本物の無垢木材　～茨木市戸田材木店・セルバの木の虫ブログ～:バーチ

バーチ

2024年11月08日

引き締まる外観に柔らかな室内を・・・～ロシアンバーチつなぎ目V溝とUNIのおうち ②～

ロシアンバーチの魅力。

一般的なバーチフローリングとは異なること、暗にお伝えしているのですが気が付いていおられるでしょうか。
カバとサクラが混同され、カバではなくサクラとして販売されていることなどは、以前の木まぐれコラムでお伝えしていますが、正しくカバ、バーチを理解して採用いただいているケースは少ない、ということです。

ロシアンバーチは、幅寸法からUNIと一枚物など、多くの種類をラインナップし、それぞれに基準に沿ったグレードを設定しています。
そのため、前回のセレクショングレードのように自然な差がありながらも、大きな見た目のムラのない表情が出るのです。

そして、最後にお伝えしたUNIのつなぎ目が気になる方への選択肢までもっているのが、ロシアンバーチ！

ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目UNIフローリングとUNIセレクショングレード 2

いや、その前にお伝えするべきはプルミエグレードだということか・・・

写真は1階部分に採用いただいた、ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目V溝フローリングの130mmオイル塗装品、プルミエグレードです。
厳選された白太ばかりの、しかも比較的長いピースばかりを集めて作られた特別な一品！

しかも、130mm幅広でありそのうえにつなぎ目V溝加工まで。

前回、一定数のお客様がUNI品のつなぎ目を気にされる、というお話をしました。
それに対しての「裏技」が、このつなぎ目V溝フローリングです。

つまりは、フローリング表面に見えてくるつなぎ目のライン上に、V溝をつけることで施工性はそのままに、乱尺フローリング一枚物のような見た目にすることができる、非常に優れたグレードなのです！

ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目UNIフローリングとUNIセレクショングレード 6

近づいてもわかりません。

いや、むしろ普通に長さ方向のジョイント部分の実（さね）だと思うでしょう。
そうじゃないんですよねぇ。

ここがUNIのつなぎ目部分。
ね？わからないでしょう？！

これを貼り上げれば、当然驚くような仕上がりになるに決まっていますし、その上にプルミエグレードなので、非の打ちようがありません！
美しすぎると自画自賛の嵐です。

ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目UNIフローリングとUNIセレクショングレード 3

樹木には、それぞれの特徴において使い方がありますが、それでも白太を好んで使われる例は、このようなバーチの一部、そしてメープル、トチなどが代表的でしょうか。

銘木の世界では、白太は虫の食害を受けるだけではなく、菌による変色や乾燥時のそりなどのリスク回避のためにも、切り落としてしまう部分でした。
一般的に、木材の性質を語るときにはいつも心材である赤身部分を指しています。

しかし、一部の例外を除いてはこの辺材である白太を活用する例もある、ということです。

多くは、如実な着色心材を形成しづらい樹種のように思いますが、銘木としては語られない部分でも、このように非常に美しい表情を見せてくれるのですから、活かさないわけはないですよね。

ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目UNIフローリングとUNIセレクショングレード 7

バーチについての詳細は、カバを知るための木まぐれコラムを参照いただきたいのですけれど、緻密でありながらもどこかあたたかみを感じるというか、冷たさのイメージが薄いというか。

色目に受ける印象からかもしれませんが、軽快で明るい雰囲気を感じます。

ブラックウォールナットのような、何とも言えない深い色味の魅力ももちろんありますが、知られざるバーチの魅力はこのようなところにあるのです。

スギやヒノキのような針葉樹にも、どこか近い雰囲気というか色目を持っていて、節ありでありながらも真壁で見せるようなおうちや、針葉樹の枠材を使っているけれど和風によりすぎないようにしたい、という場合に非常におすすめ！

ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目UNIフローリングとUNIセレクショングレード 1

一枚一枚の表情をすべて追いかけていきたくなるような、そんな気持ち。

撮影をしていながらも、様々な杢を見つけてはいろんな角度からの撮影をしています。
様々な角度から見ても、いろいろな表情を見せてくれる上につなぎ目のV溝のおかげで、ランダムなリズムが生まれて空間を彩ってくれます。

一枚物は確かにいい。

けれども、誰もが手にできるものでもない。
ましてや、プルミエグレードは。

その現実に、一つの答えを。
それがつなぎ目V溝フローリング。

130mm幅、もしくは150mm幅！という二つの幅寸法でUNIでありながらも、それを一切感じさせない魅力を持つラインナップ。

ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目UNIフローリングとUNIセレクショングレード 5

弊社では非常に人気のシリーズで、2024年現在ではすでにグレードが限られるものが多くなりつつありますが、まだ皆さんにお届けすることができるものがあります。

いろいろな選択肢のうちの一つとして、このつなぎ目V溝フローリングをおススメします。

いえ、つなぎ目V溝だけではありません。
注目されていないバーチという樹種と、弊社のロシアンバーチのラインナップに注目いただいて、オークやウォールナット以外の選択肢をご案内したいと思います。

今回も、シックな木の外観のおうちの中身とのギャップに萌えた施工写真撮影。
そこで木の家具と暮らすことになる施主様のこれからが、非常に豊かなものになるであろうことを想像し、現場を後にしたのでした。

ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目UNIフローリングとUNIセレクショングレード 15

ロシアンバーチ関連の記事は以下をご覧ください。

・ロシアンバーチ幅広無垢一枚物フローリングはこちらから
・ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目V溝フローリングはこちらから
・ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目V溝フローリングプルミエグレードオイル塗装、限定入荷はこちらから
・ロシアンバーチ150幅広無垢つなぎ目V溝フローリングネイキッドグレードO様着色塗装施工写真はこちらから
・ロシアンバーチ150幅広無垢つなぎ目V溝フローリングネイキッドグレードN様着色塗装施工写真はこちらから
・ロシアンバーチ150幅広無垢つなぎ目V溝フローリングセレクショングレードS様クリヤー塗装施工写真はこちらから
・ロシアンバーチ150幅広無垢つなぎ目V溝フローリングネイキッドグレード無塗装施工写真はこちらから
・ロシアンバーチ130幅広無垢UNIフローリングネイキッドグレードの施工現場はこちらから
・ロシアンバーチ130幅広無垢一枚物フローリングネイキッドグレードオイル塗装施工写真はこちらから
・ロシアンバーチ130幅広無垢UNIフローリング、ネイキッドグレード久しぶりの定番のおうち、施工写真はこちらから
・ロシアンバーチ150幅広無垢一枚物フローリングネイキッドグレードとV溝フローリングネイキッドグレードH様無塗装施工写真はこちらから
・ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目V溝フローリングプルミエグレードオイル塗装、支えあうおうちの施工写真はこちらから
・ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目V溝フローリングプルミエグレードオイル塗装、和の縁側に白の調和編はこちらから
・ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目V溝フローリングプルミエグレードオイル塗装、天然素材の塗り壁材との競演はこちらから
・ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目V溝フローリング、プルミエグレードオイル塗装、モノづくりに共感の納品その③　～うっとりする玄関のバーチと、お客様の生のお声～はこちらから
・ロシアンバーチ無垢UNIフローリングネイキッドグレード無塗装、古民家再生の床仕上げの施工写真はこちらから

ロシアンバーチの他にもつなぎ目V溝フローリングがございます。下記も是非ご覧ください。（樹種によっては、グレードの限られるものがございます。）

・ホワイトアッシュ幅広無垢一枚物フローリング
・カスクオーク（ナラ）幅広無垢V溝フローリング
・ブラックウォールナット幅広無垢V溝フローリング
・ロックメープル（カエデ）幅広無垢V溝フローリング
・ブラックチェリー幅広無垢V溝フローリング
・ノルデストウォールナット（クルミ）幅広無垢V溝フローリング
・欧州楓（ヨーロピアンメープル）幅広無垢一枚物フローリング

＊ロシアンバーチ無垢フローリングを採用頂くにあたって

ロシアンバーチフローリングは、水分や油分などでケバの立ちやすい樹種です。
それが樹種の特徴ではあるのですが、無塗装でも楓などの樹種とは手触りの風合いが異なりますので、必ずご覧になっていただいてから検討頂くことをお勧めします。

また、施工当初の白っぽい色合いは日光により変化していきます。
色合いの変化については、こちらをご覧ください。

オイル塗装のつなぎ目V溝フローリングを、北向き窓辺に7カ月放置した強制日焼け試験の結果はこちらから！

・弊社へのお問い合わせはこちらから
・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ

＊2019年以前のリンク表示をクリックしても過去リンク記事が見られない場合は、こちらの手順でお願いをいたします。
＊消費税10％への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。（ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。）

木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧　
http://muku-mokuzai.livedoor.biz/archives/1611916.html

・戸田材木店・セルバのホームページ
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タグ：: ロシアンバーチ; バーチ; 樺; カバ; 無垢フローリング; 無垢フローリング選び; 施工写真; 幅広; オイル塗装

muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

2024年11月05日

引き締まる外観に柔らかな室内を・・・～ロシアンバーチつなぎ目V溝とUNIのおうち ①～

ご注文が集中するときは、本当に驚くほど集中するもの。
有難いことなのですが、どうしてこうも集中するのか不思議でなりません。
それも同じ樹種や商品に偏るのですから、本当に不思議。

夏場に集中していた商品、それはロシアンバーチ。

弊社の無垢フローリングの中でもトップクラスに人気の樹種ですが、意外と一般的には知られていないこともあります。
それは、表情豊かかつ様々なラインナップがあるということ。

今回は、その中の2種を採用いただいた施工写真を紹介したいと思います。

ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目UNIフローリングとUNIセレクショングレード 10

まずは2階から。

白いクロスに陽光があたたかな3室のうち2室に、UNIセレクショングレードの90幅を使っていただきました。
セレクショングレードは、言葉でいうには最もむつかしいグレードかもしれません。
規格としては、小節や軽微な色さや赤白を含むグレードですが、そうはいっても樹種によってさまざま。

なので、実際に針上がりを見てもらうことは非常に大切です。

今回のセレクショングレードの表情で見えるのは、多くは白い部分ですがその中にも角度によってはピンクがかって見える部分もあり、またプルミエグレードとの違いは色味ではなく木目です。

ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目UNIフローリングとUNIセレクショングレード 9

もちろん、非常に美しい縮み杢を呈しているものもある中で、根っこに近い部分や節は見えていないものの節周辺のものなど、不規則な変化の杢を多く含むという特徴も持っているのです。

それが表情であり楽しみなのですが、カットサンプルでも口頭でもなかなかお伝え出来ないところなので、こうやって施工写真で見てもらうよりほかはありません。

そのほかでは入皮や軽微な変色、若干の赤身が混じるのですがどれも自然な表情そのものです。

それらが、太陽の光によって刻一刻とその表情を変えていくところは、いつまでたっても見飽きることがありません。

ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目UNIフローリングとUNIセレクショングレード 11

このように、部屋全体を見た場合でも適度な違いがみられ、主張することのない木目であっても無垢材そのものの姿を楽しむことができます。

そう、オイル塗装なのです。
そのため、若干黄色味が買っているというか、質感がしっとりとしています。

さて、ここでロシアンバーチのおすすめポイントを一つ。

節や色むらを多く含むネイキッドグレードは別ですが、セレクショングレードとプルミエグレードは、UNI品で気になるといわれることの多い「たて継部分」が目立ちにくいのです。

プルミエグレードはほぼ白太ばかりを厳選していることもあり、しっかりと見なければわからないような状態ですが、セレクショングレードも適度なばらつきがあることと強い木目を感じないことが反対に、つなぎ目を意識させにくくなっているのだと思います。

ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目UNIフローリングとUNIセレクショングレード 13

こうやって見ると、ピースごとの差ははっきりとわかります。
そして、長さ方向のジョイント部分の溝も見えると思います。

しかし、それが乱尺（長さがバラバラな）フローリングのようにもみえて、気にならないと思いませんか？

UNIを嫌がる方は、正直少なからずいらっしゃいます。
そのために、必死で一枚物の安い商品を探す。
その末、乾燥や加工程度の不良なものを手にすることになる・・・
そんなことしてほしくない。

それならば、UNIであってもロシアンバーチのプルミエグレードを選んでほしい。
そう思うのです。
そして、もし可能であれば弊社のロシアンバーチの一枚物に目を向けてほしい。
きっと、オークやウォールナットの一枚物よりもはるかにフレンドリーだから。

ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目UNIフローリングとUNIセレクショングレード 12

ロシアンバーチは、そんな懐の広い樹種なのです。

そして、前述のつなぎ目が気になる方にはもう一つ、裏技があります（笑）。
それが、次回登場する「つなぎ目V溝」なのです！

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ロシアンバーチの他にもつなぎ目V溝フローリングがございます。下記も是非ご覧ください。（樹種によっては、グレードの限られるものがございます。）

・ホワイトアッシュ幅広無垢一枚物フローリング
・カスクオーク（ナラ）幅広無垢V溝フローリング
 ・ブラックウォールナット幅広無垢V溝フローリング
・ロックメープル（カエデ）幅広無垢V溝フローリング
・ブラックチェリー幅広無垢V溝フローリング
・ノルデストウォールナット（クルミ）幅広無垢V溝フローリング
・欧州楓（ヨーロピアンメープル）幅広無垢一枚物フローリング

＊ロシアンバーチ無垢フローリングを採用頂くにあたって

ロシアンバーチフローリングは、水分や油分などでケバの立ちやすい樹種です。
それが樹種の特徴ではあるのですが、無塗装でも楓などの樹種とは手触りの風合いが異なりますので、必ずご覧になっていただいてから検討頂くことをお勧めします。

また、施工当初の白っぽい色合いは日光により変化していきます。
色合いの変化については、こちらをご覧ください。

オイル塗装のつなぎ目V溝フローリングを、北向き窓辺に7カ月放置した強制日焼け試験の結果はこちらから！

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2022年12月03日

挽板フローリング S1シリーズ　シェアスペース店舗へ！

これで十分やな！

そんな声を聞くことの多い商品が、挽板フローリングS1シリーズです。
その理由は当然、無垢フローリングにしか見えないから。
無垢フローリングで予算に頭を悩ませるよりは、これで十分、ということ。

挽板フローリングは、シリーズによって異なるものの貼り上げてしまえば無垢フローリングとの違いが判らないほどの、木の質感を発揮します。
一般的な銘木合板フロアーとの違いが、無垢フローリングの質感を感じさせるのです。

今回は、一つの大きな建物の中に様々なお店が同居する「シェアオフィス」の様な空間。
その中の2つのお店に、挽板フローリングのS1シリーズの2つの樹種を使ってもらっています。

先ずは、オーク。

適度な色差に自然な白太、少しづつ入る小節や杢。
大節や変色部分のあるネイキッドグレードとは違うのですが、変に綺麗すぎないところが自然素材を感じさせるセレクショングレード。

無垢フローリングの場合、オークが使われる場面の多くは節やパテのあるグレードのUNIタイプ。
オークの野性的かつ、ナチュラルなイメージがありながら費用を抑えられるという理由ですが、時には節などの表情は好きだけれどもUNIのつなぎ目がどうしても気になる、というケースがあります。

というか、近年はそういった声が多くなったように感じます。

事実、弊社でもUNIタイプの90mm幅の出荷はかなり少なくなりました。
節やパテの多いネイキッドグレードのUNIとなると、ひとつのピースが短いものも多く、どうしても「ガラガラ」っとしたイメージは拭えない。

そんな時、そのネイキッドグレードの無垢フローリングと殆ど変わらない費用で、909mmの長さにつなぎ目の無い一枚物の表情と、無垢フローリングと同じ貼り上がりを見せるS1シリーズが候補に挙がるのです。

無垢フローリングと同じ自然の表情はそのままに、さらに一枚物の質感も得られる。
特に、今回の様なシェアスペースの場合は一つの店舗の面積は決して広くはありません。
そこをあえて、プライベートスペースの様に、お一人のお客様に贅沢に空間を使ってもらう場所として活用されているところが魅力ですから、その贅沢な空間には無垢フローリングのUNIよりもむしろ、この挽板一枚物の表情がよく似合っていると思います。

木目が一枚の板に流れる表情は、挽板フローリングならでは。

もちろん、無垢一枚物フローリングがあればいいのに、という声はここで話でね（汗）。
いや、ウッドショック後の現状、無垢フローリングの一枚物、特にオーク（ナラ）の一枚物フローリングは非常に貴重になっています。

原木が無い、のではなくて手の届きづらい価格帯になってしまっています。
現在、手持ちの在庫が無くなると一般的にはおすすめしづらい価格になってしまいそうな無垢一枚物フローリング。
その一枚物の不在部分を担うのが、挽板フローリングになるであろうと推察しています。

オークのリラクシングスペースの隣には、まったく趣の異なる、明るいリラクシングスペースがありました。

こちらは、白さがまぶしいバーチ。
オークと同じくセレクショングレードを使ってもらっていますから、バーチの美しく白い辺材部分が多く、照明をうけて輝いているように見えます。

ところどころに芯材部分の赤身が入っているのですが、それがあることで自然でありながらも不規則なリズムとなり、無垢材であると認識させるのです。

いや、無垢材ではないのだけれど表面材は1mmであっても、銘木合板フロアーなどとは異なる表情を感じさせてくれるということです。

建材メーカーさんの銘木合板フロアーの中にも、挽板フローリングと同じく表面材の厚みを厚くし、無垢フローリングと同様の仕上がりを感じさせるものもあります。
しかし、その多くは303mm幅で構成されている為に、私のような立場の人間にとっての貼り上がりはどうしても、合板フロアーのイメージを出ません。

それは、303mmという幅広のため大工さんの施工性は良いものの、規則的に見えることになるその303mmのつなぎ目が、無垢フローリングでは現れるはずのない規則的な溝となって見えるからです。

中には、建材メーカーさんも同じような挽板フローリングを販売されていますから、そちらであれば不自然さは少ないのですが、今度は価格が無垢フローリングを凌駕するものになりますから、均質でメンテナンスフリー的な「工場生産品」を求められる場合にしかおすすめしていません。

弊社の挽板フローリングシリーズの中でも、S1シリーズをおススメ、または採用いただくケースはやはり、その価格と貼り上がりのバランスなのです。

どれを選んでも良いほどの潤沢な予算があるならば、その表情から好きなものをチョイスすればいい。
無垢材でもなんでもいいでしょう。

しかし、そんなケースは非常に稀。
建築の全体予算の中でのベストを探すとき、その選択肢は決して無垢材だけではない。

そして、予算のなかでもベストな選択肢として、価格と見た目のバランスを考える時の手が届く一つの大きな選択肢が、このS1シリーズなのです。
建材メーカーさんの挽板フローリングでも、同じような仕上がりに出来るでしょう。
しかし、コストとのバランスを考えた時、表面材の厚みは若干薄くても十分に無垢材を感じることのできるS1シリーズ。

それは、時に大きな選択肢になります。
このバーチの空間にも、一般的な木目の空間ではない、本物の質感を添えてくれることで、明るくもあり落ち着いた雰囲気を出すことに寄与してくれているバーチ挽板フローリング。

様々なフローリングの選択肢の中で、ちょうどよいバランスを持っているS1シリーズ。

予算のこともあるけど、貼り上がりの表情も大切にしたい。
無垢フローリングだけにこだわっているわけではない。

そんな時、見方になるのが挽板フローリングS1シリーズ。

今回の様な、お洒落な店舗への採用も増えています！

！！挽板フローリングの特徴とご注意事項！！

1.
挽板フローリングシリーズは、合板や積層板の表面に数mmの無垢材を貼り合わせた商品ですので、稀に接着材の成分が表面の挽板に変色となって表れる事があります。（特にオークは黄色変色部分が出ることがあります。）
2.
床暖房向けに使用可能ですが、主暖房とする使用方法や床材表面温度が高温になる場合は、フローリングのすき間の発生や床鳴り、反りを生じますので、使用環境には十分配慮下さい。
3.
オークは稀に、フローリングの周囲部分に黒色の変色が現れる場合がありますが、湿度と反応するなどして起る現象ですので、ご留意ください。
4.
挽板フローリングも日焼けをします。顕著な差のあるロックメープルの日焼けとブラックウォールナットとブラックチェリーの2カ月での変化の試験結果を各記事でご確認ください。
5.
チークは、ロットによっては含まれる成分が析出し、見る角度によっては表面が若干白っぽくくすんだように見える場合がありますが、樹種の特性ですので異常ではありません。（一部、樹種特有の研磨状態の差による見え方の違いも出ることがあります。）
チークフローリングについては、ネシアンチーク幅広無垢一枚物フローリングを選ぶにあたって知っていただきたいことも併せてご覧ください。

・挽板フローリング S1シリーズはこちらから
・挽板フローリング S1 シリーズバーチセレクショングレード、編込みのおうち施工写真はこちらから
・挽板フローリング S1 シリーズカスクオークセレクショングレード、無垢そのもののおうち施工写真はこちらから
・挽板フローリング S1シリーズバーチと S2シリーズカスクオークのセレクショングレード貼り分けのおうちはこちらから
・挽板フローリング S2シリーズはこちらから
・挽板フローリング S2シリーズブラックウォールナット、リビング施工例はこちらから
・挽板フローリング S2/S3シリーズロックメープル建築士さんデザインのおうちへの施工例はこちらから
・挽板フローリング S3シリーズカスクオークのちょこっとリフォームの施工例はこちらから
・挽板フローリング S3シリーズカスクオークセレクショングレード、整ったおうちはこちらから
・挽板フローリング S3シリーズ・S2シリーズオークブラッシュドはこちらから
・挽板フローリング S2シリーズオークブラッシュド、落ち着いたブラウン塗装のマンション施工はこちらから
・挽板フローリング S2シリーズブラックウォールナット、自然なおさまりの家の施工例はこちらから
・挽板フローリング S3シリーズカスクオーク、ネイキッドグレード150mm幅のリフォームはこちらから

・弊社へのお問い合わせはこちらから
・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ

＊2019年以前のリンク表示をクリックしても過去リンク記事が見られない場合は、こちらの手順でお願いをいたします。
＊消費税10％への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。（ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。）

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2022年10月30日

私が苦手な樹種、カバザクラ　～さらに樺（カバ）を知る～　追記⑳ 「緋色の重鎮」オノオレカンバ補足

ついに到達！
祝二十回！（笑）

意外と私の心（脳？！）をつかんで離さない樹種。それは「カバ」。
ロシアンバーチに代表されるように、カバ材のフローリングは弊社の定番アイテムでもありますし、その優しい表情は、どうしても気になってしまう存在？！なのですよ。

だからこそ、今まで19回も続くコラム記事になったのだと思います。

前回の第19回は、イエローバーチとダケカンバを取り上げましたが、今回は非常に珍しいカバの仲間であるオノオレカンバについて、もう少し補足しておこう！と第20回を催すこととなりました！

もうこの時点でお分かりでしょう。

製材面に割れ止め塗装をされていますが、その影響以上にはっきりと現れた杢。
褪色しても輝き続ける杢は、いつまでも輝きを失わないダイヤモンドのようなもの。
それが全体にしっかりと出ています。

そして強くはないものの、緋色の木目を風に揺らぐ旗のように見せる木目。
樹種の特徴として、稀に言われるのはミズメに似ているということ。

確かに、同じカバですし重硬さ具合も非常に似ていますが、弊社にあるオノオレカンバはちょっと違うような気がします。

ミズメよりも非常に緻密な印象。

ミズメはどちらかというと朱色ともとれるような優しい紅で、マカバの緻密な芯材を持つものと非常に似ています。
しかし、オノオレカンバはもう少し桃色を帯びた緋色。

削った当初は辺材の色合いに白さを感じますが、それでも縮み杢の部分は若干黄色みを覚える印象。

そうそう、削ってみてというと、やはりその硬さがバリバリに発揮されます。
弊社のスタッフも、「これはプレナーでは無理ですよ・・・（切削加工を）やるんですね？！」と念を押すほどに硬質で厄介な杢。

見た目の色合いとは全く異なり、超重硬な上にこの杢です。
美魔女な奥様が、実はムキムキなボディービルダーだった！的な驚き・・・

基、本当にこの美しい淡さからは想像しがたい実重量と、もう触れた瞬間に「硬っ！！」という冷えるような手触りは、機械に突っ込むだけの加工は受け付けないことを物語るのです。

で、案の定です。

これでもじんわりと優しく加工したのですよ。
それでもやはりだめですね。
刃が引っかかるし、引っかかった部分は材面がガサガサになってしまい、「あたしに触るんじゃないわよ！！」的に（偏見か・・・）はね返される感じ・・・

でも、そこがまた美しいんだけど・・・

否。
回転刃物系の機会では、よほどの精度と良い刃物の機会でなければ加工は難しいかなぁと思います。
もちろん、杢が無ければそうは手こずらないはずですが。

ミズメはサクラとして敷居に多く用いられてきましたが、このオノオレカンバは櫛と印鑑。

印鑑というと、弊社の扱いの中ではツゲなのですが、カバ属の中でも硬質で緻密な材であるオノオレカンバは、精緻な彫加工にも耐えるという証拠の用途ですね。

その他、左官仕上げの木釘に使用されるというのを呼んだことがありますが、その理由と性質による仕上がりは定かではありません。
今度、左官職人さんのK住さん（お父さん）に逢ったら聞いてみよう(^^♪

さて、オノオレカンバは乾燥割れは出にくいと思われるものの、杢の影響かねじれはどうしても出てしまいました。
少しのびのび天然乾燥させすぎたかな・・・
弊社の倉庫で5年超の熟成です。

なかなか幅の広い板材や、長い材は流通しませんが、ひっそりと弊社倉庫で2mのオノオレカンバの板が寝ています。
ひとまず、その顔を見るために見本としてお披露目。
小さなサイズで出荷できるように、ネジレの大きな材をカットしました。
カットしたものですら、重量を感じる質感。

この見た目とのギャップがたまらなく魅力的！

今後は教材としても、そのすさまじい重さを体感してもらおうと思っています。
もちろん、オノオレを蒐集したいマニアにもお譲りします(^^♪

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2022年08月28日

夏といえば日焼け！！　①　～ロシアンバーチ幅広無垢オイル塗装フローリングの場合～

今では想像できないかもしれないけれど、私が小学生の頃は、夏といえば日焼け！
夏休みが終わった最初の登校日に、クラスの中で一番こんがり日焼けをした男子と女子が選ばれて、抱っこちゃん人形（古っ！知ってるかな？！）をもらう。

好きな女の子と一緒に選ばれたくて、一所懸命に焼くんだけど必ず私よりまだもう少し、焼けてるヤツがいる・・・
そんなときに限って、好きな女の子が女子で一番に選ばれてしまって、私と並んで受賞！の夏の夢は破れるのです・・・（涙）

その当時、日焼けは健康のシンボルの様な感じで、外で遊んでいる元気な子！という意味合いでとらえられていたように思います。
もちろん、日焼けしているから健康とは限らないし、今では過度な日焼けは良くないともいわれますから、時代や考え方はいかにも変わるものだと思います。

基、いつも無垢フローリングを検討されているお客様にショールームでお話するのは、木も人と同じように日焼けします、ということ。
木と人間は同じじゃないけど、日光による影響を受けることは確実。
そして、無垢材の場合はインテリアとしての色調を考えて採用される場合も多いので、どのように色合いが変化しますか？と聞かれる場合もあります。

お話はするものの、出来れば変化をその目で見て頂ける方がいい。

ということで、何でも作ってしまうのは当社の当たり前。
前回までに、挽板フローリングの傷のつき方や同じく挽板フローリングの日焼け（白さのメープルがどう変化するか）をご心配の方のために、カットサンプルを「潰し」ました。

上の写真は、弊社ショールームで定番商品のロシアンバーチのプルミエグレードのオイル塗装のカットサンプルを手に取っているところ。
それは、前回の挽板フローリングの日焼け試験と同じように、本来は南向きの窓にするところですが、直射だと急激に変化することと本来の日焼けの色合いを見ることが難しい場合があるので、今回は北向きの窓で7カ月放置！を行ったもの。

と言うは易しで、7カ月も放置しているとモチベーションが・・・じゃなくて変化が待ちきれなくて、多いかぶせているものを取り去りたい欲求に駆られてしまう・・・

いよいよ、それをはがすとき！！
見た目には変わっていないように見えるんだけど・・・

試験材は、白太厳選のプルミエグレードのオイル塗装品。

無塗装での変化を見るのも一つですが、無垢フローリングの場合はほとんどがオイル塗装か何かを使われるはず。
お客様の中には、やはり実際にオイル塗装をした色合いやオイル塗装での日焼け変化が想像できないという方が多くいらっしゃいますので、変化がなさそうなものや、変化の大きなものを実際に見られるようにしよう。

ということで、弊社で人気のつなぎ目V溝フローリングの RB-32VOPを使用しました。

それでは、覆いをとっていきますよ。

フローリングが先の写真よりも若干黄色っぽく見えているのは、カメラのせいもあるのですが角度によっての見え方の違いや、それに同じくして日差しの強弱での色目の差ですが、同一材です。

さぁ、どうなっているのか！！

こんなになってました！

実験成功。
もともと、バーチは初期の変色が早い樹種ですが、ちゃんと日焼けが進行しています。

この違い、こうやって見ると顕著ですがおおわれているときは全く気になりません。
むしろ自然なくらい。
だから、お住まいの場合だと余計に気が付かないと思います。

ラグマットなどがあったりすると別ですが、基本無垢フローリングはマットでは蓋わないでくださいね。

カットサンプルを２枚並べて一目瞭然。
中央が双方ともオイル塗装の初期の色合い。

白いものも良いのですが、日焼け後の色合いも味わいが出てしっとりと非常に良いものです。
艶っぽくなる、とでもいいましょうか。

無垢フローリングの場合はこんな感じ。
では、同じ条件で挽板フローリングの、それも色変化が大きいブラックチェリーと、意外と誤解の多いブラックウォールナットの高級樹種2種がどのように変化するのか？！を見てみたいと思います。

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muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

2022年04月08日

久しぶりの定番、ロシアンバーチとこっそり定番、兵樟のおうち

弊社でのベストセラー。
何だかわかりますか？！

オークじゃありませんよ（笑）。

実は、ロシアンバーチです。
現在の無垢フローリングと無垢材のショールーム「木志庵」を開設するずっと前。
90mm幅やスポット品（その時限りの商品）以外で最初に多くの在庫を扱った幅広無垢フローリングが、それでした。

それ以降、楓との二本柱で多くの在庫を抱えてきていますが、最近多かったのはプルミエグレードのつなぎ目V溝フローリングでした。
今回、久しぶりに古くからの定番商品であるネイキッドグレード130mmの RB-22ON を使っていただきました。

ネイキッドグレード。
それは、節や変色やパテ補修など、フローリングの用途として問題の無いものを基準の範囲（ここが大事）で全て含むもの、です。
ピュアラーチなどの針葉樹やカスクオークなどは、ある程度の節とパテ補修が目立つようになるグレードですが、ロシアンバーチは節はそう多くありません。

主には色違いが多いのが特徴。
杉のように赤白の色調の差がはっきりとしているバーチ。
その特徴をそのままみられるのがネイキッドグレードということです。

ピースが短いものが含まれるということがあったりしまが、節がパテ処理されているのが今一つ・・・という理由でネイキッドグレードを敬遠される場合がありますが、節が無いわけではないものの相対的に少なめなロシアンバーチはおすすめと言えるでしょう。

無塗装の時には少しぼんやりとしているように感じるかもしれない木目も、オイル塗装が入ると印象が変わります。
本来持つ「てり」などのキラキラした木目がはっきりとして、見る印象が変わるからです。

ところどころで波打ったように見えるでしょうか。

写真ですし遠目なので控えめですが、部分的にはキラキラを通り越してギラギラしてる（笑）ようなところもあります。
この杢が好きです。

バーチはもともと木目のはっきりとしない樹種。
赤白の差ははっきりとしていますが、プルミエグレードのように白い部分ばかりだとぼやけてしまいそう。
でも実際はプルミエグレードほど、端正な中にこの「てり」が多く含まれていて、ぼやける等ということは一切ない表情になります。
後は、お施主様がナチュラルな印象を好まれるか端正なものかの違いだけ。

無垢材をふんだんに使うとどうしても、ログハウス的に木材ばかりになってしまいがち。
他のインテリアに合わせにくくなるというイメージを持っておられる方もあり、私もどちらかというと異素材などとも合わせたい派ですので、どのようにバランスをとるかは重要視しているところです。

そういったところでも、節やワイルドなパテが多くはなく白と赤という針葉樹が多くもつ印象に近い素材として、ロシアンバーチをおすすめするケースもあります。

実際、使うまではUNIだし色違いが多いし、と思っておられた方も貼り上げてみて意外とよかった、という意見も今まで多くもらっています。

さて、弊社が十年以上前から定番にしている、と記載しましたがそれは非常に特別なことだということは、知ってもらう機会がありません。
いえ、記事の中ではちょこちょことお伝えしていますが、通常の無垢フローリングは同じ樹種名の同じグレードの商品でも、今年のものと来年の物、昨年の物では実形状や加工が全く異なります。

それに対して、ロシアンバーチをはじめ弊社の多くの無垢フローリングはずっと同じ実形状と加工、そして同じグレーディングを続けています。

もちろん、手作業ですから若干のばらつきはあるものの、実形状を同じにすることを続けるのは、実はコストの関係があり非常に大変なのです。
それを続けてきている大切さ。

施主様には関係のない様に思われる部分かも知れませんが、実はそれが大切。
同じものを作り続けるということは、品質も同じということ。
なんでも同じことですが、続けることは簡単なようで難しいのです。

ずっと変わらない品質は、他の無垢フローリングも同じことですがその代表格がこのロシアンバーチだと思います。

代表格がロシアンバーチなら、こっそりと定番になっているのが兵樟（つわものくすのき）幅広無垢一枚物フローリング。

日本の広葉樹無垢フローリングシリーズの中の一つですが、湿気対策と天然の芳香剤としての用途もあり、洗面所やお手洗いへの採用を頂いている兵樟フローリング。

決して多くは生産出来ないものなので、少量ずつのお届けなのですが密かに定番化してもらっています。
昨年は、東京の某有名高層ビル物件に採用されたこともあり、ご注文を原板不足を理由にお断りしなければいけないこともあったほどでした。

とはいえ、クスノキを採用するというのは非常に稀なケースではあるものの、適材適所での木材利用の第一歩。
大木となるクスノキは、大きな板ができるため天板やテーブルなどで目にすることもありますが、どうしてもその樟脳の香りを気にされる場合が多い。
特に、木材や建築業界ではそうでした。

しかし、近年ではその樟脳の香りも「いい香り」と認識されるようになり、その上で適材適所の使い方を説明すれば喜んでもらえるようになったこともあり、密かな定番フローリングになりつつあるのです。

もちろん、非常にクセの強い樹種ですので誰でもが採用できるものではないのですけれど・・・

人間にも個性があるように、どんな樹木にも個性があります。
そして無垢フローリングではグレードや製作工場によっても大きな違いがあります。
樹種の個性やストーリーを、無垢フローリングとしての性質や個性に合わせてお届けすること。

数少ない木材コーディネーターであるからこそできることで、しなければいけないこと。

単なる木材商社ではない、材木屋だからできること。

定番商品から見えることはそんなことを意味します。
ということまで考えてもらえるように、今日もお問い合わせに心を込めて返信している毎日です。
次の採用は何になるのかな・・・

ロシアンバーチ関連の記事は以下をご覧ください。

・ロシアンバーチ幅広無垢一枚物フローリングはこちらから
・ロシアンバーチ幅広つなぎ目V溝無垢フローリングはこちらから
・ロシアンバーチ幅広つなぎ目V溝無垢フローリングプルミエグレードオイル塗装、限定入荷はこちらから
・ロシアンバーチ150幅広無垢V溝フローリングネイキッドグレードO様着色塗装施工写真はこちらから
・ロシアンバーチ150幅広無垢V溝フローリングネイキッドグレードN様着色塗装施工写真はこちらから
・ロシアンバーチ150幅広無垢V溝フローリングセレクショングレードS様クリヤー塗装施工写真はこちらから
・ロシアンバーチ150幅広無垢V溝フローリングネイキッドグレード無塗装施工写真はこちらから
・ロシアンバーチ130幅広無垢ユニフローリングネイキッドグレードの施工現場はこちらから
・ロシアンバーチ130幅広無垢一枚物フローリングネイキッドグレードオイル塗装施工写真はこちらから
・ロシアンバーチ150幅広無垢一枚物フローリングネイキッドグレードとV溝フローリングネイキッドグレードH様無塗装施工写真はこちらから
・ロシアンバーチ幅広つなぎ目V溝無垢フローリングプルミエグレードオイル塗装、支えあうおうちの施工写真はこちらから
・ロシアンバーチ幅広つなぎ目V溝無垢フローリングプルミエグレードオイル塗装、和の縁側に白の調和編はこちらから
・ロシアンバーチ幅広つなぎ目V溝無垢フローリングプルミエグレードオイル塗装、天然素材の塗り壁材との競演はこちらから
・ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目V溝フローリング、プルミエグレードオイル塗装、モノづくりに共感の納品その③　～うっとりする玄関のバーチと、お客様の生のお声～はこちらから
・ロシアンバーチ無垢UNIフローリングネイキッドグレード無塗装、古民家再生の床仕上げの施工写真はこちらから

ロシアンバーチの他にもつなぎ目V溝フローリングがございます。下記も是非ご覧ください。（樹種によっては、グレードの限られるものがございます。）

・ホワイトアッシュ幅広無垢一枚物フローリング
・カスクオーク（ナラ）幅広無垢V溝フローリング
・ブラックウォールナット幅広無垢V溝フローリング
・ロックメープル（カエデ）幅広無垢V溝フローリング
・ブラックチェリー幅広無垢V溝フローリング
・ノルデストウォールナット（クルミ）幅広無垢V溝フローリング
・欧州楓（ヨーロピアンメープル）幅広無垢一枚物フローリング

＊ロシアンバーチ無垢フローリングを採用頂くにあたって

ロシアンバーチフローリングは、水分や油分などでケバの立ちやすい樹種です。
それが樹種の特徴ではあるのですが、無塗装でも楓などの樹種とは手触りの風合いが異なりますので、必ずご覧になっていただいてから検討頂くことをお勧めします。

また、施工当初の白っぽい色合いは日光により変化していきます。
色合いの変化については、こちらをご覧ください。

・日本の広葉樹無垢フローリング～兵樟（つわものくすのき）幅広無垢一枚物フローリング～はこちらから
・日本の広葉樹無垢フローリング～兵樟（つわものくすのき）幅広無垢一枚物フローリング、薫りで和らぐ水まわりのおうちの施工写真はこちらから
・日本の広葉樹無垢フローリング～兵樟（つわものくすのき）幅広無垢一枚物フローリング、贅沢な一枚物のおうちの施工写真はこちらから
・日本の広葉樹無垢フローリング～兵樟（つわものくすのき）幅広無垢一枚物フローリング、本物の無垢材の家施工記事はこちらから

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2022年03月17日

なかよしおうちの天然素材リフォーム　～エクスウォールとバーチ無垢フローリングのおうち～

喜んでいただけるとこちらもうれしい。

無垢材を使ってもらったり、ご提案の木材を気に入ってもらったり、いろんなパターンがありますが喜んでいただけるのが一番。
出来るだけ、その場所やお考えを形と出来るようにと日々考えています。

今回ご提案を採用してもらったのは、ご家族が増えるリフォーム。
とっても明るく、子供さんも皆はきはきとして礼儀正しく心地よいご家族のおうち。

3部屋を改修し、無垢フローリングと天然素材の塗り壁材であるエクスウォールを使っていただきました。
子供さんのお部屋は、いろいろと夢の詰まったクロス仕上げの壁と天井。そこにバーチ（カバ）のUNIフローリングです。
このバーチフローリング、実はいつものバーチではありません。

紹介しているロシアンバーチとは異なる商品なので、ホームページには記載していないウラ品番（笑）です。
赤白の濃淡があるものの節は一切ない為に、「ごちゃごちゃとしている」と言われる場合のあるネイキッドグレードとは違った印象を受けますよね。

以前にもリビングや洗面所の改修で無垢フローリングを使っていただいているおうち。
そして今回は子供さんのお部屋にも。

子供の時って、特別「無垢材」を意識していないものです。
でも、大人になってみてビニール材や木目柄に接するとどこか違和感を感じる。

それは、木の木目が持つ揺らぎや感触などが感覚と心に作用するからではないかと思います。

だから、子供のうちから無垢材の家に住むことは非常に大切！と思ったりするのです。

さて、無垢フローリングも大事なんですが今回も天然成分だけでできている珪藻土、エクスウォールを採用してもらったのは和室の改修。

天然素材の塗り壁材エクスウォールとDバーチフローリング３

左官職人さんが丁寧に塗り込んでいってくれています。
職人さんの手作業って、いいですよね～！

柱が見えていますよね？
真壁、和室です。

クラックがあったり一部剥落していたりで、下地処理が手間取りましたが洋室への改修ながらも柱はそのまま見せておくという、和室改修に一役かったのです。

天然素材の塗り壁材エクスウォールとDバーチフローリング２

使い込まれた柱が外の光を反射させています。
やっぱり、鉋仕上げはいいですね！

そんな柱を見せているので、エクスウォールも大きなパターンは付けていません。
和室の面影を残しながら、洋室のフレッシュ感を出すためにちょっと「おさえ」気味にしています。

でも、そうしたことで綺麗なんですけど写真ではせっかくの左官屋さんのエクスウォール施工が目立たない！！
ちょっと残念なんですけど、目立たないくらいにきれいにしてもらっています。

夕方になり、照明を通してみると左官塗り特有の鏝の後が見えるのですが、昼間は隠れているように見えません。
でも、パターンを主張しなくても見えない調質性能は効果抜群！

想像以上に、暮らし心地に影響をしてくれる部分なのです。

数字や物事として見えなくても、人は多くの情報を感じ取っています。
その情報のなかで、生活環境に影響する部分は非常に多い。

空気環境も、エアコンや換気扇に頼るのではなく自然素材と天然素材の持つ力を有効に活用して、快適に過ごしていただきたいものです。

さりげなく、微妙にザラッとした印象を残しています。
それが、木の木目の質感とともに「ピカピカ」ではなく優しい印象を与えるのかもしれません。
さりげなく主張する質感。

控えめなところ、好きです（笑）。

天然素材の塗り壁材と、自然素材のフローリングでのリフォーム。
どんどん増えていってほしいと思います。

・天然素材の塗り壁材エクスウォールはこちらから

～施工例　一覧は以下からどうぞ！～

・天然素材の塗り壁材　エクスウォール　ロシアンバーチと共演の茨木市の和室改修はこちらから
・天然素材の塗り壁材　エクスウォール　心地よい住処はこちらから
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2022年01月13日

カスクオークとバーチの貼り分け～挽板フローリングと手仕事の大工さんのおうち～

昨年も、多くの皆さんに無垢フローリングを施工いただきました。
その中でも、想像以上に御愛用頂いたのは挽板フローリングでした。

出荷量としては、無垢フローリングの方が多いのですが思っていたより多くのご注文を頂いたということです。
それは、無垢フローリングの場合はなかなか採用が難しいケースの多い一枚物のセレクショングレードやプルミエグレードを、手の届く価格で検討できるということ。

日光をうけて光り輝く白いフローリング！
その美しさに驚いていただける、挽板フローリング S1シリーズのバーチ、セレクショングレードです。
微妙な色差や葉節、軽微な赤身などは含むものの無垢フローリングではなかなか貼り上げる機会の少ない、純白に近いバーチの美しさを見る事ができるのが、この挽板フローリングでのバーチの最大の特徴でしょう。

その表情が見る位置により変化することは、無垢フローリングと同じ。

先の写真を反対側から見たところですが、若干赤みを帯びているピースと節の表情の部分がよく見えます。
それとともに、先ほどとは異なる部分の縮み杢が見えているのがわかるでしょうか？！

そうです、挽板フローリングのバーチで私がもっともおすすめするポイントは、この縮み。
木目が主張しないバーチと言う樹種は、白いだけで単調になると思われがちでしょう。
そんな印象を根本から覆すのが杢！

木目と交差するように波打つ杢。
これが、見る角度によって様々な変化を見せることは、拙記事の読者であれば当然のこと、とご理解いただけるでしょうけども、それを理解しているはずの私も、実際にフローリングになっているものを見るとほれぼれしてしまいます。

こんな杢が色々なところに散りばめられていて、本当にきれいなのです。

そんな杢が見られるのも、表面の挽板が一枚物であるからこそ。
無垢フローリングのUNIタイプでは得られないものです。

挽板フローリングのS1シリーズとS2シリーズは、909mmという長さではあるものの貼り上がりは一枚物に見える為、一般的な合板フロアーとは全く仕上がりが異なるのです。
しかしながら、価格は合板フロアーの少し上、という設定なので「予算を考慮した上での仕上がり」を描きやすいということで、とても好評！

挽板フローリングも、ネイキッドグレードをご用意しているのですが、意外と（笑）人気があるのはこのセレクショングレードなんです。
やはり、無垢フローリングでは選択肢に入れづらいグレードの仕上がりを得られるということは、とても大きなポイントだと言っていただけます。

貼り上がりの表情は、おうちの印象には非常に大切ですものね！

さて、ここのおうちでみられるのはバーチの表情だけではありません！
実は部屋により貼り分けしていただいているのです！！

ドドーン！です。

挽板フローリング、カスクオークのセレクショングレードです。
少し縦長なお部屋なのですが、だからこそ一枚物フローリングと同様に木目が途切れずに伸びる、挽板フローリングが活きています！

先ほどのバーチと比べると、木目の多彩さが際立っています。
バーチもそうですが、双方オイル塗装済であることで一層木目がはっきりとしているので、オークの存在感は非常に大きく感じられます。

こちらもバーチと同じく、ピースごとの色差や表情の差は多彩。
深い部分もあれば、明るい部分もあり、柾目があれば板目もある。
そして、小さな節の部分や色むらが無垢フローリング同様の、自然の質感を感じさせます。

オークという樹種は、幅広フローリングでこそ活かせる樹種ではないかと思います。
もちろん、90mmの無垢フローリングでもその質感を味わうことはできますが、弊社でいえば130mmや150mmという幅広サイズでは一段とその表情がはっきりとしてきます。

それは木取りという製材方法の違いにあるわけですが、その手段は違ってもやはりオークの木目を感じる事ができるのは幅広サイズ。

今回採用の挽板フローリングもバーチは127mm、そしてオークは120mmというサイズなので、しっかりとその木質感を楽しんでいただける仕上がりなのです。

あれ？！、っとここで疑問を持っていただけると非常にうれしいところ。

そうなんです。
実は今回バーチはS1シリーズを、そしてカスクオークはS2シリーズを使ってもらっているのです。
それで幅寸法が異なるのです。

もはや、完成後ではその違いが判らないと思います（汗）。
特にそうやって紹介する必要はないのですが、違いの分かりづらいS1シリーズとS2シリーズですから、施工写真として紹介出来る時に紹介しておこう！というわけです。

それに、S2シリーズにはバーチのラインナップはありません。
今回も、正直に報告するとS1シリーズのカスクオークが欠品中の為に、わざわざS2シリーズを使ってもらったというだけのお話なんですが、以前にS1シリーズのカスクオークを使ってもらっているだけに、一度の現場で二度おいしい（？！）様な感覚になっていただいたのではないかと、勝手に想像してます。

さて、弊社としては納品したフローリングを気に入って頂き非常に有難い限りなのですが、それとともにいつも楽しみなのは、こだわりの建築を見られる事。

こだわりの仕事内容、木の使い方、木の見せ方。
手を駆使した技術のある仕事が施された建築を見る事ができるのは、完成した後に訪問するこの機会のみ。

前回、ものすごく驚いたのは天井でした。
え？そんな仕事を・・・と。

もちろん、今回もいろいろとあるのですが今回はリフォームであったことで、大きな部分には手を入れられていませんでした。
しかし、やはり素材や見せ方はとっても美しいもの。

この杉柾の天井板を煤竹の竿にしているところに、更に！ダウンライト！！

古く時間を重ねた構造部材の色合いと煤竹の色。
そしてその色合いを重く感じさせない、杉柾のスカッとした木目の流れ！
それをさりげなく見せる、大工仕事。

お見事。

いつもながらにお見事です。
毎度当然のように、微に入り細を穿つ仕事ぶりを見せられる大工さん。
当然のように。

そう、期待される仕事を当然にこなし、想像以上の内容を見せてもらえる。
そんな人に使ってもらえる、選んでもらえるのは非常にうれしいことです。

もう、脱帽！という私の気持ちを代弁してくれているのも、実はフローリングでした。

ぜひ、次の現場も見学に行けるように、私もラインナップを向上させていこう！と思う充実と悦びの見学となりました。

！！挽板フローリングの特徴とご注意事項！！

1.
挽板フローリングシリーズは、合板や積層板の表面に数mmの無垢材を貼り合わせた商品ですので、稀に接着材の成分が表面の挽板に変色となって表れる事があります。（特にオークは黄色変色部分が出ることがあります。）
2.
床暖房向けに使用可能ですが、主暖房とする使用方法や床材表面温度が高温になる場合は、フローリングのすき間の発生や床鳴り、反りを生じますので、使用環境には十分配慮下さい。
3.
オークは稀に、フローリングの周囲部分に黒色の変色が現れる場合がありますが、湿度と反応するなどして起る現象ですので、ご留意ください。

＊カスクオーク無垢フローリングを採用頂くにあたって

カスクオークフローリングの原材料のホワイトオークは、ケヤキやタモと同じように環孔材広葉樹であり、キクイムシによる白太（辺材）の食害を受ける可能性があります。
全てがそうではありませんが、採用にはその可能性がある事を含みおき頂きますようによろしくお願いいたします。

・挽板フローリング S1シリーズはこちらから
・挽板フローリング S1 シリーズバーチセレクショングレード、編込みのおうち施工写真はこちらから
・挽板フローリング S1 シリーズカスクオークセレクショングレード、無垢そのもののおうち施工写真はこちらから
・挽板フローリング S1シリーズバーチと S2シリーズカスクオークのセレクショングレード貼り分けのおうちはこちらから
・挽板フローリング S1シリーズバーチとカスクオークのシェア店舗の施工はこちらから
・挽板フローリング S2シリーズはこちらから
・挽板フローリング S2シリーズブラックウォールナット、リビング施工例はこちらから
・挽板フローリング S2/S3シリーズロックメープル建築士さんデザインのおうちへの施工例はこちらから
・挽板フローリング S3シリーズはこちらから
・挽板フローリング S3シリーズカスクオークセレクショングレード、ちょこっとリフォームはこちらから
・挽板フローリング S3シリーズカスクオークセレクショングレード、整ったおうちはこちらから
・挽板フローリング S2シリーズブラックウォールナット、自然なおさまりの家の施工例はこちらから
・挽板フローリング S3シリーズカスクオーク、ネイキッドグレード150mm幅のリフォームはこちらから

・カスクオーク（ナラ・楢）幅広無垢一枚物フローリングはこちらから
・ロシアンバーチ（カバ・樺）幅広無垢一枚物フローリングはこちらから

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muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

2021年09月10日

ロシアンバーチの輝きと、天然素材の塗り壁材エクスウォールの落ち着きを茨木市にて！

いつも思うのですが、特別宣伝をすることなくSEO対策を講じているわけでもない弊社を見つけて頂き、インターネット経由でお仕事のご連絡を頂ける。

こだわりは非常に大きくもってはいるものの、知名度はかなり低いと思いながらも探し当てて頂ける幸せを感じます。
今回は、弊社の地元である大阪府茨木市において、和室部分の床を無垢フローリングに改修するとともに、壁の塗替えのご相談を頂きました！

お客様は、事前に様々な施工例を見ておられたのですが、大変有難いことに弊社の施工例やフロ―リングの記事をご覧頂いていて、杉やオーク（なら）のフローリングも視野に入れながらも弊社ショールームにて実物をご覧になって、最初に「これはいい！」と思っていていただいたロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目V溝フローリングのプルミエグレードオイル塗装に決めて頂いたのです。

ショールームにおこしいただくまでの当初は、そのあまりの美しさに（笑）手が出ないかもしれない、と思われていたようですが一念発起をしていただき、採用いただいたのでした。

そりゃそうだと思います。
建築雑誌などには、節ありの無垢材が多く掲載され、しかもおしゃれに住まわれている雰囲気満載ですから、綺麗なのはわかっていても、わざわざプルミエグレードを採用されるパターンは決して多くはありません。

しかしながら、今回は床の間を活かしたままの和室を改修ですので、節ありはそぐわないうえに私の個人的な見解として、無垢の針葉樹の真壁造りにはロシアンバーチが非常によく似あうと思います。

経年変化で飴色になった柱にもそうですし、和室の天井板などにも違和感なくなじむように思います。

広葉樹フローリングを考える時、どちらかというと木目のはっきりとしたオークなどの樹種が最初に思い浮かびます。
サンプルで見た場合もそうですが、この控えめな木目の底力を御存じなければ、スルーされてしまうかもしれないような存在がバーチかもしれません。
一般的に見かけるバーチといえば、赤い芯材と白っぽい辺材が混ざり合っているものです。
しかしながら、ロシアンバーチのプルミエグレードはほぼ辺材のみを厳選しています。

そのため、純白！と言ってもいいくらい白さが際立つのです。

もちろん、本当のところは白ではないのですけどもまさしく「純真無垢」な美しさを感じます。

そしてその控えめな木目をひきたてている、というか木目以上に主張しているのがこの縮み杢やてり。

バーチ特有のゆらゆらとした杢。
光りの当たり具合によって揺れるようにも、水面の反射の様にも見える木目。

これが、プルミエグレードの最大の特徴。
私もとっても好きなところです。
フローリングとしての機能や性質は、節あり色むらありのネイキッドグレードでも十分です。
無垢材としての表情の多様性はむしろ、ネイキッドグレードにあると言えるでしょう。

しかしながら、この何とも言えない美しさはプルミエグレードでしか味わえません！

当初は、できるだけ目立つ場所に使ってもらうよう邸だったものの、想像以上に次々と杢が現れ途中からはもう順番に並べていこうというほどに、いたるところにキラキラとした木目を見る事ができます。

この魅力的な木目は、プルミエグレードを選択肢に入れた人のみが見られるもの。
どうしても、プルミエグレードは予算に合わないと思われがちですが、一枚物は別として通常のUNIタイプやこのつなぎ目V溝フローリングであれば十分に検討をしていただける範囲のはず。

もちろん、節や色差のあるものも特徴的ではあるものの、この端正でありながらも大胆な表情はウォールナットやオークにも決して引けをとらないとおもうのですがどうでしょう。

さて、ロシアンバーチも美しいのですが、その空間をさらに明るくはっきりとしているのが、前回紹介の天然素材の塗り壁材エクスウォール！
弊社オリジナルの珪藻土系の左官素材ですが、元和室である空間にも明るすぎずにいて、元の壁の塗り感を残してリフレッシュできているため、すっきりとした印象になっています。

写真ではどうしてもその質感がでないのが非常に残念！

和室であることもあり、「押さえた」感じの仕上げにしてもらっているので余計なのですが、綺麗に塗り込んでもらっています。
通常の洋室への施工の場合は、コテ目が少し見えるような仕上げにしてもらう場合が多いのですけども、今回は押さえ風。

近くによると、骨材の凹凸が見えます。
この凹凸とコテのテクスチャーを活かした仕上げもいいものですが、珪藻土は洋風仕上げという概念以上に和室改修にも馴染むところを見て頂けるのではないかと思いますがいかがですか？！

そこには、ロシアンバーチの控えめな魅力が相乗効果として存在することも忘れてはいけませんけども・・・

今回結果的に、自分で『思った通り』の仕上がりになっていたのですが、完成した時の印象は「思った以上」でした。
想像していた以上に、雰囲気が良かったというか和室に合っていたというか。
エクスウォールの卓越した性質は、前回の記事でお伝えした通りですけども、やはり採用が多い場面は洋室の石膏ボードへの施工。

今までの塗り壁材とは異なり、石膏ボードに直接塗ることができるので素早く容易に仕上げることが可能ですから、左官仕上げは魅力的なものの予算的に採用できない、と思っていた方にも十分に採用を検討いただける、というか採用してもらい、おうち全体に塗っていただきたいと思うほどのものです。

職人さんが仕上げる優しい風合いの塗り壁素材。
是非、無垢フローリングとともに！

・天然素材の塗り壁材エクスウォールはこちらから
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・ロシアンバーチ幅広無垢一枚物フローリングはこちらから
・ロシアンバーチ幅広つなぎ目V溝無垢フローリングはこちらから
・ロシアンバーチ幅広つなぎ目V溝無垢フローリングプルミエグレードオイル塗装、限定入荷はこちらから
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・ロシアンバーチ無垢UNIフローリングネイキッドグレード無塗装、古民家再生の床仕上げの施工写真はこちらから

ロシアンバーチの他にもつなぎ目V溝フローリングがございます。下記も是非ご覧ください。（樹種によっては、グレードの限られるものがございます。）

・ホワイトアッシュ幅広無垢一枚物フローリング
・カスクオーク（ナラ）幅広無垢V溝フローリング
・ブラックウォールナット幅広無垢V溝フローリング
・ロックメープル（カエデ）幅広無垢V溝フローリング
・ブラックチェリー幅広無垢V溝フローリング
・ノルデストウォールナット（クルミ）幅広無垢V溝フローリング
・欧州楓（ヨーロピアンメープル）幅広無垢一枚物フローリング

＊ロシアンバーチ無垢フローリングを採用頂くにあたって

ロシアンバーチフローリングは、水分や油分などでケバの立ちやすい樹種です。
それが樹種の特徴ではあるのですが、無塗装でも楓などの樹種とは手触りの風合いが異なりますので、必ずご覧になっていただいてから検討頂くことをお勧めします。

また、施工当初の白っぽい色合いは日光により変化していきます。
色合いの変化については、こちらをご覧ください。

・弊社へのお問い合わせはこちらから
・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ

＊2019年以前のリンク表示をクリックしても過去リンク記事が見られない場合は、こちらの手順でお願いをいたします。
＊消費税10％への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。（ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。）

木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧　
http://muku-mokuzai.livedoor.biz/archives/1611916.html

・戸田材木店・セルバのホームページ
http://selva-mukumokuzai.jp

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muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

2021年08月14日

ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目V溝フローリング～和の縁側に、白の調和～

今回、弊社おすすめの無垢フローリングを施工をしていただいたのは、立派な和室がある純和風の素晴らしい建築のおうち。
床の貼替が縁側だとは聞いていたのですが、こんなに立派なおうちだとは思わずでびっくり。
床の方は、和風の建築にも合うとおもっていたのですが、迫力に驚きました。

それがこちら。

ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目V溝フローリング１

どうです！？
無垢板の入った障子やふすまにも違和感なく調和している姿。
純、和の建築の二間（ふたま）続きの和室からの縁側です。

最初お話を聞いた時は、幅三尺の縁側何だろうと勝手に決め込んでいたのですが、送っていただいた貼り延べ寸法が大きい。
ん？！幅、広い？！と思っていたら本当に広い五尺！
これなら、将棋や囲碁に興じていても広すぎる（笑）と感じるほど。

真壁（構造木材が見えている）造りの場合は、改修に使用する木材の樹種によって既存の雰囲気に合わないのではないかという心配をされる方もおられます。
広葉樹でいうと、ケヤキは和の建築に用いられる代表格の様な感じではありますが、オークなどは意外と洋風建築のイメージが強くついているようです。

実際はそうでもない、とも思うのですがそれでも、お施主様の持つイメージというのは非常に大切なものですから、和の建築や無垢の木がすっきりと使われるような場面での広葉樹フローリングとしての提案で、私がご案内しているのが、このロシアンバーチ。

トップグレードとなるこのプルミエグレードは、軽微な元赤（根元部分の若干の芯材）以外はほぼ辺材の節なし材のみを厳選しています。
黄白色から乳白色のうっすらとした色合いは、ヒノキやスギなどの和の木造住宅部材にすんなりと入り込んでくれますし、それは新築時の赤白くっきりの針葉樹材でも、今回の様に年月を重ねた飴色の針葉樹材にもとけこんでくれる、オールマイティーさを持っています。

特に、広葉樹というとはっきりとした木目のものを想像しがちですが、ある意味針葉樹よりも柔らかに感じるのではないかと思うほどに、柔和な表情を見せるのがこのロシアンバーチ。

だからこそ、木をそのままの姿で活かす和の建築にも違和感なく見る事ができるのだと思うのです。

縁側というと、どうしても針葉樹の「柾目」じゃないといけないという固定観念があります。
建築に携わっている人も、旧家にお住まいの方も。
今回も縁側ですが、広葉樹の板目材で、しかもUNI品というつなぎ目がある製品を使っていただく事ができました。
弊社の百年杉柾浮造り無垢フローリングは、一枚物とUNI（たて継）の双方をラインナップしていますが、針葉樹フローリングのUNIタイプというのはほぼありません。
特に、柾目のフローリング自体が少ないうえに一枚物はなかなかありません。
弊社では広葉樹フローリングの一枚物で清涼たも（せいりょうたも）柾目フローリングがありますが、それも非常に珍しいものです。

そういったイメージの中、柾目ではなく板目のUNIタイプを採用して頂いたわけですが、たて継であることを忘れてしまうほどに違和感がないのはやはり、つなぎ目V溝フローリングだから！

通常であれば、UNIタイプのつなぎ目がフローリング表面に出てくる部分に、わざわざV溝加工を施し一本のフローリングの中で長さをつないでいる「目印」をなくし、長さが異なる木材を一つ一つはめあわせたようなイメージになるようにしてあるのです。

この効果は非常に大きく同じプルミエグレードといえども、うっすらとつなぎ目のラインが出来る部分に溝のラインがあることで、木材同士のつなぎ目が違和感なく見られるのだと思います。
一枚の木目が長く続くのももちろんいいものですが、木目に同じものが二つとないように色合い一つとっても少しづつバラつきがあるために、一枚ずつが控えめながらもアピールしているように感じます。

更に印象的なのは、この杢です！
木目は決して派手なところはないものの、キラキラ輝くこの杢は非常に印象的なうえ明るさを感じさせます。
撮影に応じてくださったご主人も、「明るぅ～なったわ！」と言っていただきました。

バーチは、芯材の赤色と辺材の白色の差もきれいなものですが、この辺材のみの白さと見る角度によって変化する杢のキラキラ感は他の樹種にはない特徴です。

古民家においても、ケヤキの大黒柱や床の間材が映える場面をみるものの、そのほかの広葉樹は色合いが深く変わってくることによって、その木目を感じる場面は少ないと思います。
しかし、これだけの杢があれば時間が経過してもいつまでも輝き続けてくれると思います。

今回採用いただいたのは、いつもお施主様に無垢材を進めて頂き、固定観念にとらわれない活かし方や見せ方をして下さる Doi Design office さま。
そして、施主様にも「宣伝に使ってもらっていいですよ～！」との有難いお話を頂いています。

撮影当日は、晴天から急に土砂降りになった後に曇天なのに微妙に明るさが変わっていく、というカメラ下手泣かせの状況でした。
そんな状況にも関わらず、ご主人が「コーヒーでも飲んで行ってよ！」とおっしゃって下さり、カメラの色温度や明るさ合わせに苦戦する私を、ものすごく美味しそうなコーヒーの香りで誘って下さるのです（笑）。

長くて広い縁側を縦横無尽に走りながら、いそいそと写真を撮り何とかコーヒーの冷めないうちに撮影を終えました。
そんなバタバタの中でお気に入りの一枚を最後に、和風旧家に広葉樹フローリングの縁側の記事の報告を終了したいと思います。

ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目V溝フローリング７

・ロシアンバーチ幅広無垢一枚物フローリングはこちらから
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ロシアンバーチの他にもつなぎ目V溝フローリングがございます。下記も是非ご覧ください。（樹種によっては、グレードの限られるものがございます。）

・ホワイトアッシュ幅広無垢一枚物フローリング
・カスクオーク（ナラ）幅広無垢V溝フローリング
・ブラックウォールナット幅広無垢V溝フローリング
・ロックメープル（カエデ）幅広無垢V溝フローリング
・ブラックチェリー幅広無垢V溝フローリング
・ノルデストウォールナット（クルミ）幅広無垢V溝フローリング
・欧州楓（ヨーロピアンメープル）幅広無垢一枚物フローリング

＊ロシアンバーチ無垢フローリングを採用頂くにあたって

ロシアンバーチフローリングは、水分や油分などでケバの立ちやすい樹種です。
それが樹種の特徴ではあるのですが、無塗装でも楓などの樹種とは手触りの風合いが異なりますので、必ずご覧になっていただいてから検討頂くことをお勧めします。

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muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

2021年08月11日

私が苦手な樹種、カバザクラ　～さらに樺（カバ）を知る～　追記⑲ イエローバーチとダケカンバ

今やブログを継続する時代ではなく、ソーシャルメディアの時代だというにもかかわらずに、拙記事をご覧になって下さっている有難い皆様、昨年異例に長く続いた「樺（カバ）を知る」シリーズは覚えてらっしゃいますか？！
途中若干引用しましたが、まるでドラゴンボールの孫悟空がどんどん強くなるように？！、拙記事もどんどんと深みに入りこみ終わりを見失いそうになっていましたが、一応18回で区切りをつけた木まぐれコラム（助走を含めると20回超えているけど・・・）です。

日本においてはそれほど注目されていないというか、一般的には誤解されながら多く使われている「樺（カバ）」という樹種ですが、非常にたくさんのストーリーや知られていないであろう用途と樹種の特性を話しだすと終われずに、木まぐれコラムにおいての最長シリーズ樹種になったのでした。

しかし、その連載を大台の20回にのせようともくろんだかどうかは定かではありませんが（笑）、過日の新聞記事にバーチ（カバ）の名前を見つけたのです！
新聞記事や広告を見たりしているとき、自身の興味のあるワードに目が行くことありますよね？！
私の場合は「木・樹・巨・無・自然」などなど。
今回はそんなワードではなくはっきりと、「アオダモからイエローバーチに」と樹種が記載され、見過ごすはずがなく(^^♪

アオダモ、という樹種名を聞けば多くのファンはピンとくるであろうスポーツ、それは野球。
プロ野球選手が打席で使う木製バットには特定の樹種が使われていて、もっとも有名なのがアオダモ。
アオダモについては、イースタンアッシュ幅広無垢一枚物フローリングやホワイトアッシュ幅広無垢一枚物フローリングの記事にて触れていますが、プロ野球の試合前に植樹イベント用に植木鉢が用意されたりしているあの樹種です。

アオダモの属するタモ（アッシュ）の仲間は、多くの種類がありますし他の木材と同様に産地や土壌によっての影響を強く受けますから、タモ類であれば何でもいいわけではなくやはり、バットに適したアオダモが必要になり、現在でも貴重な存在として使われています。
新聞記事によると、選手一人に用意されるアオダモの角材（バット原料）は試算では、年間200～500本の計算になるそうです。
それは、無事にバットとして合格するものが少ないことと、折損などのために予備を用意する必要があるために数量が必要な事からです。

そうやって消費され続ける特殊用途材が減少するペースを緩和するとともに、樹木の持つ特性も併せて注目されている樹種がカバの仲間である「イエローバーチ」だというのです。
なんとあの大谷選手も、今季からイエローバーチ製のバットに変更していると言うではありませんか！
そして現在、ホームラン数両リーグトップ！

彼も「ボールを運ぶイメージからはじき返すイメージ」をもち、使っていたアオダモ製から変更したそうですが、鍛えあげられたあの体格と本来持っている日本で育まれた打撃センスが、イエローバーチの特性にバーチり（ばっちり・・・ね。）ハマったんでしょうね！

木材業界の古書を紐解いても、アオダモは衝撃吸収とともに打撃におけるボールの感覚を非常によく手に届けるため、コントロールするようなバッティングができるため賞用される旨の記述があります。
世界のイチロー選手もアオダモ愛用だったそうですが、あのバットコントロールを見るとまさしく先のイメージ通りだと思いませんか？！

樹木の特性ってすごいですよね。

その話題のイエローバーチ。
残念ながら、日本の樹木ではありません。だから関係ない様に思いますが、そうではないのです。
日本ではその話をうけ、北海道にて「ダケカンバ」によるバットの試験がされているというのです。
ダケカンバについては、以前のシリーズにおいてところどころでとりあげていますが、有名ではないカバ材のなかでも残念ながら一際扱いが「雑」な樹木です。
なにせ新聞記事にも「チップが主な用途だが・・・」と記述され、木材業界でも「ザツカバ」と称されることもあるくらいですから、申し訳ない位なのですけども、そのダケカンバに非常に有用な用途ができようとしているんですね。

バットは硬い方が反発性に優れ、ボールを跳ね返しやすくなる。
タモを製材した場合よりも、メープルの方がぎっちりと詰まっている感じがし、製材機が一所懸命に鋸を動かす感じが伝わってくる硬さですが、反対にしなりと適度な柔軟性のある硬さのタモ類は、鋸が進んでいくのを感じられるような感触。
こりゃ、バットでも違うだろうな、という感じですがやはりカバ類はその中間とは言わないまでも、散孔材特有の実の詰まった中にもしっとりとした感触があり、中庸な性質を感じます。

繊細なバットコントロールとはじき返す反発力のちょうどよい融合をみせる、バーチ（カバ）。
そこに、使う選手の資質と体力が加わりバーチがプロ野球界の主役になる日が来るのかもしれません。
新聞記事には、メープルのバットが広く知られるようになったきっかけであるホームランバッターの活躍があり、バーチ（カバ）のバットもそうしたストーリーが必要であろうとされています。
確かにそうかもしれませんが、今期の大谷選手の活躍を見ればそのストーリー性は1シーズンで作り上げられるのかもしれません。

そしてイエローバーチではなく、「雑カバ」なんて言わせない！純国産の「ダケカンババット」が日本のプロ野球界において主要な役割を果たし、カバの仲間が注目されることを期待しています！

追伸：阪神ファンとしてはもし、バースがダケカンババットを使っていれば、さらなる高打率と本塁打数を記録していたのではないか？！と、妄想を膨らましてしまうのですがその夢は、今後の佐藤選手や大山選手（←本塁打量産50本＆3割の願望）、そして近本選手や中野選手（←3割5分＆本塁打20本！の夢）が実現してくれるかもしれませんよね！！
（あぁ、糸原選手も入れたい・・・）

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2021年03月20日

ロシアンバーチ（カバ・樺）幅広無垢つなぎ目V溝フローリングオイル塗装と、支えあう真壁のおうち

つい先日、#無垢フローリング後悔、#無垢フローリングのデメリットなどと投稿したところながら、既に2回目の無垢フローリングについての投稿になります（笑）。
仕事だからではなく、隙間があろうが傷が付こうが好きなんだから仕方ない。
あばたもえくぼ的な私ですからね・・・

でも、前回までに書いたように無垢材や木材を購入する場合、その情報は非常にあふれている様で正確な情報として知る事が出来るものは意外と少ない場合もあります。
それは説明が不十分な場合もあるでしょうし、思い違いもある。それ以上に、価格の優位性や販売手法の巧みさによって、自分にとって「良いものだ」と過信してしまう場合もある。

それらの情報の取捨選択は、建築に慣れている方でも難しい場合があります。
特に、小さなサンプルで選んだ場合や十分な説明がされなかった場合。
前者にしても後者にしても、どちらもお届けする側が十分に説明をする必要がある部分なのですが、そうすることなく販売されているケースをたくさん目に耳にします。

そんな中で、特に難しいのが広葉樹の表情。
スギやヒノキはある程度想像ができるようですが、広葉樹になったとたんにそのイメージがつきにくくなる。
当然のことです。無垢材そのもので目にする機会が少ないですし、目にしたものがすべてだと限らないからです。

いや、スギにしたって弊社の古希杉や埋め節フローリングのように、「節ありのはずなのに節がない！」や「赤白あるはずなのに、ほとんどが赤身！」と、いい意味で創造できなかった表情をみせるときがあるので、広葉樹に限ったことではありませんけども。

前置きがいつも通り長くなりましたが、こうやって少しでも多くの事前情報をお届けしなければ「ご満足いただけないのでは…」と不安なので、私はよいところばかりではなく印象の悪くなるかもしれないところも、可能なかぎりお伝えするように努めているつもりです。
が・・・このフローリングについてはそんな心配はほぼ無用！！

どうだ！！
と大きな声で言いたいほど、自慢のフローリングです。
色違いほぼなし！（自然な色さあり）、節なし！、幅広！、天然オイル塗装！という、アピールポイントしかないからです！！
しいて言えば美しすぎて、節や色違いのあるものを見慣れている方には反対に無表情に感じるかもしれないことが、注意点ではないかとさえ思えてきます。

違う部分を映した写真ですが、一瞬同じアングルに見えてしまう。
それくらいにばらつきがありません。
いや、正確に言うと一枚一枚まったく異なる無垢材の表情をきれいに見せてくれるといえます。
無垢の表情というと、専ら節や芯材と辺材の色違いや変色、ワイルドな木目のことをイメージされがちですが、本来はこのような端正な美しさが建築や環境、生活と調和して、そして調和するように見せる大工さんの仕事があってこその無垢材の表情だったのではないかと思います。

このアングルも、写真左は金色がかった麦わら色に見えますが、右側は純白というような白のイメージが強くなります。
角度を変えるとその色目が逆転するほどに違いが見えます。

これこそが無垢材の表情であり、はっきりとした木目を持たないロシアンバーチの真骨頂である縮み杢の美しさなのです。

木目の表情がなければ、離れたところだと木の質感が伝わらないのではないか？！と危惧される場合があります。
そう考えると、やはりオークは無難だよね！とどうしてもオークフローリングに人気が集まりがちですが、私はオークももちろん好きですが他の建築部材や色調を邪魔しない、このあっさりとした美しさのバーチがとっても好きです。
凝視するのではなく、視界のどこかにゆらゆらと優しい光の反射を感じさせる杢がある。
まるで薪ストーブの揺れる炎を見ているように・・・

本当のところをいうと、木目が無いわけではないんですよ。
当然ですけど。
接写すると案外はっきりとしていますよね。
実は、これが芯材と辺材が混ざるグレードだとこんな表情にはなりにくいのです。
ロシアンバーチフローリングは、プルミエ・セレクション・ネイキッドという3グレードで展開しています。
今回はトップグレードのプルミエグレード。
グレード基準として、辺材の白い部分のみを使用し節や変色のないもの、というものなのでこんなに均質で美しい表情なのです。

以前施工のセレクショングレードは、辺材に若干の芯材や軽微な節を含むものですし、ネイキッドグレードになると芯材と辺材の色差や節、変色などもすべて含むグレードとなるので、表情には大きな違いが出ます。

そうです、同じ樹種であるロシアンバーチだとしても、選ぶグレードによって表情もことなり印象も全く異なるということです。
そのうえ、同じバーチという樹種だとしても制作される会社によってもグレード基準がことなるので、余計に選びにくくもなるのです。

節なしと聞いていた小さなカットサンプルは辺材の白い部分のみだったのに、実際の商品を見てみると節はないものの芯材部分を多く含み、赤白はっきりとしたものだったというパターンもあります。

自社の取り扱い商品であれば、そのような差はわかるものですがカットサンプルや写真の情報で判断しなければならないお施主様がそれに気づくには注意が必要だと思います。

それに比して、このプルミエグレードはすべてが辺材の白色部分。
そこにゆらゆらの木目があり、130mmという幅広材のおかげではっきりとした木目が見えづらいといわれるバーチにも、無垢の木であることをはっきりと印象付けられるのだと思います。

これを見ると、日本刀の美しい波紋や鍛流線を思い浮かべてしまいます。

さて、今回のバーチフローリングはUNI（たて継ぎ）品ですが、そのつなぎ目が見えないことと思います。
もちろん、実際はつなぎ目がないのではなく目立たないのですが、その秘密はつなぎ目に施されたV溝。
本来はつなぎ目にラインが入って途切れてしまう木目の部分が、V目地になっている為に、ジョイントされたつなぎ目を目立たなくしているということ。
そう、弊社で一枚物と双璧を成す（笑）人気のつなぎ目V溝フローリングシリーズです。

詳しくは以前の記事を参照いただきたいのですが、このことによってフローリングの表情にとても不規則なリズムが生まれてくるのです。

UNIタイプのフローリングと一枚物のフローリングを比較したとき、どうしても気になるのが長さをつなぐUNI（たて継）のジョイント部分。
その部分で木目が途切れ、フローリングの嵌め合わせ部分の溝とは異なるうっすらとしたラインが入るために、無垢材ではあるものの少し不自然に感じる場合もあります。

しかし、つなぎ目V溝フローリングであればそのUNIジョイントされている部分に、フローリングの嵌め合わせ部分と同じようなV溝ができるために、フローリング表面にみえるジョイントのラインが気にならないことが、非常に貼り上がりの美しさを醸し出すのです！

その上、フローリング1枚のサイズである1820mm長さの中でつないでいるピースはおおむね3枚まで。
繋がれているピース一つ一つの長さが長い為に、木目がはっきりとしないロシアンバーチにおいても、控えめな木目をしっかりと見る事が出来るので、一枚物に負けない無垢材の質感をたっぷりと味わえるというわけです。

しかも幅広130mm幅ということで、一般的な無垢フローリングのサイズである90mm品とは全く異なる貼り上がり！！
もちろん、基本的にはUNIタイプですので気になる価格も、一枚物に比べてめちゃくちゃリーズナブル！！
というか、プルミエグレードを検討されているお施主様には、UNIタイプとの差額が無さ過ぎて通常のUNIタイプをおすすめする場面が殆どないくらいです。

実は今回は、カットサンプルと写真のみで採用いただいた御宅。
私の説明ももちろんプラスしていますが、信用を頂いて施工をしていただいたこと、非常にうれしく思います。
無垢材が沢山あるのはとても魅力的に感じますが、あまりにも主張しすぎるのも建築全体のバランスがとりにくくなると感じます。

その点、非常に美しくバランスされている建築に、本当に何気なくさらっと同化しているような印象を受けたロシアンバーチプルミエグレード。
バーチという樹種の特徴である辺材の美しさを最大限生かしたプルミエグレードが、おうちの雰囲気を「明るく照らす」存在になっているのは、バーチに古くから伝わる伝承そのもの！

お住いのお施主様も施工を頂いた工務店さんも、以降より一層明るく過ごされることと思う、ロシアンバーチの施工でした。

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ロシアンバーチの他にもつなぎ目V溝フローリングがございます。下記も是非ご覧ください。（樹種によっては、グレードの限られるものがございます。）

・ホワイトアッシュ幅広無垢一枚物フローリング
・カスクオーク（ナラ）幅広無垢V溝フローリング
 ・ブラックウォールナット幅広無垢V溝フローリング
・ロックメープル（カエデ）幅広無垢V溝フローリング
・ブラックチェリー幅広無垢V溝フローリング
・ノルデストウォールナット（クルミ）幅広無垢V溝フローリング
・欧州楓（ヨーロピアンメープル）幅広無垢一枚物フローリング

＊ロシアンバーチ無垢フローリングを採用頂くにあたって

ロシアンバーチフローリングは、水分や油分などでケバの立ちやすい樹種です。
それが樹種の特徴ではあるのですが、無塗装でも楓などの樹種とは手触りの風合いが異なりますので、必ずご覧になっていただいてから検討頂くことをお勧めします。

また、施工当初の白っぽい色合いは日光により変化していきます。
色合いの変化については、こちらをご覧ください。

・弊社へのお問い合わせはこちらから
・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ

＊2019年以前のリンク表示をクリックしても過去リンク記事が見られない場合は、こちらの手順でお願いをいたします。
＊消費税10％への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。（ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。）

木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

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muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

2020年11月06日

透き通る白さ！　低光沢ウレタン塗装リフリーバーチプルミエグレードとちょこっと、日本のひばのおうち　

際立つ、美しい白さ！！

洗濯洗剤のコマーシャルではありませんよ（汗）。

私が無垢フローリングでおすすめする樹種、カバ（樺）の中でも辺材部分である白太だけを選別して作っている、プルミエグレードのこと。
カバは心材の桃色のような可憐な色合いも美しいのですが、純真無垢と形容したくなるような柔らかさすら感じさせるような、辺材部分の魅力は計り知れないものがあります。
今までも、幅広のセレクショングレードや同じく幅広のプルミエグレードのオイル塗装をご紹介していますが、どちらも「透き通るような白さ！」という、またもや洗濯洗剤のような形容になってしまうような、清潔な美しさを持っています。

今回は、そんなオイル塗装とは異なるウレタン塗装ですが同じくプルミエグレードを、光沢や艶をおとしたウレタン塗装としたリフリーバーチを使っていただいたお宅の様子をご紹介します。

第一印象は、本当にきれい。
オークのようなはっきりとした木目はなく、ブラックチェリーのような人を瞬時に引き付けるような印象的な色合いがあるわけではありません。

しかし、目にした瞬間に心躍る、というか。男の私がいうのも何ですが、派手さはないのにキュンとくるというのか。そんな印象。

単純な白さでいえば、楓やメープルの中にはもっと白みの強いものもあります。
しかし、それらは木目は強くはないものの意外と強さを感じるというか、はっきりとした冴えた印象を受けるのです。

それに比べてカバのプルミエグレードの白さはどこか暖かくも感じる。
どうしてでしょう。

太陽光の入射角度によっても刻一刻と色目を変える。
まるで、早朝の巨樹めぐりのようです。
時には白みよりもベージュに近いような色にも見えることが、温かさを感じさせるのでしょうか。

いや、きっとそれだけではありません。
カバの魅力的なところの一つである、縮杢。
それがあることで、決して強くないはずの木目に動きがみられ、それが揺らぎの印象となって視覚を通して人の心に働きかけているのでは？！

根拠はないものの、そう思ってしまいます。

もちろん、樺（カバ）を知るシリーズでもお話ししたように、カバには「明るく照らす」という木語がありますから、それがどこか影響しているのかもしれないと思うのは、そんな情報をもつ私だけでしょうかね。

色みに主張のないと思われがちな辺材部分ですが、個性的な色が混在しているために木目がはっきりしていなくても、貼上りは適度にランダムでリズミカル。
そんな表情を普通に紹介していますが、実は一般的な光沢のあるウレタン塗装ではこうはいきません。
太陽の光を反射するために、明るくなればなるほど木目は見えなくなります。

しかし、リフリーバーチに塗装されている低光沢ウレタン塗装は、暖かに差し込む日差しを直接反射することなく、はっきりと素地の木材の色や木目を見させてくれます。

だからこそ、稀に含まれるこんな木目もどんな角度からでも眺めることができちゃいます。

水中を漂う気泡の様、とでもいいますか。
ゆらゆらと丸い模様が浮かび上がっています。
高樹齢木材に現れやすい木目ですが、カバではなかなかお目にかかることはありません。
お施主様、めちゃラッキー！

こんな木目がどんな角度からでも見える幸せ、想像しただけでワクワクします。

ショールームにいらっしゃるお客様でまれに、同じような白さをもつメープルとの違いを「カチカチとしっかり」と形容される場合があります。
おおむね、私の感想がそれなのです。
メープルは非常に硬質なうえ、摩耗にすこぶる強いのでカチカチなイメージです。
製材機に通しても、しっかりと保持できていないと材が跳ねるような感覚を覚えます。

しかし、カバは製材機の感覚も硬いもののどこかしっとりとしているというか、フローリングの踏み応えも強さだけではないしっかり感を持っているように感じます。
その形容が、先の「カチカチとしっかり」なのではないかと思っています。

そうです、樹種のことばかりではなく間取りやインテリアもおしゃれなのですよ。
すっきりとした内装にも決して自分だけ主張することなく、どんなときにも調和がとれそうな、そんな雰囲気。

オークの勇壮さやブラックウォールナットの孤高の存在感など、無垢フローリングにはいつの時代にも選ばれる樹種があります。
それらほどの強いインパクトがないために、おすすめするまでは選択肢に入る場面が少ないカバ。
まだまだ知名度は低いと思われるものの、プルミエグレードの清楚な美しさからネイキッドグレードの天然の原木そのままといわんばかりの表情まで、バラエティー豊かなのがカバ。

もっともっと、本来の魅力をしってもらうことと同時に、この美しいプルミエグレードの存在もPRしていきたいものです。

ちなみに、目につきにくいというか、同化するように自然に収まっている玄関の上り框。
実はこれも無垢材。
もちろん、弊社品！

しかも、こだわりの純白のメジロカンバ材！！！

もう、惚れ惚れするほど美しいです。

私は息子ばかりを見ているのですが、娘がいればこんな感じでわが娘の美しさをたたえる親バカになるんだろうなぁ、と白無垢な玄関框をしみじみと眺める私。
この框を作るために大きな盤を製材したのですが、意外とロスが大きかったのは内緒なのですが、そんなこともあって余計に嬉しさ倍増。

白無垢な娘たちの晴れ姿を堪能したお父さん（私）。
喜び充満させながら帰路に・・・

おっと、実はこちらでは外壁の一部にも木材が使われています。

目隠しルーバーに、日本のひば材の板をしつらえてもらっています。
外部に面しているため耐腐朽性もありながらもビス止めできる軽量性、それから木の意匠性をもっているものということでのご提案。

まだ、かすかに特有の芳香もありとてもすがすがしい風が感じられました。
お住まいになってからも、湿度や温度環境でほのかに香ることでしょう。

いつものことながら、天気の変化で色合いの変わるフローリングに何度もシャッターを向けながら、その仕上がりに一人ニコニコとしながらの撮影はいつもながらに楽しく、やはりまだまだ知られていないカバの魅力を伝えていきたい！
そう思った訪問でした！

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muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

2020年08月23日

私が苦手な樹種、カバザクラ　～さらに樺（カバ）を知る～　⑱

しかしカバに「サクラの花の様なピンク色」のイメージを求めているのは、おそらく日本だけなのかもしれません。

カバの仲間は日本だけではなく世界に広く分布しています。
ホワイトバーチ（欧州白樺）、イエローバーチ（アメリカミネバリ）、シルバーバーチ（シダレカンバ）、ペーパーバーチなどなど。
名称でいうと、レッドバーチ（アメリカクロカンバ）やグレーバーチ（ハイイロカンバ）などカラフルな名称もありますが、シリーズでお伝えした「よく燃える」という点では、ブラックバーチがあらゆる木の中で最もよく燃えると言われるそうです。
並べて比べてみたくなりますが、日本ではつい10年ほど前までそれほど有名ではなかったと思われるカバが、世界では有名であるのには、燃えることだけが理由ではないんです。

カバの仲間の樹皮は、紙がない時代に文字を書いたことから英名でペーパーバーチ、和名で草紙樺といわれますが、紀元前の世では神聖な文章をカバの樹皮に書いたほど、身近で貴重な存在。
和名のカバの語源はアイヌ語のカリンパ（ karimpa ）だと言われるとしましたが、英名のバーチはサンスクリット語が語源になっているとか、古代のアイルランド神話の女神の名称と由来を同じくするという説もあります。

それだけ広い地域でカバが生活や宗教の舞台などで浸透していたということなのかもしれません。
そして一説の中のバーチの語源となった bherg （ベーク）が「輝く白い色」を示す言葉だとされていることからも、やはりカバの真骨頂はその白さ！
もちろん、それらの地域の多くは「メジロ」系や白樺系の樹種が多かったのかもしれないことが推察されますが、「明るく照らす」という樺の木語とも重なるものです。

神話や古語の影響が現代にも残っているのは世界共通で、諸外国で多く信じられるホメオパシーにおいてもバーチは「暗闇に明るさをもたらす」と信じられているようです。
激しい主張のない、バーチの白く美しい材面に抱くイメージとしては至極当然。
冷静さと美を感じる力を強める、とも言われます。

ぜひ今回の超長期シリーズを機に、カバザクラではなく「カバ・バーチ」としてその明るい木材に注目してもらい、家に家族に明るさをもたらす存在として、弊社ロシアンバーチフローリングシリーズをよろしくお願いしますね！（笑）

自社商品のPRで、カバザクラについては一通りの推測をお伝え出来たものの、20年ほど前に一度目にした「カエデカバ」はどう説明すればいいんだろう？
カエデなの？カバなの？それとも、カエデ位に白いカバを使っているの？！
どれにせよ、やはりカバが単独で扱われることのなかった時代を表す言葉として、今でも私の記憶に残っています。
木材の名称の分かりにくさと、それを知る楽しさ。
これからもその二面性を面白く伝えていきたく思います！！

ここで長期の「樺（かば）を知るシリーズ」、ひとまず完結！

＊2021年8月8日に、追記編⑲を追加していますので、是非そちらもご覧くださいね。

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muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

2020年08月20日

私が苦手な樹種、カバザクラ　～さらに樺（カバ）を知る～　⑰

長く続いた樺（カバ）を知るシリーズも、いよいよ着地点が見えてきました（笑）。
今回、このシリーズを始めるきっかけとなったのは、イメージを惑わせる「カバザクラ」という言葉でした。

今から10年も前のロシアンバーチフローリングの記事ですでに、サクラとカバは異なるということを記載していますが、未だにお施主様にも設計者にも、そして大工さんの中にも「カバザクラ」という名称が続いていて、サクラ材との比較として検討されたり、もしくは弊社提案のロシアンバーチフローリングと比較されたりします。
比較と言ってもまったく異なるものなのですが、「カバとサクラ」の両方の名称を冠していることと、日本人が大好きな桜のイメージが先行する場合が多い為、その誤解を解くために多くの時間を要します。

まだまだ私もアピール不足を否めませんが、言葉での説明にプラスして「この記事を見てくださいね」というご案内が出来るように、カバ材をまとめておこう！！と意気込んで始めましたが、入れ込みすぎて超長期企画となってしまいました（汗）。
その長期企画のランディングにはやはり、始めに立ち返りカバザクラにて納めておかねばならないでしょう！

一般的にカバザクラとして流通しているものは、「西南樺」というのが正式商品名であることが多いです。

木材を知る人が、カバと言われて通常想像するその材とは少し異なり、本当にサクラっぽくほんのりピンク色がかった材色のカバです。
実は、この西南樺という名称自体はおかしなわけでもなくて、実際に書籍を開いてみても中国名で「西南樺木」というものがあるんです。
学名を B.alnoides とされ、ヒマラヤからタイ北部、そして雲南省や海南省、インドシナに分布するとあります。
本当にこの西南樺木を加工したものかどうかは定かではありませんが、ピンク色に着色されているわけではないカバの仲間が、「カバザクラ」の名称になっている一つの例。
これはこれで、綺麗な材だと思いますからカバの仲間としてきちんとアピールしてほしいくらいです。

ただ、カバ桜という名称は上記の西南樺というピンク色っぽい材だけに使われているのではなく、場合によっては樺材特有の白さが際立つ辺材部分が多い材にも用いられている場合もあるうえ、芯材と辺材が混在するもの（弊社でいうところのロシアンバーチのネイキッドグレード）にも使われているため、非常に混乱を招いています。
実際に今年も、「カバザクラのサンプルを取り寄せ、綺麗な白色だったのに届いた商品は芯材と辺材の色差が非常に多いものだった」というお話を2つほど聞いています。

無垢フローリングをはじめとする木材は、その一部分だけでは材の特徴を判断することは非常に難しいものですが、こうなると第一に、なにがカバザクラなのか理由がわかりません。
これとは違う例では、『カバザクラの白い部分を「カバ」、赤い部分を「サクラ」としています』という場合もあります。
これも、日本語としての意味がおかしいと思うのですが、弊社にやってくる営業さんもこのように理解している人もいるくらいなので、誤解とイメージの浸透するスピードのなんと早いこと・・・

それから、ことをややこしくしている名称に「西南桜」があります。
おっと、ここでもまた桜が登場！
今度は桜なのか？！と思いきやこちらの場合の多くはカバ材にピンク色っぽい塗装をしたものか、先の西南樺が工場のちがいによって名称が変わっているか、というパターンです。

カバという材の多くが北国や寒冷地に多いため、広く知られるサクラという樹種に抱くイメージと重ねたこと、そして樹皮や材質が似通っているため、古くから名称や用途において共通性があったために、現在でも混同して用いられることが多いのだと思われる「カバとサクラ」。

そろそろ、本当にその「ピンク色の力」に依存せずとも魅力を感じられる時代になっていると思うのです。

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木ぃクン