2024年09月28日
再利用のむつかしさ？！じゃないでしょう・・・ 〜万博リングの工法の不思議 �◆�
貫工法とは、単純に柱を貫いていればいいものではありません。
伝統工法の貫を見れば明らか。
また、その役割は決して緊結する事ではありません。
そして、木造の基本は構造体となる木と木の組み合わせ部分にはすき間があれば意味をなさない場合が殆どです。
それに対し、万博リングは最小の隙間とはいえ2mmすき間があるという。
いや、この2mmはあまり関係ありません。
それはおそらく、部材を貫通させるためのクリアランス（この時点で伝統工法とは全く異なる）であり、前回の写真のように金属プレート＋ボルトで固定するのだから、理論的には金物で隙間は埋まる、わけですから。
しかし、そうなると貫工法ですらなくなってしまうと感じます。
ボルトの突っ張りで強度を確保するのであれば、どうして部材を貫通させる必要があるのだろうか。
貫の様に見せる為？
木造の貫は、緊結の部材ではありません。
伝統工法自体、緊結の工法ではありません。
しかも、ボルトなどの金物は本来突っ張り（圧縮）ではなく引っ張りにする方が良いもののはず。
木材よりも「強い」金属だから安心、かもしれませんがだからこそ木を潰してしまいかねません。
木造住宅の壊れ方も、金属部材が柱や梁を破壊（木の繊維を裂く、つぶすこと）してしまうことによる倒壊が多く見られます。
もちろん、これだけ大きな構造物であり試験結果では倒壊などはしないはずですが、倒壊や強度にぎもんがあるのではなく、伝統工法の考え方とはことなるものに、その名をあてることに疑問があるのです。
姿かたちだけを似せることは誤解を生み、本来伝えねばならないことを消してしまいかねません。
今回のリングは閉幕後に「再利用」されるそうですが、木造だから再利用し循環することで環境に配慮できる木造！というイメージなのでしょうけれど、その再利用すら無償提供＋解体などの費用負担が問題視されています。
確実な引取り可能量もまだ6,000㎥とのこと。
使用されている木材の送料は27,000㎥というので、1/4も決まっていないことになります。
当初から、無垢材で建てる事などを大阪の木材団体が声をあげていたものの、集成材での建築になり伝統貫工法、という言葉を用いられた残念な建築になっていると担当は思っています。
一体、何のための誰のための木造なんでしょうか。
本当に木造として有用なものであれば、引取り希望も有償でも多く募る事ができるかもしれません。
集成材ではなく、無垢材であれば製材や二次加工での利用も視野に入る事でしょう。
屋外使用も視野に、腐れば自然に還ることも可能でしょう。
しかし、素材からすでにそういうわけにはいかない工法。
街から伝統工法の住宅がどんどんなくなっていくのも、維持保存にお金がかかるからという理由が非常に多いことを考えても、万博リングの入札は難航するのでは？！と邪推したりします。
単に木でつくればいい、と思ったのでしょうか。
鉄骨造の方が解体再利用しやすかったのでは？！
すっきりしないのは、完全に正解という答えになかなか辿りつくことのできないプロジェクトだからだと思いますが、伝統工法や貫工法という宣伝だけはやめてほしい、とおもう材木屋の独り言でした。
・弊社へのお問い合わせはこちらから
・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ
＊2019年以前のリンク表示をクリックしても過去リンク記事が見られない場合は、こちらの手順でお願いをいたします。
＊消費税10％への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。（ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。）
木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。
・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧
http://muku-mokuzai.livedoor.biz/archives/1611916.html
・戸田材木店・セルバのホームページ
http://selva-mukumokuzai.jp
・無垢材と樹木が大好きな材木屋が配信する、きのむしラジオ | Podcast on Spotify
https://open.spotify.com/show/6HBMrFR3UFHaNLNfgdFE8l?si=ff6525ab5d0f464a
伝統工法の貫を見れば明らか。
また、その役割は決して緊結する事ではありません。
そして、木造の基本は構造体となる木と木の組み合わせ部分にはすき間があれば意味をなさない場合が殆どです。
それに対し、万博リングは最小の隙間とはいえ2mmすき間があるという。
いや、この2mmはあまり関係ありません。
それはおそらく、部材を貫通させるためのクリアランス（この時点で伝統工法とは全く異なる）であり、前回の写真のように金属プレート＋ボルトで固定するのだから、理論的には金物で隙間は埋まる、わけですから。
しかし、そうなると貫工法ですらなくなってしまうと感じます。
ボルトの突っ張りで強度を確保するのであれば、どうして部材を貫通させる必要があるのだろうか。
貫の様に見せる為？
木造の貫は、緊結の部材ではありません。
伝統工法自体、緊結の工法ではありません。
しかも、ボルトなどの金物は本来突っ張り（圧縮）ではなく引っ張りにする方が良いもののはず。
木材よりも「強い」金属だから安心、かもしれませんがだからこそ木を潰してしまいかねません。
木造住宅の壊れ方も、金属部材が柱や梁を破壊（木の繊維を裂く、つぶすこと）してしまうことによる倒壊が多く見られます。
もちろん、これだけ大きな構造物であり試験結果では倒壊などはしないはずですが、倒壊や強度にぎもんがあるのではなく、伝統工法の考え方とはことなるものに、その名をあてることに疑問があるのです。
姿かたちだけを似せることは誤解を生み、本来伝えねばならないことを消してしまいかねません。
今回のリングは閉幕後に「再利用」されるそうですが、木造だから再利用し循環することで環境に配慮できる木造！というイメージなのでしょうけれど、その再利用すら無償提供＋解体などの費用負担が問題視されています。
確実な引取り可能量もまだ6,000㎥とのこと。
使用されている木材の送料は27,000㎥というので、1/4も決まっていないことになります。
当初から、無垢材で建てる事などを大阪の木材団体が声をあげていたものの、集成材での建築になり伝統貫工法、という言葉を用いられた残念な建築になっていると担当は思っています。
一体、何のための誰のための木造なんでしょうか。
本当に木造として有用なものであれば、引取り希望も有償でも多く募る事ができるかもしれません。
集成材ではなく、無垢材であれば製材や二次加工での利用も視野に入る事でしょう。
屋外使用も視野に、腐れば自然に還ることも可能でしょう。
しかし、素材からすでにそういうわけにはいかない工法。
街から伝統工法の住宅がどんどんなくなっていくのも、維持保存にお金がかかるからという理由が非常に多いことを考えても、万博リングの入札は難航するのでは？！と邪推したりします。
単に木でつくればいい、と思ったのでしょうか。
鉄骨造の方が解体再利用しやすかったのでは？！
すっきりしないのは、完全に正解という答えになかなか辿りつくことのできないプロジェクトだからだと思いますが、伝統工法や貫工法という宣伝だけはやめてほしい、とおもう材木屋の独り言でした。
・弊社へのお問い合わせはこちらから
・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ
＊2019年以前のリンク表示をクリックしても過去リンク記事が見られない場合は、こちらの手順でお願いをいたします。
＊消費税10％への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。（ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。）
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