知ってください、キクイムシのこと
木を食う虫でキクイムシ。
その名の通りですが、木を食う虫でもいろんな種類がいます。
その中で、どうしても知っていていただきたいのがヒラタキクイムシやシバンムシを含む、広葉樹の主に白太(辺材。木の外側に近い部分)を食害するキクイムシの類です。
一昔前、ラワン材がよく使われていた時代に問題になった虫が、近年再度問題として浮上してきました。
直接の原因とは言いきれませんが、シックハウス問題を発端として、住宅に用いられる建材(ベニヤ板やドア類)の中に含まれる接着剤などの成分の一種である、ホルムアルデヒドなどの放散量(含有量)を少なくするよう規制したことで、人間に害が少なくなったと共に害虫にも忌避性が低くなったために、繁殖しやすくなったのではないかとも推測されます。
キクイムシは、おもに新しい材を好んで食害する傾向にあるため、新築住宅で見られることが多い状態です。(古い材が加害されないわけではありません。)
生態としては、前述のラワン類や、ナラ、桐、ケヤキ、また竹などのでんぷん質を多く含んだ白太(辺材)を食害します。
また、近年階段材やカウンター材として普及しているゴムの木からも出ることがあります。樹液を採取した後のゴムの木を活用するという観点からいえばよいことなんですが、現在でも被害が確認されていますのでご注意下さい。
羽があり、外部より飛来して広葉樹木材などの導管と呼ばれる養分を運ぶ管の部分に産卵し、幼虫はその木材の中のでんぷん質を含んだ部分を食害し、春から夏にかけての温かい時期に材の表面に穴をあけて、飛び立ち再び別の場所に産卵します。
産卵された木材でも、見た目では食害の有無はわからず、材の表面に穴をあけ成虫が出てきて初めて食害に気付きます。
急に家具や、板材から粉がでて気がつくので、対処しにくい害虫です。
塗装を施してあっても食い破っていくので安心できません。
現代の住宅はラワン材のベニヤ板なしでは成立しにくいような状況です。
壁面を左官仕上げ(ジュラクや珪藻土)などで工夫しても、フローリングがラワン合板基材なためそこに被害が及びます。
食害を少しでもすくなくするならば・・・・・
合板フローリングなら針葉樹の基材を使った製品を選ぶこと、無垢フローリングなら価格が安いからといって、ナラやタモなどの白太つきのグレードを選定するのではなく、白太のない(少ない)上級グレードを選ぶことと、食害されにくい樹種を選定すること。
もちろん、そうすることが完全なわけでもなく、白太(辺材)を使わないということは非常にロスが多い為に、現実的には選択肢が非常に狭まってしまいますが・・・
壁材の下地ベニヤなら、ホルムアルデヒドなどのシックハウス規制での揮発性有機成分の放散レベルで最上位(最も放散量が少ないの意。まったく放散しないわけではないので注意。)のF☆☆☆☆を取得している防虫合板が市販されていますので、そちらを使用する。
なるべく害の少ない薬剤を使用していますので、効果は永久ではありませんが、製造から一定期間は食害に対して保険対応できる場合があります。
無垢の自然の木材です。
注意していても、完全に防ぎきることはできないので、食害の可能性のある樹種が一般的に存在することをご理解お願いいたします。
万が一被害にあわれた場合は、シロアリ駆除業者様などにご相談ください。
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