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季節の風物詩其の弐 柏餅?槲餅!?


先日の鯉のぼりとともに、季節の風物詩がもう一つありました。
こちらは設置場所などに関係がないですから、皆さんが親しまれていると思います。

これ。

槲餅










そうです、柏餅。

皆さんはあんまり意識されていないかもしれませんが、よく考えると桜餅と同じく、葉っぱで巻かれていますよね。
桜餅の桜の葉については以前、「本物のさくらんぼ ー桜材とはー」の記事でご紹介しましたが、柏餅も字の如く「柏の葉」が使われているんですよね。

柏=かしわの木ですが、今言うカシワ餅の葉のかしわは正確には「槲」となります。
前述の「柏」は針葉樹の「コノテガシワ」を指すもので、全く違うものなんですが、イメージからなのか、「槲」の字が難しすぎるからなのかは定かではありませんが、餅には柏の字が一般的に使われています。

ま、そこまでの木の字に対するこだわりは材木屋だけでよいとして、もともとは、槲(ややこしいですが木の虫のブログなので、難しい正確なほうで行きたいと思います。ご了承を・・・)の葉っぱはその大きさを利用して食物などを盛るのに使用され、語源を「炊ぎ葉(かしぎは)」が転訛したものだというのが有力だとされています。

食物を盛る葉をすべて「かしわ」といったそうですが、だんだんと現在の槲の葉のみに使用されるようになったものだということが語源のようです。
食物を包むといえば、「朴の葉」も有名なものの一つです。
「朴葉味噌」の朴ですね。

まな板や彫刻材などとしても賞用される材ですが、もともとの朴の木の語源は「包(ほお)の木」から来たものだといわれています。
まさしく、包むものということです。

面白いですよね。

因みに槲の中国名(漢字)は「柞樹」と書くそうです。
日本の常用字では「柞」は「イスノキ」に当てられることが多い字です。
イスの木は日本産材中で、最も重い材に分類されるもので、特徴的な赤い色を持っています。
こちらは正確には中国名書きで「蚊母樹」と書きます。

難しいですねぇ・・・・・

また、日本産材中最も重いものは、このイスノキ、または紀州備長炭で有名な「ウバメガシ」、それに八重山黒檀(琉球黒檀)にオノオレカンバを加えてものだといわれます。
実際にはどれも気乾比重が平均で1,0近辺ですから、世界で最も重いといわれるリグナムバイタに対して、国産「シンカー(沈む木)」の両横綱といえるでしょう。


かなり脱線しました。どこまでいったか・・・

槲材ですね。

槲餅になぜ槲の葉なのか!?
勿論理由があります。

槲の木は、新芽が育つまで古い葉を落とさないことから「子孫繁栄」の縁起かつぎの意味をもちます。
そのことから、端午の節句に槲の葉で包んだ餅があるわけです。

すごいですね。ウンチク好きな日本人にはぴったりの知識!?のような気がしますね。
もちろん、関西では「ちまき」がありますので、地域によっての違いはありますが、物事にはちゃんと理由があるということですね。

いろんなものを見るとき、そういった所以も一緒に考えると面白いことが分かるかもしれません。
木材にもいろんな面白い「理由」がありますから、これからもご紹介していきたいと思いますので、お楽しみに。


もちろん、写真のお餅はすぐに完食!!です(笑)






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