世界最長寿の木
高齢化社会といわれて久しいですが、人間の寿命は長生きでも90年そこそこ。
まぁ、ギネス認定の長寿の方などは別として、大体それくらいでしょうか。
しかし一方、木はどうかというと、更に更にずううぅっと長生きです。
桧や杉などでも200年〜300年という樹齢のものもいまだに元気に残っていますし、おおまかに平均樹齢は300年位といわれている針葉樹でも、有名な屋久島の屋久杉などはゆうに樹齢2000年を超え3000年以上というのも存在します。
霧が立ち込める屋久の森
1000年の樹齢に満たないものは屋久杉とはいわず、「小杉」といっているくらいですから、どんな長者が存在するかはいわずもがな・・・
これから成長する小杉たち
そんな木の世界でも、ギネス級の長者がいるんです。
少しご存知の方なら勿論、縄文杉の7200年(科学的検証では2100年程度といわれていますが)といわれるものが最長老に認定されるのでは・・・!?と思いがちですが、なんと、それをも打ち破る超長者が存在するんです。
霧の中にそびえる巨躯。
縄文杉。
これを凌ぐ樹齢とは・・・
スウェーデンにて、トウヒという樹木の仲間がなんと、樹齢「9550年!!」というものが現存することが確認されているんです。
きゅ、9550年て・・・・・
9550年前は何時代!?!
っていうよりも、今は西暦2009年。
遥か彼方というような昔です。
恐竜が出てきそうな勢いです。
もうすぐで一万歳も夢ではありません。
ただ、縄文杉のような巨木ではなく、私が見た写真では、岩場にはえている若木、そんな印象の細く小さい樹木でした。
やはり風格では縄文杉でしょうかね。台桧(たいひ=台湾桧)もかなりの風格ですから、2台巨頭というところですか・・・・
しかし9550年の樹齢の中で、どんな世界の出来事を経験してきたのか想像も出来ませんが、何とも夢のある話です。
以前に、樹齢300年ほどのケヤキの大木を伐採して切り出した板材に、戦国時代の侍の霊が憑いているといわれ、寺院にてお祓いをしていただいたという話を耳にしたことがあります。
その霊は、そのケヤキの大木の上で敵の攻撃の見張りをしていたそうです。
というのも、そのケヤキが、その時代から立派な大木だったから、見張り台にはうってつけであったからだそうで、亡くなってからもずっとその木に残り、見張りを続けていたそうです。
全ての木がそうであるわけはないですが、少なくとも上述の屋久杉やトウヒは、そんな人間の生き方や、世界の移り変わりをずっと見守ってきた目撃者です。
木も生き物、そして、人も然り。
様々な時代を生き抜いて今があるわけです。
少なくても100年からの樹齢の木を使って建築や、木工をすることが多々ありますが、100年も風雨に耐えてきた木材を大切にすると共に、感謝の気持ちをもって使っていきたいものです。
100年生きた木材は100年以上は使う。
そんな当たり前のことが出来るような木材業界になるように、これからも活動したいと思います。