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白檀

ホワイトデーに白檀の白太はいかが?


さて今日は、バレンタインデーにたくさんのチョコレートをいただいた私からのホワイトデーです。

私の子どもの頃は、お返しはマシュマロ(私は苦手ですが・・・)というのが相場(!?)だったように思うのですが、近年はそんなこと聞いた覚えがないですね。
皆さんはどんなホワイトデーにするのでしょうか。

私のお送りするホワイトデーはこちらです。

ハート形白檀 2














綺麗なハートになっているでしょ。
私の気持ちです(笑)。

とってもいい香りがしていますよ。若干ですが・・・

冗談はさておき、本当に見事なハート型になっています。
そしていい香りがするというのは、この木が白檀(びゃくだん・サンダルウッド)だからです。
しかし、「若干」とわざわざつけているところがポイントです。
白檀は、かなりの芳香があり、すぐにそれとわかるのですが、それが若干とはどういうことか?偽物か?!造り物か?!(本当に、土産品には香料をしみ込ませた白檀まがいが売られているそうですから注意です。)

いやいや、本物の白檀なんですが、良く見てください。
この白檀と比べて何か違うと思いませんか?!

白檀切り丸太1














そうです、ハート形の方は赤身が極端に少ないんです。
如何に白檀といえど、白太は香りがしません。ほんとに驚くくらいに香りません。
ハート形になって入るんですが、肝心の心ここにあらず・・・という感じでしょうか。
少し赤みがかっているところが微かに香るのですが、あの独特の香気はありません。

白檀だけではなく、木材には芯材(赤身)と辺材(白太)があります。
それによって、同じ木でも表情や特徴、持つ特性が大変大きく変わります。
木材を選ぶときには、香りの事だけに限らず芯材(赤身)と辺材(白太)の違いの説明を聞いていただきたく思います。
そのために、そのあたりの違いを説明できるたしかな材木屋サンを選びましょう。

ハート形白檀 1
















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白檀切り売り


何故だろう、本当に不思議。
木の種類は本当にたくさんあって、まぁ、いろいろと在庫もあるのですが、何故かしら一つ売れると、立て続けに同じ樹種の注文やお問い合わせをいただくことがあります。
ロシアンバーチ幅広無垢一枚物フローリングや、朴の木などは大抵そう。
それらは、まぁ特殊というほどの事もないのですが、今年に限ってはそれら以外の特殊なものが続いていて、びっくりです。

今年に入ってもう御三方目。月にお一人のハイペースです・・・

白檀切り丸太 4














この小さな塊。なんでしょう・・・

そう、白檀(びゃくだん)です。
これだけは、欲しい時に手に入らないばかりか、どんどん入手困難になりますし、普通の木材の様に、寸法云々という話ができる代物ではないので、本当はあんまりお客様のつくようなものではないのですが、今年はジャンジャンお問い合わせがある。
それが決まるとまたいただいて・・・・

ほんと、木ってつながりを持ってると思います。
縁を運んでくれるのかな・・・

なんて思っていたのもつかの間。
実は上の写真の白檀は丸太を切ったものなのですが、なんと、中から想像もしない様なものが現れました。
えぇもんやったら(て何やろか?)嬉しいけれども、こんなんあるんやなぁ・・・というものでした。

白檀切り丸太 1



 先程の切り材の反対側です。









芯部分が朽ちていて、若干脆い部分があります。
その部分に何か見えませんか?!
よぉーく目を凝らしてください。

白檀切り丸太 3



 にゃーんと、虫!!抜け殻ですが、白檀の芯材部分に虫が。それもこの材は結構な年代物ですから、いつ入っておったんやら。






白檀はもとより、木の芯材というのは芯材成分の働きで、虫害や普及に対する抵抗性を有する樹種がおおいのですが、しかもその中で独特の芳香をもつ白檀の芯材に巣くうとは何たるツワモノ。

白檀切り丸太 5














なんかアップは少し気持ち悪いですが、まさか白檀の芯材部に虫跡(初めから朽ちていて、侵入のみで喰っていたのかどうかなどはわかりませんが・・・)があるなんて!!と驚きながらもとても面白い発見をしました。

なんでも触ってみてみるもんですね。
今回も切ってみないとわからない部分(内部なので当然)でしたので、よい勉強になりました。
何事も決めつけたらあかんなぁ・・・、と話が違う方向に進んでしまうくらいの私にとっての大きなネタでした。



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白檀の御縁


本当に実感します・・・人と人の御縁はあるんだなぁ、ということ。

当然いままでもたくさんの御縁に恵まれてきたと思うのですが、それでも弊社記事を書き始めるようになってから、新しい出会いをたくさんいただくことが出来るようになりました。
素直に文明の利器に感謝するところです。

ただ単に広く物が売れる、ということは会社としては当然喜ばしい事ですが、基本的に私の求めているところは少し違うというか、当然無垢の木や木製品、無垢フローリングなどを販売していくことはいうまでもありませんが、その販売の過程にこだわりたいところが、普通のインターネット掲載販売会社とは違うところであることは今までも書いてきましたので、ご愛読いただいている方には御理解いただいているところと思います。

そんな「のんき」なことしてると売れないよ、といわれそう(実際もっと頑張らないといけないところです、汗。)ですが、やはり喜べるお客様と出会えた時の喜びは、お互いに素晴らしいものがありますので、やはりこだわりたくなるのです。
それも、「縁があるんやなぁ・・・」と感じるものほど、その気持ちは大きくなります。

今回も勝手に私が御縁があったのだ、と思いこんでしまうほどにぴったりな材をお尋ねいただいています。

白檀切り丸太3














そのものは、これです。
何かわかるでしょうか?!なんとか、丸太の様であることは理解いただけると思います。
正解は、香木(こうぼく)白檀(びゃくだん・sandal wood)」です。

白檀については今までの記事に譲りますが、結構な頻度でお問い合わせをいただきます。
「檀」とつく材については、紫檀・黒檀・白檀・・・という檀木のコラムにて述べましたが東南アジア産の稀少な木材のことを「檀」と称し、その色合いで各和名がついた様です。

仏像彫刻に用いられる代表格と言えるでしょうか。当然、桧も使われますがやはり白檀を求める声は強く聞かれます。
それほど材が無い事も理由の一つですが、やはり特有の芳香や古くから続く宗教的な意味合いもあってのことだとは思うのですが、やはりとても稀少な木材です。
木材と言っても、普通の材木屋サンは知らないだろうし触った事もないと思います。
白檀は、他の香木同様「挽き粉」まで練り物などに利用できる、まさしく捨てるところのない木です。(白太は削られるので、そうでもないか・・・)

私は当然のごとく木が好きですが、それとともに木の香りも好きです。
様々な木材の香りがありますが、その中でも白檀は特別ですね。
というのも、昔はとっても嫌いでした。いや、いまでもあまり強い香りには弱いかもしれません。
白檀というと、子どもの頃に祖母が電車の中で白檀の扇子を取り出しパタパタと扇いでいたのを思い出すのですが、その香りが強烈で・・・・・
おそらく、本物の白檀だったのでしょうけれども、子どもにはかなりパンチのきいたものだったので、鮮烈に記憶に残っています。

その時代から既に高価で、輸出規制もかかり出していた白檀。
今でも少量はあるのですが、香りの弱いものや外国では香料をしみ込ませたものまで売られているとか・・・

実は現在では、養殖・・・ならぬ植林?!いや、寄生木だから養寄生?!
なんでもいいのですが、天然以外に計画的に生産できるような体制をとりつつあるらしく、近い将来はお寿司屋さんのカウンターできかれるような「養殖物と天然物」というのが白檀にも現れる日がくるのかもしれません。

白檀切り丸太1














仏像彫刻家(仏師さん)もおそらくは材確保に大変奔走されていることと思いますが、今回のお客様にはご要望のサイズにほぼ当てはまる材があったので、ご案内することが出来ました。
丁度、他にも白檀のお話をいただいていたことと、弊社にお問い合わせいただいた事、またその経緯なども聞いているうちに「あぁ、この白檀はこのお客様に巡り合う為に弊社に来たんだ・・・」と思ったのでした。
そういった材というのは、偶然ながらも多々あります。
本当に、木がその人のところに行くことを決めているような、そんな出会いです。

今回は白檀という稀少材を通してですが、やはり有難いお話を頂けるのはどこかで御縁があるからだと思っています。
どのお問い合わせにも御縁を大切にして、喜んでいただける木材をお届けしたいという想いを新たにしました。
出会いに感謝です。

白檀切り丸太2














善き出会いを頂けるお問い合わせはこちらまでお願いいたします。



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沈香(じんこう・イーグルウッド) −その材質−


さて、歴史を踏まえて紹介してきた香木(こうぼく)ですが、今回はその香木の中でも稀少な沈香(じんこう)を詳しくご紹介するとともに、弊社の「もっている」ものをクローズアップしてみたいと思います。

香木の「沈香」という名ですが、読んで字のごとく「沈む香り」と書きます。
またの名を「沈水香」、「沈香木」。
英名はeagle wood(イーグルウッド)。主に貿易名となっているようで、樹脂化したものはagar wood(アガールウッド)と称され、病理的に樹脂で満たされたものはgaharu(ガハル)と呼ばれている。
いずれにせよ、日本では沈香といったほうが耳当たりも良いと思いますね。
植物としては主にジンチョウゲ科アクイアーリア(読み方により、アキラリア)属のものを指し、稀にトウダイグサ科のものもあるという。
つまり、特定の一樹種だけではなく、「そうなったもの」を沈香と呼んでいるのです。
産出国は主にインドやタイ、ベトナム他の東南アジアです。
日本には推古4年(595年)淡路島に漂着した丸太を燃やしたところ、素晴らしい香りが立ち上ったために、朝廷に献上したと日本書紀に記されているくらいに歴史のあるものです。
そして、聖徳太子が観世音菩薩を作られ夢殿に納められ、聖武天皇の時代に中国から渡ってきたものが蘭奢待(らんじゃたい)だといいます。

沈む木といえば、世界で一番重い木「リグナムバイタ」が思い浮かぶ方もいらっしゃるでしょう。
リグナムバイタも脂分が多く、船の回転摩耗部品であるスクリュウなどに使用されていたほどに耐水性、自己潤滑性による耐摩耗性共にとびぬけた性質を持っている物ですがこちらは沈むことは沈みますが、さすがに沈香にはなりません。
精油成分が違うからでしょう。

沈香の意味する沈む木というのは、確かに水に沈む事も指していて実際に沈むものもあるのですが、水に沈みその流れに洗われている間に木質部が浸食され、香り樹脂の沈着した部分のみが残った事によるものでしょう。
ですので、樹種や沈着の具合によっては水に沈まないものもありますし、沈まなくても良い香りを放つものも多々あり、香りは樹種によっての違いもあるのでしょう。
というのも、樹種で大別すると沈香だけで1000種類、更に高貴な伽羅でも100種類あるそうです。

私も知識のない時は、これは何の木なの?!と感じたのですが、限定して用いるのではなく、沈香においてはその香りによって種類を大別していますので、木材マニアの皆さんは樹種を知りたくなる気持ちをぐっと押さえてご覧ください(笑)。
また、香木についてはここでは木材としての観点からのみお伝えしようと思います。「香道」までに及ぶ、壮大な世界はとても私では語れるようなものではありませんので、「香」に興味のある方は専門書を紐解いてくださいね。

それでは早速紹介。

沈香 1














これが、沈香です。
置いているのは胡桃(くるみ・ウォールナット)130幅一枚物フローリングの上ですから、大体の大きさがわかるでしょうか?!
手に取るとこんな感じです。

沈香 3














無知な人間では、誤ってゴミとして処理されそうな位、「なんじゃこれ?!」なサイズですが、立派な沈香木です。
ね、全然材木というか、木ではないでしょう。
こんな木片の何がいいのか?!!普通はそう思います。ですが、普通でない「木の虫」戸田材木店戸田昌志にとっては、とてもお宝なのです。

先に沈香は樹脂の塊の様なものですと書きましたが、やはり樹脂の多いものは良く香ります。
文献には、沈香の中で焚かずとも香るものを伽羅、焚いて香るものを沈香と区別している物もあるくらいに、香りの違いがあります。
何らかの要因で原木に菌が寄生し、その部分に樹脂を分泌し、沈着し熟成したものが伽羅になるとも言われますし、先にも書いたように、沈香も最初から沈む木ではないのです。
沈香の原木となるものは、正常な状態だと主に比重0.4近辺の木材ですから、桧とほぼ同じくらいの密度の木材です。
それが、傷ついた部分などの防腐作用としてのバクテリアの作用によって樹脂が分泌され、それが大きくなると木は枯死してしまい倒木する。
それが永い年月で浸食し樹脂の部分のみ残ったものが沈香木になるのです。
だから、沈むというのが、必ずしも沈む木を指すのではないことがわかると思います。
因みに白檀はインドマイソールをはじめ、インドネシアやオーストラリアやニュージーランド、ハワイやスラウェシに産しビャクダン科の木(sandal wood)ですが、決定的な違いは寄生樹であることです。
根から寄生して大きくなるものなので、通常想像するような「木」のイメージとは少し違う樹木が原木となります。


そして話はもどり沈香ですが、そこには香りを予感させる樹脂が見えるものもあります。

沈香 2














これも細長く、なんか切れっぱし、というようなものですがこれがまた良い香りがするのですよ。
この沈香のを拡大してみると少し光る部分が見えます。

沈香 4














写真ではわかりづらいですが、丸くなっている先端部分から私の指にかけてが
「キラッ」と光っています。
昔は石炭のことを「黒ダイヤ」と呼んだりしていた歌がありましたが、まさしくその様相。なんといっても、価値のある「金」と同等から数倍くらいの値段のつくものもありますから、これはもう白金ならぬ「黒金」ですね。
それくらい高価なものです。

脱線してしまいましたがなるほど、黒光りした部分はとても香りが強く感じます。
当然そうですね。
普通は白檀にせよ沈香にせよ、粉末すら練り物などにして線香などに使用するくらいですから、こんなに沈着していると香りも強い事が想像できると思います。

沈香の名前は聞いた事があるけど実物を見た事が無いという場合も多いと思います。
また、粉末やお香用の小さくカットされている物しか知らない、という事が普通ですが、沈香も元々は「木」ということを見ていただけると思います。
貴重な沈香木の塊。
一般的には早々見る事が無いのではないでしょうか。
白檀をお求め頂いたお客様も、白檀その物を見た事が無いので木のままの塊が欲しいとおっしゃってご来店いただく事が殆どですので、この沈香木もまた然り。
気分を沈める時や、落ち着いたひと時の為にとっておくのもよいでしょう。
そのままの状態でキーホルダーや根付けとして携帯して、持ち歩ける香木と言いのもいいと思います。
粉末や切り材とは違う、木としての沈香の神秘を感じていただけると思います。
ご入り用の場合はご相談ください。

木という植物の材料という観点とは違った素晴らしさを見ていただけることと思います。



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