2025年06月11日
ARが欲しいと初めて思う、、、〜川棚のクスの森〜
先日まで、木材コーディネーターの研修会の様子をお伝えしましたが、ものすごく圧縮していたので、本当はもっとお伝えするべきところが多くある（たたらで使い過ぎた？！）ものの、実は最後にもう一つ大きな目的があったことを、今回は公言しての参加でした。
それはもちろん、その土地で有名な巨樹を訪ねること。
山口県は初めてではないものの、なかなかお目当てとする巨樹にいくことができない日々が続いていました。
今回こそは必ず！、という意気込みで研修会散会の後に、目的地を目指したのでした。
研修会の散会は15時半。
普通なら、そこから帰阪してもおよそ4時間かかります。
翌日はもちろん仕事。
なのに、散会場所から更に1時間かけて大阪とは逆方向（つまり遠くなる・・・）に向かうのです。
このような行程は、初夏以降だからできること。
冬や春では、到着時間が16時半過ぎだとすぐに日暮れで撮影できませんからね。
予定時刻に到着した現地には、先客の車が数台。
公園でもなければ観光名所でもない（？）所の夕方に、複数台の車があるほど来訪者が居る場所。
それが有名な「川棚のクスの森」。
様々な巨樹の書籍にも、ネット情報にも多く登場する山口県の巨樹代表格。
いつかはいつかはと思いながらもチャンスが無く、漸くの訪問に胸が踊ります。
駐車場に車を停め、案内板を見ながらゆっくりと歩をすすめます。
目指すクスは駐車場より高い位置にあります。
駐車場からはうっそうと茂る「森」が見えているのみ・・・
階段を少しづつ登っていくと、視界が開けてお社が見えます。
広場の様になっていることにあっけにとられそうですが、クスは振り返った左手にいました。
巨樹書籍やネット記事で見ていた、あの雄大な姿がそこにある！
そう思って階段を上ると拍子抜けという感じでここからでは、どの様な姿かは確認しづらいものの、先の案内板に「飛び枝」という文字を見ていたので、なるほどな・・・という独り納得。
この角度では、普通にクスが一本茂っている奥にお目当ての巨樹があるという状況は想像できると思いますが、詳しくない方であれば手前の一本は邪魔に感じるかもしれません。
しかししかし！
これは飛び枝なのですよ。
飛び枝。
飛び梅、というのは太宰府天満宮に所在し伝説として語られていますが、こちらはそんなに遠くに飛んだのではなく、本体から離れているという意味でしょうね。
つまりは、巨樹本体の大枝が一旦地面に着地し、そこから根をはり別の個体のように伸長していく。
つまりは伏条更新の状態！
巨樹の伏条更新も稀に見ますが、単なる巨樹写真家さんではなかなか感動しないポイントに感動するのが、巨樹好き材木屋（笑）。
残念ながら、以前は通り事ができたであろう本体と飛び枝の間は、現在入ることができなくなっていますので、伏条更新なのかを確認する術なし・・・
そう思っていたのですが、これは折れた枝が地に付きそこから生長したものだということ。
巨大な挿し木？！
それでもこの状況が示すのは、幹周り数値以上にその姿が美しいという事で、人々を魅了していた川棚のクスの証明の様な気がします。
「していた・・・」だと思うのは、私だけでしょうか・・・
広場に出たときから、若干違和感がありました。
その存在感が、「クスの森」ほどは感じなかったから。
その理由は、正面にまわってみて納得しました。
お賽銭箱が置かれている、正面と思しき場所。
そこからの眺めは、確かに巨樹であり立派。
近づくことができないのが残念なほどに立派です。
しかし、気がつかれたでしょうか。
肝心の？！大枝が殆ど伐りとられているのです（涙）。
もっと早く来ればよかった・・・
こればかりは仕方がない、巡り合わせなのですけれどやはり、非常に残念。
「森」の姿を想像していただけに、残念。
もちろん、クスは悪いわけではなく事情があることは十分承知しているのですが・・・
立ち入り禁止柵の状況をみても、以前は先の飛び枝部分にも近づくことができた様子。
そうすると、いつもの昌志メーターも容易ですし、その迫力は伝わりやすかったことでしょう。
（右端に、ちょこっといるのが担当。）
巨樹として非常に大切に整備され、駐車場も自動販売機完備で広い為、ある意味観光名所の役割も担っているようで、担当が滞在している時間中にもアベック（笑）1組をふくむ6組が訪問。
夕方4時過ぎにですよ。
サマータイムに近いとはいえ、当地の知名度を知ることができますよね。
話は戻って、その来訪者はどのように感じたか。
もしかすると、大枝がなくともその威容と太さに圧倒されたかもしれません。
しかし、担当の勝手な期待ではあの「志々島の大くす」のような、雄大な枝の広がりを想像していた為に、自分勝手な妄想を押し付けるような形になってしまっていました。
あはり、事前情報や視覚情報というものの思い込みや想像は、ものを見る目を非常に大きく左右しますね。
改めて実感。
また、近づくことができないのはいつも通りに根の保護、というよりはおそらく落枝なのかな？！という印象です。
先述のように、遠くから見えた柵は以前はかなり近くまで寄ることができたように見えました。
大枝が殆ど切除されていることを考えても、これほど有名になったクスの樹下に入り、万一にでも落枝により負傷するようなことがあってはならない、という措置なのでしょうけれど、そこが大きく残念でした。
背後の枝は残され、駐車場の方から見る後ろ姿はうっそうとした森そのもの。
しかし、正面からはなんというか、寂しいんです。
個人的見解です。
重ねてになりますが、クスが悪いわけでも行政（？！）の対応が悪いわけでもありません。
仕方ないのですが、立ち入り制限や切除ではない方法はなかったものか・・・
腐れ等ではなさそうな健全な切り口が、なにか訴えかけるようで切ない対面でした。
それが正直な感想ですが、その真相はやはり急激な衰弱にあったようです。
平成末期に多くの枝葉が枯れたそうです。
その為に、周囲の立ち入りを制限し枝の切除に至った様子。
仕方ない事情です。
先の感想は、その事情を考慮しない、正直な現在の印象という事です。
できることなら、雄大な枝ぶりと、そこに近づけたときの感覚を最新のARやVRで体験できれば・・・と思ってしまったのでした。
地元の方々のご尽力で、先々にはまた元気な姿を取り戻すことと期待しているのですが、担当の現時点の正直な訪問記。
現在が嘘のように、旺盛な樹勢で森の再現！となってくれる日を心待ちにしているとともに、次代にその姿を残していってほしい。
そう、見守っていてほしいのです。
そう願って止まない、山口の誇る名樹訪問記です。
川棚のクスの森所在地
山口県下関市豊浦町大字川棚
駐車場完備！
緯度：34.1705810
経度：130.9586003
・弊社へのお問い合わせはこちらから
・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ
＊2019年以前のリンク表示をクリックしても過去リンク記事が見られない場合は、こちらの手順でお願いをいたします。
＊消費税10％への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。（ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。）
木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。
・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧
http://muku-mokuzai.livedoor.biz/archives/1611916.html
・戸田材木店・セルバのホームページ
http://selva-mukumokuzai.jp
・無垢材と樹木が大好きな材木屋が配信する、きのむしラジオ | Podcast on Spotify
https://open.spotify.com/show/6HBMrFR3UFHaNLNfgdFE8l?si=ff6525ab5d0f464a
それはもちろん、その土地で有名な巨樹を訪ねること。
山口県は初めてではないものの、なかなかお目当てとする巨樹にいくことができない日々が続いていました。
今回こそは必ず！、という意気込みで研修会散会の後に、目的地を目指したのでした。
研修会の散会は15時半。
普通なら、そこから帰阪してもおよそ4時間かかります。
翌日はもちろん仕事。
なのに、散会場所から更に1時間かけて大阪とは逆方向（つまり遠くなる・・・）に向かうのです。
このような行程は、初夏以降だからできること。
冬や春では、到着時間が16時半過ぎだとすぐに日暮れで撮影できませんからね。
予定時刻に到着した現地には、先客の車が数台。
公園でもなければ観光名所でもない（？）所の夕方に、複数台の車があるほど来訪者が居る場所。
それが有名な「川棚のクスの森」。
様々な巨樹の書籍にも、ネット情報にも多く登場する山口県の巨樹代表格。
いつかはいつかはと思いながらもチャンスが無く、漸くの訪問に胸が踊ります。
駐車場に車を停め、案内板を見ながらゆっくりと歩をすすめます。
目指すクスは駐車場より高い位置にあります。
駐車場からはうっそうと茂る「森」が見えているのみ・・・
階段を少しづつ登っていくと、視界が開けてお社が見えます。
広場の様になっていることにあっけにとられそうですが、クスは振り返った左手にいました。
巨樹書籍やネット記事で見ていた、あの雄大な姿がそこにある！
そう思って階段を上ると拍子抜けという感じでここからでは、どの様な姿かは確認しづらいものの、先の案内板に「飛び枝」という文字を見ていたので、なるほどな・・・という独り納得。
この角度では、普通にクスが一本茂っている奥にお目当ての巨樹があるという状況は想像できると思いますが、詳しくない方であれば手前の一本は邪魔に感じるかもしれません。
しかししかし！
これは飛び枝なのですよ。
飛び枝。
飛び梅、というのは太宰府天満宮に所在し伝説として語られていますが、こちらはそんなに遠くに飛んだのではなく、本体から離れているという意味でしょうね。
つまりは、巨樹本体の大枝が一旦地面に着地し、そこから根をはり別の個体のように伸長していく。
つまりは伏条更新の状態！
巨樹の伏条更新も稀に見ますが、単なる巨樹写真家さんではなかなか感動しないポイントに感動するのが、巨樹好き材木屋（笑）。
残念ながら、以前は通り事ができたであろう本体と飛び枝の間は、現在入ることができなくなっていますので、伏条更新なのかを確認する術なし・・・
そう思っていたのですが、これは折れた枝が地に付きそこから生長したものだということ。
巨大な挿し木？！
それでもこの状況が示すのは、幹周り数値以上にその姿が美しいという事で、人々を魅了していた川棚のクスの証明の様な気がします。
「していた・・・」だと思うのは、私だけでしょうか・・・
広場に出たときから、若干違和感がありました。
その存在感が、「クスの森」ほどは感じなかったから。
その理由は、正面にまわってみて納得しました。
お賽銭箱が置かれている、正面と思しき場所。
そこからの眺めは、確かに巨樹であり立派。
近づくことができないのが残念なほどに立派です。
しかし、気がつかれたでしょうか。
肝心の？！大枝が殆ど伐りとられているのです（涙）。
もっと早く来ればよかった・・・
こればかりは仕方がない、巡り合わせなのですけれどやはり、非常に残念。
「森」の姿を想像していただけに、残念。
もちろん、クスは悪いわけではなく事情があることは十分承知しているのですが・・・
立ち入り禁止柵の状況をみても、以前は先の飛び枝部分にも近づくことができた様子。
そうすると、いつもの昌志メーターも容易ですし、その迫力は伝わりやすかったことでしょう。
（右端に、ちょこっといるのが担当。）
巨樹として非常に大切に整備され、駐車場も自動販売機完備で広い為、ある意味観光名所の役割も担っているようで、担当が滞在している時間中にもアベック（笑）1組をふくむ6組が訪問。
夕方4時過ぎにですよ。
サマータイムに近いとはいえ、当地の知名度を知ることができますよね。
話は戻って、その来訪者はどのように感じたか。
もしかすると、大枝がなくともその威容と太さに圧倒されたかもしれません。
しかし、担当の勝手な期待ではあの「志々島の大くす」のような、雄大な枝の広がりを想像していた為に、自分勝手な妄想を押し付けるような形になってしまっていました。
あはり、事前情報や視覚情報というものの思い込みや想像は、ものを見る目を非常に大きく左右しますね。
改めて実感。
また、近づくことができないのはいつも通りに根の保護、というよりはおそらく落枝なのかな？！という印象です。
先述のように、遠くから見えた柵は以前はかなり近くまで寄ることができたように見えました。
大枝が殆ど切除されていることを考えても、これほど有名になったクスの樹下に入り、万一にでも落枝により負傷するようなことがあってはならない、という措置なのでしょうけれど、そこが大きく残念でした。
背後の枝は残され、駐車場の方から見る後ろ姿はうっそうとした森そのもの。
しかし、正面からはなんというか、寂しいんです。
個人的見解です。
重ねてになりますが、クスが悪いわけでも行政（？！）の対応が悪いわけでもありません。
仕方ないのですが、立ち入り制限や切除ではない方法はなかったものか・・・
腐れ等ではなさそうな健全な切り口が、なにか訴えかけるようで切ない対面でした。
それが正直な感想ですが、その真相はやはり急激な衰弱にあったようです。
平成末期に多くの枝葉が枯れたそうです。
その為に、周囲の立ち入りを制限し枝の切除に至った様子。
仕方ない事情です。
先の感想は、その事情を考慮しない、正直な現在の印象という事です。
できることなら、雄大な枝ぶりと、そこに近づけたときの感覚を最新のARやVRで体験できれば・・・と思ってしまったのでした。
地元の方々のご尽力で、先々にはまた元気な姿を取り戻すことと期待しているのですが、担当の現時点の正直な訪問記。
現在が嘘のように、旺盛な樹勢で森の再現！となってくれる日を心待ちにしているとともに、次代にその姿を残していってほしい。
そう、見守っていてほしいのです。
そう願って止まない、山口の誇る名樹訪問記です。
川棚のクスの森所在地
山口県下関市豊浦町大字川棚
駐車場完備！
緯度：34.1705810
経度：130.9586003
・弊社へのお問い合わせはこちらから
・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ
＊2019年以前のリンク表示をクリックしても過去リンク記事が見られない場合は、こちらの手順でお願いをいたします。
＊消費税10％への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。（ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。）
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muku_mokuzai
