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ぶなスポルテッド材、自由と自然の店舗へ!

いつもお尋ねを頂きながらも、なかなかご期待にそえないものがあります。

それは、スポルテッド

通常の感覚でいえば、菌によるただの「腐れ」なんですが、稀に写真の様な自然の造形美としか言えない不思議な紋様を見せるものが現れます。

 

スポルテッド材 

 

 

人工的には描けない、天然素材に生物の軌跡を感じるもの、といえば壮大な芸術作品の様ですが、ある意味そのような受け取り方で賞用されるのではないだろうかと想像しています。

もちろん、先に書いた様に材木屋としては普段、健全な乾燥材で節や枝や変色などの無い材を、価値のある木材として販売しているわけですから、あたり前な材木屋さんから考えると、どうしてこんなものの価値があるのか?!と思われるところです。

しかし、日本でも黒柿のように、斑に模様の入っているものが貴重に扱われたり、たまに「ミミズの大群」と敬遠される時もある虎斑が美しいと感じることがあったり、伝統的な建築に用いられる錆び丸太など、自然が生み出す色調や紋様に価値を感じてきたものです。

それに似た感覚?!、といってしまっていいのかどうかですが、それでも近年非常に人気が高まっています。

新感覚、なんでしょうかね(汗)。

 

そんなスポルテッド材がまとまって在庫できている時に、たまたまお声かけ頂き活用頂いたお店の写真を先日頂くことができたので、その活躍の姿をご紹介しておきたいと思います。

使って頂いた場所は近畿ではなく、東京都は自由が丘。

 


ぶなスポルテッド 施工1

 

 

 

看板までスポルテッドを使われています。

こうして見てみると、自然の岩盤を切り取ったようなイメージや、山で姿を現した地層を見ているような、そんな感覚になるのは私だけでしょうか。

とってもおしゃれです。

その上、材だけではなく細部の仕掛けにもこだわっておられて、お店の開店状況を示す「open/close」も、金属板(真鍮かな?!)を左右にスライドさせることで切り替える仕組みになっているとの事。

聞けばそれまでの事ですが、このような細部に仕掛けをすることや細かな仕事をするのは手間もかかるし時間もかかるもの。

それをみただけで、お店の品も工事もしっかりとこだわっておられるのが目に見える、というものではありませんか!

こういう細かなところ、すごく萌えますね。

 

そしてお店の内部へ。

床が綺麗な市松模様になっています。

これも、現在一般的に使われているフローリング材ではなく、100mm角の木を一つづつ方向を見て貼りこんでおられるそうです!!

すごいこだわりですが、その分他にない仕上がりになっていることは間違いありません。



 

ぶなスポルテッド 施工3
 

 

そして目につくテーブル材。

おぉ、やはりこだわっていらっしゃる!!

あの色合いと木目はおそらく神代ケヤキに違いない。


そう思ってお話を伺いました。

すると、「あぁ、戸田さんところのあのケヤキですよ!」との返答。

むむ?!神代なんか販売したっけ?稀少な神代の在庫は全て頭に入っているのにこれは・・・・?!、と思っていると、弊社から出荷したケヤキを染色されて仕上げられたとの事。

なるほど・・・それにしても美しい色と木目。流石はケヤキです。

 


ぶなスポルテッド 施工7


そして、きましたメインディッシュのスポルテッド!

窓に面したカウンターとして使ってもらっています。

 

 

ぶなスポルテッド 施工6

 

 

この紋様を、口で(字で?)どのように説明したらよいのでしょうか。

炎が立ち上るよう、若しくは水墨色彩画のようとでも言えばいいのでしょうか。

いや、この自然の造りだす紋様は語るよりも眺めるもの。そう思います。

 

2枚の板を中央で合わせておられますが、自然の形を活かす為にわざと耳を落とさずに中央部分に隙間を造り、その部分も材の存在感を邪魔することのないように、ブラックアウトさせているのだそう・・・

なんというこだわり。

 

お店自体がハーブと漢方ということで、自然のものを大切にされるイメージだったからか、余計なものを排して人工物を際立たせないようにされているのだと思います。


その想いがここにも・・・

 


ぶなスポルテッド 施工4

 

 

引き手ですが、こちらももちろんスポルテッド。

枯山水のような模様と言ってしまいましたが、中央上部に円い月が見えませんか?!

薄雲たなびく夕刻、月が少し墨に染まったような。

そんな景色を想像したのですが、この円も実は取りつけ部分の埋め木だそうです。

当然、不自然さをなくされているものの全然違和感なく、驚き。

というか、ここまでくるとそれくらいされていない方がおかしい。

 


ぶなスポルテッド 施工2

 

 

壁面のカウンターにもスポルテッド。

花が映えますが、若干ゆらゆらと見える壁も、ビニールクロスではなく紙素材とのこと。それも手で裂いたものを一つずつ貼ってあるとか・・・

あぁ、もう驚きませんよ。

 

素材を知ってデザインをするとどうなるか。

そんな現場を見たような気持ちです。

私は素材をご紹介しますが、どのように活かされるかはデザイナーと造り手にかかっています。

今回は、非常に個性的で難しいと思われる材料を、意匠としてうまく活かして下さいました。

是非、東京に行かれたら寄ってみて下さい、とおっしゃっていただきましたが、次の東京の仕事、いつあるかなぁ(汗)。

もう少し儲かったら、自費でいくか・・・(笑)。

 

たまたま、在庫が豊富な時にご注文頂いての採用でしたので、また以降はどのようになるかわからないスポルテッド。

現在は、南洋材のそれが数枚と雰囲気が今回とは異なるぶな材が少々あるくらいの状況。

いつもお応えできず恐縮ですが、施工例のみご紹介をしておきます。

 


ぶなスポルテッド 施工5
 

 

施工店舗:ハーブと漢方のお店 ヘルシアス様 http://healthiers.co.jp
設計施工 :suha建築デザイン事務所様 https://www.suha.info


魅力を活かしていただき、ありがとうございました。



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木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:30コメント(0) この記事をクリップ! 

今回は少しマイルド(^^♪ スポルテッドのぶな、入荷です!

毎回毎回、お待たせしてすみません(汗)。

というか、待っていただくことが出来ないので毎度心苦しいことになっている木材。
それがスポルテッド材。
これぞ、天然素材の中での自然の産物ですので、入荷予定を聞かれても答える事が出来ないですし、インターネットの時代ですから検索すると、マイナーな弊社でも写真や記事がヒットするもんですから、有難いお問い合わせをいただく。

しかしながら、いつも「早い者勝ち」状態で、記事にする時点ではお尋ねを頂いたお客様が入荷分全て購入されるというパターンで、次のお尋ねを申し訳なくお断りすることになることの繰り返し・・・

そんなスポルテッド材が、また少量入荷しましたので今回はお尋ねが無いうちに公開!!


スポルテッドぶな 7


でも、今回の入荷材。
スポルテッドで想像されるような、黒色変色やそのほかの変色は控えめ。
ですので、スポルテッドはこういうものだ!!、というイメージとは異なる場合があるのでその点はご注意を!
チークもそうですが、「こうあるべき!」というイメージが大きな材や樹種については、適切な説明が必要。
今回の材も、菌が入っていった部分が全体ではなく木口から一部分だけのものや、皮の近くから深い部分には達していないもの、また全体的ではあるものの黒条ではなく白色系の変色になっているもの等です。


スポルテッドぶな 1


そのため、黒条を期待されている方にはおすすめするものではありません。
その代わり!と言っては何ですが、菌による浸食が軽度なことによって木質部分がしっかりと残っているのです。
通常、黒条がはっきりとしているものや菌の模様がはっきりしているものは、ほぼすべてが「触れると崩れそう」なほどに木質部分を維持できない物がほとんど。

それに比べると、このまま木工に使えるのでは?!と思ってしまうようなしっかり感です。


スポルテッドぶな 4


とはいえ、辺材部分には黒条状の模様があるものももちろんありますから、見せ方としては面白くなるような予感がします。
今回入荷した材は、他の用途のためにかなり多くの原木を製材したうちのいくつかで出たものですので、大きな丸太でもともとは良質なものが多かったのです。

比較的スポルテッド化する比率の高いぶな材ですが、菌が入りにくい芯材部分がしっかりとしている原木が多かったことも、通常は喜ばしいことなんですがスポルテッドを期待すると、芯材部分はなくてもいいと思ってしまう。


スポルテッドぶな 8


なんとも勝手な考え方ですが、通常は「腐れ」として敬遠されてしまうものを、反対にどんどん菌によって変色しろ!と思ってしまうのですからおかしなものです。
今回入荷も、どのような見せ方をして使っていただけるのか。


スポルテッドぶな 9


以前に紹介した、珍しい南洋材のスポルテッドも数枚ですが残っていますので、今回のぶな材と併せて、使ってみたい!!という方はお尋ねを下さいませ。
記事を見たのに既に無くなってる!、という心苦しさを防ぎたいということでの、入荷後のできるだけ早い公開ですが、今回も早い者勝ちにてどうぞ御免下さいませ。

スポルテッドぶな 6


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スポルテッド材、久しぶり入荷! 〜ぶな編〜

前回、珍しい南洋材のスポルテッドを紹介しましたが今回は日本のぶなです。

以前に入荷していたのも、ぶなと栃でしたが今回も日本のぶなをご紹介します。
ただ前回と異なる点は、先日の南洋材スポルテッドと同じく「木質部分がしっかりとしていること」です。
つまり、菌糸は入っているのですが、腐朽を進めるところの手前でとまっているので、模様も前回ほど激しくない上に木質部分が残っているので、加工して作品を作ることが容易だと想像できます。

兵ぶな(つわものぶな)スポルテッド B-1


前回の物は手に持ってもその木質部分がボロボロと崩れるところがあったほどですが、今回は木材としての用途に耐えるようなしっかりとした木質感があります。
手に抱えてみても、ずっしりと木の重みを感じることで実感できます。

とはいえ、ネガティブにいえば「腐れ」ている状態ですので正常材ではありません。

今回も、たまたま多くのぶな材を加工する途上で出てきたもの。
まさしく自然の産物。
狙って作ったわけではないので、材によっての表情も様々。


兵ぶな(つわものぶな)スポルテッド B-12


特に、木口部分は比較的菌糸が入りやすいので、黒っぽい模様になるのですが木の中心部分に向かうにつれて、黒っぽい菌糸が少なくなり業界用語で「ヤケ」などと言われるような変色した状態になっているものが多くあります。

全体的に均質に模様がかっているものも見事ではありますが、このようにみる部分によって表情をかえるものも本物の証。
見せ方によって変幻自在な魅力を発揮してくれるように思います。

そういう意味でいえば、近年の建築や家具、小物作家の方は非常に柔軟な考えの方が多いので、住宅から店舗まで幅広く使ってもらえるのではと思っています。


兵ぶな(つわものぶな)スポルテッド C-2


スポルテッド材自体は、一般的な木材流通からすると「出来損ない」。
一部の人には好かれるかもしれませんが、やはり大部分の方には刺激が強すぎます(汗)。
私の様な変わった材木屋では扱いがありますが、普通は流通するものではありませんし、これが出来るということは通常の製材品が出来なかったということなので、本来はへこむところなのです・・・

しかし、中にはこのような自然の造形を好まれる方もおられるため、そのご希望にこたえるべくせっせと集めることになる、変わった材木屋。

兵ぶな(つわものぶな)スポルテッド A-2


黒っぽい筋ばかりが強調されがちなスポルテッドですが、今回のものはそれがメインではありません。
ある意味脱色されたような、淡く薄い色合いになっている部分がところどころに見られます。
それも味わいとして活かしてもらえると嬉しいポイント。

今回も表情が様々で一様ではなく、少量入荷ではありますが変わった樹木がお好きな方々のご期待に応えられればと思いますので、木になる方はお尋ねを下さいませ!
いつもながらに売り切れの際には、何卒ご容赦くださいませ・・・


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スポルテッド材、久しぶり入荷! 〜南洋材編〜

最近とっても心苦しい状況だったのが、ずっとお問い合わせに答えられなかったこと。
それは、スポルテッド材についてです。

今まで何度か取り扱っている記事を見て頂きお尋ねをいただくのですが、入荷の度に瞬く間に売り切れてしまう(大人買い)為、ご要望にお応えすることが出来ない場合が多く、非常に心苦しい思いをしていました。
やっとのことで今回、スポルテッド新入荷!です。

今回の入荷第一弾(次回、第二弾!)は海外材料!
珍しい、南洋広葉樹のスポルテッドです。

南洋スポルト 2


前回までの投稿をご覧になっていただいていると、むむ?!スポルテッドの割には模様が薄いような・・・と思われるかもしれません。
確かにその通りです。
前回はがっつりと菌糸の模様がはいり、木質部分がボロボロになっているくらいの仕上がり(?!)でしたが、今回は木質部分は比較的しっかりとしています。

もちろん、菌糸が入っている為に強度的には落ちていることでしょうけども、手で触れても崩れ落ちそうだった前回までのぶなや栃とは違います。


南洋スポルト 3


うっすらと軽く炭を流したような感じ、とでもいうのでしょうか。
幾何学的と言えばいいのか、不可思議な方向に模様が伸びているところなどが、自然の産物であることを強調しているようです。

人によっては、あまりにも強いスポルテッド模様は好まれないかもしれませんから、ある意味万人に受け入れられるスポルテッドなのかもしれません。


南洋スポルト 4


今回の南洋材スポルテッドの最大の特徴というのは、長さが4mであるということ。
均一に変色しているわけではありませんが、模様のある部分とない部分の木目がつながるような、そんな使い方をしてもらうと、非常に魅力的ではないかと思います。

印刷のシートであれば模様をつなげることもできるかもしれませんが、無垢材での4mスポルテッドというのはなかなかないであろうと思いますから、上手に見せてもらいたいものです。


南洋スポルト 1


南洋スポルト 5


普通じゃない、何かを感じる雰囲気を作る時。
作為的ではない、自然の産物を見せたい時。
魅力的な部分として、でもさりげなく飾りたいとき。

そんな時にしっくりと馴染むスポルテッドになるのかもしれません。

できれば、4mそのままの木目を眺めることが出来るような使い方を望みますが、いろいろな感性でいろいろな使い方を模索してもらいたい、そんなスポルテッドです。

次回紹介のぶなスポルテッドと併せて、新入荷ですのでお早めにどうぞ!!

南洋スポルト 6



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