本物の無垢木材　～茨木市戸田材木店・セルバの木の虫ブログ～:材木屋の独り言

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材木屋の独り言

2022年04月14日

考え方、見方、視点をかえてみること

今回少しだけですが、刊行物に関わらせてもらって改めて感じました。
人に伝えることの難しさ。

毎度ショールームでの接客や、学校での授業に臨むために考えている内容は、聞いてもらう人に対して分かりやすくするために自身が咀嚼しアウトプットしたもの。
しかし、書籍や配布物などの文章となるとどのような視点の人が見るのかや、その物事への理解度による感じ方の違いなどで、同じ内容でも伝え方が大きくことなってくることを実感します。

樹種の事一つとってもそうです。

現在、スギはあらゆる用途に使われ非常に優れた樹種であるという印象を受けます。
建築構造材であったり、床材であったり・・・
一昔前ではほぼなかった用途。

弊社記事でも幾度か書いていますが、ホームページなどをご覧いただいた方から「貴社は、スギをフローリングとして扱っている。柔らかいスギをすすめるのは間違っている」というご意見を頂くことがありました。
建築物の構造材にしてもそうです。

本来はあまり適していないとされる用途にも、その樹種が使われるようになった。
有効活用や、それ以外の「有用性」を使い手が見出して使うことに対しては、まったく間違いであるとは言えないのですが、本来の適材適所とは異なっているということになります。

その樹種がもつ本来の性質からの用途と考えるのであれば少し違うのかもしれないけれど、スギを活用しようという視点では、考え方を変える（柔らかいスギはあたたかみがある、など）と新たな用途としての木材利用方法となる。

古くから続く木材の利用方法は、適材適所と言われてきました。
樹種の特性を考え、非常に理にかなったものですし私もそこをすすめたいのですが、まれにそれを気にしすぎる場面にもであいます。

例えば、モミ。

弊社では建築造作材という枠やそのほかの加工用材として在庫していることと、柾目を作る事ができる特性を活かした羽目板もおすすめしています。

しかし、ある工務店さんの社長さんへ羽目板を紹介した時、第一印象は「白くてきれいやし、柾目がすっきりしてて良いな。」だったものの翌日になると、「モミは卒塔婆に使う木やろ？！そんなんを室内に？自分、材木屋のくせに木のこと知らんやろ？！営業するんやったらもっと勉強せなあかんで！！」と言われたことがありました。

その社長さん、第一印象は良かったもののその後に調べた用途によって、そのイメージが変わってしまったのですね。
非常に残念でした。
もちろん、木の好きな材木屋ですからモミの用途のうちの一つくらい知っています。
そして、私も縁起を担ぐことなども考えますが、そこで見方を変えてみるとします。

おそらくその社長さんも、一度はかまぼこを召し上がっているはず。
かまぼこの土台となっているあの板。
主なものは、古くからモミやツガが使われてきました。
複合的な理由がありますが、その一つは臭気がないこと。
かまぼこの風味を損なわないように、ということが一つの理由だということです。

その社長さんは、卒塔婆に使われるような木であるモミの使われるかまぼこは食べていなかったんでしょうか？！（笑）。

古い書物には、卒塔婆の用途としてヒノキも記載があります。
その社長さん、ヒノキがすごく好きだったのになぁ・・・（笑）

という感じ。

世界中で愛されているオークなんて、棺桶ですよ！
フローリングから家具、ワイン樽まで多くの用途のある木。
日本のナラの多くは「ジャパニーズオーク」ということで、多く輸出されていたとも聞きます。
非常に性質が優れていたということですが、それが棺桶になっているなんて・・・

その用途の理由は知りえませんが、オークのシンボルは全能の神ゼウス。
もしかすると、オークの棺桶で永眠することで天国へ連れて行ってくれる、と信じていたのかもしれません。

ところ変われば用途も変わる。
気候も土も、そして使う道具や生活様式も、神話や宗教も異なる。
だから、考え方や見方、そして視点を変えてみることは非常に大切。

刊行物で樹種の説明をすることは非常に大切ですが、そこで得た情報をもう少しブラッシュアップできるように、材を提案するのが街の材木屋の仕事ではないか、と思ったりします。

木材を活用しよう、と思った次にその用途に適した情報を伝える事ができるようにすること。
そんなことも考えながら、ショールームや倉庫でお待ちしています。

いろんな考え方や伝え方を用意しながら！

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・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ

＊2019年以前のリンク表示をクリックしても過去リンク記事が見られない場合は、こちらの手順でお願いをいたします。
＊消費税10％への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。（ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。）

木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧　
http://muku-mokuzai.livedoor.biz/archives/1611916.html

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http://selva-mukumokuzai.jp

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muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

2022年04月11日

何を、どういった視点で、どのように、誰に伝えたいのか・・・

少し前から、次年度用のとある刊行物のお手伝いをしていたものが、先般完成したようで弊社にも送っていただきました。
お手伝いの内容は、今年度までの原稿を拝見し、次年度の冊子で紹介用の写真をつけて原稿をお返しする。

簡単なようで、実は結構難しいところもあります。
それは、拙ブログのように多くの文字数や幾つもの写真を用いる事ができれば、全ての思いを伝えやすいのですが、ある程度「知っているであろう」若しくは「知らないであろう」と仮定して簡略にしなければならないからです。

林業や木材の専門書の中には、中心となる筆者以外に監修される専門家が沢山おられたりします。
当然ですがそれと同じように、今回の冊子でも私の担当以外のところには触れることがないので、他の記載との整合性をとるのが難しいのも悩むところでした。

木材の産地表記一つをとっても、元の原稿は教科書に載っているような「日本固有」の表記があったり、木材の規格に関する表記が分かりやすいようで分かりにくかったり。
伝えるべきところって、そういうところなのかなぁ・・・と思ってしまったりしたのですが、それをまとめるのが難しいところ。

というのも、それらの情報はインターネットにあふれているものが基になっていたり、業界だけで通用する基準であったり、一般的な規格だとしても流通にはそぐわなかったりすることが主な原因です。
そもそも誰のための情報なのか、そしてその情報をどのように誰に伝えたいのかという視点で考えないといけないのですが、情報をかいつまんで集めただけではうまく伝わらない。

無垢材の表現一つとっても、一般的には「無節・上小・節あり」などと表現しますが、これらは広葉樹には当てはめにくいし、言葉だけではどれくらいの節の状態かも分かりづらい（本当は決まりがあるんだけど）ので、拙ブログではグレードをプルミエ・セレクション・ネイキッド（時にワイルド）とし、出来るだけ多くの写真と「欠点」とされている部分の写真を掲載して紹介しています。

その様に、同じ木材に関する事ひとつにしても、用語の理解だけで大きな違いが生まれます。
たとえば、少し前に記事にした用語の、「幅はぎ・集成材・積層材」でした。
皆さんはこの違い、どう理解されましたか？
ここが簡単なようで難しいところなんですよ・・・
直前の記事にてそこに触れていますが、勉強会や弊社ショールームなどでお伝えするときにも、やはり無意識に聞いてくださる方の立場や理解を前提に話をするために、不特定多数が読まれる刊行物で解説文となるものの難しさを改めて感じました。

良い勉強にもなりましたし、どのように相手に伝えるべきかということを再度考える機会にもなりました。
材木屋としては、これからは固定観念や既存の教科書的な説明を引用するのではなく、新しい解釈や理解の仕方とともに温故知新な説明を心がけるべき、と思いつつ日々の業務に取り組んでいるのです。

そこに出てくるのは、時に樹木のマイナスイメージだったりするんです・・・

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2022年04月05日

凱旋！堀島行真さんに会いに！！　～極めるために究め続け、窮めた成果～　②

最終滑走日に滑走以上に重要な目的だった、堀島行真さんに会うこと！
遠目だけだろうと諦めていたのが、こんなに近くに！！

しかも話題になったあのマスコットと、輝くメダルも！！

堀島行真さん６

後で考えると、五輪のメダルを見るなんてことまずないので、もっと見ておけばよかったとおもったものの、もうこの距離で堀島行真さんを眺める事ができるという、その瞬間に括目する為に集中していたため、マスコットもそっちのけ（汗）。

興奮しながら見ていると、なんと一緒に写真撮影できるというではありませんか！！！！！！！

もう、春スキーで熱くなったウェアの下の体が、一層と熱くなりホカホカ！
こんな興奮、人生二度目！（一度目はB'zのお二人と！）
好きな人と直接対面する興奮は、なんとも言い難いものがありますね。

写真撮影の順番を待ちながら、丁寧に対応される堀島さんを眺めていました。
笑顔で、一人ひとりとお話を交わされる姿。
参加の皆さんも、とにかくウキウキされている雰囲気がこちらまで伝わってきます。

そしていよいよ、私の番！！

オッサン、喜んでますね（笑）。
そりゃ、好きな趣味において世界の頂点レベルの人と握手の写真ですもの。

嬉しすぎて、ついつい「頑張ってください！」みたいな言葉だけになるのは避けようと思ってはいたものの、やっぱり語彙が浮かばない。
しかし、並んでいる人たちがいる中で、みんな少しづつ声をかけたりしていたので勇気を出し一言。

「今回、滑りきる事ができたのは多種目に挑戦されていたからですか？！」と質問しました。

すると、丁寧な口調で「そうですね。やっぱりバランス感覚とか、そういった部分が違って。」と答えてくださいました。

世界の一番を争う選手。
一つの事を「きわめる」だけでも万人には成しえないことなのに、その頂点のただ一点に上るために専門以外の事に挑み、そこから得られるものをフィードバックできること。
メダル獲得以降、前回の五輪での転倒の映像やそれがあっての今回のメダルまでの経緯などは、多くのメディアが報道してきましたが、ダイジェストで見るような簡単な事じゃない。

見倣おうと思ってもできないこと。
本当に尊敬します。
でも、それをやってのメダルですし今期の世界での成績ですから、ご苦労や想いは想像以上のもののはず。
そんなことを考えていると、本当に言葉など出てきません。感激するばかりであっという間の対面は終了。
終始、物腰柔らかで一回一回、席を立ち挨拶してくれる堀島さん。その人柄もとても気持ちよかったです。

最後に、スマホのカバーにサインをもらいました！
これで、ウェアの左胸にはいつも堀島さんが。

恋する乙女みたいになってしまいましたが、憧れの選手に会うという感動はどんな年代も関係のない、ときめきを与えてくれるものだということを改めて感じた、よき最終滑走日となりました。

当日は、当スキー場では堀島さんの滑走はありませんでした。
センターハウス前のコブが融雪していたからかどうかは分かりませんが、この後に訪れたスキー場ではデモ滑走があった様子。
でも、いいんです。滑りも見たいですが、こんなにサービスしてもらったんだもの。

一冬の疲れが限界なほどにたまっていますが、堀島さんとの思い出でまた一年を頑張って過ごそうと思います。
いや、少なくとも材木屋として木をきわめること。そして、そのために最低でも山の事や樹木の事など、周辺の事はしっかりと学び続け一流の材木屋であろう！！
そう思わせてくれた、貴重な体験でした。

ありがとう、堀島行真さん。そして、お疲れ様！！

タグ：: 堀島行真

muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

2022年04月03日

凱旋！堀島行真さんに会いに！！　～極めるために究め続け、窮めた成果～　①

ちょっとの間、記事休んじゃってすみません（汗）。

それには訳があるのです・・・なんて、そういう大げさなことではないのですけども、更新の時間を削っていた理由はあるのです。
その理由は、この時期にしかできないことであるスキー。

進歩しないへたくそ、どころか年々衰えていく身体能力（涙）に抗うが如く足しげく通うスキー場。
高校生のときから通いなれた岐阜県で、少しでも滑走時間をとりたいために早朝営業に入るために往路の3時間、いつも出発は夜中。
そのため冬はいつも寝不足。
それなのに、近年は書類作成や見積もり業務の煩雑化（ウッドショックが大きく）で、食事の時間も休憩の時間もけずり、睡眠時間を削ってでも「この時期だけ！！」の気持ちで通う数カ月。
最後の方は、ブログ記事の更新時間すらも無くなっていたのです。

今年は道中のほとんどの運転を息子が担当したために、居眠りながら通うことが出来なければこんなスケジュールは不可能でしたが、睡眠不足の中無事に今年の滑走を終えてきました。

さて、その今年の最終滑走日となった昨日、睡眠も食事時間も削りまくって向かったホームグラウンド。
目的は最終滑走日である以上に意味をもつ、北京冬季五輪銅メダリストの堀島行真さんに会いに行くこと！でした。

少し前、ホームグラウンドの最終営業を伝えるメール配信に堀島さんが来られる告知があり、喜び勇んで向かった当日。
本当に来るんだろうか・・・岐阜県出身だから来るよな・・・
スキー場自体にも大きな告知が見られない為に、若干不安になりながら滑走していた中、放送をうけもつDJブースを見上げるとタイミングよく赤いジャージが見えるじゃありませんか！！

あぁ！！
本当に来ていた、堀島行真さん。

待っていたスキーヤー達は、まだリクエスト曲が流れていて声も聞こえないのに、ビデオをまわしスマホを構えて手を振りまくっています。（もちろん、私も・・・笑）

そして、DJが紹介をしてインタビューも交えながら始まったトーク。
メダル獲得後の特番などで何度も声を聞いているし、もちろんいろんな背景も知っていたとしても、やっぱり遠いとはいえ目の前で話す本人がいて、マイクを通じてでも直接声が聞こえるというのは、本当に格別。

私はモーグルに特化しているわけでもないし、スラローム競技なども応援するのですが、コブ自体も好きですし五輪のモーグル種目は男女ともにメダルに近い選手が多く堀島さんはもちろん、参加選手皆さんを応援していました。（堀島さんや原さんが注目されがちな中、新聞記事にて、他の選手の背景も目にしていたりしましたので、余計に大きく声援を送っていました。）
お話の一つ一つを噛み締めながら聞いていても、すぐに過ぎ去っていく時間。

メダルを掲げてくれたり何度も手を振ってくれたりを眺めて、満喫したようで足りない時間。
インタビュー終了になり、もっと間近で拝顔したいなぁ・・・と思っていると、さっきまで横で見ていたモーグラー女子（私と同じ歳位！）2人がブース近くにいるじゃないですか！！

お？！行けるの？！お近づきに？！

こりゃ、ダメでもともと。
ということで、ビデオをしまいながらスキーブーツのバックルを緩めることも忘れて、そそくさと・・・いやガシャンガシャンと大きな音を立ててブースへ向かうと、そこには腰かける堀島さんが！！

堀島行真さん６

タグ：: 堀島行真

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2022年03月22日

無垢、幅広、一枚物・・・そして輸入材！あるうちにとおとべ

少し前の記事で現在のウッドショックをとりあげ、現在の状況を担当なりに整理してみました。
木材資源は今や、どんどん伐って安く使う（若しくは燃やす）ものではなく貴重な資源であることを、世界から知らされたのかもしれないと思います。

新聞記事になりやすいのは、今まで安かった建築用の木材やその中でも建築構造物用の木材と、使用後は見えなくなってしまう「下地」という部分に使われる木材。
根上がり幅が大きく非常に分かりやすい対比になるからですが、それ以外にももちろん、弊社がおすすめする無垢材の中でも貴重な一枚物フローリングなどが、確実により貴重なものとなっています。

先月も、貴重な一枚物のプルミエグレードを納品させていただきました。

無垢フローリングに限っていうと、採用の多くはUNIタイプという長さ方向にジョイントされている商品。
そのUNIタイプも価格上昇は避けられないところながら、貴重な一枚物フローリングは今後一層貴重になりそうなので、できれば今のうちに使ってもらいたいと思うところです。

木材や流通については、一般的に詳細を説明しているところは非常に少ないので、その木目や質感について語られることはありません。
だからこそ、携わっているものとしては以前の丸太と現在のものを比較した時、木目の質の違いや特徴的に表れる個性の違いを如実に感じ、単に一枚物であることということ以上に出来の差をかんじるからこそ、今あるうちに使ってもらいたいと感じています。

もちろん、一枚物を使ってもらう場面はそう多くはありません。
床、という機能でみると挽板フローリングでもいいのかもしれないし、UNIタイプでもグレードやV溝などの加工形状により、貼り上がりは非常に良いものになります。

それでも一枚物を選ぶことは、その樹種その木の個性全てとともに生活したいと思うからではないかと思います。
1820mmという長さの中に込められた、木の個性をそのまま感じることができること。
今後は、一枚物フローリングの多くは「一枚物に見える貼り上がりの挽板フロ―リング」へ移行していくことと思います。
純粋な無垢材での一枚物フローリングの役割と存在意義は、価格の上昇とともに薄れていき、本当に一部の方にしか採用されないようになるのかもしれません。
しかし、樹種ごとに持つ特性などは挽板フローリングでは完全に発揮することはできないと思うので、そこは無垢一枚物だからこその特徴と言えます。

その特徴と個性を、無垢材を愛して下さる多くの方のもとへ届けたいと思っていますので、出来る限り詳細に原木や製材の行方を追っていくつもりですから、ご検討の方はあるうちにお手元に！と思うこのごろです。

忘れてはいけないのが、時事問題としてのロシアの対ウクライナ問題。
経済新聞には記載されていましたが、日本の木材業界は意外とロシア産の木材に依存しています。
合板も、下地材もです。

そこが情勢不安で品不足になっていることは、木材業界で新たな関心事にもなっています。
本来は貴重な資源である木材。

もう一度、無垢フローリングも構造用材も、そして下地材に関しても「物価の優等生」であった木材のことを見直す時期になっているというサインかもしれません。
どうかみなさん、集成材からでも構いません。
もっと木材の事、考えませんか？
無垢材の事や木造住宅の事を考えませんか・・・

国産材を使おう！ではなくて、貴重で良質な輸入木材が入荷しづらくなることの意味を合わせて、正しく理解できるように、フローリング選びを通して発信していきますから・・・

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2022年03月14日

木材アドバイザー資格、更新！

皆さんも、様々な資格や免許をお持ちの事と思います。
最も活躍しているのは、運転免許でしょうか？！

取得した免許や資格の中でも、更新のめぐってくるものがありますよね。
昨年、担当が更新時期になったのは「木材アドバーザー」の視覚。

ちょっとややこしいですが、担当は「木材コーディネーター」であり、「木材アドバイザー」でもあります。
両者の違いを述べると記事が終わってしまうので割愛しますが、後者の方が一般的な材木屋さん向けの資格と言えるかもしれません。
普通は、資格の更新と言えば時間がかかったり費用がかかったりと、億劫になるものですが今回は別。

というのも、このテキストを待っていたから。

一昨年に一足先に更新された先輩から聞いていたこのテキスト。
特別これを読み込んで試験がある、というわけではないのでほとんどの人は見ないのかもしれませんが、とっても奥が深くて多岐にわたる情報があり、非常に勉強になるのです。

もちろん、当初の受講のときにもそうでしたが、知っていることも知らなかったことも、自身の意見や周囲の状況を把握し整理するのに非常に役立つからでもあります。

そして楽しみなのがこういった、興味をそそられる目次！

色々な内容がある中でやはり、注目すべきはこれでしょうね！
「ー木材業界人が知っておくべき基本的ことがらー」

皆さんはこの内容で、どんなことを想像されますか？
木材業界人が知っておくべき、それも基本的なこととは・・・

本当は、この言葉がテキストの題名でもいいんじゃないかと思うくらいに、テキストの中身は充実していて、隅から隅まで理解しておくべきだと思っています。
木材、としての事をはじめとしてその木材に関する環境や森林、利用される用途のメインである建築の事、そして木材そのものの少し奥深いところまで。

木材に関する専門的な資格は、実はほぼありません。
その理由はおそらく、奥が深いのにもかかわらず範囲が広すぎるからだと思います。
いや、それ以上に知っていても使うことが無く商売には一切関係がない為、材木屋さんが取得するはずがないからでもあるでしょう。

昔は仕事中に自然に覚えたり、教わったこともいまでは使うこともなく話すこともない様な知識もあります。
幸い、弊社では無垢材やその周辺の素材を扱いながら、山との関係ももっていることこからいろいろな場面で知識を必要とすることがあるのですが、そうでなければ必要のないものが多いのが実情。

先の「知っておくべき」目次の中には、自身でも不定期更新で対面を主にお渡ししている「木のビブリオ通信」であったり、本ブログ記事の中の「木まぐれコラム」でも取り上げているようなものばかりが詳細に記載されています。

ただ、実際に知らないといけないのはこれ以外の事かも知れません。
木材を取り巻く環境、そして木材となる前の樹木であるときのこと。
樹木が生きている山の事。

それらをきちんと理解できると初めて、もう一度木材の事を考える事ができ、今まで見えなかったその素材の事や性質や、流通に関することが見えてくるのだと感じています。

そう感じるのは、担当自身が木材コーディネーターという立場で仕事をする機会が増えていることも理由の一つだと思います。
いえ、ショールームやメールでのご相談にしてもそうかもしれません。

単なる木材製品としてではなく、根本的な情報なく木材に接している人にとって必要なのは、教科書の文字ではなくそれを咀嚼して説明してくれる「アドバイザー」であり山の木を街の木材としてつなぐことのできる「コーディネーター」であると思うのです。

今日からもう一度、このテキストを読み込んで更に皆様に充実の説明が出来るようにしていきます！
でも、この免許証ちょっと違和感が・・・

家内に見せたとたん、「保険みたいやな（笑）」とのこと。

う～む・・・・・

ここだけが、もうちょっと良い言い回しなかったのかな・・・

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2022年03月03日

今なら特別に安くできる！　その理由とは・・・

商売をしていますと特価商品や目玉商品という扱いで販売することもあります。
様々な理由がありますが、その理由は分かりやすく納得して頂けるものだと思っています。

でも、時には弊社が提案した木材が他社の「今だから特別に安くできる！」という商品と競合することがあります。商売においては正当で自由な競争があるのは当然ではありますが、時には「どうしてこれが？！」と思うことがあります。

「世界の名木がこの価格！」とか、「今だけ、稀少な○○材がお値打ち価格で！！」というものだったりします。
私が懐疑的になるのは「ありえない木材製品」での「ありえない価格」だから。

たとえば、最近多くの採用を頂くチーク材。

無垢フローリングや家具などの装飾用の木材について調べていくと、かならず出てくる樹種です。
もちろん、それだけ優秀な樹種だから。
そして、その特性や古くからのストーリーなど、多くのセールスポイントを有する木材です。

しかし、だからこそ貴重な存在でもあり産地などによりその質にも大きな差があります。
しかし、図鑑に掲載されているような「甘美な」謳い文句とともに、質ではなくその有名な名称だけで販売される場面を多く見てきました。
つまりは、昔からのこと。

弊社がネシアンチーク無垢フローリングにおいていつもアピールしているところは、まさにそこなのです。
木材には、植林木か天然木か、手入れがされているか否か、産地の特性は樹種に適合しているかなどにより、材の質に大きな違いが生まれます。
チークでいえば、ミャンマーチークといえば古くから業界で名の通った名木です。
しかし一般的に、特にフローリングで流通しているものの多くは、他の産地のもので成長も早くチーク特有の性質を有しない辺材主体の若木を使ったものであったりします。

しかし、チークであることに変わりはないので「チーク」として販売されますが、ミャンマーチークで解説されている特性からは程遠いものが多い。これは30年ほどの実体験からいえることでもあります。

チークであることに変わりはないので、ミャンマーチークよりも安く販売できることから「○○材がこの価格で！」という表記を可能にしてしまうのです。

また、たまにあるパターンの一つがマホガニー。
これは、まだ詳細を特集できていませんが、銘木であることに変わりない樹種です。
しかし、これも図鑑に載っている物とは異なる性質の物や、似た樹種が似たような名称で扱われることがあるので注意が必要。

お客様にすると、名称が同じものは質も同じと思ってしまいます。
そこにきて、
「あのマホガニーがこの価格！」となるのです。

特に、家具製作で競合する場合によく持ち出される名称ですが、現在マホガニーは安く流通するような木材ではありません。
産地によっては非常に稀少なもの。

その稀少性や名声のみを流用して、仲間の樹種を販売することだってある。

木材は食べるものでもないし、産地が異なっていても健康などに影響があるわけではない。
でも、健康に影響があるとかないとかではなくて、その木材の持つ特徴や性質、そして質感を望んで使いたくなるのが木材ではないかと思いますから、どうしても「今なら安く！」的な宣伝は気になってしまうわけです。

他国から運んできて、ちょっと置くだけで国産として出荷できる「話題の貝」とは異なるとしても、お客様を惑わすような情報で売り抜けることだけは避けてほしい。

たまたま見かけたインターネット記事に、今までの競合事例が重なった昨日今日。
弊社は出来る限り、その違いをはっきりとさせられるように、これからもたくさんの情報をお届けし続けていく所存です！

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2022年02月16日

ウッドショックの世界と何年後かへの備忘録

一般ニュースでも話題になったウッドショック。
既にウッドショックが普通の状態であるとさえ思える日常になり、木材の価格も上昇に驚く状況ではなくなっていく自分が不思議に感じます。

未だに「値段が高い」とおっしゃる方もいますが、もう以前までの安すぎる木材価格と比較する考え方は終わりにしなければならないと思います。
もう33年前に発行されている業界の大先輩執筆の書籍にも、「物価の優等生」と形容されている木材。
品質や設備品の向上が大きいにも関わらず、住宅価格も数十年変わることなく続いてきたのは逆説的に考えると、木材価格が下落していたからかもしれません。

今まで、室内装飾用の木材や希少性の高い樹種には価格高騰や入手の先細りによる需要の集中が起る事はありましたが、現在のウッドショックが特殊なのは一般建築用材、つまり一等材と言われる節ありの下地用木材（表面化粧性の不問な）の価格が急騰した点。

それも、今までは日本国内の需給状況や原木状況、製材の稼働や出荷量に左右されていたところが現在は世界的な状況に左右されている為に、いつ「落ち着く」のかを気にかけられています。

そんな中、先日海外の大手生産者からのニュースレターが届きました。

そこに記載されている内容の一つに日本の港湾取扱量の減少があります。
1980年と2020年を比較しコンテナの取り扱い個数を比較しています。
前者では4位の神戸港をはじめ20位以内に3つの港湾名があったものの、後者になると19位に京浜港として名がでるのみ。
如何に日本の港湾の荷扱いが少ないか。
上位には中国の港湾が名を連ねているため、アジアが弱いわけではなく日本の港湾が弱くなっている現状が浮き彫りになっています。

以前から、輸入商社との会話の中で中国の港湾の巨大化や日本へのコンテナの到着量の減少は聞き及んでいましたが、それが顕著な数字として見られたということです。
他国経由のため到着が遅れる上、優先順位が下がるということは魅力が薄れている港への荷物の寄港は優先されないということ。

昨年も、いやというほど「今月はいるはずの荷物が来ていないから」という理由で、ホワイトウッドなどの木材の品薄が発生していました。

そしてもう一つ、港湾労働力の不安定化。
テレビのニュースなどでも、アメリカにおける港湾労働力の不足やトラックドライバーの不足による、物流の停滞や麻痺に近い状態を報じられていますが、日本でもステイホーム以来物流量の増加とドライバー不足が報じられる以上に深刻なようです。

コンテナが到着している大きな港で荷物が動かないのですから、物流が乱れるのは必至。

世界情勢を把握していない私でも、簡単な流れは理解できます。

そんな世界の状況の中、日本では木材だけではなく様々な商品が今でも安く、早くで販売され続けています。
ポイント還元や○％割引など、確かに購入できる価格が身近な方が有難いには違いありませんが、物の価値を見誤ることになりかねないと危惧します。

いえ、価値という人により違う感覚だけではなくモノが流れる中で、主流から支流、そして支流にすらならない淀みへと日本の存在が変わっていくように思えてなりません。
世界から取り残されていく。
木材業界も SDG's というお題目を掲げる場面が見られますが、それ以上にみんなが正しい消費行動をしなければならない時代になっているようにも思います。

年間契約でモノの供給を確約させる大手会社の為に、流通市場に商品が流れてこない現状。
違約金の発生の為に、多くの小さな流通会社が商品不足でお客様に不便な思いをさせてしまう。

大手会社ではなくても、地域のパワービルダーもそう。
上限金額を決めて納品を半義務化する。
量を扱うことに特化しだすと、その量を維持しなければ業務が続けにくくなるために、量を追わずにいられなくなる。
もうそんなことをしていてはいけない時ですが、ウッドショックもいつか納まるという感覚なのか、変わる兆しは見えません。

自然素材である樹木を原材料とする木材製品は、工場での製材や加工を経るとはいえ自然の産物。
そのスピードをインターネットや物流、製造の効率化によりコントロールできるとしても、どこかでひずみが出てきているのかもしれません。

明日以降、どのように変動していくのかもわかりませんが世界の状況からいっても、既存の価値観には戻りそうもありません。
弊社も今までよりも一層、木の事から日本の山の事を考え世界の山や環境の事を視野に入れながら、木材業と建築を見つめていかねばならないと思っています。

日本の広葉樹利用を含め、この状況をどのように進んでいくか。数年、数十年後に改めて振り返った時の為に、現状をここに記しておきたいと思います。

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＊消費税10％への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。（ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。）

木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

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2022年02月09日

堀島行真選手、オリンピック銅メダル獲得おめでとう！！

興奮が少しづつ収まってきた数日間。

まだ始まって数日の冬季五輪ですが、私が注目の最初の競技であるスキーモーグルが早くも終了。
気になって仕方なかった選手、前回目指したメダルを獲得する為に堀島行真選手が登場。
そして銅メダルを獲得！
本当におめでとうございます。

前回の冬季五輪では、のびのびと滑っていたと感じる原大智選手が銅メダルを獲得し、そして今回は堀島行真選手が銅メダル。
金メダルには届かなかったものの、決勝の滑りの内容にはものすごく心打たれました。

単純にタイムが早いとかエアーがきれいだとか、それだけではな多くの事を届けてくれた23秒でした。

私も趣味でスキーをするものの、モーグル技術をどうこういうようなことはできません。
それでも、あの決勝の滑りはものすごい迫力と人間力だったように思います。

予選から見ていて、非常にスピードコントロールとエアーでの踏切や着地の難しさが見て取れるようなコースでしたが、果敢に攻め続けました。
コース途中、コブに足をとられ大変危険な体制になり、見ていて思わず声をあげたところを持ち直し、更にスピードアップし、見事滑りきりました。

あのコースでこんなに大勢を崩していて、他の選手も転倒するなかで滑り続けたこと、本当に素晴らしい滑りでした。

後のテレビの特集などで見たことですが、ここであきらめることなく立て直していけたのは、モーグル以外の様々なスポーツなどを取り入れトレーニングしていることも大きく関係している様子。
体操や飛び込み、パルクールなども取り入れ体の動きを見直した模様。

世界のトップ選手が、です。
ひとつを極めるだけでも大変なのに、その伸びしろを大きくするために他の事にも取り組む。
原大智選手の競輪もそうですが、世界のトップで鎬を削る人たちの人生観をとても強く感じた20数秒の競技でした。

同じ冬季五輪でいえば、スピードスケートの高木美保選手も距離を絞らずオールラウンダーとして全てをこなしたうえでトップを目指しています。
そのトップにいると言ってもいい選手が、全てをこなしてこそのスケート選手だという矜持。

本当にみんな素晴らしい。

まだまだ今後もスピードのある滑りと美しいエアーの両立する、迫力のあるモーグルスキーを見せてほしいと思います。
ひとまずは、4年間お疲れ様。

そして、素晴らしい滑りに感謝。

材木屋である私は、他の分野や異なったことを取り入れるほど器用ではありませんが、スキーヤーのはしくれとして、進歩し続ける堀島選手に倣い木材業を進歩させ続けたいと思いました。

感動する滑りをありがとう。

追記：憧れの堀島選手に対面した後日記事はこちらから！

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2022年01月10日

サービスは、無料じゃなく無償

お正月には、日ごろ殆どテレビを見ない私（毎度見てるのは鬼滅位？！）でも書類整理をしている横で、家族の見ているテレビのコマーシャルが流れているので、そのセリフが耳に入ってきます。

たまに気になるのが、「送料無料！」とか「手数料がタダ！」とかいう文言。

拙記事において、それらを個別に批判するようなことはしませんが、昨年末の新聞記事にもネット通販での送料無料に関する記事が出ていたことで、一層耳についたのだと思うのですが、本当のところは弊社製品を皆さんに拝送する場合の運賃の事を考えると、ものすごく問題提起したい話題でもあるのです。
なので、少しだけ年始に本音を語ります。

弊社はホームページやブログなどで無垢フローリングなどを紹介しています。
それを見て、いろいろな方が製品のご注文を下さいます。インターネットを見てご注文いただくわけですが、その後注文商品を発送する際には相当の運賃が発生します。
特に、一番多く発送する無垢フローリングの場合は必ず数万円程度の運賃になります。

重量がある事と建築資材であること（現場配送を含めて様々な制約があった）が主な理由ですが、商品を運んでもらうのですから燃料代にトラックの損耗費用、そして人件費などがかかる。
当たり前の事だと思います。
しかし、現在のネットショップの流れは「送料無料」。

ネットショップに出店していると、多くの人から注文はあるのでしょうけども、その制度に参加していく中で送料を出店者が負担しなくてはならない「無料」が増えていると。

サービスは、無料ではなく無償２

記事にもある、消費者が「サービスはタダ」と思うという考えが、送料無料や手数料無料という動きを作っているようです。
しかし、本来優良なものであるものが無料になるということは、おかしいなぁと思いませんか。

商品やモノを普及させるために、顧客や市場を囲い込んでしまう方法。
巨大なプラットフォーマ―などが一層巨大になり、市場を独占してしまう。
表面上はそうではなくても、プラットフォーマ―の掌でしか生きられないようになってしまう。

私には、そんな感覚です。

トラック不足やコンテナ不足、そして海外ではインフレの波が押し寄せ海上運賃などは以前と比較できないほどに上昇しているというのに、日本のネットショッピングは送料無料なのはおかしくないですか？！
送料無料論争の記事の数日後に、物流逼迫の記事がある・・・

サービスは、無料ではなく無償１

私が考えるサービス、というのは無料でもタダでもありません。
言葉の意味としては「無償」と言うのが近いようですが、無料とは違うのです。
もちろん、無償だとしても事業者に負担を求めたりそれにより誰かが苦悩するようなものでもありません。

木材建築業界でも、運賃は無料とすることや、この部材はこの金額に含めて請求しないように、という取り決めをされる場合もあります。
反対に、それを含める代わりに多くの受注を得ることを目的とする販売方法もあります。

どの業界でも同じことかも知れませんが、これらの課題はみんな関わる人が原因で生まれたものだとも思います。
無料で手に出来ることは、単純に考えれば得。
しかし、その無料はどのように生まれているのか。なぜ、問題なのか。

全ての費用が実費必要になってくる零細材木屋としては、無料にすることは非常に難しい。
サービスは、本来かかる費用をだれかが負担することではなく、奉仕することによりする方も気持ちよくしてもらう方も有難く感じることではないかと思います。

お金が全てではない。
サービスを、もう一度考える必要がある。
そう思いませんか？

サービスは、無料でもタダでもありません。

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2022年01月03日

休暇にすること　～写真整理とワインから考える木材のこと～

新しい一年が始まり既に3日目。

毎年、あれもこれもしなければ・・・とまとまった休暇用に To Do リストを作っているのですが、昨年は非常に時間のかかる事ばかり行っていたために、リスト用紙が非常に大きくなっていて何から手を付けていいのやら。
その中で、必ず済ませなければならないのが写真整理。

昨年のゴールデンウィークに一度整理していたものの、フローリング施工写真や提案用のプレゼン写真を撮りためていたもの、そして休養無しで強硬突破の巨樹撮影に行った分の巨樹写真がどんどん増えて、整理するために既に丸2日・・・

その理由は、スマホとデジカメの両方で撮影しているからで、しかも知識のないなりにいろいろと設定を変えて撮影する為にデータ量が大きくなりがち。

拙記事で紹介するときも出来るだけ臨場感や巨さを表現できるように、尚且つ業界紙で連載している材木屋の巨樹木甦においての話題性を持たせる記憶の記録として残せられるように、そう考えています。
そして今日もその作業に格闘中・・・

昨年殆どできなかったことは、実はワインを飲むこと。
instagram 投稿はしていたものの、実際飲む機会は一昨年に比べて大幅に減少。
このブログ記事においても、上記のフローリング施工写真や巨樹巨木紹介はある程度定期的に行っていたものの、ワインやお酒の記事は少し少なかったように思います。

もちろん、専門でもなんでもないしそれらに関する知識も少ないので、材木屋のブログにメインで掲載する方がおかしいのですけど、飲めば飲むほどに、知れば知るほどに木材や環境に通じるものがあると感じるワインをはじめとするアルコール飲料。
アルコール飲料に限ったものではなく、コーヒー他もそうです。

土から生まれるものには土が影響し、そこには天候やその土地ならではの人が関わる。
樹木もそうです。
同じ樹種でも大きな違いがある。土地に適応し姿や性質を変えるものもある。
身近なヒノキやスギにしても、土地により香りや硬さが微妙に異なる。

そうそう、30年以上前に「ベイヒ（米桧）・タイヒ（台湾桧）」の香りを嗅いだ時の衝撃は忘れません。
同じ桧だなんて思えない芳香。

そういえば、ワインにはまっていったのもその芳香だったのかもしれません。
今は、ワインだけではなく独創的な造りのウィスキーでも焼酎でもそうですが、つくり方により風味を活かしたり、反対に風味付けをすることで個性をはっきりとさせたりと、一層人と自然の産物の関係性がはっきりとして来ているように感じます。

濾過される澄みきった味わいもいいものですが、無濾過や自然そのものを感じるピュアな味わいを知ることも非常に大切だと思います。
だから、濁っていてもいいものもある。
木材も、天然乾燥のものは反りや収縮が出やすいものもある。クリの様に、そのものが持つ成分が析出するものもある。
取り除くのではなく、そのものの性質を活かすこと。

今年は、昨年から取り組んできたそこをもっとアピールしていけるようにしていきます。

写真整理を早く終え、溢れる木材への情熱を記事や投稿で表現できるように、残りの休暇の時間を有効に活用していきたいと考えながら、今記事を書いています。

どうぞ、今年も木と山にこだわる弊社をよろしくお願い致します。

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2022年01月01日

おめでとうございます。

恭賀新年

本年も一年、合資会社戸田材木店・セルバをどうぞよろしくお願い致します。

一富士二鷹三茄子、という初夢はなく熟睡の年越しだった担当です。
新しい年を迎える事ができる幸せが、一年毎非常に大きく感じられるようになりました。
それとともに、年々資料や書類づくりが多くなり時間に追われるようになりました。

このお正月だけは、ゆっくりとワインをたしなんだり、撮りためた巨樹の写真を眺めてリラックスしたいと思います。

また、少しづつワインの事も書いていければと思いますので、お正月に飲んでおいてネタをためたいと思います（笑）。

では、本年もどうぞよろしくお願い致します。

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2021年12月27日

専門職の認識を、当たり前にしないこと

今年もあと数日となりました。
年度は替わりませんが、一年のことを考えるにはお休みに入りますしこの時期が一番頭を整理出来る時。
今年はどんなだったかを想像してみると、やはり物事進めにくい年（材料不足もあり）であったことと、まだまだ課題があることが見えた年でした。

課題のうちの一つが、業界の習慣について。

もともと私自身でもおかしいと思うようなところがあった業界ですが、年末になって今でもその傾向が残っている場面にあいました。

「材を化粧して見せる」ということも一つ。
一昔前は、市場で売られる材の多くは節ありのものなのに、節が無くきれいなものがありました。
価格は節のあるものと同じ。
それなら、節が無いものの方がきれいだし高級材だから得をした！という気分になる。
しかし実際、梱包されているものをほどいてみると、内部からは節だらけの材が出てくる・・・という当然のオチなのですが、こんな感じで外側だけきれいに見せておくことは当然でした。

だからこそ、きちんと材を見なければいけなかったわけですが、プロ同士だから通用する話。それでもあんまりよいこととは思いませんでした。
それとは別に、今回は梱包をほどくと傷だらけの材が出てきたことがありました。

節有材には、原木時の傷や丸身が残っていることがあります。
素材自体がそのまま見える使い方ではない為に、使用に支障がない様なものは含まれていたりします。
しかし、今回は傷だらけ。
強度にも多少影響しますが、それ以前にあまりにも傷が多いものは、お客様にとっては「傷物」というイメージになってしまう。
外から見えればまだしも、ご丁寧に見えないようになっていた。

そんなことがあるから、私はフローリングでもなんでも、検品をしたり中身を見てみないと信じられない疑心暗鬼タイプになってしまったのかもしれません。

そしてもう一つ。
同じく一等材においてのアテや虫食い。

これも程度などによりますが、含まれているものもあります。
しかし、見た目の印象で酷いと思われるほどの物や、一般消費者が見た時に「これは大丈夫なのか？！」と疑問をいだくような状態の物は、取り除かれるべきだと思っています。

それが今回、仕入れたものに多く含まれていました。

出来るだけ材を活かすことは当然なのですが、心配になるようなものは問題なくても事前に説明をする事が必要。
私もお伝えしていたものの、その程度がお客様の想像を超えていて、私も全て検品できていなくて。

ただ、きちんと今回の使用には問題ないことを伝えると、すぐに納得いただけたのですが説明至らずと検品不足を後悔。
もちろん、私が想定以上の程度のものが入っていたからなのですが、やはり「これくらいは・・・」という業界の習慣が出た結果だと思います。

今回はいい気付きを頂いたと思っています。
大分改善されてきた業界の風習で、油断していたところでした。
指摘を受け止めて、来年度もさらに良い木材をお届けできる材木屋であるために、心新たにする年末でした。

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2021年10月06日

「森林大国」といわれる日本のウッドショックを、建築現場から思う

日頃から、業界や他者を批判するような言い回しをしない様にと思ってはいるものの、そういった伝え方になってしまうことも仕方ないと思ってしまう光景を目にし、SNS投稿したものをそのまま拙記事にも記しておきます。
今、この世代で山や製材業や木材流通業や建築をとおして森林全体を考える私の一つの想いとして・・・

ながながと批判的ですが、山や今の日本に関係する現実の話。

ウッドショックや国産材の値上がりが話題になるなか、現在の建築現場の中にはこんなところも。
いえ、こんなところもまだ多い、とも言えます。

何年も前のものではなく、つい2週間ほど前の写真です。

高騰している赤松タルキには雨濡れの染みが大きく入り、材色も変色。ガレージ施工の時の石膏ボードやサイディングの粉塵がかかってよごれてます。
下の方のLVLタルキも、多分剥離でつかいものにならないでしょう。

街を歩いていて、とても心痛ましくなるとともにそれ以上に、これが、特別なものではないということをしるすために写真にとりました。

批判的でも投稿する理由は、1つにお客さんの家の材料をこんな状態で置いておくような大工さんが、家を当たり前に建てていて、しかもその家が安く売られ沢山建てられている。
安くて沢山売れるから、建築会社は儲かり更に沢山建てる。
仕事量が増え、木材もたくさん使うので材料を安く仕入れられるようになり、さらに利益が増え強い力を持つようになる。

弊社も日頃、一般下地木材を販売しており、そんな状況を見てきているから、本当のサイクル。

木材使用量の多くを占めるはずのところだから、あんまり批判されることはない現実だけども。
これは特別な現場ではありません。
沢山あるうちのひとつです。

そしてこれが、単に無駄や勿体無いの話ではないと思うのが2つ目の理由。

ウッドショック以降、｢間伐材｣という単語とともに一般的になってきたと感じる｢木材自給率｣。
40%まで回復、や国土の7割が森林の森林大国、という数字とともに語られていますが、写真のような現場での利用は伸びるでしょうか？
いえ、伸びても喜ばしいことでしょうか？

木材を、単なる資材として扱うとしても、資材が劣化するような扱いで需要が伸びることは喜ばしくはないと思います。
単なる資材としてであれば、再度輸入木材が安く大量に流通するようになれば、必ず手をかけた日本の木材ではなく、輸入木材が使われるでしょう。

今後の木材価格と供給の行方はまだわかりませんが、手をかけて育ててきた木々からうまれた木材の姿がこの形だとすると、喜ぶ林業関係者さんや山主さんがいるでしょうか。
良質な木材は、今後生産されるでしょうか。
伐採して、使うだけ使ったあとの世代は、どんな木材を手にするのでしょう。
そして何を思うでしょう。

このおうちの施主さんはもしかしたら、この状況に違和感をもたないかもしれない。

そして世界はすぐには変わらないし、個人的な考えが全てではないし正しいわけではないけれど、私はこの一部と思われてしまうかもしれない現場の状況から、森林や林業や木材業界や建築業界、職人さんなどについて本当に考えないといけないと思い、あえて批判的に想いを吐露します。

#ウッドショック
#木材自給率
#国土の7割が森林
#日本の木造住宅の現実
#無垢材
#自然素材
#天然素材
#無垢フローリング
#無垢テーブル
#無垢カウンター
#無垢フローリングショールーム
#大阪府材木店
#茨木市材木店
#戸田材木店

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2021年10月03日

チークオブザ・チーク！　

学校などへ授業に伺ったとき、「どの木が一番好きですか？！」という質問を受ける時があります。
今までにもその答えを幾度か書いてきましたが、もっとも認めている樹種という質問に置き換えるとしたら、それはチークです。

大木になり木材を生産する事ができる樹種の中で、腐朽しづらく虫害を受けにくく、ある程度の強度があり、そのうえで美しい色合いと木目を持っている、世界屈指の木材ではないかと思います。
どの点で他の樹種と比較するかという基準が難しいのですが、それが結論です。
（世界で一番早い車は？、という質問に最高速度か0-400m加速か、それともサーキットラップタイムか？という質問と同じ？！・・・笑）

その特筆すべき性質のため、良質な天然林の資源量は決して多くはない樹種なので、利活用には配慮が必要だと思いますが、昨年の「チ祭り」のようにあこがれているチークの良質材（木目、産地、色合い、脂分など）を求めている方もおられます。
おこがましい乍らもその時に、しっかりと価値を理解し大切にしていただけるかどうかを判断させて頂いて、弊社の在庫を販売しています。

写真は全て、弊社在庫の「超！乾燥材」の良質チーク材ばかり。
300幅材から、40mmの乱幅などが所せましと・・・
少しずつ、テーブルや製作物に使っていただいていますが、まだまだしっかりと残っています。

どうして大切にしているかというと、貴重な材料であるということもそうですが、この質感を体験すると超高級木材として君臨しているブラックウォールナットにも負けないほどの存在感があるからです。

正直、ちょっと大げさな写真ですが、チーク材の上に見えている紫色っぽいものがブラックウォールナット。
製材して直後なので、紫褐色になっていないこともあることと写真下手な為に色合いが目視と異なることがあるものの、それにしてもチークの焦げ茶色の存在感たるやため息が出そうです。

写真では伝わりにくいですが、サッと表面を削っただけなのに蝋燭のようなツヤツヤこってりな材質は、他の樹種ではなかなか味わえません。
これこそが世界の銘木チーク！

拙ブログのタイトルは「本物の無垢木材」という冠を付けていますが、その理由は実はこれなんです。

木の事をまったく知らない若造時代、チークは焦げ茶色で黒檀は黒色。
そんな色のイメージで扱っていた銘木材が、実は着色されていたことを知った時のショックというものは・・・
黒檀を削って白かったときは、さすがに呆然としたのを思い出します。

え？そんなのアリなの？！と。

どれが偽物、ということを言っているのではなく自分の経験から、本当に求められている優良材を扱いたい！という思いがタイトルに込められているのです。

その優良材こそが、このチークです。
これこそ私が思う、チークの中のチーク。チークオブザ・！チーク

色の薄い部分や特徴的な木目の無い部分に着色や木目の上乗せをすることなく、無塗装を一皮むいた状態の蝋燭の様な質感を味わえるチーク。
近寄るだけで、チーク脂の香りに満たされるチーク。

ハリウッドセレブなどが、外構材としてチークの耐朽性をもとめて使用していると聞き及びますが、そんな贅沢な使い方が出来なくても、家具材としてはこれ以上にぴったりの物はなかなかありません。
昨年の「チ祭り」では、写真の300mm幅をそのままフローリングにするという、そんなお話でした。

もちろんそれも、この「これこそチーク！」という質感にほれ込んでもらってこそのお話でした。
今後百年、二百年と維持されるに違いない邸宅でしたから、チークたちも喜んだことと思います。

稀少な材ですが、数十年も前に製材され弊社に来ているからには、木材として活躍する場を設けたい。
そう思います。
沢山ある在庫、今なら吟味できますよ！

それとは対極的ですが、現在次の物件に向けてのオイル塗装を進めている「ネシアンチーク幅広150mmUNIフローリングプルミエグレード」も忘れてはなりません。
先とは全く異なって、森林認証を受けたサスティナブルなチーク！

植林によって維持されてきた限られた地域の森が原材料となるネシアンチーク。
写真はオイル塗装済ですが、それにしても深く美しいと思いませんか！？

白や薄い黄色っぽいものが多い植林チーク材。

それらとは全く異なる素材であるネシアンチーク。
しかも辺材がほぼない、赤身厳選グレード。
先のチークオブザ！・チークと比較すると中には若干目粗ではあるもの、枯渇の心配のないチークが存分に使うことが出来、その上質感も良いとなればおすすめしないわけにはいきません。

弊社では、どの樹種もそれぞれ用途や仕様場所によって、同一樹種でも異なった地域の物を提案したりしています。
普段、無垢フローリングでのチーク材はもっぱらこのネシアンチークのUNIプルミエグレードをお勧め。

おすすめしている理由はいくつかあります。
ネシアンチークには一枚物もラインナップしているのですが、わざわざUNIをおすすめするのはやはりこの質感です。

百聞は一見に如かずですので、ショールームにて実物を比較して頂くと非常によくわかるところですので、是非体感してもらいたいと思います。
天然林材と比較して、非常に軽んじられる植林材ですが、非常に秀逸な木材を産する吉野スギや吉野ヒノキも植林材。
そう考えると、腑に落ちるかと思います。

植林材が全て劣るわけではないと。

未だに業界に古い方はやはり、植林材は今一つ、という方がおられるのも事実。
偉そうに言う私も、本来はそんなクチです。
しかしながら、今一つ、な植林材は植えられただけのものが多く見られますし、原材料となる時も選別などの作業をされない場合が多いもの。
十把一絡げであつかわれるから。

そういったイメージから来る印象について、言われることも理解できるために是非、お客様自身が体験をして選んでもらいたいのです。
今ならば、サスティナブルなネシアンチークをチークオブザ!・チークとともに、比較してもらう事が可能です。

実は今、屋外デッキへとそのままつながるリビング床として、チークオブ　ザ！・チークを検討頂いています。
リビングの床がそのままつながったようにデッキへと延びる・・・

完成の妄想が止まりませんが、そこまで出なくても大切なおうちに自慢のできる本物のチーク材を・・・

あるうちに尊べ！
まさしくそのような気持ちのチーク材。
今ならまだ、間に合いますよ！

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muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

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