本物の無垢木材　～茨木市戸田材木店・セルバの木の虫ブログ～:一枚物

一枚物

2025年08月21日

ブラックで居られない、ブラックウォールナット

改めてお伝えする意味。
それは、一度ではすべての人に伝えられないから。

いいや、何度やっても伝わることはないのが、零細材木屋の発信力不足。
なので、何度でも言います（笑）。

もちろん、本編でもお伝えしていることですが必ずお伝えしないといけないこと。
それは、「ブラックウォールナットはブラックではいられない」ということです。

写真は新品時のブラックウォールナット。
日光の具合で少し明るく見えていますが、これぞブラックウォールナット！！という本物のブラックウォールナットです。

そうそう、昔はウォールナットといってウォールナットではない、○○ウォールナットとか、●×ナットとかいうのが公然とはびこっていたような・・・
それが本当に嫌で、購入した人の公開の言葉も幾度も聞いてきて、ブログできちんと伝えようと思ったことも、記事を始めたきっかけだったんですよね・・・
その様子がわかる懐かしい記事も・・・

基、写真のブラックウォールナット。
無垢フローリングの時も、カウンターなどの時も必ず必要な情報が褪色です。

はい、この黒っぽい落ち着いた色合いが「無くなり」ます。
見事に・・・

わかりますか？

もう、茶色と言えるのかどうかもわからないくらいの薄茶。
これは、冬季の2か月南側の窓辺で陽光にさらしたものです。

たった2か月、と思うべからず。
2か月経過前に、すでに大変な変色が始まり、もう十分だろうというところで取り出したのですが、期待通りの仕上がり（笑）。

ショールームの説明用材に内定なわけですが、この現象が実際の施工現場でも起こるということを理解してもらいたいのです。
ブラックウォールナットは、ほかの樹種以上にその希少な色合いを求めてのご依頼が多い樹種。
それにこの現象です。

想像してください。
明るい日差しのリビング。
夢のマイホーム（古っ！）

頑張って採用したブラックウォールナットが、ブラックではなくなっていく・・・

これはオイル塗装を施しても防ぐことはできません。
唯一はやはりカーテンなど、有効に日射を防ぐこととです。

ブラックウォールナットを採用検討のお客様は、必ず陽光を遮ることを念頭に計画されることをおすすめします。

ブラックウォールナット幅広無垢一枚物フローリングはこちらから
ブラックウォールナット幅広無垢つなぎ目V溝フローリングはこちらから

ブラックウォールナット無垢フローリングの施工写真は以下から！

・ブラックウォールナット定乱尺フローリング施工店舗写真はこちらをご覧下さい。
・ブラックウォールナット定乱尺フローリング施工店舗の4年後の姿はこちらから
・ブラックウォールナット幅広無垢定乱尺フローリング、オイル塗装の施工写真はこちらから
・ブラックウォールナット幅広無垢一枚物フローリング、古民家カフェの施工写真はこちらから
・ブラックウォールナット幅広無垢一枚物フローリング・つなぎ目V溝フローリング、建築士さんのおうち施工写真はこちらから
・ブラックウォールナット幅広無垢つなぎ目V溝フローリング、安らぎのクリニックの施工写真はこちらから

＊ブラックウォールナット材の注意点

・無塗装品でも、木目や材の特徴を活かすため、最小限の色調整を施している場合があります。
・プルミエグレードでも軽微な節影や、特有の黒っぽい筋を含むものがあります。
・白太と赤身のばらつきのある樹種です。無垢の趣ととらえてください。
・ブラックウォールナットの白太も、キクイムシ類の食害をうけることがありますので、グレードご検討の際には、ご注意をくださいませ。
・無垢の木材として、日射の影響で退色変化が必ず起こります。特に西日のきついところや、一日の日照時間が長い場所などには早い時期に現れることがありますので、製品初期の色合いより変化しますことを了承ください。
これも、木材の特徴の一つです。

・弊社へのお問い合わせはこちらから
・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ

＊2019年以前のリンク表示をクリックしても過去リンク記事が見られない場合は、こちらの手順でお願いをいたします。
＊消費税10％への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。（ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。）

木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧　
http://muku-mokuzai.livedoor.biz/archives/1611916.html

・戸田材木店・セルバのホームページ
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・戸田材木店・セルバの instagram
@toda.zaimokuten

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2025年08月18日

高樹齢！天然乾燥百年杉柾無垢一枚物/UNI浮造りフローリングの規格を一部変更致します

わかる人にはわかる、とっても特殊な素材。

視覚的にも、そして空気感を感じる嗅覚的な部分や、もちろん触覚的にも大きな違いがある無垢フローリング、百年杉柾浮造り無垢フローリング。

柾目の外観は「1/fゆらぎ」の心地よさを、天然乾燥による杉本来の香りは心の落ち着きを、そして触れるその材面からは適度に安らぐ浮造りの肌触りを。

一部のこだわりのお客さまに使って頂いている、特殊なフローリングですが今回、若干の規格変更を致します。

その特性に変更はもちろんありません。
寸法的な仕様変更のご連絡で、いままでは長さが針葉樹材特有の1900mmでしたが、8月以降のご注文分に関しては長さが広葉樹フローリングと同じ、1820mmに統一となります。

そのため、一般的に多くご注文を頂いていましたUNIタイプ品に関しては、今までは長さに対して3枚つなぎが多かったのですが、以降はほぼ2枚つなぎになり、より長いピースで柾目を感じてもらえるようになります。

この木取りの変更により、一枚物も継続して販売しますが、基本受注生産に以降しますので、納期を頂く形になります。
もちろｎ、UNI品の外観の向上とともに、今まで通りの天然乾燥は継続しますので、他にはない天然乾燥の杉材の、さらに柾目材のフローリングという特殊性には変わりありません。

どうぞ以降も変わらず、天然乾燥百年杉柾浮造りフローリングを、宜しくお願いします！！

・高樹齢！百年杉柾浮造り一枚物フローリングはこちらから
・高樹齢！百年杉柾浮造り一枚物フローリング日本家屋の縁側改修へ、一枚物施工例はこちらから
・高樹齢！百年杉柾浮造り一枚物フローリング UNIタイプ、書斎への施工例はこちらから
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・高樹齢！百年杉柾浮造り一枚物フローリング UNIタイプ、まっすぐなご家族のおうちの天井施工例はこちらから

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2024年10月10日

つかおう！本物の古民家に！！　～日本のひばを玄関ホールへ～

わが街茨木市では、近年多くの住宅の建て替えが進んでいます。
担当の眼にとまるだけかもしれませんが、築60年位の古から80年から100年を超えるだろうという立派な民家まで・・・

中には、戦後の住宅需要の為に細い部材で脆弱そうな建築も見えますが、民家などは今ではこれほどの建築となると、どれほどの予算が必要か・・・否、建築できる大工さん自体が地域には存在しない時代に、これほどの建築を解体廃棄処分するなんて・・・・と心が痛むことしばしば。

その事情は所有者さん特有のものなので、介護が困難なので建て替えるとか、相続で建て替える、若しくは土地ごと売ってしまうこともあるでしょう。
今まで経験したのは、若い世代がハウスメーカーの家に憧れていて、梁が見えていたり寒かったりする家は嫌だ、ということで建て替えというパターンも。

価値観の違いであり、ハウスメーカーのたゆまぬ広告宣伝のイメージによる一種の「憧れ」が生む効果なのかもしれませんが、担当などは「今からつくられないものと、工場で生産出来るもの」のどちらに価値があるかと考えると、結論は・・・・と思ってしまうのですけれど。

少し前の潜水艇の記事の様に、もう技術が途絶えてしまうとつくる事ができないもある世の中。
価値とは何だろう、と考えるのはこういう時ですね。

そう、まさしくこんなおうちが・・・
なのですが、今回の施工写真ご紹介は解体ではなく改修！です。

丸太梁や大きな地松の差し鴨居がドカーンと横たわる、まさに伝統建築の家！
もちろん、石場建て！！

石場建てや伝統建築を語るとまた違う話題になるのですが、要は現在主流の木造住宅の様に木組み優先ではなく金物で緊結し、かためていく方法とはことなる組み付けていく工法。
木の性質を利用する木組みの工法。
といっても、現在では木組みというのもボルトや金物で緊結しておきながらも、木造の場合を木組みと称することがあるので面倒なのですが、現在の工法とは異なるものなのです。

その改修に納品したのですが、最初はこんなに立派だと思わなくて行ってびっくり（汗）。

玄関に入ると迎えてくれるのは、日本のひば。

もう、開け放たれていても微かに香る、あの香り。
ひばの香りです。

太陽光が入っていると、白く見えることと木目がはっきりとはしていないことから、木質感はそんなに感じないのです。
しかし、その香りが脳に木を意識させ、土間に踏み込みじっくりと眺めると、一枚ごとの黄色から乳白などの色差や優しい木目が見え、穏やかな印象の木を感じるのです。

古民家改修や木の家と言うと、どうしてもドーン！と木目や節の表情を出しがちです。
スギはよく似あうと思うものの、どうしても古い部材のどっしりとした雰囲気には負けてしまうのに、木目が妙に目立つことから第一候補としてはあまりお勧めしていません。

そこにきて、この日本のひばの場合はどうでしょう。
もう少し木目があってもいい、と思いますか？

担当はそうではなくて、既存の古い部材の存在感が木造古民家を意識させるのだから、あえて木質感を視覚で出したくないのです。
見事な部材に、新しい材がケンカしないように。

といっても、100年近い年月を過ごしてきた部材たちに寄り添うのですから、やはりそれなりのものが必要。
ということで、日本のひばなのですが、特徴はその香りだけではありません。
植林ではなく、自然の中で天然実生で生長した樹齢100年をゆうに超える原木から産出されるのが、ひばなのです。

先輩木材をひきたてるとともに、さりげなく新しい材も十分な歴史を持っていること。

担当の価値観が採用していただけた例ですし、もちろんケヤキなどの木目のはっきりとした木材を合わせる場合もあります。
そういえば、超幅広のミャンマーチークで板材からつくる、という二度とない様な（笑）凄い例もありましたが、今回はこのイメージを採用して頂いて嬉しく思いました。

実際、古い部分をそのまま残しているところとのイメージはどうなのか、と思われるかもしれませんが担当はものすごくいい！と思っています。

古い材はケヤキですが、味が出るとはこういうこと！というのを地で行く風合いに、ひばの美しい白さが似合うと思いませんか？！

上り框は、一部既存再利用もありながら新材にケヤキも活用頂いています。

そのケヤキも、強すぎる色目のものではなく且つ、木目も激しくないものをチョイスし大きく見えすぎないサイズに。
と言いながら、驚いたのは古い框。

なんと、天面が板目！
ということは正面が柾目・・・・・！

えぇ～！！
新材の主張が強くなくてよかった。完全に負けるもの。
框材のセオリーとは全く異なる、貴重な平柾目って・・・
それだけ幅の広い材から採られているという証拠です。驚きました。
流石は古民家。

普通の住宅では考えられない仕上がりですが、その玄関スペース（広い・・・）に使っていただいた日本のひばは、十分に仕事を果たしていると思いますがいかがでしょう。

オイル塗装も無しで使っていただいているので、香りがいい！
そう、先にお伝えするべきでしたが関西で「ひば」といえば想像するのはほぼ、「米ヒバ」。
輸入材であり、色が似ている（といっても濃いけれど）ことと香りが強い（かなり強い）ことから、米松と同じように、日本にある有名樹種の名を冠したものですが、それとは全く異なります。

もちろん、担当は米ヒバも好きで在庫もあり、屋根材などへ使ってもらった記事も書いています。

しかし、今回のものは日本のひば。
天然実生の青森ひばです。

その違いを、日本のひばに親しみのうすい関西だからこそアピールしたい。
そしてそれが古民家改修に使ってもらえたことと、その完成イメージを見て頂きたく施工記事としました。
色濃くなくても節が無くても、古民家にはマッチすることが分かっていただけましたか？！

古民家改修は、ひばだけではなく実は、スギも使ってもらっているんです。

え？！
さっき、スギじゃなくてひばが合う！といってたじゃぁないの？！と思われるでしょうけれど・・・

その様子、次回おとどけしますよ！

・日本のひば、青森ひば無垢一枚物フローリング・羽目板の記事はこちらから
・日本のひば、青森ひば無垢一枚物フローリング、和室縁側への希望の記事はこちらから
・日本のひば、青森ひば無垢一枚物羽目板、清涼感のある無機質との融合オフィスの施工記事はこちらから

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2024年09月22日

作業ではなく、手仕事ができる大工さんが建てる終の棲家 ④

さぁ、やっとのことで2階に到達（笑）。

見どころが多すぎて、写真撮影も既に2時間を経過・・・
そんな時間を掛けながら撮影するのは、へたくそであることが一番なのですけど、それ以上に細かな部分を見たいことと時間により見え方の変わる無垢材の魅力があるから、なんですよ。

木曽桧の階段を上がると見えてくるのは、大和桧の無垢フローリング。

こちらも、階段と同じく節有ですが先日の通り、ヒノキの節有材は補修なしには成立しませんので、抜けてしまった節には別の節で埋め木をするという補修方法を取っています。

また、大和桧は標準で150mm幅という幅広サイズ！
十分にヒノキの木目を楽しめるところが、階段部分からのつながりを自然に演出しています。

各部屋に入るドアももちろんすべて木材で製作されているのですが、ドアはもちろん節なしですので良いバランスです。

また、弊社が数あるヒノキのフローリングの中で大和桧をおすすめする理由は、その仕上げです。

一般的に、ヒノキやスギの無垢フローリングはサンダー仕上げという、サンドぺ―パーで仕上げられます。
コスト、そして塗装の下地としてちょうどよいという理由もあります。

しかし、そこをわざわざモルダー仕上としています。
モルダーとは刃物のある機械ですが、一般的には形状加工で使用される機会です。
それを表演仕上にも用いているのは、サンドペーパーでは得られない質感のため。

実物でなければわかりませんが、その違いは歴然。
石山赤松程ではありませんが、表面の艶と輝き、そしてヒノキ樹脂の質感はこの仕上のもたらすもの。

それは、先日の「加工の差は、見えない価格の差」の記事でもお伝えしたように、経年変化後の風合いにも非常に大きな影響を与えるものなのです。

写真の下方、少し艶っぽく光っているのがわかるでしょうか・・・

現地ではしっかりと視認できるのですが、担当のこだわる素材の差はこの仕上の差です。
言われなければわからない。

でも、ずっと住み続けるならばいいものをお届けしたい。
知っている限りの良いものを。価格の範囲内でのベストと、それ以外の選択肢も含め。

だから、弊社は大和桧をおすすめします。

そこを理解してくれるのも、大工さんの懐の深さ。
今回は本当にその理解もあり、提案材が採用され綺麗に納めてくださいました。

本当に感謝。

また、手を抜かない気を抜かないのは、殆ど気にされないであろう高い天井にも。

一部の天井は吹抜け化粧天井となり、素材がそのまま現しになっています。
そこにも、同じくモルダー仕上をされた高樹齢杉の野地板があります。

節有ですが、定番の埋め節フローリングや古希杉の原板のうちで、節の大きすぎるものや色合いの不釣り合いなものなど、フローリングには適さないものを使用しているのですが、それでも加工は妥協していません。

きちんと埋め節補修され、その上フローリングと同じく丁寧なモルダー加工で、スギの艶がピカピカと。

大工さんの仕事を活かすのも素材、素材を活かすのも大工さん。
その関係のなかで、材木屋ができるベストを提案する。

色々とご相談いただき、考える余地があり楽しめるからこそできる提案のおうち。

手間のかかることが多くなり、本来であればそこまでする必要のないことまでをやり遂げ、細部まで美しく仕上げる大工仕事。
自身の時間を惜しむことなく注ぎ込み、お施主様の終の棲家にかける想い。

建築に関わっていると、続く仕事のうちの一つに埋もれてしまいがちな日々の仕事。
そこに陥らずに、全力を尽くしていく大工さんを応援したい。

そして、少しでもその時間の価値を、お施主様にも共有してもらい時間の対価となる価値を大工さんにお支払いいただく。

普通は嫌がりますよ、こんな仕事。

端っこで節が欠ける。

使えないとされるところを、丁寧に補修されています。
これにかける時間が多数ある。
それだけでも、手間と時間分の費用が掛かるのです。

決して高価なものではありません。
いや、本来は高価な大工さんの時間ですから、それを費やしてくれる大工さんには多大でなくてもいいので、本来の価値を一緒に理解し契約金額＋その価値に値する何かを届けてほしいと思うのです。

もちろん、エクストラの費用なのかもしれませんし、もしかすると感謝の気持ちのしるしや言葉かもしれません。

それらが、次の手仕事に繋がりそして、次の木々を活かす仕事につながるのです。
大工さんと材木屋だけが主役ではなく、施主さんと一緒になって森林も巻き込んでこその木造住宅であり、自然素材の家。

そんな家づくりのできる大工さんが頑張れる業界であるように。
今日もそんな想いを伝えるべく、この施工記事をしたためていたのです・・・・・・・

・高樹齢杉！純白無節浮造り（うづくり）羽目板の記事はこちらから
・高樹齢杉！純白無節浮造り（うづくり）羽目板、板屋楓セレクショングレードとの白の競演の記事はこちらから
・高樹齢杉！純白無節浮造り（うづくり）羽目板、石山赤松と和室改修の施工記事はこちらから
・高樹齢杉！純白無節浮造り（うづくり）羽目板の、石場建て古民家の改修工事施工の記事はこちらから
・高樹齢杉！純白無節白波羽目板、埋め節フローリングとの高樹齢杉共演はこちらから
・伝統工法に使用した、丸太の伐採と馬搬の様子はこちらから

＊今回、大工さんの技術継承と若い職人さんを育てる活動を惜しまず、素材を活かす手仕事の家を建築された、大阪市の仮谷工務店さんのホームページはこちらから！

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2024年09月19日

作業ではなく、手仕事ができる大工さんが建てる終の棲家 ③

まだまだ階段をみていたいのですが、いっこうに進まないので強制的に次へ（汗）。

リビングの天井は、玄関ホールから続く純白浮造り！

間接照明に、純白が映えますね！

無垢材、特に広葉樹では稀な羽目板用途となると、どうしてもスギ材で赤白があり、しかもコストからも節有が多用されるところですが、弊社では天井には節有はおすすめしていません。

頭上の印象が一気に重くなるうえに、少し木質感が強く出すぎるからです。

特に、スギやヒノキではあからさまにログハウス感が出てしまいがちなので、そうならないように他の素材を邪魔しない、純白の無節材をおすすめしているというわけです。

そのうえ、単なる純白ではなくさりげないポイントは浮造り。
丁寧に浮造りされた純白材は、ブラシ跡が目立たないために美しくたなびく雲のような木目を見せてくれるので、空が抜けるような天井の印象を持たせてくれます。

勿論、その艶も見どころの一つ。

実際の現場を見ると分かりますが、本当にすっきりとしているんですよ。
それくらいに違う、純白無節が作る空間。

おすすめの天井材です。

さて、さりげない天井をぬけ次は和室に向かいます。
でも、単なる和室ではありません。
お施主様は、茶道を嗜まれるかた。

そのため、茶道の炉がきられている本格的な和室なんです。
そこで目に留まるのは、床柱。

これも、材木屋のエゴ？提案です。

茶室にふさわしいのかどうかのご意見はあるかも知れませんが、サイズとしては非常に細い70mmの角材。
しかし、そこには得も言われぬ木目が存在するのです。

波紋のようでもあり、揺らぎでもある。
流れる所作を見守るように、ゆらゆらと揺れる木目。

丸太ではなく、敢えて細い角材を用いたうえ、もうこのような材は狙ってはつくられないであろう杢を持ったものを提案しました。
客人の視線が安定する場所にもなるのでは？！と、茶道も知らない半端な材木屋の提案ですが、受け止め活かしてくださった大工さんに感謝。

その素材はというと、驚くなかれの地栂です。

日本のツガの、蟹杢を製材したものです。
蟹杢、とは蟹の甲羅のような木目になる珍しい状態で、マツやツガの高齢木、そして一部の環境で育った広葉樹でも見られる（きのむしラジオのサムネイルがそれ！）稀少な木目です。

弊社の秘蔵っ子で、どのタイミングで使ってもらえるだろうと考えていたところに、今回の茶道のお客様のお話。
その上、木を活かせる大工さんの施工ということで、もうサービス！位の勢いでの提案に喜んでいただけたようです。

もちろん、床柱以外にも造作材は高級な赤杉を用い、竿縁の無垢天井板を配し傾斜天井仕上げとしている凝った造り。

この赤杉の天井無目鴨居のソバ柾目の通りをみても、どのような素材で作られているかがわかるはずです。
気を抜くところがないどころか、全てに全力投球で挑み、想像を超えたモノづくりをする大工さんのおうち。
素材も仕事も見事です。

それでも、やはり和室も重い木質感が無いのは、美しい仕事ぶりからでしょうかね。

建物の外観は、純和風ではありませんので茶道の気配はあまり感じられません。
しかし、建物奥にはこのような和室があり、きっちりと木の素材感が空間に感じられる。

本当は、客人として来られれば一部から覗く外壁に、都会の一室とは違う空間であることを認識する仕掛けがあることは、容易には気が付きません。

それはこの焼杉。

過度にアピールするのではなく、和室からのみ覗く一部の壁のみに使用されたこの焼杉。
一般的に流通する焼杉とは異なります。

これは、三角焼きともいわれる方法で焼かれた、本物の焼杉。
バーナーで工場加工されたものではなく、炎で炭化している焼杉です。

その違いは表面の炭化層。
その炭化層は、防火性や耐朽性に大きく関係しますが、一般流通品に比べて格段に分厚い炭化層を持つこの焼杉は、焼杉本来に性質を有しているもの。

一般品は、コストとその似た見た目を重視します（中には黒色塗装品もある）が、これは本物の焼杉。
質感とともに、家の外壁を永く守る頼れる素材なのです。

もちろん、その質感は非常に奥ゆかしい和室とぴったりです。

外に覗く竹垣と瓦も相まって、大阪市内の住宅地とは思えない雰囲気。

これであれば、落ち着いた茶事になる事ことでしょう。
なんとも贅沢、とここでも口を突いて出てしまいます。

それだけ、素材にもこだわり抜いている証拠。
材木屋の提案する素材を活かし、空間を彩る大工さん。

魅せるだけではない、仕事を隠しながらも確実な仕事を進めていく現場に嬉しさが溢れます。
木を活かす木の家。

木造で自然素材をつかっただけの家ではない、大工さんと材木屋が活きる家。
お施主様のライフスタイルを考えたおうちに活きる個性。

その協業は、2階にも続くんです。

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2024年09月16日

作業ではなく、手仕事ができる大工さんが建てる終の棲家 ②

いざ、玄関をはいるとこれまたさりげない木目が。

これだけ見ると、さりげないとは言えないでしょうか（汗）。

弊社人気の純白浮造り羽目板です。
高樹齢のスギの、貴重な辺材部分のみを厳選し、全て白色のみの羽目板。

それに浮造り仕上げを施しているので、木目が浮き立つとともに木目部分が光るように見えるので、色差が無い落ち着きと木目による鮮やかさを一挙両得！なのです。

その純白浮造りは、この後のリビングにも採用して頂いているのですが、玄関を上がって見えるのは驚きの階段！

何だ、この階段は！

階段も無垢材です、というおうちはたくさんあります。
その中には、建材メーカーさんが出している規格商品を使う場合もあれば、スギの無垢材でつくられているものも多く目にします。

しかし！！！！

今回、大工さんから依頼があったのは「ヒノキの生き節階段」でした。

これ、非常に難しいことがわかる方は、林業か木材に精通されている方ですね。

ヒノキなんて植林材が沢山あるじゃないか！
節なんて、普通にあるしその方が安くできるじゃないか！

そう思っているでしょう？！
全てを覆します（笑）。

先ず、ヒノキの節は抜けたり掛けたり穴になったりしやすく、化粧なうえ靴下などが引っかかる恐れのある床面には、埋め節などの補修をしなければ使うことができないものです。
それは、のちほどのフローリングで分かります。

ですが、今回は大きな節が堂々としているこのヒノキ材を贅沢に用いていることに驚いてください。

赤く燃えるような節。
割れはありますが、その部分には丁寧に割れ補修がされています。
もちろん、大工さんの仕事ですがその前にこのおおきく見事に赤い節は、植林材ではありません。

天然実生の、樹齢250年を数える木曽桧材です！！

現在「伐期をむかえた」といわれる森林は、樹齢何年でしたっけ？！
比較にならない、自然の中で淘汰されながら生きてきた、天然のヒノキ。
その代表格である木曽桧の500mm幅材一枚板から、贅沢に切りだした階段材。

階段は、総木曽桧なんです！
なんとも贅沢ですが、そこまでの指定は無かったんです。
しかし、そこは大工さん応援の材木屋の意地！

他では絶対に出来ない、ヒノキ生き節階段を作ってやる！という気持ちでトライ。
なぜなら、きちんと生き節材の難しさを理解し、仕事をして下さるという安心感があるから、全力でトライできるのです。
贅沢な木取りも無駄にならないと分かるから。

お施主様には、そこまでのこだわりは必要なく、材木屋のエゴかもしれません。
でも、全力を尽くそうとする大工さんに材木屋が全力でサポートしないわけにはいきません。

精一杯の材料で後方支援するのが材木屋の仕事であり、楽しみでもあります。
そう楽しみ。

材料の選別から、難しい木取り。
そしてロスなく仕上がる喜びと、何より木を見ながら製材したりできる楽しさ。

現在の材木屋さんが忘れかけている、材木屋の特権。
十分に味わいました。

その階段には、手摺が必要。
見ましたか、手摺。

ここにも、めちゃいい仕事が・・・

何とも細かな細工。
そして、繊細な部材の寸法を活かす木組み仕事。

美しいです。

木曽桧の清楚なイメージにぴったりの、非常にスリムな手摺。
しかし、実際に触ってみるとかなり細いもののしっかりとしていることに驚き。

素材は、枠材と同じくセンですので硬質感がある事と、しっかりと木組みされていることにより、最小限の部材で成り立っている手摺に安心感を持たせていることには、感心！

流石です。

そしてもちろん、ここにも手仕事の技がありました。

これは、地獄ほぞですねぇ！
がっちりとかみ合っています。

縦の柱を貫通するホゾ。
そのホゾに、色の異なる材が打ち込まれていますよね。

その小さな部材がホゾを押し広げることで、材同士を密着させ圧縮力を持たせて引き抜けないようにする。
手摺がゆすられても、抜けないようにする工夫。
いいですよねぇ！

無駄に、階段を昇降して手摺を撫でたくなるのは、馬鹿な材木屋だからでしょうか・・・・

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木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

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muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

2024年09月13日

作業ではなく、手仕事ができる大工さんが建てる終の棲家 ①

材木屋にとって大事なのは、木を活かしてくれる大工さんと仕事をすること。
そして、楽しくワクワクしながら期待以上のものづくりをすること。

それが、後世に繋がったり残ったりするものであればなおさら頑張れる。
消費ではなく、活かしていく建築を一緒にしていくことが材木屋さんの仕事の一つであり、弊社の目指すところ。

今回ご紹介するのは、本当にそのつないでいくことや活かすことを、そのまま見える化したようなおうちです。
諸事情で、完全に完成する前でしたので完成後がさらに楽しみではあるものの、見切り発車します（笑）
その見切り発車の一番駅は、いきなり伝統工法の屋外スペースから始まります！

まだ完成していなかったため、全貌はお届けできませんが木組みで建てられた屋外スペース用の屋根。
しかも片持ち！

片側にしか柱が無いため、屋根を支える工夫に木組みが活かされています。

そして、なによりその柱は我々が授業も兼ねて山に入り続けている伐採企画の中で伐採した、曲がりヒノキ丸太です。
大径の直材木ではなく、曲がりがあり枝の多いヒノキ。

それでも、平均樹齢が90年以上で年輪密度が細かなヒノキは、活かし方でいかようにもなる非常に良い森のもの。
曲がり木を間伐し活用することで、周囲の大径木を目指す将来木化や広葉樹の生長を促進し、森の遷移を促す。
さらに、この丸太は馬搬実践をしたものです。

馬が運んできてくれた、特別な丸太。
外構が完成すると、ほとんど目立たなくなってしまいますし、木の建物に馴染んでいくのですが今だけは、その特別な存在が光っています。

見た目は分からずとも、きちんと生えていた場所や恰好、そして伐採の様子までがわかる木が街で活かされるというのは、大阪ではほとんどないでしょう。
自分たちが選木し伐採に立ち会い、運び刻み建てる。

これから何十年、ヒノキの樹齢よりも長い年月を生きる建築物として大切にされるはず。

土壁仕様でもちろん、込栓打ち！
工法にこだわりが無ければ関係ないかもしれません。

しかし、この建て方ができる大工さんがこの家を建てたのだ、という安心感が一目で伝わります。
こういった工法ができるということは、手仕事ができるということ。

そして、手仕事が出来るということは構造の力の流れや木の性質を理解し、木を扱えるということ。
工場でつくられたものを組み立てるだけの作業とは、全く異なる仕事ができるということ。

丸太を使うことや込栓にすることが大事ではなく、この仕事が出来るという事実が大事なのです。
先の万博リングの様に、見た目の真似事は意味を成しません。
手仕事ができるからこそ、簡易な仕事も考慮しながら出来る。

その違いが大きく見える、目立たないポイントがここです。

もう、外構スペースからして萌えます。
さて、玄関はと言うと・・・

嫌味の無い木質感。
木が見えているのにすっきりとしている。

そこにあるのは、玄関枠のセン（栓）。

先ほどの木栓ではなくセンという樹種です。
タモのような木目ですが、更に繊細なイメージで、その色調もライトなグレー系を想起します。
木目がはっきりとしているのに、決してバーン！！と主張しないさりげなさ。

以前から担当の一押しだったのですが、どうしてもナラ（オーク）のイメージやタモの手堅さに負けてしまい、なかなか出荷が無かったのですが、今回の大工さんはよろこんで採用して下さいます。

そのイメージを活かせるように。

そう、素材を活かすのはやはり大工さんです。
そのイメージを提供し、材料の特徴を伝えるのは材木屋ですが、その両輪で活かす事ができた時の喜びは、最高です。

そして、玄関口で待っているのはメープル。

針葉樹のフローリングの場合、框に何を使うか迷う方がおられます。
同一樹種であるスギやヒノキを検討される場合もありますが、弊社では針葉樹のフローリングにはメープルやブラックチェリーなどを、イメージによっておすすめしています。

カリンだったり、「奏でる家」のアフリカンマホガニーの様に赤系の樹種も意外とおすすめ。

ヨーロピアンメープルなどを含む多様なメープルは、広葉樹ながらもヒノキなどの白木に良くマッチングし、その上しっかりと硬質な為摩耗を抑制！
框としての役目を十分に果たしてくれます。

もちろん、足触りにおいても針葉樹との違いがあるために、視覚的にはしっくりとくるものの触覚的には違いが判るというものです。

室内がさらに楽しみですが、次回に続きます（笑）。

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muku_mokuzai at 16:28│コメント(0)

2024年08月07日

ナチュラルワインと秀逸な日本酒の棚、そしてワイド一枚物のフローリングの酒屋さん改装！続編じゃなく本編！

いやぁ、店舗工事は楽しい！
昔は、住宅でもどこでも提案できたし、工務店さんも施主さんも材木屋さんに相談してくれたものだけど、近年は図面にスペックインされているものを納める場合が多く、納品は楽しいものが多くても、自身が最初から選定や提案に関わるケースは多くはありません。

そう考えると、フルでご提案してきた店舗工事。
受け入れて頂き、嬉しい限り。

さぁ、今日はやっとのことで見せ場の最後の部分である、無垢フローリングに移ります。
お店の場合は、長尺シートフローリングか予算重視のスギ節有が定番・・・・

それも、酒屋さんの場合はスギ樽のイメージも大きいので、今までもスギの床店舗は多く見てきました。
しかし、今回は担当が最初からご提案している現場ですから、タダモノではないものを貼っていますよ！

この見た目で樹種がわかる方。
凄いです。

特徴的ではありますが、まさか店舗で、しかも180mmという超幅広無垢一枚物で使われているとは夢にも思わないでしょう。
いや、今はやりの挽板フローリングだろう！と思われるのがふつうでしょう。

しかし！これは正真正銘の無垢一枚物！
どうだ！と言いたくなるものです。

写真ではその迫力はなかなか伝わりませんが、180mmというと、一般的な無垢フローリングの倍の幅！
特別仕様の、タモ超幅広無垢一枚物フローリングです！

オイル塗装をしている為に、若干濡れ色になっていることと店舗の照明の反射がありますが、こんな感じです。

貼り方がちょっと独特だと思いませんか？
一般住宅のフローリングではなかなか採用しない、幅狭と180mmの幅広を組み合わせたデザイン貼。

フローリングの貼り方は様々ありますが、以前に「奏でる家」でもご紹介したようなものもあれば（他の施主様も真似られていました！）、このような普通は見かけないイレギュラーなものもあります。

今回の貼り方には理由があって、お店であることとコンクリート土間に直接施工しなければならないこと。
お店であることは、ただ単に幅広を見せればいいということではないこと。
素晴らしいワインや日本酒、焼酎たちが並んでいるのですから、特別な空間に浸ってもらえるように「ふつうでないもの」にしたかったこと。

そして、施工に関しては留め付けるために接着にプラスして、もう一つ留め付けの方法を用意したかった。
もちろん、実もあるのです。

ですが、それだけではなくきっちりと固定する方法として、この幅狭の部分を敢えて作りデザイン貼りとしているのです。
結果的に、狙った以上の貼り上がりが得られましたし、華美ではないものの他には絶対にないフローリング施工となったと思います。

並んでいるワインや日本酒たちも、一般的なものではない一枚物フローリングにひけを取らないもの。
双方がお互いに、ワクワクする空間を演出してくれているようで、本当に素晴らしい店舗になった（おこがましくも・・・）と感じます。

本当に紹介したいのは、もしかしたらお酒の方？！と思ってしまうくらいに、施工中も気になる居並ぶボトルたち。
しかし、もう一つ見てほしいところがあるのですよ。

上の写真の見切り材。

店舗床は、フローリングの分段差がついています。
それを解消する為に、見切りを設けているのですがその見切り材はカシです。

シラカシですが、ここもきちんと理由があります。

酒販店さんは、重い便を動かすために台車を多用されます。
そのため、一般的な木材では台車の使用頻度によっては割れや破損が早まり、多頻度で取り換えが必要になります。
その点、日本産材で最重硬クラスのカシであれば、擦り減りにも荷重にも耐えてくれますので、ここは贅沢に6m分のカシ材見切りを造っています。

もちろん、弊社の15年天然乾燥の在庫材です！

施工の大工さんも、綺麗に角度を取って下さっていて美しい仕上がり。

もともとは、伝統工法用の栓等の用途か、若しくは鉋台用にと考えて大量に在庫していたうちの一つ。
少しづつご要望で出荷していたものの、今回はきちんとその特性を建築用途で活かす事ができました。

環孔材のナラやタモとはまた異なる個性的な木目は、材木屋の自己満足以上の役割を果たし続けてくれることと思っています。

今回は、非常に無垢材にこだわって贅沢に使っていただく事ができました。

そのため、大工さんの加工とともに妥協ない無垢材の空間となり、まず他の店舗に無い仕上がりになったことと思っています。

サンプルでもらっていた、有名店さんらしきお店の棚に比べても遜色ない・・・いや、胸を張ってそれ以上のものだといってもらいたい、そんな仕上がり。
もちろん、その棚に加えてのフローリングと壁材、引き戸ですからどれをとっても一級品！

自画自賛ではなく、本当に自慢してほしい内容です。

少しづつ並び始めたワイン棚には、かの有名なあの人のボトルが・・・

「馬鹿野郎、満足するんじゃねーよ！」

そういわれている様で、もし次回の工事があれば今以上のものを提案したい！と意欲に燃える、有難い無垢材満載の店舗施工工事となった施工報告です！

タグ：: 施工例; 施工写真; 施工後のお宅にお邪魔しました; タモ; アユース; 一枚物; 幅広; 無垢フローリング; 無垢フローリング選び; 清涼なら

muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

2024年08月03日

ナチュラルワインと秀逸な日本酒の棚、そしてワイド一枚物のフローリングの酒屋さん改装！後編

棚の施工だけでもワクワクするのに、ここではさらにワクワクが続きます。

酒屋さんであり、ナチュラルワインもある。
ワインとくれば樽（笑）、ということで壁には日本のナラである清涼なら無垢一枚物羽目板を使いましたよ！！

といっても、壁面が少ないので表情はあまり見えないんですが、それでもワイン棚の隣にオーク（なら）の羽目板があると、もしかするとわかる人にはわかる？！

もちろん、私みたいな顧客が他にもあるはずのお店。
中には、口に出さずとも「おいおい、羽目板ナラやんか！」という方もおられるかも？！とおもっているのですがどうでしょうか？！

本当は、気が付いてくれなくてもよくて、担当が立ち寄ったときに心の中で「隣の人はきっと気付いていない、ここに日本のナラが使われていることを！！！」とニヤニヤしたいだけなんだけれど・・・
しかし無垢材にこだわって壁にも無垢材を！というご要望に、ワインスペースにはナラ！ということで貼らせてもらった部分。

目立たないかもしれない、とは思っていたのですよ。塗装しますから。
と思っていたら追加工事。

バックヤードとの取り合い引き戸を、木で製作！ということに。

というわけで、こちらも日本のナラで、しかも岐阜県某所で産出のナラを贅沢に使って作らせてもらいました。

四方框組、鏡板ももちろん日本のナラ！
引手は通し引手を採用。

同じような印刷化粧シートもあります。
しかし、やっぱり重厚感が違います。

見るからに重たそう（笑）。
実際に重たいのですよ。オール無垢一枚物だから。
念には念を、重量扉用の吊金物を使用し、さらに荷物を持っていても軽く操作できるようにクローザーを付けてあります。

店舗部分とバックヤードを仕切る部分ですが、もしやこの奥に秘蔵コレクションが？！と思わせるにふさわしい立派な存在感を発揮してくれていると思います。
さすが、担当が仕入れた弊社秘蔵っ子！

蛇足になりますが、さらに見てほしいのは鴨居！

でました、虎斑！

言っておきますが、重量用の金物を仕込むことと、外観の貧弱さを感じさせないために敢えて、55mmの木材から削り出した無垢の一本もの！
それも、平面に柾目になる木取なので、側面に虎斑が出ることは珍しいのですが、いい感じに見えるところに出てくれました。

実は、そう大きく主張するつもりはないのですが、扉ってどこか、未知の世界や違う次元につながっていそうでワクワクするじゃないですか。
その想いを、お酒のワンダーランド（笑）でも生み出したく、また立ち並ぶワインたちの存在感にも負けない重鎮のような存在感を期待して製作しました。

開けちゃいけないけど開けたくなる扉！
とりあえず、職権乱用（本当に乱用。笑）・・・で十分開け閉めを堪能させてもらいましたけどね！

なんてことを言ってるうちに、スペースがなくなり、本当は最初にご依頼だったフローリングにたどり着けず・・・
ということで、次回は本編（笑）のフローリング編です。

とにかく楽しい店舗納品工事。
もう少し続きます。

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muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

2024年07月31日

ナチュラルワインと秀逸な日本酒の棚、そしてワイド一枚物のフローリングの酒屋さん改装！前編

担当にとって、目の毒が並ぶ店内・・・（笑）

毎度お世話になっている秀逸な焼酎から、買い占めたくなるナチュラルワインたち、そして夏が悔しくなるくらいに買い控えないといけない日本酒が、ところ狭しと冷蔵庫に納まる店内。
その店内の拡張に伴い、フローリングと無垢の棚材のご依頼を頂き、先日漸く完成しましたので、紹介せずにはいられません。

ご依頼を受けた最初の要件、棚。
それも、無垢材で作りたいとのお話。

そりゃ、得意分野ですから提案もウキウキ。
そこにはワインが並ぶというのですから尚の事。

有難いことに、寸法などは展示のボトルの配置と使い勝手を考慮したうえで、図面としてご提示いただいていたために、非常にスムーズに作業に取り掛かれました。

何より、写真では伝わらないこの棚の奥行き！！
450mmオーバーです！無垢一枚物です！！！

この厚みで無垢一枚物で、奥行450mm以上。
まぁ、興奮しているのは担当くらいですが、テーブル天板などとは異なり、この薄さでこれほどの一枚板を、同一樹種で多く供給する、というのは実はなかなか難しいものなのです！

柾目の部分もあったりする、そのすごさ。
原木直径はゆうに1mオーバーです。

そんな材を供給できたのは、弊社の在庫でこのような用途を想定していたアユース材。
大きな欠点なく（といってもキクイムシの食害はある）加工が楽で、塗装もしやすく何より幅の広く厚みの薄い一枚板が供給できる、数少ない樹種。

今回も、後に出てくるフローリングは目立つものの、棚材の主役は並ぶワインたち。
なので、主張する必要はないのです。
しかし、店主さんの「無垢材で！」のご希望に、アユースしかない！と言うことでご提案したもの。

背板は見えなくなるうえに、転倒や揺れを心配されていたことからラワン合板としましたが、その木目ともよく合う上に、細かな部材も同一材料ですので雰囲気もばっちり！

とっても落ち着いた棚になりました。

本当に頼りになるアユース材。
価格的にも優等生だったものの、やはり近年は高騰気味。
とはいえ、まだ入手できる有難さがあります。

今回の様に幅はぎ無しの一枚物の良さを活かせる用途に、今後も提案していきたい樹種がアユースです。
そして、棚だけではなく、今回はフローリングと壁面のパネリング、そして追加で出てきた無垢材建具も供給することに・・・・・

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2024年06月03日

ピュアラーチ（TENKARA・カラマツ）幅広無垢一枚物”柾目”フローリング

たまに聞かれること、あります。

マツの縁甲板、ないか？！と。
その場合の縁甲板とは、柾目がまっすぐに通った4mほどの脂ののったフローリングのこと。
聞かれる場面も、古い和風建築の改修現場。

しかし、残念ながら現在では、昔のような木目と色合いの揃った柾目をまとまって供給することはほぼ不可能・・・

そりゃ、天下の柾目優等生である米栂（ベイツガ、或いは米モミ）ですら、激しい価格高騰で建築需要から離れようとしている昨今。
地松はもとより、中国松ですらもう柾目材を木材として潤沢に供給することはできません（原木伐採、輸出ともにしないなどの理由もあり）。

どんどんと、柾目材が基調になりつつある昨今ですが、弊社は安定的に百年杉柾フローリングを製作していますし、正柾目とは言えませんが広葉樹の柾目木取りである、清涼たも幅広無垢一枚物柾目フローリングも少量ながら供給させて頂いています。

それでも、やはり和風建築の玄関などには重厚なマツの雰囲気が望まれるのです。
そんな時、提案しているのがピュアラーチ（TENKARA・カラマツ）幅広無垢一枚物柾目フローリング！

いつもながらに、いやいつも以上に柾目が写真から認識できません（汗）。

それだけ、年輪幅が細かく均一で高樹齢木からの製品だということを、知っていただけると思います。
ピュアラーチの板目フローリングでお話している通り、カラマツはマツ科ではあるもののカラマツ属ということで、地松と呼ばれる赤松や黒松とは風合いは異なります。

しかし、赤松や黒松とは異なる「黄金色」とも形容される美しい色合いと、天然生ならではの整った木目は、他の樹種では得られない大きな特徴だと思います。

実は、玄関スペースに使っていただいた施工写真は既に以前に公開していますので、是非そちらを参照頂きたいのですが、その際のご要望は針葉樹だけれど柔らかすぎないこと、でした。

無垢のフローリングの上を、車いすが通るからです。

そのご要望に、自身をもってご紹介したのがこのピュアラーチの柾目フローリング。
もちろん、傷がつかないということではありませんし、ご要望もそういうたぐいのものではありません。
樹種の個性を理解したうえで、スギやヒノキではない選択肢はないか？！という意味でのご要望。

文献の中には、カラマツは生長が早いためにスギと同じように晩材部分が大きく、「その部分は」硬質であるという旨の記述を見かけますが、確かに晩材部分（年輪の色の濃い部分）は硬質であるものの、天然生などでは年輪幅が非常に密である上に、スギやヒノキ以上に早材（年輪間の色の薄い部分）もしっかりとしている為に、全体的に非常に硬質な性質を持っています。

その性質を活かしてもらおうと提案したのが、屋外からそのまま車いすで室内へのアプローチになる玄関スペースでした。

結果、その木目の美しさも相まって非常に喜んでいただけましたが、結局提案をしなければ知られない有料樹種や商品は数多くあり、翻って提案の大切さを痛感した出来事でもありました。

話しは戻って、毎度お尋ねを頂く和風建築の床についてですが、百年杉柾を採用いただくケースもありますが、やはり縁側などに昔のマツの縁甲板などを使用されている家屋では、スギは敬遠されてしまいます。

もちろん、スギが悪いわけではなく見た目の印象や踏み心地、そして何よりマツと言う樹種の縁起や特徴を昔の人は大切にしたのだと思います。
マツについての詳しくは、木まぐれコラムのマツシリーズをご覧になって下さいね！！（長編ですけど・・・）

だからこそ、マツ系の柾目フローリングを希望されるのですが、そういったご希望にこのピュアラーチ柾目フローリングは応える事ができると思います。

但し一つご注意は、避けることのできないヤニツボ！
詳細は、文末の表情の違いに掲載しますが、どうしてもヤニだまりである部分には、補修が必要になります。
ぽっかりとポケットの様になっているのですから。

そういったところまで許容できない、完全無欠な無垢材をお探しの場合は、本製品では対応できませんのであしからず。

その様な厳しい目線ではなく、樹種特有の個性は許容するからこそ得ることのできる木目や風合いを、非常に大切にしているのです。
そこに共感いただけるなら、現在供給できる柾目フローリングの中では、これ以上のものはないと思いますよ！

弊社定番の、ピュアラーチフローリングとの比較。

ピュアラーチも、非常に木目が細かく美しい板目模様で、毎度想像以上だったと嬉しい反響をいただくのですが、それと比較しても、年輪が写真からは判別しづらいほどの整った柾目であることがうかがい知れると思います。

今後、スギ以外の大径木は一層木材利用しづらい世界になると思います。
その中で、今あるからこそ活用できるものは、大切に使っていきたい。
価値の分かる人に届けて、百年も二百年も木材として生き続けてほしい。

そう思いながら、少しづつご紹介している柾目フローリング。

いつもずっとあるわけではないのですが、それは非常に貴重な材料であるが故のこと。
できた時だけしかお届けできませんが、きっと老齢木の風合いにほれ込んでいただけることと思います！

自然の厳しさの中を、種から数百年生き抜いた実生のピュアラーチたち。
うちにはこれしかない！と思っていただける方向けに、少しづつですがお届けしていきます。

ピュアラーチ幅広無垢一枚物柾目フローリング　貼り上がりイメージ

・先行公開した、ピュアラーチ幅広無垢一枚物柾目フローリングの玄関施工記事はこちらから
・ピュアラーチ幅広無垢一枚物柾目フローリング以外の無垢フローリングの記事はこちらから
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ

ピュアラーチ幅広無垢一枚物柾目フローリング（寸法表記はすべてmm単位）

・寸　　　　法　

15×110×1950

・形　　　　状

一枚物

・エンドマッチあり

・品番と価格（表示価格全て税別表記です）

PL-19PQ　一枚物　無塗装　15×110×1950　プルミエ　
￥20,000/8枚入り（1.72㎡）

・運　　　　賃
別途、地域によりお問い合わせください。

・グレード　
プルミエ　　　芯材（赤身）中心に、木味のよい若干の辺材を混ぜ合わせた柾目のトップグレード

・納　　　　期
無垢商品の為、該当年度の原材料が限られている都合いつでも生産をするということが出来ませんので、余裕をもってご確認ください。

＊ご検討の前に弊社からのメッセージを必ずご覧ください。　

お問い合わせ・ショールームのご予約はこちらから

・表情の違い　参考

材を有効活用する為の、オス実の短い部分

裏面や実面での年輪のめくれ

ヤニツボのパテ補修

軽微な傷の補修

樹脂のかたまり部

自然な辺材

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2024年02月12日

挽板フローリング S3シリーズカスクオークネイキッドグレードでリフォーム！

リフォーム工事で、ガラッと印象が変わるのは床だと思います。

もちろん、他のファクターもたくさんありますが、以前に紹介したアカシア単板の合板フローリング施工の記事にもあるように、お部屋のイメージに合わせておすすめすることで、印象を維持したり変えたりすることができるものだと思います。

今回は、リフォーム以前の様子はぞんじあげないものの、施工後の写真を撮影させてもらいに行った印象で、「やはりオークだな」と思った感想報告？です。

近年、無垢フローリング以上に需要がある、と言っても過言ではなくなってきた挽板フローリング。
合板や木材積層材の上に、数mmの挽板（原木を薄くスライスした無垢材）を貼り合わせたもので、無垢フローリングとの大きな違いは、貼り上りが一枚物に見えること、です。

伸縮しづらい、と言われますが、そこは生活環境によるものとあえてしておいて、注目されるのはやはりその仕上がり。
無垢フローリングでは、予算の都合とともに供給量の少なさから、長さ方向につなぎ目のあるUNIタイプとなる場合が多いのですが、手の届く価格で一枚物の表情そのものが味わえる挽板フローリングは、現在フローリングの主流に近くなってきました。

一昔前は、無垢フローリングならではとされた「節やパテ」というキャラクターも、挽板フローリングでも同じように見られますし、もちろん無垢材の色差や樹種ごとの表情の違いもそのままです。

単板（主に0,2mmほど）貼りの合板フロアーでは、このような表情は再現できませんし、見る人が見るとわかる単板材との木目の違いも、無垢材そのままを感じさせるポイントとなっているのです。

のびやかな木目は、お部屋の印象をガラッと変えます。

一般的に言われる「フローリング＝板貼り」ではなく、本当に木の床であることを強く印象付けることができるのが、挽板フローリング。

私の勝手なイメージですが、針葉樹フローリングでは、パテや埋木などの補修というと不自然に円い孔のイメージなんです。
自然なはずなのに、ちょっと不自然な。

特に埋め節の場合は、規格寸法に作られた円い節を埋めるために、機械で孔をあけます。
その孔が、とってもきれいな円になるために、どうしても不自然に感じてしまうときがあります。

そういう理由もあり、弊社の古希杉フローリングや埋め節フローリングは、埋節されているものの一般的な節ありフローリングと異なり、埋め節の数が圧倒的に少ない「いいところ」を厳選した仕上がりいなるように作られています。

広葉樹の場合は、そんな節ではなく写真のように、クマの爪痕？！のような傷や割れの部分や、針葉樹とはまた異なった形状の補修が多くあり、表情としてもより個性あるものと感じます。

もちろん、一般的な家具との相性も良いところが、オークの特徴。

家具材自身がオークである場合はもとより、ブラウン系～ホワイト系まで、様々なインテリアに調和すると感じます。
個人的な感想ですけれど・・・

そして、その愛称をさらに生かすのはやはりその木目の流れ。
UNIタイプの素材感はもちろん良いものがありますが、1820mmで木目の途切れない仕上がりは、「一枚物は、超希少！」ということを知っている人はもとより、そんなことは知らない人でも「木目に天然素材を感じる」きっかけになるはず。

人間の視覚というのは、思考に非常に大きな影響を与えます。

そこを抑えることができるのが、挽板フローリングの最大の強みでしょうね。

今回のおうちも、製作家具を含めトータルでコーディネートされていました。

家具も住まいの様式も考えたリフォーム。
工務店としてあるべき姿を見たような現場でした。

そこに、弊社の挽板フローリングが活かされたこと、うれしく思います。

様々な選択肢をご紹介するのが、専門家としての役割。
お好みに合うかどうかはもちろんですが、材が最大限生かされるようにおすすめできる環境を、今後も続けていきますので、ご相談お待ちしています！

！！挽板フローリングの特徴とご注意事項！！

1.
挽板フローリングシリーズは、合板や積層板の表面に数mmの無垢材を貼り合わせた商品ですので、稀に接着材の成分が表面の挽板に変色となって表れる事があります。（特にオークは黄色変色部分が出ることがあります。）
2.
床暖房向けに使用可能ですが、主暖房とする使用方法や床材表面温度が高温になる場合は、フローリングのすき間の発生や床鳴り、反りを生じますので、使用環境には十分配慮下さい。
3.
オークは稀に、フローリングの周囲部分に黒色の変色が現れる場合がありますが、湿度と反応するなどして起る現象ですので、ご留意ください。
4.
挽板フローリングも日焼けをします。顕著な差のあるロックメープルの日焼けとブラックウォールナットとブラックチェリーの2カ月での変化の試験結果を各記事でご確認ください。
5.
チークは、ロットによっては含まれる成分が析出し、見る角度によっては表面が若干白っぽくくすんだように見える場合がありますが、樹種の特性ですので異常ではありません。（一部、樹種特有の研磨状態の差による見え方の違いも出ることがあります。）
チークフローリングについては、ネシアンチーク幅広無垢一枚物フローリングを選ぶにあたって知っていただきたいことも併せてご覧ください。

・挽板フローリング S1シリーズはこちらから
・挽板フローリング S1 シリーズバーチセレクショングレード、編込みのおうち施工写真はこちらから
・挽板フローリング S1 シリーズカスクオークセレクショングレード、無垢そのもののおうち施工写真はこちらから
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・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ

＊2019年以前のリンク表示をクリックしても過去リンク記事が見られない場合は、こちらの手順でお願いをいたします。
＊消費税10％への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。（ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。）

木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

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2024年01月15日

レッドオーク乱尺無垢フローリング 'narrow' 85年との共演！

昨年もありがたいことに、いろいろとお声掛けをいただいた一年でしたが、ブログ記事として報告する暇がなくそのままになっている施工写真などもたくさんあり、お正月に紹介するぞ！と思っていたもののやはり進まず、も例年通りで・・・

さて、そんな中で担当は撮影に行くことができなかったのですが、施工後の写真をいただいたので紹介したいのがこちら！

綺麗な造作キッチンの雰囲気ですが今回つかってもらったのは、フローリングではないのです。

いや、フローリングなんだけれど天井なんです（笑）。
つまりは、無垢フローリングを天井に使っていただいた、ということです。

わかるでしょうか、その質感。
使っていただいたのは、レッドオーク乱尺無垢フローリング'narrow'シリーズ。

弊社は、基本的に幅広無垢フローリングをおすすめしています。
それも一枚物の。
もちろん、UNIタイプもたくさんありますが、やはりどこでも入手できるものではなく、担当が「これぞ！」と思うものを、思い入れのある場所にお届けしたい気持ちから、一枚物を先におススメするのです。

ただ今回は、フローリングとしてのご依頼ではなく、当初他の材をご提案していたのですが、詳しくお話を聞くうちに「もしや、これがはまるんじゃないの？！」と思いつきご提案したのが、このnarrowシリーズ。

結果ばっちり！とおもうのですが、いかがでしょう。

プロでも、やはり一度も使ったことがないものは仕上がりを想像しにくいものなのは、一般の皆さんと同じ。
ましてや、イメージが頭の中にあるものにしっくりとくるかどうかは、小さなサンプルなどでは本当にわかりにくいものです。

そのために、できる限りの施工写真をブログ記事にしたり、ショールームに来ていただいたり、若しくは提案プランを作成したりしているのです。
もちろん、その材特有のキャラクターや欠点と言われてしまう部分など、サンプルでわからないところやイメージしづらいところも、表情の違いとして紹介しています。

今回の'narrow'も、30年以上前から弊社が販売し続けているものなので、当時輸入した時代の「当時の仕上がり」をよくも悪くも感じることができます。

輸入当時のアメリカンな規格なので、現在お届けしているプルミエグレードからネイキッドグレードという、正確なグレーディングはなく混在がある意味新鮮。

色差、節、補修、アメリカンな傷（汗）、アメリカンな実（さね）不足（涙）、アメリカンな反りと曲がり（笑）。
そんなものも含んで、当時の雰囲気があるからこそ今回の現場にもばっちりと似合うものになったのかと思います。

もちろん、それらのアメリカンなヤツらを美しく納めていただいた施工と設計者さんにはとても感謝ですが、この'narrow'だからこその雰囲気が発揮できたのではないかと思いますね。

拡大してみるとよくわかると思います。
フローリングでしょ。

エンドマッチという部分をわざと見せて、無垢材であることを主張しています。

フローリングと違い、天井は触れることがなく照明の明るさや距離もあり、印刷されたものや突板（0.15mmほどの木をベニヤに貼り付けたもの）でも、無垢材と見分けがつきにくい場合が多いため、天井はコストの兼ね合いとともに印刷プリント材になる場面が多くあります。

しかし、今回は違います。

実はこの'narrow'、厚みが19mmもあります。
普通の無垢フローリングは15mm。
4mmも分厚い！

幅は57mmと'narrow'なんですけど、しっかりとした厚みがあるからこその重厚感と本物にしかない質感を感じることができます。

それもわかる、その断面だったんです。

今回は、了解をいただき全体のお写真も掲載することができました。
そしてその全体の雰囲気として非常に溶け込んでいる理由が、新築当時のままのフローリングです。

'narrow'と同じ、幅の狭いフローリング材。
床になれた視線の先に、同じリズムの天井がある。

それを実現したのは、30年以上前の製品である'narrow'なんですよね！
ばっちり活躍できる場所をいただけて、お声掛けいただいたANT空間研究所さんに感謝です。

もちろん、今回のような「懐かしい場所」だけでなく、新しい場所にも活躍しますので、どうぞお声掛けくださいね！！

ブログ記事には紹介して言いませんが、お尋ねをお待ちしています。

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2023年10月30日

旧家改修に、清廉な美しさ ~板屋楓（いたやかえで・ペインテッドメープル）幅広無垢一枚物フローリング床暖房施工~

伝統建築の旧家や古民家の改修のお仕事は、建築の勉強になるとともにそこに似合うフローリングをご提案する楽しみにあふれています。

以前に紹介した、ロックメープルの古民家改修もそうですが、スギの黒色塗装やとにかく針葉樹フローリングで和風感を、といったものとは全く異なる提案をすること。
それが楽しみなのです。

今回の旧家改修の主役もこちら。

ちょっと小さな玄関スペース・・・ではありません。
ここ、勝手口です。

めちゃくちゃ広いLDKスペースのキッチン部分から外へ出る、勝手口。
だから1mほどの幅なのですが、式台といわれる一段下がった板スペースがあり、そして三方に上り框。
全て無垢の一枚物。

印刷ではありません。
樹種はロックメープルですが、さすがに仲間だけあって、すんなりと板屋楓に馴染んでいます。

そう、今回の改修の主役は板屋楓（いたやかえで・ペインテッドメープル）の幅広無垢一枚物フローリングの中の、床暖房向け商品です。

当初から床暖房がご希望で、明るい色目をとの要望をきいていましたのですぐにおすすめしたのがこれ。

木目が目立たないカエデなのに、はっきりと表情が見えると思いませんか？
それは110mm幅の一枚物だから！

普通の床暖房向けはおおむね75mm幅。
その理由は、幅が広いほど木材は伸縮が大きくなるから。

床暖房という、熱をくわえられる環境下の木材には非常に厳しい状況で、出来る限り伸縮しないようにするには、幅を可能な限り狭くする方法が採用されます。
弊社も一般的にはそうです。

しかし、今回の板屋楓は乾燥方法にこだわり含水率を管理し、そして塗装でコーティングすることで伸縮を大きく抑制しています。

そのおかげで、本当に様々な木目と色合いを堪能する事ができます。

塗装の影響で、蛍光灯下では一部黄色っぽく見えるところもありますが、多くの部分は非常に淡い色合いで、端正かつ清廉な印象を受けます。
更にお伝えしておくべきは、その杢！

木目、ではなくて杢です。
銘木板などでは賞用されますが、今回は無垢フローリング。
フローリングに杢なんて、と思われるかもしれませんがこの板屋楓は凄いんです。

こんな泡のような杢や・・・

こんな縮み杢も・・・

旧家であり、広い今や居室に囲まれていて、さらに窓のある部分が北西側に位置する為に電気を消すと明るいとは感じないものの、この板屋楓の色合いと質感は、非常に明るさを感じさせます。

もちろん、杢の部分がキラキラ光るということもありますが、それ以上に全体から受ける印象が明るいのです。
無垢フローリングの定番である、オークも非常に雰囲気を持っています。

しかし、そのはっきりとした木目とは異なる柔らかさ、とでもいうのでしょうか。
そんな雰囲気を感じるのが板屋楓です。

とにかくその木目と色合いを感じてもらいたいと思いますが、二つほど、商品に関するご連絡。
幅広110mmですが、長さは910mmです。
一般的な1820mmの半分です。

それと、塗装はウレタン塗装です。
無塗装での供給は終了していますので、塗装品のみのご紹介となります。

その二点にご留意いただき、床暖房用の無垢フローリングの一枚物をご希望の方は、一度ご検討下さいね。

・板屋楓（いたやかえで・ペインテッドメープル）幅広無垢一枚物フローリングはこちらから
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・板屋楓（いたやかえで・ペインテッドメープル）幅広無垢一枚物フローリング90幅セレクショングレード、フリースタイルなおうちの施工写真はこちらから
・板屋楓（いたやかえで・ペインテッドメープル）幅広無垢一枚物フローリング130幅ネイキッドグレード、情熱溢れる大工さんの無垢材溢れる手づくりの家の施工写真②はこちらから
・板屋楓（いたやかえで・ペインテッドメープル）幅広無垢一枚物フローリング130幅ネイキッドグレード、情熱溢れる大工さんの無垢材溢れる手づくりの家の施工写真③はこちらから
・板屋楓（いたやかえで・ペインテッドメープル）幅広無垢一枚物フローリング130幅と150幅セレクショングレード、一枚物の贅沢なおうちの施工写真はこちらから
・カスクオーク150mm一枚物とネシアンチーク150mmプルミエグレードと、板屋楓の一枚物の無垢材のおうち！！はこちらから

＊板屋楓は、一部寸法とグレードで欠品が続いています。在庫も少なくなっていますので、一部入荷の予定がたっていない商品もありますのでご注意ください。

・弊社へのお問い合わせはこちらから
・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ

＊2019年以前のリンク表示をクリックしても過去リンク記事が見られない場合は、こちらの手順でお願いをいたします。
＊消費税10％への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。（ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。）

木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

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2023年09月25日

日本の広葉樹無垢フローリング　～絹朴と啄木黄檗幅広無垢一枚物フローリング～　エピローグ

おそらく、木まぐれコラム「カバ・樺」に次ぐ長編だったのではないかと思う、啄木黄檗シリーズでしたがいかがだったでしょうか。

担当の想いが伝わったことと思います。

弊社がこだわるのは、「単に大量に利用する事」や「売れずに余っているものを安く仕入れる事」ではありません。
クリ土台角でも、そして前回のキハダへの想いでもお伝えしていますが、貴重な広葉樹なのに節ありでも使える用途に対して、節あり材が供給されないことや、細い丸太で供給が安定しない為に流通活用されないこと、そして短く切らずに山から広葉樹丸太を出してくれる場所があることなどに、用途や要望の「道」をつけたいのです。

自然素材とはいえ、需要と供給のバランスで価格が決まります。
記憶に新しいウッドショックもそうですね。

どんなに良い丸太でも、売れなければ価格下落の傾向にある。
それを好機に仕入れることは悪いことではありません。商売ですもの。

しかし、弊社が目指しているのはおそらく商売としての広葉樹活用ではないのです。
山からでたものを、よろこんでもらえる形にしたい。
伐らなければならないものは、大切に使いたい。
山で関わる人たちが、出してよかったと思えるような利用の道をつけたい。

本当は、厳しい目で不合格とせねばならない加工品や節なども、関わってくれた人たちを思うと無駄にしたくないですし、自身が関わった原木の姿を知っているとなおの事、利用の方法を考えたいと思うのです。

本来は、利益を一番に計算して価格決定するべきところを、上記のようなことがスタートになっている為に、商売としての製品づくりではなくなってしまいます。
それでも、工業製品や一般材の販売で営業させてもらっているんだから、その分を他の何かで現在関わる人たちや、将来関わることになる人たちや環境に貢献するであろう形でおかえししたい、そう思うことが動機です。

そんな想いは国産材に限りません。
海外でしっかりとした想いで出された木材も同じで、国産材ブームに乗っているわけではありません。
国産材であれば、もっとスギをアピールすべきですが敢えてそうしません。

担当が思うスギは、非常に範囲が広くて十把一絡げでは語れないもの。
だから、古希杉や百年杉柾、埋め節の様に限定したものだけを紹介するにとどめています。
スギも好きだから。
でも、スギの「利用」はたくさんの人が量としてまかなっています。

ならば、量が無く難しくて敬遠される日本の広葉樹に関わろう。
それが弊社のできること。
そう信じています。
だから、フローリングにはできないけれど、製材過程で出てくる節有材の中でも割れなどを含むものをあつめて、店舗やアクセント壁材で提案するなどの材料の「使い切り」を考えています。

今年度以降、日本の広葉樹はすこしづつ市場に出てくるようになるでしょう。
しかし、それは小径木や早期に生長した中径木等です。
現在、急激なスピードアップで広葉樹の山を皆伐しています。
皆伐が悪いわけではなくて、そんな森はあと30年ほど待てば、木材で問題となる未成熟材をさけて製品にする事ができるほどに生長した宝の山になるはずです。

しかし現在の皆伐利用は、アニメで風の谷に来た「巨神兵」の様なものだと感じています。
参謀曰く「腐ってやがる・・・早すぎたんだ。」なんです。

担当の考えだから、どこにでも適応できて正しいわけではありませんが、適切な利用ができるものを伐るための皆伐や択伐を目指しているのではなく、「国産広葉樹」というお題目での皆伐。

結果、「巨神兵死んじゃった・・・」になるわけですが、アニメではナウシカが納めてくれる場面。
王蟲の怒りは大地の怒り。

現実にはそんなことはないのでしょうけれど、ナウシカも現実には居ません。
絵に描いたような理想だけの伐採利用のサイクル化や、50年で一律に伐期に達したという考え方などを含む収奪的とさえ感じる利用は、早すぎる自然の「利用」だと感じています。

山や森、自然を産物とするお仕事や環境に身を置く方や立場の方でなければ感じないことかもしれませんし、担当の周囲だけかもしれません。
それでも、弊社はそのような状況を感じていることから、今回の様な日本の広葉樹利用を進めているということ。

現実世界に王蟲は居ませんが、土砂崩れや環境汚染、海の健全さの欠乏など見えないところで「大地の怒り」が現れているのではないかと感じます。
大げさな例えかも知れませんけれど。

だから、気持ちとしては担当がナウシカになるんです（笑）。
いや、アスベルかもしれません(^^;)
時には間違ってしまうかもしれないけれど、信じている道で山や森に関わり続ける。
街の材木屋としてできることをする。

そんな想いの日本の広葉樹シリーズ。
長々としたまとめでしたが、今年もナウシカ・・・基アスベルになるために（笑）、冬の伐採に備えて準備中。

少しづつですが、一緒に進める仲間とともに活動していますので、広葉樹以外の事もご紹介していきます。
先ずは、新しく加わったホオとキハダをよろしくお願いしますね！
長編シリーズ、終わり！！

タグ：: 黄檗; 無垢フローリング; 無垢フローリング選び; 日本の広葉樹フローリング; 一枚物; 無塗装; 幅広; 啄木黄檗; 朴; 絹朴

muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

木ぃクン