車スペースあり


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