流石にいい香り 天然木曽桧 柾目幅接ぎカウンター
私の性格上、木のものはなるべく手を加えず一枚一本のままの方が良いと思うのですが、デザインが優れていたり一枚一本ではなし得ないような物をつくる事が出来たりという場合があるので、固定観念にとらわれていると良いものを見逃すことがありますね。
今回ご注文いただいたこれもその中の一つでしょう。
これくらいの幅で柾目板というのは先ず切り出すことは難しいでしょうから・・・・
天然木曽桧柾目幅接ぎ天板です。

実物の幅は60cmあります。
これは、数本の柾目板を幅方向につなぎ合わせて接着しているものですが、柾目なのでつなぎ目もわかりにくい事もあり、柾目という綺麗な木の目の流れを楽しむ事ができます。
桧の中の桧である木曽桧の柾目ですから何しろ年輪の目が細かい。
見てください。

糸を並べているかのような細さ。
これが木曽桧柾目の真骨頂です。
木曽桧については、金具不使用木曽桧木製名刺ケースのところや関連の記事にて触れていますが、同じ「木曽桧」という名前でも天然林のものと人工林のものがあることはしられているのでしょうか?
正確には、木曽桧も「人の手が入っていない天然林」というわけではなく、人の手が入って現在に残っている天然林、といった方がいいのかもしれません。
現在に残っていると言っても、聳え立つような大径木や数千年という高樹齢木があるわけではありません。
そのあたりは、日本の社寺建築を見てもわかる様に、自国の大型木造建造物を建てるのに、森林率世界3位(国土に占める森林の割合)の国が、諸外国から大木を輸入しないといけないというところに如実に表れているところです。
今まで有用な大木や高樹齢木を伐り尽くしてきたことと、反面それだけ日本人は木を利用してきた証だとは思うのですが、このあたりは、森林や木材林業にとってのこの先当面の大きな課題であります。
えらく脱線しかけました・・・
つまりは、たんなる「桧」というわけではなく、本物の天然木曽桧の柾目を使って製作しているという点が大きく異なるところで、それは材面からも伝わってくるのですが、視覚的に柾目の美しさを楽しめるという点以外に、天然木曽桧の良さは香りに現れます。
梱包の封を解いた瞬間に、これぞ木曽桧!という香りが放たれます。
人間は、様々なものを触角や嗅覚、視覚などといった感覚でとらえます。
もし、そこに塗料で塗り固めたベニヤ板と無塗装の天然木曽桧の天板が並べてあれば、その手触りや木目、香りといった点で殆どの方が木曽桧の天板を選ぶでしょう。
実際にイベントなどにおいても、その傾向は明らかに見られます。
しかしそこに、価格という要因が加わってくると話が変わってきます。
感覚で選ぶという概念は一気になくなり、価格の数字だけが判断材料になってしまう事もあります。
もちろん価格は重要な判断材料。ですが、それは永く使う自分の感覚を無視しても勝るものなのだろうか、と思いますし、本来用途は同じでも素材が違えば比較すること自体があまり意味のない事ですから、自分が良いと思ったものを使うことをお勧めしたいと思います。
ビニールに木目を印刷したものは10年もすれば剥がれてきます。
塗ったペンキはポロポロと落ちてきます。
大切に使おうと思っても、そこで寿命がきてしまいます。
それよりも、最初から愛着を持って大切に永く使えるものを選びたい、私はそう思います。
木材はもちろんそれに合致した素材。
親から子、子から孫へ受け継ぐことのできる素材です。
本来の素材の良さを活かして喜んでいただけるような木材をお届けできるように、まだまだ紹介していくものがたくさんあります。
良いと思うけども・・・・ではなく、いいものを使いたい、という想いを実現するためにどんどんと木材を広めていく使命はまた今日からも続くのです。
天然木曽桧柾目幅接ぎ天板はこちらから(節あり板目もあり)
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ご注意:天然木曽桧は樹脂を多く含む樹種です。部位によってはその樹脂が表面にしみでる事もあります。
そのため、板の上に物を重ねておいたり建てかけたままの保管、などにより樹脂が滲みますが、水分と一緒に油を抜き取るような乾燥工程は行っておりませんゆえの事ですので、あらかじめご了承くださいませ。
またご紹介出来ていない天然木曽桧節あり無垢フローリングと節あり無垢羽目板もございます。
近いうちに御紹介いたしますので、乞うご期待です。