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木が水に沈む?!  解説編

前回の動画をご覧になっていただいたとおり、必ずしも重い木が沈むのではないことがお分かりいただけたと思います。

ではなぜ重さが軽くても沈むのか・・・・・

そのからくりは少し難しい話、「比重」の話になります。

比重というのは、木材の木質部分と細胞の内側や隙間などを含んだ容積の重さが、同じ容積の水の重さと比べてどれくらいの割合なのかを示したものです。比重の低い木材は隙間部分が多く、反対に比重の大きい木材は木質部が多いので、隙間が少なく重たくなります。

簡単に言うと、重量はそのものの見かけの重さのことですが、比重はその物質の持つ、本質的な重さの比率です。

ですので、いくら重量が重くても、同じ条件で比較した場合に目安となる比重が低ければ、沈むことはありません。

木材は生き物なので水分を含んでいます。

伐採されてすぐのときは、その細胞の中にたくさんの水分をため込んでいますので、重量はその水分の目方が含まれるので当然重たくなりますが、乾燥して、水分が抜けると重量も軽くなります。これだけでも重量はかなりちがってきます。

比重について語る場合、水分による重さの条件を一定にした状態でないといけないので、通常は気乾比重(木材中の含水率が落ち着いて平衡状態にある状態の比重、だいたい含水率15%位)を目安にします。

木材は現在の乾燥状態を考慮せず、重量だけを語ることはできません。

また、木材は生き物であり水分との関係をきりはなして考えることはできないため、そのものの性質を知る一助として比重は重要な目安のひとつになります。

実験に使用した沈む材は、最も重いとされている「リグナムバイタ材」で、比重は1.23と言われています。比重1を超えると、極めて重く水に沈むようになります。
身近な材、桧で0.45位ですからその重さ推して知るべしです。

リグナムバイタ材質拡大



リグナムバイタ材拡大(実験材とは異なります。)




いかがでしたか。すこしわかりづらいかと思いますが、これも木材のもつ面白さと不思議な魅力だと思います。


では、木材と水分の関係はまたいつか別の機会に記事にしたいとおもいますので、今回はこのへんで。

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