北海道産 しな無垢耳付き板
弊社ページをご覧になってくださっている方の中で、建築関係や家具関係のお仕事のかたならば、一度は「シナベニヤ」を使用された経験があるとおもいます。
ですが、「ラワンベニヤ」は通常「ラワン」という木材で流通していますが、「シナベニヤ」の原材料の「シナ」という木材は流通上、ご覧になったことがないと思います。
といっても、どなたかの北海道土産で熊の彫り物を頂いたことはあるかもしれませんが、あれはシナでできていることが多いそうです。
今回はその「木材として目にすることのない珍しい、シナ」の板材を御紹介したいと思います。
まず、なぜベニヤ板の表面化粧材としては存在するのに、木材自体は見かけないのか・・・
というのも、それにはまぁ日本的な事情もあるのです。
結果からいうと、「木材として採算がとれないから」です。
御多分にもれず、桧や杉の場合と同じだということです。
山から出した丸太を製材して商品にしても売れない、売れても利益が出ないから売らない方がまし。
こんな状態です。
以前は家具用材や割り箸、製図板としてやアイスクリームの匙(昔の人はスコップといったりしますね)の材料としてかなりの量が使われてきたシナ材ですが、今は輸入代替え材で、性質などが良く似た同属の「バスウッド」という木材にその座を奪われています。
まぁ、似ていればいいといったところでしょうか。
他の業界でも同じでしょうが、似てりゃいいという状態ばかりでは、いろんなものが衰退していくと思うんですが、現状よければいいんでしょうか。
政治家みたいですね。
30年、40年後にはもしかしたらシナの木は使われなさ過ぎて、蓄積も少なくなり、あっても使い物にならない、取り扱いがわからない、なんていう時代がくるかもしれませんよ・・・
どこぞの原発施設みたいにね。
冗談はさておき、そのシナ材。
年輪の不明瞭な散孔材です。
シナノキ科の木材で、漢字に「級」や「科」をあてます。木材業界では「榀」という字が使われていますが、正確ではないようです。
私もずっと使っていますが・・・
また英名をjapanese lime又、japanese lindenといったりします。
学名はtilia japonikaです。
日本のシナノキという意味ですね。
因みに上記のバスウッドはtilia americanaだそうです。
確かに、正直これといって他の材に勝るセールスポイント!!というのがないのも否めないところではあります。
湿気に強いわけでもなくどちらかといえば弱いし、乾燥はとても難しくせっかくの白い材面に青い筋が入ることが多かったり、特別お求めやすい価格なわけでもないし、産地も限られている。
さらに、木材の抽出成分によって、尿素樹脂系接着剤は接着不良を起こすことがあり、気を付けないといけないといけないところです。
吸い込みが大きい事にも起因するようですが。
また、材中の酸により鉄を汚染することがあったり、セメントの硬化不良を起こすことがあるということもいわれるので、注意が必要です。
「んん〜、じゃぁ何がいいところなの?!」と言われそうですね。
そこです。
木材は良いところのないものなんてありません。
勝手に人間の都合で良い悪いといわれるだけですから、シナ材の特徴をたっぷりとお伝えすることにしましょう。
材の特徴は、当然第一には白太部分の材質が白く均質、というところでしょうね。
通常なら赤身と白太の色の差がはっきりと出る木材が多いのですが、シナはその差が不明瞭。
ですがそこが優しい印象を与えるとともに、木目の用途を問わずに好まれるところだと思います。
ナラ(オーク)やタモ(アッシュ)の様に大きく強い杢があるのではなく、どちらかというと樺の木(バーチ)の様に、木目が優しく主張しすぎないところに、美しい色合いがあり、華美になり過ぎない装飾に向いているといえます。
実際、製作建具の表面材としてや、ベニヤの表面材として使用されていることでわかると思います。
また、キメが精で均質、狂いも少なく木目のおとなしい事から、彫刻材としても使用されます。
こちらも赤身ではなく白太を使えば、白く美しい作品ができますから朴や桂、一位などといった濃い色の材とはまた違った作品とすることができます。
またシナは別名を「マダ」といい、アイヌ語で「結ぶ」や「くくる」という意味合いを持った木です。
これは樹皮の繊維で織物などを造っていたことによるもので、今年はS社の開発した「夢叶う」という花言葉を持つ青いバラが有名になり、いろんなニュースで報道されていましたが、花言葉ではないのですが、結ぶという縁起の良い意味合いをもった木材であるといえます。
それは人と人の良縁なのか、結果として実を結ぶものなのかはわかりませんが、この樹木に何か特別な想いを託してみるのもいいかもしれませんね。
良質広葉樹材の宝庫北海道産のシナ板を、室内用の装飾看板や棚板、小さな接客カウンターとして使うともしかすると、思わぬ良縁に恵まれるやしれませんよ。
縁起担ぎに一枚いかがですか?!
こちらより、お問い合わせをお待ちしています。
御検討前に、弊社からのメッセージをご覧ください。
北海道産 シナ(乾燥材)耳付き板
・寸 法 :長さ1.8m〜2m×幅20cm〜40cm(材の中央採寸で)×厚み3.5cm
(一枚ずつ大きさが異なります。)
長さ4m×厚み4.5cmも少量あります。
・形 状 :無垢耳付き一枚板
・価 格 :7000円/枚(税込7560円)〜
・運 賃 :別途 地域によりお問い合わせ下さい
・状 態 :製材後天然乾燥し、後に人工乾燥済み。仕上げ加工別途。
*ご検討前に、下記ご注意と弊社からのメッセージをご覧ください。
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・ご 注 意 :
1、シナノキは小さな節の多い木です。材によってはぽつぽつと現れることがありますが、シナの特性として、上手に使い分けていただくことをお願いします。
2、シナは乾燥がとても難しい樹種です。丁寧に乾燥させてはいますが、乾燥中にくる青い変色があります。
全てに出るわけではないですが、削ってみてからでているのがわかることがありますので、御留意の上ご検討ください。
白い線は桟木の跡
3.また、同様に乾燥中の桟木の跡が残っているものも見受けられます。削っていって薄くなる物もありますが、目立つものもあるかもしれません。
4.節の表情
購入したいと思うのですが、厚みとサイズが大きいので悩んでいます。カットの依頼は出来ますでしょうか?
> 購入したいと思うのですが、厚みとサイズが大きいので悩んでいます。カットの依頼は出来ますでしょうか?
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