本物の無垢木材　～茨木市戸田材木店・セルバの木の虫ブログ～:カスクオーク

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カスクオーク

2024年02月12日

挽板フローリング S3シリーズカスクオークネイキッドグレードでリフォーム！

リフォーム工事で、ガラッと印象が変わるのは床だと思います。

もちろん、他のファクターもたくさんありますが、以前に紹介したアカシア単板の合板フローリング施工の記事にもあるように、お部屋のイメージに合わせておすすめすることで、印象を維持したり変えたりすることができるものだと思います。

今回は、リフォーム以前の様子はぞんじあげないものの、施工後の写真を撮影させてもらいに行った印象で、「やはりオークだな」と思った感想報告？です。

近年、無垢フローリング以上に需要がある、と言っても過言ではなくなってきた挽板フローリング。
合板や木材積層材の上に、数mmの挽板（原木を薄くスライスした無垢材）を貼り合わせたもので、無垢フローリングとの大きな違いは、貼り上りが一枚物に見えること、です。

伸縮しづらい、と言われますが、そこは生活環境によるものとあえてしておいて、注目されるのはやはりその仕上がり。
無垢フローリングでは、予算の都合とともに供給量の少なさから、長さ方向につなぎ目のあるUNIタイプとなる場合が多いのですが、手の届く価格で一枚物の表情そのものが味わえる挽板フローリングは、現在フローリングの主流に近くなってきました。

一昔前は、無垢フローリングならではとされた「節やパテ」というキャラクターも、挽板フローリングでも同じように見られますし、もちろん無垢材の色差や樹種ごとの表情の違いもそのままです。

単板（主に0,2mmほど）貼りの合板フロアーでは、このような表情は再現できませんし、見る人が見るとわかる単板材との木目の違いも、無垢材そのままを感じさせるポイントとなっているのです。

のびやかな木目は、お部屋の印象をガラッと変えます。

一般的に言われる「フローリング＝板貼り」ではなく、本当に木の床であることを強く印象付けることができるのが、挽板フローリング。

私の勝手なイメージですが、針葉樹フローリングでは、パテや埋木などの補修というと不自然に円い孔のイメージなんです。
自然なはずなのに、ちょっと不自然な。

特に埋め節の場合は、規格寸法に作られた円い節を埋めるために、機械で孔をあけます。
その孔が、とってもきれいな円になるために、どうしても不自然に感じてしまうときがあります。

そういう理由もあり、弊社の古希杉フローリングや埋め節フローリングは、埋節されているものの一般的な節ありフローリングと異なり、埋め節の数が圧倒的に少ない「いいところ」を厳選した仕上がりいなるように作られています。

広葉樹の場合は、そんな節ではなく写真のように、クマの爪痕？！のような傷や割れの部分や、針葉樹とはまた異なった形状の補修が多くあり、表情としてもより個性あるものと感じます。

もちろん、一般的な家具との相性も良いところが、オークの特徴。

家具材自身がオークである場合はもとより、ブラウン系～ホワイト系まで、様々なインテリアに調和すると感じます。
個人的な感想ですけれど・・・

そして、その愛称をさらに生かすのはやはりその木目の流れ。
UNIタイプの素材感はもちろん良いものがありますが、1820mmで木目の途切れない仕上がりは、「一枚物は、超希少！」ということを知っている人はもとより、そんなことは知らない人でも「木目に天然素材を感じる」きっかけになるはず。

人間の視覚というのは、思考に非常に大きな影響を与えます。

そこを抑えることができるのが、挽板フローリングの最大の強みでしょうね。

今回のおうちも、製作家具を含めトータルでコーディネートされていました。

家具も住まいの様式も考えたリフォーム。
工務店としてあるべき姿を見たような現場でした。

そこに、弊社の挽板フローリングが活かされたこと、うれしく思います。

様々な選択肢をご紹介するのが、専門家としての役割。
お好みに合うかどうかはもちろんですが、材が最大限生かされるようにおすすめできる環境を、今後も続けていきますので、ご相談お待ちしています！

！！挽板フローリングの特徴とご注意事項！！

1.
挽板フローリングシリーズは、合板や積層板の表面に数mmの無垢材を貼り合わせた商品ですので、稀に接着材の成分が表面の挽板に変色となって表れる事があります。（特にオークは黄色変色部分が出ることがあります。）
2.
床暖房向けに使用可能ですが、主暖房とする使用方法や床材表面温度が高温になる場合は、フローリングのすき間の発生や床鳴り、反りを生じますので、使用環境には十分配慮下さい。
3.
オークは稀に、フローリングの周囲部分に黒色の変色が現れる場合がありますが、湿度と反応するなどして起る現象ですので、ご留意ください。
4.
挽板フローリングも日焼けをします。顕著な差のあるロックメープルの日焼けとブラックウォールナットとブラックチェリーの2カ月での変化の試験結果を各記事でご確認ください。
5.
チークは、ロットによっては含まれる成分が析出し、見る角度によっては表面が若干白っぽくくすんだように見える場合がありますが、樹種の特性ですので異常ではありません。（一部、樹種特有の研磨状態の差による見え方の違いも出ることがあります。）
チークフローリングについては、ネシアンチーク幅広無垢一枚物フローリングを選ぶにあたって知っていただきたいことも併せてご覧ください。

・挽板フローリング S1シリーズはこちらから
・挽板フローリング S1 シリーズバーチセレクショングレード、編込みのおうち施工写真はこちらから
・挽板フローリング S1 シリーズカスクオークセレクショングレード、無垢そのもののおうち施工写真はこちらから
・挽板フローリング S1シリーズバーチと S2シリーズカスクオークのセレクショングレード貼り分けのおうちはこちらから
・挽板フローリング S1シリーズバーチとカスクオークのシェア店舗の施工はこちらから
・挽板フローリング S1 シリーズカスクオークとバーチのシェアスペースはこちらから
・挽板フローリング S2シリーズはこちらから
・挽板フローリング S2シリーズブラックウォールナット、リビング施工例はこちらから
・挽板フローリング S2/S3シリーズロックメープル建築士さんデザインのおうちへの施工例はこちらから
・挽板フローリング S3シリーズはこちらから
・挽板フローリング S3シリーズカスクオークのちょこっとリフォームの施工例はこちらから
・挽板フローリング S3シリーズカスクオークセレクショングレード、整ったおうちはこちらから
・挽板フローリング S3シリーズミャンマーチークの贅沢なショールームはこちらから
・挽板フローリング S3シリーズ・S2シリーズオークブラッシュドはこちらから
・挽板フローリング S2シリーズオークブラッシュド、落ち着いたブラウン塗装のマンション施工はこちらから
・挽板フローリング S2シリーズブラックウォールナット、自然なおさまりの家の施工例はこちらから

・弊社へのお問い合わせはこちらから
・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ

＊2019年以前のリンク表示をクリックしても過去リンク記事が見られない場合は、こちらの手順でお願いをいたします。
＊消費税10％への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。（ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。）

木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧　
http://muku-mokuzai.livedoor.biz/archives/1611916.html

・戸田材木店・セルバのホームページ
http://selva-mukumokuzai.jp

・無垢材と樹木が大好きな材木屋が配信する、きのむしラジオ | Podcast on Spotify
https://open.spotify.com/show/6HBMrFR3UFHaNLNfgdFE8l?si=ff6525ab5d0f464a

タグ：: 無垢フローリング; 無垢フローリング選び; 挽板フローリング; オイル塗装; 幅広; 一枚物; カスクオーク; ナラ; オーク; 施工写真

muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

2022年12月03日

挽板フローリング S1シリーズ　シェアスペース店舗へ！

これで十分やな！

そんな声を聞くことの多い商品が、挽板フローリングS1シリーズです。
その理由は当然、無垢フローリングにしか見えないから。
無垢フローリングで予算に頭を悩ませるよりは、これで十分、ということ。

挽板フローリングは、シリーズによって異なるものの貼り上げてしまえば無垢フローリングとの違いが判らないほどの、木の質感を発揮します。
一般的な銘木合板フロアーとの違いが、無垢フローリングの質感を感じさせるのです。

今回は、一つの大きな建物の中に様々なお店が同居する「シェアオフィス」の様な空間。
その中の2つのお店に、挽板フローリングのS1シリーズの2つの樹種を使ってもらっています。

先ずは、オーク。

適度な色差に自然な白太、少しづつ入る小節や杢。
大節や変色部分のあるネイキッドグレードとは違うのですが、変に綺麗すぎないところが自然素材を感じさせるセレクショングレード。

無垢フローリングの場合、オークが使われる場面の多くは節やパテのあるグレードのUNIタイプ。
オークの野性的かつ、ナチュラルなイメージがありながら費用を抑えられるという理由ですが、時には節などの表情は好きだけれどもUNIのつなぎ目がどうしても気になる、というケースがあります。

というか、近年はそういった声が多くなったように感じます。

事実、弊社でもUNIタイプの90mm幅の出荷はかなり少なくなりました。
節やパテの多いネイキッドグレードのUNIとなると、ひとつのピースが短いものも多く、どうしても「ガラガラ」っとしたイメージは拭えない。

そんな時、そのネイキッドグレードの無垢フローリングと殆ど変わらない費用で、909mmの長さにつなぎ目の無い一枚物の表情と、無垢フローリングと同じ貼り上がりを見せるS1シリーズが候補に挙がるのです。

無垢フローリングと同じ自然の表情はそのままに、さらに一枚物の質感も得られる。
特に、今回の様なシェアスペースの場合は一つの店舗の面積は決して広くはありません。
そこをあえて、プライベートスペースの様に、お一人のお客様に贅沢に空間を使ってもらう場所として活用されているところが魅力ですから、その贅沢な空間には無垢フローリングのUNIよりもむしろ、この挽板一枚物の表情がよく似合っていると思います。

木目が一枚の板に流れる表情は、挽板フローリングならでは。

もちろん、無垢一枚物フローリングがあればいいのに、という声はここで話でね（汗）。
いや、ウッドショック後の現状、無垢フローリングの一枚物、特にオーク（ナラ）の一枚物フローリングは非常に貴重になっています。

原木が無い、のではなくて手の届きづらい価格帯になってしまっています。
現在、手持ちの在庫が無くなると一般的にはおすすめしづらい価格になってしまいそうな無垢一枚物フローリング。
その一枚物の不在部分を担うのが、挽板フローリングになるであろうと推察しています。

オークのリラクシングスペースの隣には、まったく趣の異なる、明るいリラクシングスペースがありました。

こちらは、白さがまぶしいバーチ。
オークと同じくセレクショングレードを使ってもらっていますから、バーチの美しく白い辺材部分が多く、照明をうけて輝いているように見えます。

ところどころに芯材部分の赤身が入っているのですが、それがあることで自然でありながらも不規則なリズムとなり、無垢材であると認識させるのです。

いや、無垢材ではないのだけれど表面材は1mmであっても、銘木合板フロアーなどとは異なる表情を感じさせてくれるということです。

建材メーカーさんの銘木合板フロアーの中にも、挽板フローリングと同じく表面材の厚みを厚くし、無垢フローリングと同様の仕上がりを感じさせるものもあります。
しかし、その多くは303mm幅で構成されている為に、私のような立場の人間にとっての貼り上がりはどうしても、合板フロアーのイメージを出ません。

それは、303mmという幅広のため大工さんの施工性は良いものの、規則的に見えることになるその303mmのつなぎ目が、無垢フローリングでは現れるはずのない規則的な溝となって見えるからです。

中には、建材メーカーさんも同じような挽板フローリングを販売されていますから、そちらであれば不自然さは少ないのですが、今度は価格が無垢フローリングを凌駕するものになりますから、均質でメンテナンスフリー的な「工場生産品」を求められる場合にしかおすすめしていません。

弊社の挽板フローリングシリーズの中でも、S1シリーズをおススメ、または採用いただくケースはやはり、その価格と貼り上がりのバランスなのです。

どれを選んでも良いほどの潤沢な予算があるならば、その表情から好きなものをチョイスすればいい。
無垢材でもなんでもいいでしょう。

しかし、そんなケースは非常に稀。
建築の全体予算の中でのベストを探すとき、その選択肢は決して無垢材だけではない。

そして、予算のなかでもベストな選択肢として、価格と見た目のバランスを考える時の手が届く一つの大きな選択肢が、このS1シリーズなのです。
建材メーカーさんの挽板フローリングでも、同じような仕上がりに出来るでしょう。
しかし、コストとのバランスを考えた時、表面材の厚みは若干薄くても十分に無垢材を感じることのできるS1シリーズ。

それは、時に大きな選択肢になります。
このバーチの空間にも、一般的な木目の空間ではない、本物の質感を添えてくれることで、明るくもあり落ち着いた雰囲気を出すことに寄与してくれているバーチ挽板フローリング。

様々なフローリングの選択肢の中で、ちょうどよいバランスを持っているS1シリーズ。

予算のこともあるけど、貼り上がりの表情も大切にしたい。
無垢フローリングだけにこだわっているわけではない。

そんな時、見方になるのが挽板フローリングS1シリーズ。

今回の様な、お洒落な店舗への採用も増えています！

！！挽板フローリングの特徴とご注意事項！！

1.
挽板フローリングシリーズは、合板や積層板の表面に数mmの無垢材を貼り合わせた商品ですので、稀に接着材の成分が表面の挽板に変色となって表れる事があります。（特にオークは黄色変色部分が出ることがあります。）
2.
床暖房向けに使用可能ですが、主暖房とする使用方法や床材表面温度が高温になる場合は、フローリングのすき間の発生や床鳴り、反りを生じますので、使用環境には十分配慮下さい。
3.
オークは稀に、フローリングの周囲部分に黒色の変色が現れる場合がありますが、湿度と反応するなどして起る現象ですので、ご留意ください。
4.
挽板フローリングも日焼けをします。顕著な差のあるロックメープルの日焼けとブラックウォールナットとブラックチェリーの2カ月での変化の試験結果を各記事でご確認ください。
5.
チークは、ロットによっては含まれる成分が析出し、見る角度によっては表面が若干白っぽくくすんだように見える場合がありますが、樹種の特性ですので異常ではありません。（一部、樹種特有の研磨状態の差による見え方の違いも出ることがあります。）
チークフローリングについては、ネシアンチーク幅広無垢一枚物フローリングを選ぶにあたって知っていただきたいことも併せてご覧ください。

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2022年09月27日

ジェットストリーム芯対応！！　ノック式木製ボールペン木輪～ Kowa ～の2年半での経年変化の様子

先日、2樹種の追加を紹介したジェットストリーム芯対応の、弊社オリジナルのノック式木製ボールペン「木輪～Kowa～」。

仲間が増え、彩も鮮やかなうえに樹種の様々な表情が見られて、ウキウキしています。
あ、それは一堂に会している様子を楽しめる、製作者の特権ですが（笑）。

さて、美しい木材達の写真で紹介する製作品ですが、無垢の木が原材料である限り、無垢フローリングやテーブルと同じように経年変化があります。

色合いの変化、木部の質感の変化、そして金具部分の変化まで、製作当初から2年半ほど使い続けた担当の所有物での変化の様子を今回は紹介したいと思います。
無垢フローリングにおいても、樹種選定や無垢フローリング自体を採用するかどうかを検討する懸念の一つに、経年変化があることは、毎度相談される事項です。

施工当初の色合いがどれくらいで変化するのか、いや変化してほしくないのだけれど・・・というお声ももちろんあります。
それについては、既存の記事で幾度か取り上げていますが、今回は手に持ち続けて使うボールペンですから、いったいどうなるのかの実際を見てもらいますよ。

先ずは、担当が事務所で毎日数時間使っている啄木黄檗（キハダ）。

左が新品、右が2年半の酷使品（汗）。

汗や皮脂によって、道管部分が黒くはっきりとしています。それとともに木質部分の色合いもミディアムブラウン系になっていますよね。
それとともに、比較的軽軟な広葉樹であるキハダは手に触れ続けることによって、木質部分が少しづつ削れることで道管部分をはっきりと感じるようになります。

それとともに、皮脂の影響なのか新品当初よりもスベスベとした感触になったように感じますね。

実際にこの比較をご覧になった方（木材の事をよくご存じの）は、この使い込んだ感の変化が良い、ということでキハダを選んでいただいたこともあります。

硬すぎないこと、はフローリングでも足腰への影響が少ないというメリットにもなります。
近いうちに紹介する、啄木黄檗無垢一枚物フローリングにおいても、そういった一面を期待しているのです。

そして次は、カスクオーク。

こちらも、自宅にて毎日書類作りやメモなどの為に、パソコンのそばに常備しているものです。
書類の原稿やアイディアのメモなどで酷使していますので、変色が著しいですね。

もはや同じ樹種の製品とは思えないような状態・・・

でも、オークの家具のアンティーク品などはこのような深い色合いになっていきますよね。
もちろん、家具の場合は当初の塗装の影響もありますが、ボールペンも可愛がりすぎて（笑）手からにじみ出る皮脂という愛情で変色している様子。

それと、毎日使っていて思うことは、キハダと同じ環孔材でありながらもやはり硬質なオークは、木質部分の摩耗が少ない、ということ。

キハダでは道管の凹凸が非常に顕著になるものの、一方のオークでは道管の質感よりも木質部分がツルツルピカピカになったようなイメージでありながら、意外と手に吸い付いてくれるという面を感じます。

そういえば、同じブナ科であるカシは道具の柄などに使用されます。
イメージでは、滑りそうなのになぁ・・・と思っていたものの、古くから手に吸い付くことでの使用感と磨り減りにくさを考慮しての用途だとされていますから、こういうことか！と妙に納得してしまいました。

そしてもう一つ、台湾樟（たいわんくす）。

こちらもオーク同様、白木の様な新品か色合いが深くなっていますね。
担当が外出時に使用する用途で、微かに香るその香りを漂わせたいという意図で使用しているものですが、木部の質感としては前出の2本ほどの差は新旧では感じられません。

それは、道管組織が均一な散孔材であることも理由の一つではありますが、いつまでも滑らかな触れ心地は、おそらく絹朴にも備わっているのではないかと推測しています。

もちろん、香りも当初ほどではないものの今でもふと香ります。

特に、夏場に胸ポケットに収納していると体温と汗の影響で、ひとりオード・トワレ状態！

しかし、そこで注意が必要なのは写真の刻印の左にあるインクの染み。
ジェットストリーム芯のインクの出方は素晴らしいものがあるのですが、不意にペン先に触れた場合にもしっかりと、しかし気が付かないうちに確実にインクが付くために、そのインクがペン自身にも移ってしまいます。

そこはご注意いただきたいところ。

そして最後にお伝えするのは、金具部分の変化。

実は木部同様に変化の大きい部分なのです。
特に摺動部分と指に振れやすい部分。

ノック部分は繰り返しの動作で磨り減り、変色したり地金の色が出たりしています。
これも無垢フローリングと同様、当初の美しい輝きを維持したくなるような部分なのですが、これこそが使い込んだ証！

毎日の生活で使ってもらいたいという、弊社の想いでもあります。

そうやって使っていると、握りの部分もこのようになってきます。

上下は先述のカスクオークとキハダの経年変化品。
中央は新品のキハダ材です。

握りの時や筆記中に少し指が触れることで、これほどの変化があります。

これも使い込んでいく楽しさの一つ、ですがこの変化が今一つ・・・・という方は、展示用と普段使いようの2本購入をおススメします（笑）。

実は、私も木目が特別気に入っているものは「眺める用」としていることは、ここだけの話・・・
おっと、普段使いして下さい、と言いながらも趣旨に反しますがやはり蒐集の楽しみも無垢材の魅力の一つですから、それも良しとしてください。

どうでしたか？
新品のすばらしさ、ではない使い込んだ表情は。
人と同じように変わっていく木材の姿。
それをたっぷりとみることのできるのが、無垢の木材であり弊社こだわりの木製ボールペンの特徴。

おぉ、もうひとつ悲しいお知らせ？が。

今回のレーザー刻印の加工中に、私が先に試験的に使っていたミャンマーチークが一つ、割れてしまいました。

レーザー加工をするまでのおよそ一か月間、試用に供していたものですし、私の大好きなこってりとしたチーク脂を毎日ヌメヌメと感じるために触れていたために、割れが無かったことは確認済み。

おそらく、レーザー加工中の熱によるものかと思いますが、寸法安定性に優れ長期間在庫の木材でもこのようになるということ。

無垢材とはこういうものです。

完全に割れが貫通しているわけではなく、問題なく使用できるものですから以降も活躍してもありますよ。

購入検討時にはわからないことで心配される経年変化。
参考になりましたか？！

使いたくなったかたは、いますぐ紹介ページへgo！です！

・ジェットストリーム芯対応！！　ノック式木製ボールペン木輪～ Kowa ～第二期製作分発売します！
・戸田材木店謹製！ジェットストリーム対応！！ノック式木製ボールペン　木輪（kowa）～完成発売編～
・4年半後の経年変化の様子はこちらから

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＊2019年以前のリンク表示をクリックしても過去リンク記事が見られない場合は、こちらの手順でお願いをいたします。
＊消費税10％への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。（ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。）

木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

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タグ：: ジェットストリーム対応; 木製ボールペン; カスクオーク; ブラックウォールナット; 啄木黄檗; 台湾樟; ノック式木製ボールペン; 絹朴; ミャンマーチーク; 木輪～Kowa～

muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

2022年09月24日

ジェットストリーム芯対応！！　ノック式木製ボールペン木輪～ Kowa ～第二期製作分発売します！

2年前の想いが叶った日。
嬉しくて仕方ありませんでした。

世の中には、木でできたものが沢山あって魅力的なものも多くて。
でも、自分の求めるものとはちょっとだけ違う。
その一つがボールペンでした。

私の普段使いしているジェットストリーム芯が使えて、尚且つ木のボールペン。
いや、木は木でも、銘木の価値について蒐集心掻き立てる言葉で売られているものではなくて、その木に製作側の思い入れはあるけれども、普段からためらうことなく使う人のそばにある木製ボールペン。
契約や署名の時だけのとっておきじゃない、自分の木のボールペン。

ジェットストリーム芯の・・・これが無かったのです。

そして尚且つ、ジェットストリーム芯のそれがノック式であること。

最後の条件、これを叶えるものがずっとなかった。
だから作った。自社の思い入れのある木材達で。

それを紹介したのがもう2年も前。
そして今日、第一期を完売して第二期の製作分の販売に移るご案内をします！

第一期は、啄木黄檗（キハダ）、ブラックウォールナット、カスクオーク、台湾樟（たいわんくす）の4樹種展開でした。
第二期になり、絹朴とミャンマーチークの2樹種が新たに加わります！
今回は、その新たな仲間となった2つについてご紹介します。

先ずは日本の広葉樹無垢フローリングとして、その特異な質感をご紹介している（といっても、本編での正式な紹介はもう少し後だけど・・・）こちら。

・絹朴(きぬほお) Silky Magnolia

木材としては非常に珍しい色調を持つ、朴。
心材部分は若干緑色を帯びた色合いで、辺材も乳白から薄緑がかったものもあります。
色調とともに特徴的なのは、その風合い。

色調からは想像できないほどに柔らかな木質部分を持っていて、柔らかいだけではなく木目による硬さの差が非常に少なく肌理が細かい為、肌触りがとってもいいのです。

その性質から、柔らかい樹種はフローリングには不向き、と言われる中で弊社では傷がつくことは足に優しいこと、ということで無垢フローリングのラインアップに加えています。

ボールペンになってもその優しい風合いは健在！
手にする人の心を柔らかにしてくれると同時に、筆圧付加も和らげてくれる？！かもしれませんね。

そして、目立つことのない木目ですが見る角度によってはフワッと浮かぶような木目が見える部分も。

そんな優しい質感で、握り心地もよい朴ですが色調のばらつきを敢えて採用していますので、写真のように同じ朴でも辺材に近い部分は薄緑がかった明るい色合いのものもあります。

どの個体が発送されるかは、その時の受注タイミングで順番に出荷されますので色合いの指定はできませんが、どちらになってもその質感と特異な色合いを楽しんでもらえるに違いありません。

そしてもう一つのニューカマーは、ミャンマーチークです。
チーク材については、今までのチーク関連の記事やネシアンチーク幅広無垢一枚物若しくは、UNIプルミエグレードの記事を参照してもらうとしましょう。

木が好きな私が、特殊用途を除く木材として一般的に供される樹種の中で、最も有用ではないかと思う樹種。それがチークです。

水湿に耐える事、海水に曝される用途にも使われること、大木となる事、美しい木目を有していることなど、建築から家具や製作ものまで多くの用途があるからです。

・ミャンマーチーク

今回使用したミャンマーチークは、弊社の古い在庫商品。
天然生のチークのこってりとしたチーク脂を感じることのできる、特有の質感を有しています。

絹朴の「さらっとすべすべ」な感じに比べて、握ったときの手につくような感覚は他の樹種にはないものです。
とはいえ、その質感を知る人や握り比べてみないと分からない違いではありますが、弊社が感じてほしかったのはそこです。

無垢フローリングの記事でも何度もお伝えしている通り、一般的にチーク材は着色塗装されていますから、チーク脂を感じる事ができません。
しかし、着色する必要のないチークそのものを感じる事ができる、弊社の古い在庫を使い超幅広フローリングを製作（施工記事は後日公開予定！）したときの、現場での長さ調整によって出るもったいない切り落としを原材料にしています。

今では入手が非常に難しい希少な木材を使用して、一本の価値を高めることも木のボールペンにとってはとても大事なことだと思います。
眺めたり所有することでの満足感を得る。

木が好きな担当としても、そんな木製ボールペンも欲しいと思います。
しかし、冒頭の通りに材木屋である弊社が作りたいボールペンは「日常に使える、そばに置きたい木のボールペン」です。

特別な製品を作ることを旨としているのではなく、ミャンマーチークの様に最も小さな単位まで活用したい木材や、絹朴をはじめとした原木から担当が携わっている為に思い入れが強く、少しも無駄にすることなく使い切りたい木材など、そういったものを原材料としています。

木の好きな材木屋が作る木製ボールペンなのです。

こうしてみると、全てが宝石のように美しく感じます。
どの樹種を手元に置くか。
毎日、どの木とどんな字を書いていくか。

木製のボールペンの中には、手で握る部分が金属になっているものも少なくありません。
弊社の「木輪～Kowa～」は、持つ位置は個人によっての差がありますが、できるだけペン先に近い部分まで木を感じられる軸金具を使用しています。

商品によっては微妙に太さの異なるものがあったり、木目の硬軟によって刃物が引っかかったりする部分もあるものの、手作りだからこその職人技術を感じる、一本一本手で削りだされている質感も感じてもらえると思います。

因みに、担当は事務使いはもちろんのこと、自宅での書き物用から外出用など、気分によって使い分けています（笑）。
もちろん、こんなフォーマル用にも・・・

あ、白などのシャツの胸ポケットには注意して下さいね。
うっかりと芯をだしたままだと、ジェットストリーム芯の優秀なインクにより少し触れただけでも、黒くインクが付着してしまいます（涙）。

仲間が増えて、全6樹種の販売となった弊社オリジナル木製ボールペン「木輪～Kowa～」。
一番小さな単位での、木材の活躍する場を皆さんの手に。

ジェットストリーム芯の使えるノック式の木製ボールペン、日常の生活の一場面に加えてください。

＊次回には、皆さん気になる木輪～Kowa～の経年変化の表情をお伝えしますので、参考にしてくださいね。
＊そして、4年後の経年変化の様子はこちらから

★お問い合わせはこちらから

ジェットストリーム芯対応！！ノック式木製ボールペン　木輪～kowa～　

--- 基本コンセプト ---

原材料は、フローリング製作上で発生する傷商品や仕様変更で使われなくなった商品、または原木製材ででる勿体ない端材や乾燥工程で割裂してしまった板材の断片など、銘木でもなければ使われる用途の無くなった材木屋の持つ「勿体ない材」を用いています。
それにより廃棄することなく、使う人が嬉しく原材料も本望な木材活用をして木の輪を広げたい！
そういった想いの詰まったボールペンです！

・使用樹種：カスクオーク、ブラックウォールナット、キハダ、台湾樟（たいわんくす）、ホオ、ミャンマーチーク

・仕上状態：目止めシーラー塗装（台湾樟の香りやチークの触感は残っています。）

・ペン形状：長さ約135mm（ペン先からノック金具端部まで）×約9mm～約13mm（木軸先～最太部/クリップ除く）＊全て手作業の為、太さには誤差があります。

・金具色調：ガンメタル色（塗装の為、経年により素地のシルバー色が見えてくることがあります）

・交換用芯：三菱鉛筆ジェットストリーム　SXR600-07（0.7mmタイプ）を回して交換するタイプです。）
(0.5mmタイプも使用可能です。)

・配送方法：簡易ケース包装（＊）にて、郵便にて出荷

・同梱内容：説明書、試供用芯（ジェットストリーム芯ではありません。）

・価　　格：￥6,800/本（税別）

・送　　料：￥164/本（税別、一部地域を除く）

（＊）本品は、日々使い続けて頂きたい、という想いから配送箱は簡易なものとしています。（紙包装あり。）
私の個人的な、「大切に仕舞うのではなくいつも手に取っていただきたい」という想いがその理由です。

＊ご注意事項

・本品は基本、金具の性質上分解修理ができない構造となっていますこと、ご留意くださいませ。（初期製作分にて、ペン繰り出し動作を100回/日×60日以上の動作確認試験をしています。また、動作確認後の出荷をしています。）

・手作業での組み立て・削り出しですので、ノック金具の摺動部分に動作跡がついていたり、金具部分に軽微な擦り跡の残るもの、刻印作業時の軽微なこすれ跡や軽微な凹み部などがあります。

・素材の樹種が同じでも、部位によって硬さが異なる為レーザー刻印による刻印の深さの違いやズレなどが生じているものもありますが、素材の特性として御理解を下さいませ。

・樹種によっては、ペン先の木部を強く握った時にパチパチと音のすることがありますが、異常ではありません。

・ペンの機構の特性上、市販のプラスチックボールペンよりも芯を出し入れするノックの感触が重たくなっています。

・芯の構造上、使用中にうまく芯が格納できずに引っかかる場合や、反対に出づらい場合があります。動作中に動かなくなった場合は、内部のバネの引っ掛かりや繰り出し部分の引っ掛かりが考えられますので、ペン先金具をはずしバネの張力を開放しセッティングしなおしていただくと改善されます。

・クリップ部分の金属は、一度開いてしまうと元の形状には戻りませんので、開きすぎにご注意ください。

・天然木を使用していますので、木目や色合いの違い（特にホオ）があります。また、使用環境によっては変色や退色、割れが発生しますので、使用環境にはご配慮下さい。特に、直射日光のあたる場所や冷暖房機器の直射、車中などの高温の場所での保管は避けてください。

・使い続けていくと、金具部分のガンメタル色が少しづつ金属素地のシルバー色となってきます。

・樹種によっては、使用による経年変化で木部が少しづつ削れることで道管の凹凸が大きく感じられるようになるものもあります。また、使う人の手の脂やほこりなどで色調は変化していきます。一部の樹種の経年変化の様子はこちらを参照ください。

・交換用芯のインク色は2022年9月現在、黒のみです。

・弊社へのお問い合わせはこちらから
・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ

＊2019年以前のリンク表示をクリックしても過去リンク記事が見られない場合は、こちらの手順でお願いをいたします。
＊消費税10％への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。（ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。）

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2022年09月21日

モノづくりに共感の納品その③　～うっとりする玄関のバーチと、お客様の生のお声～

居心地の良い木の家見学で、まったりしながら納材写真を撮影してきましたが、いよいよ玄関にたどり着きました！
いや、順序が逆の様に思われるかもしれませんが、訪問の最初からまったりしすぎるわけにはいかないという事情（？！）から、玄関は最後にしたのですよ。

この景色を見れば、まったりしてしまうでしょう？！

特有のキラキラした杢が、いたるピースに入っているこの輝き！！

ロシアンバーチのつなぎ目V溝フローリングの150mm幅プルミエグレードです。
いつもは130mm幅の方をご紹介する機会が多いですが、今回は2階に使っていただいたカスクオークのV溝フローリングと同じ150mm幅！

玄関ホールは若干暗くなりがちなスペース。

特に、木製のドアなどの場合は明り取りが無かったりするので、若干暗めに感じたりします。

しかし、そこにこのロシアンバーチのプルミエグレードならどうです？！

リビングからのわずかな光にゆらゆらと揺らめく杢。
美しい。

この写真は、玄関ドアが閉まっている状態で照明なし。
リビングから漏れてくる光のみでこれ。

これが、玄関が開くともう大変。

波打ち際の海岸線にでもいるかのように、もう煌めくさざ波の輝きにうっとりするんです。

そう、うっとり。
いつまで見ても、どこを見てもうっとりして見とれてしまうような魅力のあるのが、このロシアンバーチのプルミエグレード。

自然な表情、ということで赤白の色差や節の目立つネイキッドグレードが人気なのは、カスクオークと同じですが、ネイキッドグレードでは決して味わえないのがこのうっとりとする樹種特有の表情です。

框や建具ともものすごく調和し、玄関から離れられなくなりそうです。

まさしく、お住まいになるあたたかなご家族を象徴するような、明るくて楽しさを感じる色と木目。
そりゃそうですね。
バーチの木語は「明るく照らす」。
そして、天井のスギの木語は「まっすぐに」。
勿論、オークは「実りと威厳」。

今回採用のどの樹種も、ご家族に選ばれるべくして選ばれた。そんな気がしてなりません。

もちろん、荷受けや施工で尽力して頂き、非常にきれいに納めてくださった工務店さんにも感謝です。

そりゃ、座っちゃいますよね。気持ちいいもん。ホール（笑）。

今回のおうちの立地は、羨ましいほどの好条件。
角地だとか南向きとか、それもそうですが街区が美しい上にうみにも近く、目の前が公園でありそこにはなんと、防砂林兼防風林であるマツ林が望めるのです！

海が近くて松林がおうちから見えるなんて、木の変態材木屋にとっては羨ましくて仕方のない立地。

お庭もあって、切妻形状の大きな屋根の木のおうち。

街区でもいい意味で目立っています。
こんなおうちで暮らせるご家族、幸せいっぱいに違いありません。

そのお施主様のお声、最後にご紹介しておきます。
いつもながらにウソみたいに有難いものですので、平身低頭で公開させていただきます（汗）。

こんな素敵なおうちに納品する機会を与えて頂いたK様ご家族。
弊社にたどり着いていただき、誠にありがとうございました。

新居での暮らしが一層幸せにあふれるものでありますように！

おっと、往路は朝一番の新幹線だったものの、用事を済ませた場所のすぐ近くには空港。
ということで、帰路は空の便を利用。
夕方に電車を乗り継いでいく疲れと、早期予約で新幹線と同じような料金だったことから、久しぶりに空を飛ぶことにしました。

さぁ、いざ出発。

今まで一番早かったのは、駐機場から滑走路まで移動して、そのまま一旦停止せずにいきなり加速し離陸！！というのが海外で経験しましたが、今回はなんと発着渋滞が発生し離陸待ち！
こんなの初めて。
車の渋滞と同じく、ちょろっと進んでは止まる。

と思って滑走路へ入る直前に離陸待ちを眺めてみると、この状況・・・何機並んでんの？！
そりゃ、飛ばんわな・・・
ちょっと遅れましたが、富士山よりも珍しい？！こんな光景も見られた貴重な出張でした。

・ロシアンバーチ幅広無垢一枚物フローリングはこちらから
・ロシアンバーチ幅広つなぎ目V溝無垢フローリングはこちらから
・ロシアンバーチ幅広つなぎ目V溝無垢フローリングプルミエグレードオイル塗装、限定入荷はこちらから
・ロシアンバーチ150幅広無垢V溝フローリングネイキッドグレードO様着色塗装施工写真はこちらから
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・ロシアンバーチ150幅広無垢V溝フローリングセレクショングレードS様クリヤー塗装施工写真はこちらから
・ロシアンバーチ150幅広無垢V溝フローリングネイキッドグレード無塗装施工写真はこちらから
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・ロシアンバーチ130幅広無垢UNIフローリング、ネイキッドグレード久しぶりの定番のおうち、施工写真はこちらから
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・ロシアンバーチ幅広つなぎ目V溝無垢フローリングプルミエグレードオイル塗装、和の縁側に白の調和編はこちらから
・ロシアンバーチ幅広つなぎ目V溝無垢フローリングプルミエグレードオイル塗装、天然素材の塗り壁材との競演はこちらから
・ロシアンバーチ無垢UNIフローリングネイキッドグレード無塗装、古民家再生の床仕上げの施工写真はこちらから

ロシアンバーチの他にもつなぎ目V溝フローリングがございます。下記も是非ご覧ください。（樹種によっては、グレードの限られるものがございます。）

・ホワイトアッシュ幅広無垢一枚物フローリング
・カスクオーク（ナラ）幅広無垢V溝フローリング
・ブラックウォールナット幅広無垢V溝フローリング
・ロックメープル（カエデ）幅広無垢V溝フローリング
・ブラックチェリー幅広無垢V溝フローリング
・ノルデストウォールナット（クルミ）幅広無垢V溝フローリング
・欧州楓（ヨーロピアンメープル）幅広無垢一枚物フローリング

＊ロシアンバーチ無垢フローリングを採用頂くにあたって

ロシアンバーチフローリングは、水分や油分などでケバの立ちやすい樹種です。
それが樹種の特徴ではあるのですが、無塗装でも楓などの樹種とは手触りの風合いが異なりますので、必ずご覧になっていただいてから検討頂くことをお勧めします。

また、施工当初の白っぽい色合いは日光により変化していきます。
色合いの変化については、こちらをご覧ください。
オイル塗装のつなぎ目V溝フローリングを、北向き窓辺に7カ月放置した強制日焼け試験の結果はこちらから！

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2022年09月18日

モノづくりに共感の納品その②　～百年杉柾浮造りフローリングの、のびやかな天井～

先日のカスクオークはどうでしたか？

オークのフローリングというと、ネイキッドグレードに人気が集まりがちですし、その表情は多彩でよいものですが、節ではないオークそのものの端正な表情が見えるのもまた良いものでしたよね。

しかし、今回はもっと端正ですよ！！

どうだ！

弊社自慢の高樹齢！百年杉柾浮造りフローリングのUNIタイプを天井一面に貼っていただいています。
めちゃくちゃ気持ちいいです。

百年杉柾材は、葉枯らし工程の後に丁寧な天然乾燥を施し、さらに非常に丁寧な浮造り加工を施した特別なスギ。
木目はもちろんの事、若干赤ピンクの色合いも、杉本来の柔らかな香りも最高です。

弊社のブログをご覧の方はご存知でしょうけども、工務店さんの中には「御社のスギフローリングは、どうしてそんなに高いのですか？」と言われることがあります。

スギ＝安い無垢材、という印象のある工務店さんなんですが、材木屋さんの中では「ヒノキの下にスギがあり、ヒノキの上にもスギがある」ともいいます。
例えの一例ですが、スギよりも高価だと思われているヒノキだけれど、更に高価なスギがあるのはちょっと想像すればわかると思います。
そう、例えば屋久杉。

そんなイメージです。
フローリングに屋久杉ほどの希少性はありませんが、それでも樹齢100年以上の良質なスギ原木から厳選した柾目材のみを使用していることは、一般的なスギフローリングにはない特徴です。
もちろん、柾目でしかも浮造りのスギフローリングも珍しいのに、色もツヤも美しい！

自然な白太が含まれるのも、特徴の一つ。
110mmという幅を確保しつつ、柾目の通っていて且つ色合いの美しい部分を厳選する為に、敢えて白太を適度に含んでいます。

それとともに、同じ原木で中心に近い部分はその耐久性を活かした、赤身デッキ材としている為に贅沢な木取りながらも、芯の部分まで百年生のスギを無駄にすることのない製品づくりをしています。

ただ単に、製材したら柾目が出来たから作ってみた、というものではなく当初からこのレベルを目指して伐採から製材、加工までされているということ。
弊社も材木屋さんだから言いますが、材木屋さんの特価処分販売での柾目原板とは全く異なるのです。

そんな想いの詰まった、とっても稀少な商品だから変に安いとウソになりますよね（汗）。
どうすればそんなに安くできるのか？100年育った時間はどこに行ったのか、とね。

それはもちろん、古希杉フローリングにおいても同じことです。

因みに、そんなこだわりのフローリングに応えて頂くように、広いリビングから青い空の屋外に抜ける視線の先には、室内から続く百年杉柾が！！

ガラス越しの写真で光が反射していますが、リビングからそのまま伸びるように施工されたもの。
めっちゃいいです！

お施主様の希望なのか、それとも設計工務店さんのアイディアなのか、とにかく気持ちいい使い方。

訪問時お施主様より、「せっかく戸田さんが来て下さるのに、もう外のスギの色が変わってきていて・・・」と当初の色合いを見せられなかったことと、若干褪せた色合いを申し訳なさそうにしてらっしゃいましたが、まったく問題なし！

こんないい雰囲気で使ってもらっているんだもの。
もちろん、退色することが欠点とされているわけでもなく。

そんな想いで居てくださるだけで、材木屋は死ぬほどうれしいです（笑）。

当地のお施主様は、モノづくりやその過程に非常に理解を持ってくださっていました。
百年杉柾はもちろんの事、カスクオークや次にご紹介するロシアンバーチもそうです。

省略することによって、失っていくものの大きさ・・・
拘ることによって、大変になっていくモノ作り・・・

おそらく、スギという樹種で天井羽目板を探していらっしゃれば、弊社には巡り合わなかったでしょう。
検索対策も何もしていない弊社に、どのようにしてか辿り着いていただき担当のおかしなまでのこだわりを理解して下さり、遠路に関わらずに注文を頂けた喜び。

モノづくりや、物に関わる人たちのストーリー。
そして、その原料となる木々のお話も含めて共感いただけたものだと思っています。

そんな想いが工務店さんにも届いているのか？！、こんなところもしっかりと無垢材らしい納めをしてくれています。

普通は、木口も含めてカットした面には見切りといって、カットした部分を隠す部材を取り付けます。
合板や印刷のプリント材であれば、表面材とは異なる基材が見えてしまうので隠す必要がありますが、無垢材そのものは隠す必要なし！

そこをちゃんと隠さずで仕上げてくれています。

意外と、見切りをつけないのを嫌がる大工さんもいる中で、素材が活きる有難い施工です。

柾目であることは、天井の抜け感や奥行き感を感じさせ、さらに 1/f 効果によって目で安らぎを感じられる空間になっていることは間違いなし。

なんて素敵な住まい！
納材しておきながら、羨ましい限り。

もちろん、前回登場のお子様もご機嫌一杯！

お施主様の笑顔も絶えないわけです。
良いご家族。

さぁ、2階からリビングに降りてきて、いよいよ次は玄関です。
うっとりする玄関ホール、次回をお楽しみに！！

・高樹齢！百年杉柾浮造り一枚物フローリングはこちらから
＊日本家屋の縁側改修へ、一枚物施工例はこちらから
＊UNIタイプ、書斎への施工例はこちらから
＊UNIタイプ、寝室への施工例はこちらから

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2022年09月15日

モノづくりに共感の納品その①　～カスクオークのプライベートルーム～

最初のお問い合わせは、もう一昨年の初冬。
じっくりコトコトと、否こつこつとつくりあげられた木の家の施工写真を撮影に、先日出張してきました。

物凄くいい天気ながらも、早朝便だったからなのか東海道新幹線名物の富士山は先っぽしか拝めずの旅路。
実は、一昨年から密かに東京と千葉への無垢フローリングや羽目板、特殊な木材の発送が続いた時期があり、こりゃ一気に施工写真を！ともくろんで出張を計画していたものの、一つは大きな病院施設内、そしてもう一つはヒーリング営業されている店舗、ということでコロナの影響もありこれらへの訪問を断念し、よろこんで許可をいただいた今回のお施主様のところだけに、全力集中で向かったのでした（笑）。

その場所は海のイメージのある場所。
そして、海を近くに臨める好立地。
どんな木の家が建っているのかとワクワクしながら向かいました。

今回、弊社が納めさせていただいたのは3種類の無垢材。
順をおって紹介していきましょう。
先ずは、おなじみのカスクオーク！

ここは2階のプライベートスペース。
要は、ご夫婦やお子さんたちの場所。

その場所に使ってもらったのは、カスクオークつなぎ目V溝フローリングのセレクショングレード！
当初は、まったく節などを気にされない（自然素材だから）ことからネイキッドグレードでも、とのことでしたが、あいにくネイキッドグレードが入荷が無く、セレクショングレードの採用となったのですが・・・

適度に自然でランダムな表情や色差、それに丁寧な工務店さんおお仕事がものすごく整った空間を作り出していて、セレクショングレード正解やん！（ちょっとご予算かけてもらったけど・・・）と心の中でニンマリ。

150mmという、広葉樹無垢フローリングでは非常に幅広なつなぎ目V溝フローリング。
無垢材特有の木目や表情を、大きなお部屋でも、そして注目しなくても自然に視認させる存在感はさすがですね。

それに、最近多く採用される挽板フローリングと比べると、UNIタイプながらもつなぎ目にV溝があることでまったく違和感のない、乱尺の一枚物の施工に感じさせるところが、より無垢材としての質感をあげる効果を発揮しているんでしょうね。

写真に写りたい子供さんが、周囲を走り回っています。

でも、ちゃんといい感じで見切れるギリギリに居てくれる（笑）。

白太や小節、そして節の無い根杢や自然な色違いが集まったセレクショングレード。
節がある事だけが自然素材ではなくて、その素材の持つユニークな表情の細かな部分までをいろいろと見せてくれるのが、セレクショングレードだと思います。

グレーな色調から微かにピンクな部分、かと思えば白太の無節など、本当に飽きません。

そんなことを考えながら撮影していますが、木の変態でありおかしな言葉のイントネーションで話す大阪人に、次第に慣れてきたお子さんたち。
「私って、こんなに子供さんに好かれてた？！」と思うほど、おもちゃの話だったりお部屋の話だったり、たまにお父さんが「そこは（行かなくて）いいよ～・・・」とおっしゃるプライベートなクローゼットスペースまで案内してくれる（笑）。

とってもご機嫌なお子さんたち。

そして勿論、裸足！

まぁ、夏だということもあるんですけど硬いと言われているオークのフローリングをものともせず、兄妹で駆け回っています。

そりゃ、気持ちいいよね。
足の裏から、オークの道管やその素材感がしっかりと伝わっているはず。

その上、もうすぐ引っ越してくる新築のおうちだもの。

そうそう、今回はお引越しの直前にお邪魔したのです。
なので、大きな荷物も無く子供さんたちも走りたい放題なうえに、私の為に開放して下さっている空間で、お父さんにも甘えっぱなし！

もう、ご家族仲良しスギです！

スギ・・・そうです、このカスクオークの床は2階なのです。
一般的なご家庭は、「傷のつきにくいオークを1階に」と言われそうなところですが、そうではないんです。
その硬いとか柔らかいとかいった、一元的な考え方ではない素材のチョイスの仕方が出来る広い視野があるからこそ、1年半以上前からお声かけを頂いてじっくりと建築されたお施主様。

そして、そのスギも実は弊社から納材しています！

しかし、フローリングとしてではありません。
以外にも、天井材として・・・

どうしても、傷がつきにくいとかワイルド、若しくはオーセンティックな雰囲気などという印象が先行するオークですが、夏場にはさらっとした質感で心地よいと言ってた抱いています。

それは、子供さんのこの足運びで分かりますよね。

そして、2階から始まった撮影は大空間の家族リビングへと場所を移します。

・カスクオーク幅広無垢一枚物フローリングはこちらから
・カスクオーク幅広無垢つなぎ目V溝フローリングはこちらから
・カスクオーク幅広無垢V溝フローリングオイル塗装CO-32VOPの施工写真はこちらから
・カスクオーク無垢UNIタイプオイル塗装CO-21OSの施工写真はこちらから
・カスクオーク幅広無垢つなぎ目V溝フローリングネイキッドグレード、アトリエFUDOさま施工写真はこちらから
・カスクオーク無垢UNIタイプ床暖房用プルミエグレードCO-24UPとCO-21UPの貼り伸ばし施工写真はこちらから
・カスクオーク幅広無垢一枚物フローリング、ネイキッドグレードの木のおうち施工写真はこちらから
・カスクオーク幅広無垢UNIフローリング、ネイキッドグレードホワイトペイントのキッチンの施工写真はこちらから
・カスクオーク幅広無垢UNIフローリング、ネイキッドグレード建築士さんのリノベハウスの施工写真はこちらから

・カスクオーク150mm一枚物とネシアンチーク150mmプルミエグレードと、板屋楓の一枚物の無垢材のおうち！！はこちらから

＊カスクオークの他にもつなぎ目V溝フローリングがございます。下記も是非ご覧ください。（樹種によっては、グレードの限られるものがございます。）

・ホワイトアッシュ幅広無垢一枚物フローリング
・ブラックウォールナット幅広無垢V溝フローリング
・ノルデストウォールナット（胡桃・くるみ）幅広無垢V溝フローリング
・ロックメープル（カエデ）幅広無垢V溝フローリング
・ロシアンバーチ（樺・かば）幅広無垢V溝フローリング
・ブラックチェリー幅広無垢V溝フローリング

＊カスクオーク無垢フローリングを採用頂くにあたって

カスクオークフローリングの原材料のホワイトオークは、ケヤキやタモと同じように環孔材広葉樹であり、キクイムシによる白太（辺材）の食害を受ける可能性があります。
全てがそうではありませんが、採用にはその可能性がある事を含みおき頂きますようによろしくお願いいたします。

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2022年06月11日

カスクオーク150mm一枚物とネシアンチーク150mmプルミエグレードと、板屋楓の一枚物の無垢材のおうち！！

自然素材の家、無垢材で作る家。

そんな住宅会社さんのコマーシャルフレーズは、いたる所で見かけます。
テレビコマーシャルでは、「高気密高断熱」や「●●賞受賞」とか言った文句ですが、インターネットには多くのお会社が無垢材に取り組んでおられることが見て取れます。

節ありの明るい色調のフローリングや化粧梁を見せる造り、または階段をデザイン階段にしてみたり・・・
色々なイメージ写真を見かけますが、「広葉樹一枚物」や「本当の適材適所の利用」を考えて無垢材を使っているところは、実はそう多くありません。
取り組んでいるところは少なくはないはずですが、それらは大きくアピールすることが無いから目にしないのかもしれません。
だって、そのような無垢材利用が本当の自然素材であり無垢材の家だと考えているから。

例えばこんな風に・・・

カスクオーク（ナラ）の幅広150mm幅広一枚物フローリング、ネイキッドグレードです。
いつもながらになりますが、大きなポイントは150mmという幅広サイズであることがひとつ。
通常の無垢フローリングは90mm幅。
それに比べて60mmも幅広。

そのおかげで、オークの木目をきっちりはっきりと見る事ができます。

そしてもう一つのポイントは一枚物であること。

一枚物というのは、無垢フローリングの長さである1820mmのなかにつなぎ目が無いもののこと。
これは、背が高く育つヒノキやスギのような針葉樹であれば、特段珍しいことではありません。

しかし、一般的には針葉樹に比して樹高が低い広葉樹の場合は、一枚物を生み出すことは容易ではありません。
その生長スピードも違うのも大きな理由ですが、一枚物を生み出すことのできる原木は一部に限られます。

稀には、120mm幅などのUNIフローリングを見かけることがありますが、これは150mmの一枚物です。
言葉では伝えにくいほど貴重なもの。

使われているのは節やパテがあり、辺材（白太）を含むグレードですが、正真正銘の一枚物。
近頃は、このネイキッドグレードの様な表情が人気があるために、印刷の合板フロアーでも似たような質感の物が多くありますが、印刷の場合は幾枚かのフロアーの中には必ず同じ柄が存在します。

二つどころかところどころに同じ模様があるものですが、無垢一枚物は同じものなどありません！
当たり前ですが、そこが視覚的にも自然に感じるかどうかの大きなポイント！

変色や着色部分などの節以外の部分も、天然素材そのものだからこそ現れるもの。
もちろん、印刷品もその天然をスキャンして表現しているからとても再現度が高いのですが、無垢材そのものには届きません。

オイル塗装済みなので、一層オークの木目が引き立っていますが、このザ！広葉樹的な木質感は、多くの人の心をつかんでいる所以ですね。

無垢フローリングを検討するとき、オークは必ず選択肢に一度は浮かぶ樹種だと思います。
間違いない、ど真ん中！というか定番ですし、確かにどこから見ても魅力的な樹種です。

それに対して、よほどの憧れが無ければ希望として出てこないであろうと思われる樹種がこちら。

弊社の記事をご覧の方にはわかるかも知れません。

この深い焦げ茶色～黄褐色の色合いに艶のある表情。
ネシアンチーク幅広無垢UNIフローリングの150mmプルミエグレード（オイル塗装）です。

ネシアンチークについての詳しくは、過去の施工記事や紹介記事に譲りますが、無垢フローリングとしてはそれほどの要望があるわけではない樹種。
いや、私はものすごくおすすめしている樹種ですが、オークに比べるとまだまだ知名度を確保できていないのかもしれません。

今回は、チークの指定ではなかったのですが、使われる場所にふさわしい樹種を・・・というご要望でご提案したものです。

その場所とは、ずばり水まわり。

チークは非常に水質に耐えると言われます。
もちろん、ヒノキもそのように言われますが和風に偏ってしまいがちになりますし、なによりチークは海水にも耐える耐久性と適度な硬さを持っている上に、装飾目的でも多用されるほどに美しい樹種。

その様々な優れた特性を兼ね備えているチークを水まわりに、というのは適材適所の本領発揮。

もちろん、これだけ美しい樹種ですからリビングなどに使わないのはもったいない！というほどですが、木材の活用において樹種の特性を活かすのは非常に大切なところですので、大正解な使用方法といえるところです。

もちろん、近年の住宅においては水まわりといっても湿気にさらされるわけではありません。
水漏れの心配もありません。
表面もオイル塗装をされている為に、水をこぼされたとしてもチークではなくともオイルが保護してくれます。

それでも、単純に「大丈夫」だからではなくて古くから知られている木材の持つ長所を活かす利用として、敢えて採用してもらえています。

本当のところをお話すると、弊社ショールームにて無垢フローリングを検討いただくお客様でも、キッチン周りや洗面所などは特に、水気を気にされることが非常に多いものです。

キッチンならば洗い物のすすぎのこぼれ、洗面所ならば脱衣スペースとお風呂の入り口近辺での、水分の染みこみ。
オイル塗装をしたとしても、一般的に流布されている「木は腐る」のイメージが強すぎて、不安になられる方が多いのが現実です。

だから、木は腐るものの適切に利用してもらえれば素材としての耐久性によって、早期の不具合を回避できるような樹種を使うことの大切さが大きなウェイトを占めるようになってきます。

それがチークです。

今までの記事でも紹介の通りですが、このプルミエグレードはチークの赤身（芯材）部分を厳選していますので、耐久性の高いチーク脂を沢山含んでいます。
その証拠に、無塗装でお届けできますから是非触れてみて頂きたいのです。

チークや他の一部の樹種にしかない、「ぬめり」を感じる手触りを。

そうすれば、言葉よりもはるかにその意味を理解して頂けると思います。

さて、ここではそれで終わりではありません。
もう一つ、贅沢な一枚物が使われています。

特徴的な芯材と辺材のコントラストがあるのは、弊社定番中の定番である、板屋楓（イタヤカエデ）幅広無垢一枚物フローリングのネイキッドグレードです。

少し前にも、「楓のおうち」として京都の物件の施工例を紹介しましたが、今回もまた一部で使っていただきました。

板屋楓のネイキッドグレードは、楓のもつすべての表情が含まれているので、白く美しい部分もあれば、節のある部分や原木段階から変色している部分、または筋状の着色含有成分の多い部分が沢山含まれています。

好みにもよりますが、もしこれがUNIタイプであれば、かなりにぎやかな印象を受けるでしょう。
しかし、そこは一枚物！

木目がすっきりと1820mmに通っていることで、色が異なっていようと変色が有ろうと、無垢の木そのものの表情を感じる事ができるために、無垢フローリングとしての存在感は抜群です。

いやぁ、ものすごく贅沢なおうちでした。
150mm幅一枚物のオークに150mm幅赤身厳選のチーク、そして130mm幅一枚物の楓です。

なにしろ写真は掲載していませんが、化粧梁に丸太があったり化粧の箱階段がかかっていたりと、フローリング以外にもすごいところだらけなんだから、家としての存在感もフローリングに負けていませんでした・・・

自分で納品していながらも、こんな家に住めればなぁ・・・と思ってしまうようなところが沢山あります。
そんな憧れられるようなおうちに納品した無垢材たちが、愛されてずっと使い込まれていくように。
弊社はいつも通り、ご希望に添えるような提案を出来るように皆様をお待ちしています！

・カスクオーク幅広無垢つなぎ目V溝フローリングセレクショングレード、モノづくりに共感の納品その①　～カスクオークのプライベートルーム～はこちらから

＊カスクオーク無垢フローリングを採用頂くにあたって

カスクオークフローリングの原材料のホワイトオークは、ケヤキやタモと同じように環孔材広葉樹であり、キクイムシによる白太（辺材）の食害を受ける可能性があります。
全てがそうではありませんが、採用にはその可能性がある事を含みおき頂きますようによろしくお願いいたします。

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・ネシアンチーク幅広無垢UNI 150mm幅プルミエグレードはこちらから
・ネシアンチーク幅広無垢UNIフローリングプルミエグレードオイル塗装、和風家屋施工現場①はこちらから
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・ネシアンチーク幅広無垢UNIフローリングプルミエグレードオイル塗装、雰囲気作りと素材選びの改修工事はこちらから

＊ネシアンチーク無垢フローリングを検討するにあたってのご注意
1,
ネシアンチーク無垢フローリングは、チーク脂を多く含んでいる性質上オイル塗装を施した場合に、部位により染みこみに差が出る場合があります。
また、樹脂がフローリング表面に染み出すことがありますが、チークの優れた特性をもたらす貴重な樹脂です。
2,
木目の交錯により若干毛羽たったように感じたり、オイルが染みこんでいない（白濁様や艶ムラ等）ように見えたりすることがあります。（下部、表情の差を参照ください。）
3,
樹脂分の影響で、他の樹種に比べて表面を均一に仕上げることが難しい面があります。オイルなどで塗装後に光の角度により表面仕上がりの差を感じることがありますが、ネシアンチーク加工上の都合とご了承くださいませ。（表情の差に掲載される逆目等を参照ください。）
4,
樹脂成分により、他の広葉樹材よりもオイルの染みこみにくい部分があります。塗装の際には、乾燥不良や塗りすぎに特に注意して下さい。
5,
チークの樹脂を含んだサンディング粉が、木目に残っている場合があります。塗装の浸透性をよくするため、塗装前にはフローリング表面にウエスがけをしていただくことをおすすめします。

上記に関しては、後日の記事も参照の上ご検討下さい。

・板屋楓（いたやかえで・ペインテッドメープル）幅広無垢一枚物フローリングはこちらから
・板屋楓（いたやかえで・ペインテッドメープル）無垢一枚物フローリング90幅プルミエグレード施工写真はこちらから
・板屋楓（いたやかえで・ペインテッドメープル）幅広無垢一枚物フローリング130幅プルミエグレード施工写真はこちらから
・板屋楓（いたやかえで・ペインテッドメープル）幅広無垢一枚物フローリング130幅セレクショングレード施工写真はこちらから
・板屋楓（いたやかえで・ペインテッドメープル）幅広無垢一枚物フローリング130幅セレクショングレード分譲のおうちにも！の施工写真はこちらから
・板屋楓（いたやかえで・ペインテッドメープル）幅広無垢一枚物フローリング130幅ネイキッドグレードと無垢材あるれる施工写真はこちらから
・板屋楓（いたやかえで・ペインテッドメープル）幅広無垢一枚物フローリング130幅ネイキッドグレード施工写真はこちらから
・板屋楓（いたやかえで・ペインテッドメープル）幅広無垢一枚物フローリング130幅セレクショングレード大阪研修の家、施工写真はこちらから
・板屋楓（いたやかえで・ペインテッドメープル）幅広無垢一枚物フローリング90幅セレクショングレード、フリースタイルなおうちの施工写真はこちらから
・板屋楓（いたやかえで・ペインテッドメープル）幅広無垢一枚物フローリング130幅ネイキッドグレード、情熱溢れる大工さんの無垢材溢れる手づくりの家の施工写真②はこちらから
・板屋楓（いたやかえで・ペインテッドメープル）幅広無垢一枚物フローリング130幅ネイキッドグレード、情熱溢れる大工さんの無垢材溢れる手づくりの家の施工写真③はこちらから
・板屋楓（いたやかえで・ペインテッドメープル）幅広無垢一枚物フローリング130幅と150幅セレクショングレード、一枚物の贅沢なおうちの施工写真はこちらから
・板屋楓（いたやかえで・ペインテッドメープル）幅広無垢一枚物フローリング110幅床暖房向けプルミエグレード、旧家のメインに！の施工写真はこちらから

＊板屋楓は、一部寸法とグレードで欠品が続いています。在庫も少なくなっていますので、一部入荷の予定がたっていない商品もありますのでご注意ください。

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2022年06月08日

木の香りつながりで名刺、新しくしました！

前回まで、ワインの香りと木の香りを関連付けての勝手なワイン学を放言してしまいましたが、そういった個人的な感覚もとっても大切だと思っています。
そして本来は、そういった個人の感覚も許せる言い合えるような、自由なワイン会ができればもっと、ワインという飲み物の世界の裾野がひろがるのになぁ・・・なんて感じたりもします。

難しく考えて飲むこともものすごく楽しいけれど、入口にはすこし敷居が高い様な気もします。
そして、それは木材に関しても同じことだと感じるので、余計に「対岸のなんとやら」ではないようにも思い・・・
いや、嗜好品と商売上のものを結び付けるのは、ちょっと違うと思いますが状況的には似ているように感じてしまいます。

ワインが注がれると、反射的に香りを探る人が多いように木材にも香りがあると認知されている方は、非常に多くおられます。
そう感じるのは、担当が名刺交換をさせて頂くとき。

本物の木の名刺を使っているのですが、お渡ししてもまったく興味を示されずにスル―される（まさか木でできているとは思っていない場合も？！）か、とても興味を持ってもらうかのどちらかに分かれます。
後者の場合、必ずと言っていいほど名刺の香りを確認されます。

今まで使っていた木の名刺は「シナ」と「ブラックチェリー」でしたので、特有の芳香はありませんでした。
そのため、期待して香りを確認されているところに「あ、これは殆ど香りしないんですけどね・・・」と期待を裏切る情報を付け加えねばならないことが、非常に残念でなりませんでした。

シナもブラックチェリーも、私なりの理由があって採用していたことは以前の記事でお伝えしていますが、今回はこのような「期待の香り」に応えるべく樹種変更をしたのです。
新しい樹種は、オーク（ナラ）！！

満を持しての登場（笑）。
私の中ではどこか定番的というか、誰でも知っているだけに敢えて使ってこなかった樹種。
それを採用したのは、記事でもお伝えしたように「ワインの香り」だから。

一昔前まで、材木屋さんや木材関連の商社さんの営業さんの多くが、木の名刺を持っていました。
話のタネにもなるし木材業らしい印象を一目で理解できます。
私もいただいたそれらの多くは、スギやヒノキの柾目のものでした。
弊社の清涼たもの柾目フローリングの様に、広葉樹なら採用していたのですけども・・・

それらも香りはするものの、会社から「持たされている感」が満載で、さらに反りが出る為柾目にしている上にビニールシートを挟んでいることから、木の名刺じゃないやん！という思いと、輪をかけて名刺の樹種すらわからない人がいたこともあり、「そんな人と同じように思われたくない、埋もれたくない」という意固地な想いで木の名刺は採用してきませんでした。

そのこだわりを持ちつつ木の名刺に出来た初めての樹種がシナでした。
そこから経緯をへてオークに変更するのは、自身の名刺に今までなかった香りを付与するとともに、森の王と称されるオークにすることで、今まで以上に自身の立場を自覚するための視覚的な意味も込めています。

香りについては、弊社がお客様に資料配布時に使用している木のファイルが「ひば」を採用していますので、針葉樹の香りはそちらに任せていて、今回のオークの名刺は完全に私のエゴである「ワイン」をイメージしています。

実際に作成してみると、香りはもちろんながら木目を感じる事ができる上、環孔材特有の道管の質感がはっきりし（今までは散孔材ばかり）、特有の虎斑も目視できるという満足感を得られました。
ファイルに使っているひばは、その性質上柾目ですから木の質感という意味で板目が欲しいところでしたから、その観点でも板目のあるオークに満足。

今までに作成した木の名刺はおよそ600枚。
改めて考えると驚きますが、私が「ただの材木屋じゃない」という重要な役割を果たしてくれていると思います。

以降は、この香りのする名刺を携えて皆さんにお目にかかることになります。
さぁ、香りを楽しんで下さい（笑）。
なんなら、仕事の話ではなくてワイン談義も大歓迎です（笑）。

気が付けば、木製名刺ケースをはじめジェットストリーム芯対応ノック式木製ボールペン、そしてこの名刺と、オークの三種の神器の様。
カスクオークのフローリングと合わせれば、もう無敵！

あんまり意識していなかったけど、実はオークすきなんだなぁ・・・
そう感じた新しい名刺。

これからもどうぞ、よろしくお願いします。

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2022年06月05日

一番好きな木は何ですか？！　～ワインの香りと木の香り　⑥～

木材の香りでワインを想像するのは今回のオーク（ナラ）とカリンですが、ワイン自体の香りで好きなものは多くあります。

ブドウ品種でいうと、熟成により非常に複雑で深い香りを発揮するシャルドネ。
ライチや花の様な華やかな香りが魅力的でたまらない、ゲヴュルツ・トラミネールや、ヴィオニエ。
そして、繊細でいながら奥深くに特徴的な香りを有する甲州。

あれ？
白ワイン品種ばっかり。

実は私、白ワイン好きなんです。
もちろん、赤ワインもロゼもオレンジも、みんな好きですけど。

そう考えると、ワインも木材もやっぱり香りの特徴的なものが好きなのかもしれません。

少し前からは、ちょっと特徴的な香りを持つナチュラルワインを多く飲むようになり、またそちらの香りにもとても惹かれるようになりました。

ナチュラルワインも熟成香はあるものの、どちらかというとブドウが持つ香りがどれだけ土や気候に反映され、便の中や開けた後にどのように変化していくかという、違った楽しみを感じます。

白ワインにおいて日本でも一時非常に有名になった、シャブリ。
オッサンはすぐに、赤ちゃんの「おしゃぶり」に例えて「しょうもない」ことを言いたくなってしまうのですけども、そのシャブリも牡蠣土壌由来の味と香りと形容されますし、その土壌を反映するシャブリだからか、熟成に木樽を使う派とステンレスタンクを使う派の双方があり、どちらがどうだという話で盛り上がったものです。

お前はもちろん、木樽派だろうって？

いえ、実はステンレス・・・も好きなんですよねぇ（笑）。
どちらも個性があって、それでいいんですよ。
そんなこだわりを楽しんで飲んでいたい。
そういうのがワイン、じゃないでしょうか。
難しいところもいいし、ストーリー性が気に入って感覚的に美味しく感じるものを選んではまっていくのもいい。

ちょっとは蘊蓄を語れる方が楽しいけれど、やっぱり飲んだ時が楽しくないと意味ないですもんね。
これからワインを飲むときは、オークとカリンというワイン好きの材木屋が言う２つのキーワードを気にしてみてくださいね。

もしかするとどこかで、カリンの香りを楽しみながらの赤ワイン会！でお会いするかもしれませんね！！

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2022年06月03日

一番好きな木は何ですか？！　～ワインの香りと木の香り　⑤～

カリンの香り＝バナナ・・・

これは多分に赤ワインの方の印象に引っ張られていると思うのですが、連想ゲーム（あぁ、懐かしいテレビ番組タイトル！）のようにカリンの香りが赤ワインの香りを嗅いでいる感覚を呼び覚ますからです。

木材バカの個人的な感覚ですので、バナナは万人が共有できる情報ではないと思うので、もう少し一般的な言い方をします。

カリンの香り＝バラの様な甘い香り・・・

これなら分かります？！
私はこっちの方がピンと来ないというか、甘い香りはわかるのですが・・・

そう表現する理由は、カリンが「ローズウッド」と呼ばれる木材の中に含まれる場合があるからです。
正確には違う（稀少な木材だけに、この辺の定義は結構細かい・・・）のですけども、一部の樹種が有するバラの様な香りに似た香りを有する者も、広義で含めるとされる場合があるので、今回はイメージが分かりやすいように引用したいと思います。

そのカリンが持つ甘い香りの正体は、私も正確には知りえていません。

オークの様に、直接ワインに触れているわけではなく、熟成されたワインの香りから感じられる感覚的なものなので、本来はカリンの香りがワインの香りに直結するはずはないのですけども、そこがまたワインのはまってしまうポイント。

ソムリエさんたちがワインの香りの話をするとき、時々「アロマ」や「ブーケ」という言葉を使います。
どちらも香りを表現する言葉ですが、前者は原材料となるブドウ由来の香り。そして後者は発酵や熟成後に表れるものを指している用語です。

こうやって、ブドウ由来の香りと分けて表現するところも、なんだか魅力的ですよね。
まぁそこが、ワイン入門への敷居を高くしてきた一因でもあるんでしょうけども。

カリンの香りは、上記で言うとおそらくブーケにあたるはずです。
若い赤ワインには感じることのない、「あぁ、美味しいワインだ・・・」と口に含む前から官能的な世界に包まれるような心地になるのです。

おっと、分かったようなコメントをしてしまいました（汗）。

しかし、私がカリンに感じる香りはどこかあたたかくてほわっとしていて、それでいて赤ワインの渋みを伴ったブドウ果汁の香りに、甘いバナナが混じった印象。
一度、ワイン会でカリンの材を持参して感想を聞いてみようかと思ったり、真剣にかんがえているのですけども・・・

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2022年05月28日

一番好きな木は何ですか？！　～ワインの香りと木の香り　③～

落葉性のオーク、すなわちナラ類だけがもつオークの香り。
つまりはナラの香り！！

飲み慣れている方は、樽熟成された白ワインが有するバニラっぽい香りやココナッツの様な香りを感じたことがあるのではないですか？
私がオークの香りで想起するのは、まさしくその香りなのです。

少し甘く感じる香り。

それがワインに直結するため、一般的にオークの良さとされる木目や質感とは異なる部分で気になってしまうのです。
私の想いを掻き立てる香りが、直接クエルクスラクトンなのかどうかは定かではありませんが、オーク製の樽に入れられたワインには、熟成とともにこの成分が溶出し、芳しく甘い芳香の生成に寄与しているということ。

それ以外にも、オークの細胞壁を構成する成分すらもアルコールによって香り成分へと寄与するのですが、忘れてはいけないのがバニリン！
バニラの香りと言われるその名前が、すでに甘さを感じさせますよね？！

木材を構成する大きな成分のうちのひとつであるリグニン由来の成分が、熟成を経て変質（反応）してできると言われる成分ですが、このバニリンも非常に大きな香り成分となっている為に、ワイン生産者たちは樽の素材となるオークにはこだわると言います。

私がワインを好きになった理由は、同じ銘柄のワインでも生産者によっての違いはもちろんの事、同じ銘柄でも畑によっても味や香りが異なるからです。
その多様性や地域性を表現する事、そしてそんな自然のもつ力がはっきりと顕在化するところに惹かれたのです。

もちろん、木材もそうです。

ヒノキ、と一口に言っても全く異なるのはシリーズ一回目冒頭で述べた通りです。

それと同じように、ワイン生産者は樽の産地にこだわるそうです。
それは、産地によって熟成中に生成される成分やその量に違いがあるから。
大きく分けると、アメリカンオークとワイン業界で評されているであろうホワイトオークに対し、ヨーロッパのオークという感じ。

そして、そのヨーロッパのオークの中でも非常にメジャーなのが「アリエオーク」。

実際に私も「これがアリエだ！」と見たことはありません。
そりゃ、材木屋に流通するものではないですからね・・・

ワイン専門誌においても、幾度となくその名を目にしてきた有名産地のオークです。

噂では、超有名シャトーや名門ドメーヌと言われる生産者によって多く消費されているとのことですが、このオークの産地という非常に小さなファクターに思われることにこだわっているのがワインであり、その差がずっと大きな要因であることが周知されているという現実。

生産者がそれほどにこだわるのだから、オークの力というのはやはりワインの香りや熟成による味わいに大きな影響を与えているということです。

それらを踏まえると、オーク材のポテンシャルは侮りがたし・・・と思いませんか？！

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2022年05月25日

一番好きな木は何ですか？！　～ワインの香りと木の香り　②～

ワインやウィスキー、そしてブランデーの熟成に用いられる樽の殆どがオーク（ナラ）材で造られていることは周知のとおり。
敢えてお伝えしておくと、一部の専門書にはオーク＝カシ（樫）と和訳されていますが、まず間違いなく誤解です。
いや、1/4位正解？！と言っておきましょうか。

それは、ワインなどの熟成香とオーク材の香りがリンクしていればすぐにわかります。

少し脱線すると、ナラ材とカシ材は同じブナ科の木材です。
木材も見た目は非常に似ていて、一般の方では見分けづらい。
でも実は、葉っぱも違えば紅葉するかどうかもことなり、さらには重さも全く異なり、しかも！香りの有無ははっきりと違います。

少し木材を知っている人ならば、カシとナラに見分け方が年輪（のような組織）にあることを理解されています。
ナラ材かどうかは、木口の年輪模様が孔で形成されているかどうか、で見分けられます。

もちろん、単なるオークが指す言葉が日本でいうところのナラ類もカシ類も双方を指す（大きくまとめて）場合もあることから、完全に間違いとは言いづらいのですけども香りで考えると、完全にナラ材と言うことになります。

また正確に言うと、カシも孔があるのですが肉眼ではナラの方がはっきりと孔が見える上に、年輪上に並んでいることが大きなポイントです。

話を戻しましょう。

この誤解を解いておかねばならないのは、その材質が大きくワインなどの香りの生成に関係しているからです。
前回も触れたとおり、私を誘惑するオーク（ナラ）の香りはまさしく、このワインを連想させる香りなのです。
そして、それは熟成過程でオーク材の樽を使うからであることが大きく、おそらくカシやクリなどでは同程度の効果は得られていないと推察します。
（一部、クリ樽熟成などもある。）

機会があれば、実際にオーク材の香りを嗅いでみることをおすすめします。
ワインに親しんでいる人ほど、そして一昔前の「新樽香」と言われたオークの甘い香りを知っている人ほど、「あ！ワインの香りだ！！」と思われることでしょう。

熟成されたワインではなく、オーク材自体がもつその香り成分は「クエルクスラクトン（オークラクトン）」と称されるそうです。
クエルクス、というのはオークの学名の一部です。

さらに！、このクエルクスラクトンは落葉性のオーク材にしか含まれていない、オーク材の精油成分だというのです。
落葉性のオーク！、そうなのです。
ナラは落葉樹ですがカシは常緑樹！！

これはもう決定打、ですよね・・・

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2022年05月21日

一番好きな木は何ですか？！　～ワインの香りと木の香り　①～

幾度か書いていますけども、イベントや授業での講師をさせてもらったときに受ける質問、「一番好きな木は、何ですか？！」。

木が大好きな材木屋にとっては、ある意味究極の選択的な質問で困ってしまうのですけども、答えのうちの一つを導くとすれば、そのカギは「香り」です。
香りのする木は一層好きです。

香りがする木で身近なものと言えば、おそらくヒノキやスギですよね。
それが、担当レベルの材木屋（？！）になると、産地ごとの香りの違いや、同じ樹種の神代木との違いなどを楽しむのです（笑）。

一般的なヒノキの香りと木曽桧の香りの違い。
それとは全く異なる屋久桧の香りと、台湾桧の香りが意外と近しくて少し「動物園っぽい」こと。
神代桧が、若干甘めなサイダーみたいに感じること・・・

個人的な感想ですが、それだけ多様に感じることも香りの魅力だということです。

さて、その香りの中で「好き」ということ以外でもどうしても反応してしまうのが、オーク（ナラ）とカリン。
（正確に言うと、ハマセンダンとキハダも・・・）

想像できるでしょうか、この二つの香り。
オークはフローリングでも家具でもおなじみですので、木目やその質感を想像できる方は多いかもしれません。
しかし、香りはどうでしょう？！

また、後者のカリンなんて一般的には果樹のそれしか思い浮かばないはずです。

昔は高級な無垢フローリングといえば、チークとカリンでした。
カリンは少し褐色かかった黄色から赤褐色にかけての芯材を持つ、東南アジアに産する大木に育ち硬く美しい材面を持つ樹種です。

余り関係無いように感じるこの二つ。
共通項は、それらが持つ特有の香りが連想させるもの。
それは、ワインです。

ウィスキーやブランデー、そしてワインが樽で熟成させられることは御存じでしょう。
日本酒の場合は杉樽ですが、基本的に長期の熟成はさせません。

杉のさわやかな香りをつける目的で用いられる、とも言われますがワインをはじめとする洋酒の場合は、長期熟成の中で香りづけ（というか香りを有するようになる？）を重要視している場合もありますし、基本的に熟成貯蔵目的での樽使用であることが大きな違い。

そして、その熟成における重要なファクターが樽の素材であるオークだと言われます。

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タグ：: オーク; ナラ; カスクオーク; カリン; ワイン

muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

2022年01月13日

カスクオークとバーチの貼り分け～挽板フローリングと手仕事の大工さんのおうち～

昨年も、多くの皆さんに無垢フローリングを施工いただきました。
その中でも、想像以上に御愛用頂いたのは挽板フローリングでした。

出荷量としては、無垢フローリングの方が多いのですが思っていたより多くのご注文を頂いたということです。
それは、無垢フローリングの場合はなかなか採用が難しいケースの多い一枚物のセレクショングレードやプルミエグレードを、手の届く価格で検討できるということ。

日光をうけて光り輝く白いフローリング！
その美しさに驚いていただける、挽板フローリング S1シリーズのバーチ、セレクショングレードです。
微妙な色差や葉節、軽微な赤身などは含むものの無垢フローリングではなかなか貼り上げる機会の少ない、純白に近いバーチの美しさを見る事ができるのが、この挽板フローリングでのバーチの最大の特徴でしょう。

その表情が見る位置により変化することは、無垢フローリングと同じ。

先の写真を反対側から見たところですが、若干赤みを帯びているピースと節の表情の部分がよく見えます。
それとともに、先ほどとは異なる部分の縮み杢が見えているのがわかるでしょうか？！

そうです、挽板フローリングのバーチで私がもっともおすすめするポイントは、この縮み。
木目が主張しないバーチと言う樹種は、白いだけで単調になると思われがちでしょう。
そんな印象を根本から覆すのが杢！

木目と交差するように波打つ杢。
これが、見る角度によって様々な変化を見せることは、拙記事の読者であれば当然のこと、とご理解いただけるでしょうけども、それを理解しているはずの私も、実際にフローリングになっているものを見るとほれぼれしてしまいます。

こんな杢が色々なところに散りばめられていて、本当にきれいなのです。

そんな杢が見られるのも、表面の挽板が一枚物であるからこそ。
無垢フローリングのUNIタイプでは得られないものです。

挽板フローリングのS1シリーズとS2シリーズは、909mmという長さではあるものの貼り上がりは一枚物に見える為、一般的な合板フロアーとは全く仕上がりが異なるのです。
しかしながら、価格は合板フロアーの少し上、という設定なので「予算を考慮した上での仕上がり」を描きやすいということで、とても好評！

挽板フローリングも、ネイキッドグレードをご用意しているのですが、意外と（笑）人気があるのはこのセレクショングレードなんです。
やはり、無垢フローリングでは選択肢に入れづらいグレードの仕上がりを得られるということは、とても大きなポイントだと言っていただけます。

貼り上がりの表情は、おうちの印象には非常に大切ですものね！

さて、ここのおうちでみられるのはバーチの表情だけではありません！
実は部屋により貼り分けしていただいているのです！！

ドドーン！です。

挽板フローリング、カスクオークのセレクショングレードです。
少し縦長なお部屋なのですが、だからこそ一枚物フローリングと同様に木目が途切れずに伸びる、挽板フローリングが活きています！

先ほどのバーチと比べると、木目の多彩さが際立っています。
バーチもそうですが、双方オイル塗装済であることで一層木目がはっきりとしているので、オークの存在感は非常に大きく感じられます。

こちらもバーチと同じく、ピースごとの色差や表情の差は多彩。
深い部分もあれば、明るい部分もあり、柾目があれば板目もある。
そして、小さな節の部分や色むらが無垢フローリング同様の、自然の質感を感じさせます。

オークという樹種は、幅広フローリングでこそ活かせる樹種ではないかと思います。
もちろん、90mmの無垢フローリングでもその質感を味わうことはできますが、弊社でいえば130mmや150mmという幅広サイズでは一段とその表情がはっきりとしてきます。

それは木取りという製材方法の違いにあるわけですが、その手段は違ってもやはりオークの木目を感じる事ができるのは幅広サイズ。

今回採用の挽板フローリングもバーチは127mm、そしてオークは120mmというサイズなので、しっかりとその木質感を楽しんでいただける仕上がりなのです。

あれ？！、っとここで疑問を持っていただけると非常にうれしいところ。

そうなんです。
実は今回バーチはS1シリーズを、そしてカスクオークはS2シリーズを使ってもらっているのです。
それで幅寸法が異なるのです。

もはや、完成後ではその違いが判らないと思います（汗）。
特にそうやって紹介する必要はないのですが、違いの分かりづらいS1シリーズとS2シリーズですから、施工写真として紹介出来る時に紹介しておこう！というわけです。

それに、S2シリーズにはバーチのラインナップはありません。
今回も、正直に報告するとS1シリーズのカスクオークが欠品中の為に、わざわざS2シリーズを使ってもらったというだけのお話なんですが、以前にS1シリーズのカスクオークを使ってもらっているだけに、一度の現場で二度おいしい（？！）様な感覚になっていただいたのではないかと、勝手に想像してます。

さて、弊社としては納品したフローリングを気に入って頂き非常に有難い限りなのですが、それとともにいつも楽しみなのは、こだわりの建築を見られる事。

こだわりの仕事内容、木の使い方、木の見せ方。
手を駆使した技術のある仕事が施された建築を見る事ができるのは、完成した後に訪問するこの機会のみ。

前回、ものすごく驚いたのは天井でした。
え？そんな仕事を・・・と。

もちろん、今回もいろいろとあるのですが今回はリフォームであったことで、大きな部分には手を入れられていませんでした。
しかし、やはり素材や見せ方はとっても美しいもの。

この杉柾の天井板を煤竹の竿にしているところに、更に！ダウンライト！！

古く時間を重ねた構造部材の色合いと煤竹の色。
そしてその色合いを重く感じさせない、杉柾のスカッとした木目の流れ！
それをさりげなく見せる、大工仕事。

お見事。

いつもながらにお見事です。
毎度当然のように、微に入り細を穿つ仕事ぶりを見せられる大工さん。
当然のように。

そう、期待される仕事を当然にこなし、想像以上の内容を見せてもらえる。
そんな人に使ってもらえる、選んでもらえるのは非常にうれしいことです。

もう、脱帽！という私の気持ちを代弁してくれているのも、実はフローリングでした。

ぜひ、次の現場も見学に行けるように、私もラインナップを向上させていこう！と思う充実と悦びの見学となりました。

！！挽板フローリングの特徴とご注意事項！！

1.
挽板フローリングシリーズは、合板や積層板の表面に数mmの無垢材を貼り合わせた商品ですので、稀に接着材の成分が表面の挽板に変色となって表れる事があります。（特にオークは黄色変色部分が出ることがあります。）
2.
床暖房向けに使用可能ですが、主暖房とする使用方法や床材表面温度が高温になる場合は、フローリングのすき間の発生や床鳴り、反りを生じますので、使用環境には十分配慮下さい。
3.
オークは稀に、フローリングの周囲部分に黒色の変色が現れる場合がありますが、湿度と反応するなどして起る現象ですので、ご留意ください。

＊カスクオーク無垢フローリングを採用頂くにあたって

カスクオークフローリングの原材料のホワイトオークは、ケヤキやタモと同じように環孔材広葉樹であり、キクイムシによる白太（辺材）の食害を受ける可能性があります。
全てがそうではありませんが、採用にはその可能性がある事を含みおき頂きますようによろしくお願いいたします。

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muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

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