本物の無垢木材　～茨木市戸田材木店・セルバの木の虫ブログ～:カリン

カリン

2022年06月05日

一番好きな木は何ですか？！　～ワインの香りと木の香り　⑥～

木材の香りでワインを想像するのは今回のオーク（ナラ）とカリンですが、ワイン自体の香りで好きなものは多くあります。

ブドウ品種でいうと、熟成により非常に複雑で深い香りを発揮するシャルドネ。
ライチや花の様な華やかな香りが魅力的でたまらない、ゲヴュルツ・トラミネールや、ヴィオニエ。
そして、繊細でいながら奥深くに特徴的な香りを有する甲州。

あれ？
白ワイン品種ばっかり。

実は私、白ワイン好きなんです。
もちろん、赤ワインもロゼもオレンジも、みんな好きですけど。

そう考えると、ワインも木材もやっぱり香りの特徴的なものが好きなのかもしれません。

少し前からは、ちょっと特徴的な香りを持つナチュラルワインを多く飲むようになり、またそちらの香りにもとても惹かれるようになりました。

ナチュラルワインも熟成香はあるものの、どちらかというとブドウが持つ香りがどれだけ土や気候に反映され、便の中や開けた後にどのように変化していくかという、違った楽しみを感じます。

白ワインにおいて日本でも一時非常に有名になった、シャブリ。
オッサンはすぐに、赤ちゃんの「おしゃぶり」に例えて「しょうもない」ことを言いたくなってしまうのですけども、そのシャブリも牡蠣土壌由来の味と香りと形容されますし、その土壌を反映するシャブリだからか、熟成に木樽を使う派とステンレスタンクを使う派の双方があり、どちらがどうだという話で盛り上がったものです。

お前はもちろん、木樽派だろうって？

いえ、実はステンレス・・・も好きなんですよねぇ（笑）。
どちらも個性があって、それでいいんですよ。
そんなこだわりを楽しんで飲んでいたい。
そういうのがワイン、じゃないでしょうか。
難しいところもいいし、ストーリー性が気に入って感覚的に美味しく感じるものを選んではまっていくのもいい。

ちょっとは蘊蓄を語れる方が楽しいけれど、やっぱり飲んだ時が楽しくないと意味ないですもんね。
これからワインを飲むときは、オークとカリンというワイン好きの材木屋が言う２つのキーワードを気にしてみてくださいね。

もしかするとどこかで、カリンの香りを楽しみながらの赤ワイン会！でお会いするかもしれませんね！！

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muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

2022年06月03日

一番好きな木は何ですか？！　～ワインの香りと木の香り　⑤～

カリンの香り＝バナナ・・・

これは多分に赤ワインの方の印象に引っ張られていると思うのですが、連想ゲーム（あぁ、懐かしいテレビ番組タイトル！）のようにカリンの香りが赤ワインの香りを嗅いでいる感覚を呼び覚ますからです。

木材バカの個人的な感覚ですので、バナナは万人が共有できる情報ではないと思うので、もう少し一般的な言い方をします。

カリンの香り＝バラの様な甘い香り・・・

これなら分かります？！
私はこっちの方がピンと来ないというか、甘い香りはわかるのですが・・・

そう表現する理由は、カリンが「ローズウッド」と呼ばれる木材の中に含まれる場合があるからです。
正確には違う（稀少な木材だけに、この辺の定義は結構細かい・・・）のですけども、一部の樹種が有するバラの様な香りに似た香りを有する者も、広義で含めるとされる場合があるので、今回はイメージが分かりやすいように引用したいと思います。

そのカリンが持つ甘い香りの正体は、私も正確には知りえていません。

オークの様に、直接ワインに触れているわけではなく、熟成されたワインの香りから感じられる感覚的なものなので、本来はカリンの香りがワインの香りに直結するはずはないのですけども、そこがまたワインのはまってしまうポイント。

ソムリエさんたちがワインの香りの話をするとき、時々「アロマ」や「ブーケ」という言葉を使います。
どちらも香りを表現する言葉ですが、前者は原材料となるブドウ由来の香り。そして後者は発酵や熟成後に表れるものを指している用語です。

こうやって、ブドウ由来の香りと分けて表現するところも、なんだか魅力的ですよね。
まぁそこが、ワイン入門への敷居を高くしてきた一因でもあるんでしょうけども。

カリンの香りは、上記で言うとおそらくブーケにあたるはずです。
若い赤ワインには感じることのない、「あぁ、美味しいワインだ・・・」と口に含む前から官能的な世界に包まれるような心地になるのです。

おっと、分かったようなコメントをしてしまいました（汗）。

しかし、私がカリンに感じる香りはどこかあたたかくてほわっとしていて、それでいて赤ワインの渋みを伴ったブドウ果汁の香りに、甘いバナナが混じった印象。
一度、ワイン会でカリンの材を持参して感想を聞いてみようかと思ったり、真剣にかんがえているのですけども・・・

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2022年05月31日

一番好きな木は何ですか？！　～ワインの香りと木の香り　④～

私にとってオーク（ナラ）が非常に魅力的な理由は、木目や質感以上にその成分やそれに由来する香りである、ということは前回まででお話した通りです。

そのオークの香りは、私にとっては主に樽熟成白ワインを想起させるもの。
もちろん、赤ワインにおいてもオーク材の樽は非常に大きな役目を果たします。

大きなところでは、赤ワインの赤ワインたるゆえんであるその色をより安定させる効果と、タンニンなどの苦みや渋みを感じさせる成分がまろやかに感じるように熟成する、ということでしょうか。
もちろん、後述する香りも非常に多くの影響を受けます。

これらを論じる時、もっとまじめに理科を勉強しておけばよかったと後悔します。
なんちゃら化合物とタンニンの反応で・・・という化学式が出てくるのですがさっぱりわかりません。

やはり勉強はしておくものですね・・・（汗）。

さて、わたしが赤ワインに感じる香りをもっている木、それが「カリン」です。

この赤く、なんとも言えない雰囲気の木。
これがカリンです。

あの果樹のカリンって、こんなに赤い色の木材なの？！と思われるかも知れませんが、それとはまったく別の木です。
たまに、ワイン専門誌で「カリン様の香りを有する」という表記を目にしますが、おそらくこちらは果樹の方でしょう。

さすがに、ソムリエさんが木材で有名なカリンを御存じとは思えませんからね。

ややこしい名称で呼ばれていますが、木材として流通しているカリンは東南アジアにおいて大木となり材質が硬く木目が美しく、それでいて供給量も豊富だったために様々な場面で見る事ができました。

弊社でも往時は、床柱に衝立、式台に上り框、そしてフローリングなどの多くのカリン製品を在庫していたものでした。
もちろん、こんなコブ杢のある座卓なんかも・・・

しかし、近年ではすっかりとその姿を消しています。

カリンの詳しいお話はいずれせねばなりませんが、今回は香りのお話。
先のオークが熟成白ワインの香りだとすると、カリンは熟成赤ワインの香り。
例えるとするなら、これも少し甘い香りなのです。

でも、オークの持つバニラっぽい甘さではなく、こちらはちょっとバナナっぽいというか・・・

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2022年05月28日

一番好きな木は何ですか？！　～ワインの香りと木の香り　③～

落葉性のオーク、すなわちナラ類だけがもつオークの香り。
つまりはナラの香り！！

飲み慣れている方は、樽熟成された白ワインが有するバニラっぽい香りやココナッツの様な香りを感じたことがあるのではないですか？
私がオークの香りで想起するのは、まさしくその香りなのです。

少し甘く感じる香り。

それがワインに直結するため、一般的にオークの良さとされる木目や質感とは異なる部分で気になってしまうのです。
私の想いを掻き立てる香りが、直接クエルクスラクトンなのかどうかは定かではありませんが、オーク製の樽に入れられたワインには、熟成とともにこの成分が溶出し、芳しく甘い芳香の生成に寄与しているということ。

それ以外にも、オークの細胞壁を構成する成分すらもアルコールによって香り成分へと寄与するのですが、忘れてはいけないのがバニリン！
バニラの香りと言われるその名前が、すでに甘さを感じさせますよね？！

木材を構成する大きな成分のうちのひとつであるリグニン由来の成分が、熟成を経て変質（反応）してできると言われる成分ですが、このバニリンも非常に大きな香り成分となっている為に、ワイン生産者たちは樽の素材となるオークにはこだわると言います。

私がワインを好きになった理由は、同じ銘柄のワインでも生産者によっての違いはもちろんの事、同じ銘柄でも畑によっても味や香りが異なるからです。
その多様性や地域性を表現する事、そしてそんな自然のもつ力がはっきりと顕在化するところに惹かれたのです。

もちろん、木材もそうです。

ヒノキ、と一口に言っても全く異なるのはシリーズ一回目冒頭で述べた通りです。

それと同じように、ワイン生産者は樽の産地にこだわるそうです。
それは、産地によって熟成中に生成される成分やその量に違いがあるから。
大きく分けると、アメリカンオークとワイン業界で評されているであろうホワイトオークに対し、ヨーロッパのオークという感じ。

そして、そのヨーロッパのオークの中でも非常にメジャーなのが「アリエオーク」。

実際に私も「これがアリエだ！」と見たことはありません。
そりゃ、材木屋に流通するものではないですからね・・・

ワイン専門誌においても、幾度となくその名を目にしてきた有名産地のオークです。

噂では、超有名シャトーや名門ドメーヌと言われる生産者によって多く消費されているとのことですが、このオークの産地という非常に小さなファクターに思われることにこだわっているのがワインであり、その差がずっと大きな要因であることが周知されているという現実。

生産者がそれほどにこだわるのだから、オークの力というのはやはりワインの香りや熟成による味わいに大きな影響を与えているということです。

それらを踏まえると、オーク材のポテンシャルは侮りがたし・・・と思いませんか？！

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2022年05月25日

一番好きな木は何ですか？！　～ワインの香りと木の香り　②～

ワインやウィスキー、そしてブランデーの熟成に用いられる樽の殆どがオーク（ナラ）材で造られていることは周知のとおり。
敢えてお伝えしておくと、一部の専門書にはオーク＝カシ（樫）と和訳されていますが、まず間違いなく誤解です。
いや、1/4位正解？！と言っておきましょうか。

それは、ワインなどの熟成香とオーク材の香りがリンクしていればすぐにわかります。

少し脱線すると、ナラ材とカシ材は同じブナ科の木材です。
木材も見た目は非常に似ていて、一般の方では見分けづらい。
でも実は、葉っぱも違えば紅葉するかどうかもことなり、さらには重さも全く異なり、しかも！香りの有無ははっきりと違います。

少し木材を知っている人ならば、カシとナラに見分け方が年輪（のような組織）にあることを理解されています。
ナラ材かどうかは、木口の年輪模様が孔で形成されているかどうか、で見分けられます。

もちろん、単なるオークが指す言葉が日本でいうところのナラ類もカシ類も双方を指す（大きくまとめて）場合もあることから、完全に間違いとは言いづらいのですけども香りで考えると、完全にナラ材と言うことになります。

また正確に言うと、カシも孔があるのですが肉眼ではナラの方がはっきりと孔が見える上に、年輪上に並んでいることが大きなポイントです。

話を戻しましょう。

この誤解を解いておかねばならないのは、その材質が大きくワインなどの香りの生成に関係しているからです。
前回も触れたとおり、私を誘惑するオーク（ナラ）の香りはまさしく、このワインを連想させる香りなのです。
そして、それは熟成過程でオーク材の樽を使うからであることが大きく、おそらくカシやクリなどでは同程度の効果は得られていないと推察します。
（一部、クリ樽熟成などもある。）

機会があれば、実際にオーク材の香りを嗅いでみることをおすすめします。
ワインに親しんでいる人ほど、そして一昔前の「新樽香」と言われたオークの甘い香りを知っている人ほど、「あ！ワインの香りだ！！」と思われることでしょう。

熟成されたワインではなく、オーク材自体がもつその香り成分は「クエルクスラクトン（オークラクトン）」と称されるそうです。
クエルクス、というのはオークの学名の一部です。

さらに！、このクエルクスラクトンは落葉性のオーク材にしか含まれていない、オーク材の精油成分だというのです。
落葉性のオーク！、そうなのです。
ナラは落葉樹ですがカシは常緑樹！！

これはもう決定打、ですよね・・・

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2022年05月21日

一番好きな木は何ですか？！　～ワインの香りと木の香り　①～

幾度か書いていますけども、イベントや授業での講師をさせてもらったときに受ける質問、「一番好きな木は、何ですか？！」。

木が大好きな材木屋にとっては、ある意味究極の選択的な質問で困ってしまうのですけども、答えのうちの一つを導くとすれば、そのカギは「香り」です。
香りのする木は一層好きです。

香りがする木で身近なものと言えば、おそらくヒノキやスギですよね。
それが、担当レベルの材木屋（？！）になると、産地ごとの香りの違いや、同じ樹種の神代木との違いなどを楽しむのです（笑）。

一般的なヒノキの香りと木曽桧の香りの違い。
それとは全く異なる屋久桧の香りと、台湾桧の香りが意外と近しくて少し「動物園っぽい」こと。
神代桧が、若干甘めなサイダーみたいに感じること・・・

個人的な感想ですが、それだけ多様に感じることも香りの魅力だということです。

さて、その香りの中で「好き」ということ以外でもどうしても反応してしまうのが、オーク（ナラ）とカリン。
（正確に言うと、ハマセンダンとキハダも・・・）

想像できるでしょうか、この二つの香り。
オークはフローリングでも家具でもおなじみですので、木目やその質感を想像できる方は多いかもしれません。
しかし、香りはどうでしょう？！

また、後者のカリンなんて一般的には果樹のそれしか思い浮かばないはずです。

昔は高級な無垢フローリングといえば、チークとカリンでした。
カリンは少し褐色かかった黄色から赤褐色にかけての芯材を持つ、東南アジアに産する大木に育ち硬く美しい材面を持つ樹種です。

余り関係無いように感じるこの二つ。
共通項は、それらが持つ特有の香りが連想させるもの。
それは、ワインです。

ウィスキーやブランデー、そしてワインが樽で熟成させられることは御存じでしょう。
日本酒の場合は杉樽ですが、基本的に長期の熟成はさせません。

杉のさわやかな香りをつける目的で用いられる、とも言われますがワインをはじめとする洋酒の場合は、長期熟成の中で香りづけ（というか香りを有するようになる？）を重要視している場合もありますし、基本的に熟成貯蔵目的での樽使用であることが大きな違い。

そして、その熟成における重要なファクターが樽の素材であるオークだと言われます。

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2016年11月09日

往年の花形　カリンフローリング貼りあがりでの回顧録　②

前回は、あやうくいつものように馬車馬のごとく突き進むところでした（汗）。

自分でも自覚しているのです。木材の話が長い（いや、脱線が多い）こと。
派生したネタからさらに派生して、着地点を探さないといけなくなること。
直接お会いしているときはいいですが、記事はできるだけ読みやすく小分けを心がけるようにし始めています。ひと段落させるほうが見やすい、と信じて・・・

さて、前回に本物のカリンを強調できた理由。

それは超簡単。もちろん香りや木目もそうですが、これが弊社の長期在庫品だから！！！（涙）

別に胸を張って言うことではないのです。
というよりも、ふつうは在庫が長くなればなるほど「不良在庫」と言われ、処分されてしまうのです。
しかぁ～し！！！
このカリン無垢フローリングは違います。
だんだんとカリンの木材が入手しづらくなる中で、弊社社長が「今買っておこう！」と在庫をしたものです。
偉い！！
こんな貴重な木材を在庫してくれていたことに感謝。

つまり、これは不良在庫でもなんでもなく、貴重な優良在庫品。
カリンが入手しづらくなる前に在庫をしたものだからです。そのあとは、似た木材が「○○カリン」という名で出荷されたり、若しくはカリンと表記されていても異なるものだったりする時が長く続きましたので、本物のカリンの材が入手できる最終段階だったのかもしれません。
だから、こんな杢が味わえるのですよ！！！

わかりますか？！
キラキラと光るような、縮れたような、もしくはリボンをひらひらとはためかせた様な木目。
これがすごくきれいです。
「杢（もく）」と呼ばれる、見る方向や角度によって光り方や見え方が変わる、木材が持つ「細胞」が織りなすとっても不思議な現象。

私なんて、この木目の周辺をぐりぐりと何周もしながら、様々な角度からのひかり具合を堪能しました。
いいなぁ。

高級家具などは、このような杢があることも条件の一つで、希少な木材でありながら視覚的にも高級感を楽しめるものが好まれるので、多く採用されていたのでしょう。

しかしながら、もう一つの採用理由である「重硬感」は、あんまり喜べたものではありませんでした。
高級家具たるもの、やっぱりあんまり軽すぎてはありがたみがありません（？！）。やはりずっしりとしっかり感があるほうがいい。
そういう意味でもカリンはぴったりでした。
黒檀などと同じようにとても重硬な木材であるカリンは、家具はもちろん、「フローリングは硬い木材でないといけない」という、今でも信じられている理論によって、床材にも最適な材料として高級な住宅には、必ずと言っていいほどチークかカリンが採用されていました。

その理論はおいておいて、重硬だということは字のごとく重く硬いのですから、運搬がしこたま苦痛です。
松の構造材の搬入で慣らした私の肩でさえ、現役の頃ならまだしも、おんぼろになった今日では、出荷するのに「このっ・・・ちくしょう・・・・っ」と訳の分からん掛け声が必要な位に気合を入れないと運べない重たさ。
しかも！このカリン無垢フローリングは長さが4m！！
だから余計に重たいのです。普通でも重いのに、1ケース運ぶには畳一枚分の材料が入った梱包を担ぐので、肩がもげそうです。
つなぎ目のあるFJL品とはいえ今でもそうですが、昔でも広葉樹の4m（正確には3950mm）のフローリングは珍しかったので、重宝がられましたがなんせ運搬はもう・・・・(*_*;

まぁ、いまでは懐かしいその重たさも銘木の一つのステータス。
重硬な木材がだんだんと入手しづらくなるこんにち。
カリンを求められることもありますが、近年では必ずしも「重硬」である必要がなく、「高級なイメージがのこるカリンの見た目」を求められている場合があります。
だから、赤っぽくて比較的木目の似た木材が求められる。
新たなカリン風の木材も登場しています。

似た木材を使うのが悪いわけでもなく、本当のニーズによって木材選びができればいいのですが、やはり本物のカリンは入手がむつかしくなってくるのが木材利用の宿命。
いつまでも見ていられるように大切に活用していきたいものです。

そんなカリンの無垢フローリングの在庫もついに僅少になってきました。
思えば大量な在庫。とても気に入っていただいて多くのお客様のもとに旅立っていきました。
胸を張って「カリン」をアピールできるフローリング。あともう少しの間そばにいてくれると思いますが、また次回、この貴重なカリンを迎え入れていただけるお施主様に出会えることを待つ準備のため、もう少しこの施工写真を眺めていたいと思っています。

＊カリン無垢フローリングは、希少木材のためホームページなどのレギュラーページでは紹介していません。
チークや黒檀、ローズウッドフローリング共、希少木材のフローリングについては別途お問い合わせをくださいませ。

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タグ：: 無垢フローリング選び; 無垢フローリング; カリン

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2016年11月06日

往年の花形　カリンフローリング貼りあがりでの回顧録　①

いきなり本題から始めると、「カリン」という文字を見た時に果樹を思い浮かべずに、すぐにこの赤っぽい材面を思い浮かべるようになれば、あなたはもう、立派な木材かぶれです（笑）。

ははは。
冗談ではなく、一般の方ならば必ず「あの実のなる？！」と聞かれること必至（といってもそれも若い方はあまり知らないけど）なのですから、まちがいありませんよ。

今回いうところのカリンというのは、木材でいうところの「カリン」で、唐木（からき）と称される「材質が硬くてとても見栄えの良い木材」のうちの一つです。
その材は座卓や腰掛いすなどの高級家具にも使われています。

今回はあまりむつかしいお話はおいておきますが、このカリンもかの有名な「ローズウッド」にとっては、「遠縁の親戚」みたいなもんで、木材としては別のものですが、カリンの木材は製材したり表面を削ると、なんとも甘く良い香りがするのです。

ワイン誌では昔から赤ワインの味わいの表現として「カリン香」というのが使われていますが、まぁ「オークの樽の香り」と表現されるオークの樹種すら誤表記されているのだから、ここでいうカリンとは違い、果樹の方のカリンの香りだと推察していますが、私だけは違うのです！！

これなのです、まさしくこれなのです。
この木材のカリンを製材加工した時こそ、あの熟成赤ワインの「まろやかで温かみある甘さ」を感じるのです。
先のローズウッドの仲間である所以の、甘い香りがはなたれるのですよ。
今度、ワイン愛好家の材木屋さんの先輩にも確認しておきます。
決して、私だけではないはず・・・・・・

えぇー、前置きが長くなりましたが今日、完成を紹介するのは木材のカリンの無垢フローリングの施工の完成写真です。（以下はすべて木材のカリン表示です。念のため・・）

ウレタン塗装品なので、照明や太陽光を反射していて、普段は無塗装派な私も「この輝きこそ唐木の仕上がり」と納得してしまいます。
あ、話がまた少し戻りますが、ふた昔前位に多く流通していた唐木の家具や住宅部材というのは、まだ多く和室が残っていた時代だったので、座卓にしろ床の間（とこのま）材にしろ、廊下のフローリングや玄関の部材まで、こんなピカッとした仕上がりの唐木こそが最高級品でした。

そう、唐木のこの輝きを見ると「うわっ・・・・めちゃえぇ内装してはる！！！」と、視覚情報が脳に一瞬で伝達するのです。
パブロフの犬、そういう条件反射的なものを引き起こすのが今でも続いているのです。
だから、条件反射的な高級感は私の中ではいまだに圧倒的なのです。

まぁ、そう興奮しているのは私くらいでしょう。
自分では若いと思っている私もえぇ年のおっさんになってきましたから、私よりも若手の材木屋さんなんかは、遠目で写るこの写真を見ても「まだらな色はえぇかもしれんけど、これやったら○○のほうがえぇんちゃうかなぁ？！」と言われるかもしれません。

そうです、近年でこそ材によってまだらな色合いがあっても、「逆に木のそのままの雰囲気があっていいよね！」なんて言って好まれますが、懐かしのカリン全盛期においては材色のまだらなのは、唐木にのみ許された特権！
これこそが着色処理していない、本物のカリンの表情。
おなじ唐木の黒檀でも、着色されているものが多いし、カリンが入手しづらくなってくると似たような木材を赤く着色したくなるのが、木材商の常。
いろいろな赤い木材が流通していましたよ。

しかし、カリンは本来産地や性質によって、大きく材色の差がある木材。
深い赤色なものもあれば、黄色みが強く出るものもあります。
比較的赤いものが好まれるため、カリンというとどうしても赤く着色されている場合が多いものの、見よ！このまだらの色合いを！！

これぞ本物のカリンの無垢フローリングである証拠ですぞよ。

もちろん、施工中にカットされた木材は「甘い香り」がしますから、間違いありません。

間違いない、そう本物の高級木材であるカリンの無垢フローリングなのですよ。
そう強調できる理由、それは・・・・
いつも通り長くなってしまうので（汗）、次回に持ち越し。

タグ：: 無垢フローリング; フローリング選び; カリン

muku_mokuzai at 13:15│コメント(0)│トラックバック(0)

木ぃクン