2023年02月08日
日本の広葉樹無垢フローリング 〜絹朴（きぬほお・ホオ）幅広無垢一枚物フローリング〜 その��
さぁ、予想にたがわずいつも通りの長々シリーズになってしまいましたが（汗）、いよいよフローリングを紹介します。
といっても、絹朴（きぬほお）は本編記事よりも早くに、プロトタイプを設計事務所さんの打ち合わせスペースに採用していただいた記事を紹介していますので、もうすでに皆さんご存じのこと。
今回は、それを改めていつものフローリングの紹介記事としてもてもらおうというわけです。
もちろん、表情の詳細やご注意なども記載しますので、ご検討の参考にしてくださいね。
木材の中でも、ここまで鮮やかな緑褐色を持つものはないのではないかと思うほどに、美しい色合いを持つ絹朴。
神代木も暗緑色系を呈するものがあるものの、深い色合いが強く鮮やかさとは異なります。
また、リグナムバイタも製材時点では深く濃い緑褐色をもっていますが、酸化とともにかなり暗い色合いに変化してしまいます。
唯一、近いとおもわれるのがチャンパカ！
通称、ベトナムホオ。
金厚朴や金香木などとも称され、ホオと同じく薬用にも用いられる樹種。
ベトナム朴というのは、実際に私もその名で買い付けたことがないのですが、弊社の古い番頭さんが仕入れた在庫を販売していた当時、その名で取引されていた記憶があります。
実際、結構硬めな材質に感じるホオ材、というような見た目で、よく見ると南洋材系の木目のなかにも、散孔材の特有の木目を持っているために「木材業界あるある」な代用材利用をされていたのでしょう。
同じモクレン科ということで似ているのもあるでしょうけども、ホオに似る素材は世界広く見てもこのチャンパカくらいしか、私には思い浮かびません。
おっと脱線しました。
それくらい、似たものがない孤高の存在が絹朴なのです。
その名の通り、絹＝シルクのような触り心地と形容したくなる質感は、一度経験すると忘れられないものになるでしょう。
そして、その質感を活かすべく絹朴フローリングはこだわっています。
表面の仕上げは、一般的なサンディング（研磨）仕上げではなく刃物仕上げにしています！
これは実は非常に特殊なことです。
現在では、フローリングはほとんどの場合でオイル系の塗装などが施されます。
弊社でもお願いをしていますが、その場合はサンディング仕上げでなければオイルの浸透性が劣るのです。
ではなぜ、サンディング仕上げにしないのか？！
もちろん、その質感を感じてもらいたいからです。
サンディング仕上げでは出にくい、艶のある光り方。
そしてシルクのような肌触り。
オイル塗装に向けた仕上よりも材質を感じる方を優先させた仕上げ、といえば理解いただけるでしょうか。
もちろん、刃物仕上げだけれども大切なフローリングはきれいなまま保ちたいからオイル塗装はしておきたい、という場合もありますよね。
その場合は、当方にて刃物仕上げでもクリヤー塗装することのできるオイルを塗装して、出荷させてもらいます。
ちなみに、色合いについては木材では当たり前ですが少しづつ変色若しくは褪色していきますから、当初の緑色のまま、ということではありません。
環境によっても差が出ますが、深い緑を感じるようになる場合もあれば若干薄い黄緑に近くなる場合もあります。
そして、今回のフローリングには上の写真のように辺材部分も含まれています。
白っぽい部分が辺材、いわゆる白太部分です。
ホオは、芯材と辺材の色の差がはっきりとしています。
私が再三お伝えしている「緑色」は芯材部分の色合いですが、フローリングには白っぽい辺材も含まれていますので、貼り上がりの色合いは多様です。
樹木を木材として利用する場合、その性質を有用としている部分の殆どは芯材部分です。
前回までにお伝えしてきた性質も、他の樹木も含めて芯材の有用性（樹木の持つ精油などを指した場合）を語ったもの。
ではなぜ、性質や色調の違った辺材を含むのか。
それについては、このシリーズのエピローグでお伝えしますが、ご想像の通り材を余すところなく活用する為です。
記事下部に記載の表情の違いにて掲載しますが、辺材との色差や材質に問題の無い変色部分、そして生き節や軽微な補修、使用に問題の無い髄（木の芯）を含んでいます。
多くの木材辞典が執筆された時点では、それ以前の時代、つまりは多くの大木や高樹齢木を無尽蔵に利用することができた時代迄に蓄積された情報が掲載されています。
担当の所持する古い文献にも、様々な記載があります。
しかしそれらは、芯材と辺材の色差を利用するといった場合を除き、芯材部分の有用性を語ったものです。
辺材は、木材として利用しにくい部分（理由は後日別コラムで）だから、節などとともに除去されてきました。
今回は、そういった部分も含むグレード設定としています。
余りにもホオのイメージをワイルドにする（笑）部分は避けていますが、今あるホオという樹種の素材を活かすためであることをあらわしています。
さて、ホオ材は色に注目されがちですが、やはり感じてもらいたいのは足ざわりなんですよね。
足ざわりで最も注目される無垢材といえば、杉。
弊社でも、一般的な杉から赤身勝ちの高樹齢杉、そして丁寧に浮造り加工された百年杉柾まで、その足ざわりは好評です。
だた一つ、今までご来店のお客様で二度ほど、「杉は硬い木目の部分がめくれるから、いやだ」とおっしゃるケースがありました。
その場合にご提案するのはやはり広葉樹。
ノルデストウォールナットの足触りなのですが、そちらは杉に近いあたたかみを求められる場合。
今回の絹朴の場合は、あたたかみに加えてさらさらとした風合いをもっていることが、異なります。
ノルデストウォールナットは、無塗装では若干表面がカサカサと感じます。
それは梅雨時期や足裏の汗を吸湿してくれますが、更に絹朴はしっとりと感じる風合いがある、と担当は感じています！
どうでしょう、シリーズを通じて少しは「特殊な樹種、ホオ」の魅力は伝わったでしょうか。
色みの特異さやその色差によって、建築化粧材として一般的に受け入れられなかったホオ。
でも、弊社はホオが大好きです。
彫刻用材として、会長の時代からずっと在庫を持ち続けていた材でもあります。
そんなホオの中で、銘木ではない一般的な細い丸太や辺材部分を建築材に活かすために始めたフローリング製作。
ホオの持つ、絹の様な足触りは本来フローリングにぴったりだと信じています。
活用方法と、担当の想いを共有してくださってホオのファンになってもらえれば、他にはない特別なフローリングを手にする事ができます。
製作の都合上、多くは供給できませんが一部屋リノベーションなどの用途に向けて、日本の広葉樹で快適な足触りをお届けします！
後日お伝えの、啄木黄檗（つつきのきはだ）幅広無垢一枚物フローリングも樹種ストーリーシリーズとともにぜひ、ご覧くださいね。
絹朴（きぬほお・ホオ）幅広無垢一枚物フローリング 貼り上がりイメージ
130mm幅
90mm幅
・絹朴（きぬほお・ホオ）幅広無垢一枚物フローリング、建築設計事務所打合せスペースの施工はこちらから
生き節と節割れ補修部
若干の傷孔
軽微な変色
生き節の軽微な割れ
辺材と芯材の色違い
特有の髄（非常に柔らかい部分）
使用に問題の無い変色
特有の着色部分
・弊社へのお問い合わせはこちらから
・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ
＊2019年以前のリンク表示をクリックしても過去リンク記事が見られない場合は、こちらの手順でお願いをいたします。
＊消費税10％への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。（ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。）
木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。
・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧
http://muku-mokuzai.livedoor.biz/archives/1611916.html
・戸田材木店・セルバのホームページ
http://selva-mukumokuzai.jp
・無垢材と樹木が大好きな材木屋が配信する、きのむしラジオ | Podcast on Spotify
https://open.spotify.com/show/6HBMrFR3UFHaNLNfgdFE8l?si=ff6525ab5d0f464a
といっても、絹朴（きぬほお）は本編記事よりも早くに、プロトタイプを設計事務所さんの打ち合わせスペースに採用していただいた記事を紹介していますので、もうすでに皆さんご存じのこと。
今回は、それを改めていつものフローリングの紹介記事としてもてもらおうというわけです。
もちろん、表情の詳細やご注意なども記載しますので、ご検討の参考にしてくださいね。
木材の中でも、ここまで鮮やかな緑褐色を持つものはないのではないかと思うほどに、美しい色合いを持つ絹朴。
神代木も暗緑色系を呈するものがあるものの、深い色合いが強く鮮やかさとは異なります。
また、リグナムバイタも製材時点では深く濃い緑褐色をもっていますが、酸化とともにかなり暗い色合いに変化してしまいます。
唯一、近いとおもわれるのがチャンパカ！
通称、ベトナムホオ。
金厚朴や金香木などとも称され、ホオと同じく薬用にも用いられる樹種。
ベトナム朴というのは、実際に私もその名で買い付けたことがないのですが、弊社の古い番頭さんが仕入れた在庫を販売していた当時、その名で取引されていた記憶があります。
実際、結構硬めな材質に感じるホオ材、というような見た目で、よく見ると南洋材系の木目のなかにも、散孔材の特有の木目を持っているために「木材業界あるある」な代用材利用をされていたのでしょう。
同じモクレン科ということで似ているのもあるでしょうけども、ホオに似る素材は世界広く見てもこのチャンパカくらいしか、私には思い浮かびません。
おっと脱線しました。
それくらい、似たものがない孤高の存在が絹朴なのです。
その名の通り、絹＝シルクのような触り心地と形容したくなる質感は、一度経験すると忘れられないものになるでしょう。
そして、その質感を活かすべく絹朴フローリングはこだわっています。
表面の仕上げは、一般的なサンディング（研磨）仕上げではなく刃物仕上げにしています！
これは実は非常に特殊なことです。
現在では、フローリングはほとんどの場合でオイル系の塗装などが施されます。
弊社でもお願いをしていますが、その場合はサンディング仕上げでなければオイルの浸透性が劣るのです。
ではなぜ、サンディング仕上げにしないのか？！
もちろん、その質感を感じてもらいたいからです。
サンディング仕上げでは出にくい、艶のある光り方。
そしてシルクのような肌触り。
オイル塗装に向けた仕上よりも材質を感じる方を優先させた仕上げ、といえば理解いただけるでしょうか。
もちろん、刃物仕上げだけれども大切なフローリングはきれいなまま保ちたいからオイル塗装はしておきたい、という場合もありますよね。
その場合は、当方にて刃物仕上げでもクリヤー塗装することのできるオイルを塗装して、出荷させてもらいます。
ちなみに、色合いについては木材では当たり前ですが少しづつ変色若しくは褪色していきますから、当初の緑色のまま、ということではありません。
環境によっても差が出ますが、深い緑を感じるようになる場合もあれば若干薄い黄緑に近くなる場合もあります。
そして、今回のフローリングには上の写真のように辺材部分も含まれています。
白っぽい部分が辺材、いわゆる白太部分です。
ホオは、芯材と辺材の色の差がはっきりとしています。
私が再三お伝えしている「緑色」は芯材部分の色合いですが、フローリングには白っぽい辺材も含まれていますので、貼り上がりの色合いは多様です。
樹木を木材として利用する場合、その性質を有用としている部分の殆どは芯材部分です。
前回までにお伝えしてきた性質も、他の樹木も含めて芯材の有用性（樹木の持つ精油などを指した場合）を語ったもの。
ではなぜ、性質や色調の違った辺材を含むのか。
それについては、このシリーズのエピローグでお伝えしますが、ご想像の通り材を余すところなく活用する為です。
記事下部に記載の表情の違いにて掲載しますが、辺材との色差や材質に問題の無い変色部分、そして生き節や軽微な補修、使用に問題の無い髄（木の芯）を含んでいます。
多くの木材辞典が執筆された時点では、それ以前の時代、つまりは多くの大木や高樹齢木を無尽蔵に利用することができた時代迄に蓄積された情報が掲載されています。
担当の所持する古い文献にも、様々な記載があります。
しかしそれらは、芯材と辺材の色差を利用するといった場合を除き、芯材部分の有用性を語ったものです。
辺材は、木材として利用しにくい部分（理由は後日別コラムで）だから、節などとともに除去されてきました。
今回は、そういった部分も含むグレード設定としています。
余りにもホオのイメージをワイルドにする（笑）部分は避けていますが、今あるホオという樹種の素材を活かすためであることをあらわしています。
さて、ホオ材は色に注目されがちですが、やはり感じてもらいたいのは足ざわりなんですよね。
足ざわりで最も注目される無垢材といえば、杉。
弊社でも、一般的な杉から赤身勝ちの高樹齢杉、そして丁寧に浮造り加工された百年杉柾まで、その足ざわりは好評です。
だた一つ、今までご来店のお客様で二度ほど、「杉は硬い木目の部分がめくれるから、いやだ」とおっしゃるケースがありました。
その場合にご提案するのはやはり広葉樹。
ノルデストウォールナットの足触りなのですが、そちらは杉に近いあたたかみを求められる場合。
今回の絹朴の場合は、あたたかみに加えてさらさらとした風合いをもっていることが、異なります。
ノルデストウォールナットは、無塗装では若干表面がカサカサと感じます。
それは梅雨時期や足裏の汗を吸湿してくれますが、更に絹朴はしっとりと感じる風合いがある、と担当は感じています！
どうでしょう、シリーズを通じて少しは「特殊な樹種、ホオ」の魅力は伝わったでしょうか。
色みの特異さやその色差によって、建築化粧材として一般的に受け入れられなかったホオ。
でも、弊社はホオが大好きです。
彫刻用材として、会長の時代からずっと在庫を持ち続けていた材でもあります。
そんなホオの中で、銘木ではない一般的な細い丸太や辺材部分を建築材に活かすために始めたフローリング製作。
ホオの持つ、絹の様な足触りは本来フローリングにぴったりだと信じています。
活用方法と、担当の想いを共有してくださってホオのファンになってもらえれば、他にはない特別なフローリングを手にする事ができます。
製作の都合上、多くは供給できませんが一部屋リノベーションなどの用途に向けて、日本の広葉樹で快適な足触りをお届けします！
後日お伝えの、啄木黄檗（つつきのきはだ）幅広無垢一枚物フローリングも樹種ストーリーシリーズとともにぜひ、ご覧くださいね。
絹朴（きぬほお・ホオ）幅広無垢一枚物フローリング 貼り上がりイメージ
130mm幅
90mm幅
・絹朴（きぬほお・ホオ）幅広無垢一枚物フローリング、建築設計事務所打合せスペースの施工はこちらから
・絹朴（きぬほお・ホオ）幅広無垢一枚物フローリング以外の無垢フローリングの記事はこちらから
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ
＊ご注意
絹朴フローリングの表面仕上げは、超加工モルダーです。非常に美しい艶がありますがオイル塗装の場合は、平滑性による滑りが出ることがありますので、弊社にて専用のオイル塗装仕上げにての出荷をおすすめします。
絹朴（きぬほお・ホオ）幅広無垢一枚物フローリング（寸法表記はすべてmm単位）
・寸 法
15×130×1820/910 (1820×5枚、910×4枚のミックス）
15×90×1820/910 （1820×8枚、910×4枚のA梱包又は、1820×7枚、910×6枚のB梱包のミックス）
・形 状
一枚物
・エンドマッチあり
・品番と価格（表示価格全て税別表記です）
SM-11M 一枚物 無塗装 15×90×1820/910 ミックス
￥30,000/（1.63�屐�
SM-12M 一枚物 無塗装 15×130×1820/910 ミックス
￥33,000/（1.65�屐�
・運 賃
別途、地域によりお問い合わせください。
・グ レ ー ド
ミックス 辺材と軽微な節や芯材、910長さを含む広葉樹を活かすミックスグレード
・納 期
無垢商品の為、該当年度の原材料が限られている都合いつでも生産をするということが出来ませんので、余裕をもってご確認ください。
＊ご検討の前に弊社からのメッセージを必ずご覧ください。
お問い合わせ・ショールームのご予約はこちらから
・表情の違い 参考
抜けていない軽微な節
生き節と節割れ補修部
若干の傷孔
軽微な変色
生き節の軽微な割れ
辺材と芯材の色違い
特有の髄（非常に柔らかい部分）
使用に問題の無い変色
特有の着色部分
・弊社へのお問い合わせはこちらから
・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ
＊2019年以前のリンク表示をクリックしても過去リンク記事が見られない場合は、こちらの手順でお願いをいたします。
＊消費税10％への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。（ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。）
木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。
・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧
http://muku-mokuzai.livedoor.biz/archives/1611916.html
・戸田材木店・セルバのホームページ
http://selva-mukumokuzai.jp
・無垢材と樹木が大好きな材木屋が配信する、きのむしラジオ | Podcast on Spotify
https://open.spotify.com/show/6HBMrFR3UFHaNLNfgdFE8l?si=ff6525ab5d0f464a
muku_mokuzai
