本物の無垢木材　～茨木市戸田材木店・セルバの木の虫ブログ～:2024年05月

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2024年05月

2024年05月31日

研修会の後はゲーム？！林業を知る、ボードゲーム大会開催！

過日の、担当参加の研修会の様子は見て頂きましたか？

二日間を通して、その地域の林業や森の変遷、そして現在の取り組みや関わる人の事を学んだ研修会。
その研修会と合わせたわけではないのですが、先日林業に関わるゲーム大会を、弊社ショールームで開催しました。

勝手に、「近畿大会」と呼ばせていただいてます（笑）が、第一回の今回のメンバーは建築設計者1名と木材業者4名という構成。
林業に関するボードゲームなのですが、参加者の全てが街で木材として利用する立場の人間ということで、どのような展開になるのか？！・・・

全くの初めてでの進行でしたが、意外にも分かりやすいルールと仕掛けですぐに楽しむ事ができました。
はじめは、お金を払って林業機械を買ったりして山での作業を行うという流れですが、そこからして後の流れを読んだり、相手の出方を見たりしながら、単純ながら考えていく作業で性格が出ます（笑）。

そして、簡単なルールなのに盛り上がるのがおみくじ！

自分のターンで一回、必ず引き当てるのですが実は、こいつが笑えるんです。
おっさんたちが嬉しそうに爆笑してボードゲームを、それも林業のゲームをしている様は、傍観していてもとても面白い光景何です。

因みに、担当は大型林業機械を大量に導入し、効率よく木材生産していたものの、おみくじのおかげで大変なことに・・・・・・

どんな結果になったかは、ゲームに参加してからのお楽しみということで紹介しませんが、とにかく盛り上がるんです。
それに、おみくじは自分たちで地域ルール的なものが作られる余白もあり！（今度はこれを試したい！）

そして、その盛り上がりから「実際はこうやね！」とか「そうか、こういうふうにしないとこうなるんだ」というような、知っている様でなかなか念頭に出てこないことに気がついたりして、それも学びにつながります。

夜にかけての開催で、少し呑みながらの大人ゲームでしたが楽しく交流する新しい形かもしれません。

因みに担当の結果は、というと最高得点！32点をたたき出しました！
うん、素晴らしい。

といっても、設定されている「持続可能な森林」に到達する事ができず、単なる勝ち負けだけで終わらないのもいいところでした。
他にも、林野庁からダウンロードできるゲームもあるらしく、次はメンバーも更に多様にしてそちらのゲームも混ぜて開催しようかとワクワク。

久しぶりにアナログに楽しめた、材木屋の夕べでした。

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木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

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2024年05月26日

ちゃんと食べられる、ナチュラルワインレストラン「compasii」さんへ納品完了！ ②

お洒落なトイレを出て、改めて思うのは「一枚物」の存在感。

ゆらゆらと揺れる、美しい杢。

バーチ幅広無垢一枚物フローリングの、オイル塗装仕上げです。
ネイキッドグレードですので、原木の変色部分があるものの、濃い色に塗装されているので目立ちません。
それ以上に、このような美しい杢と自然な色差が印刷にはない、個性を感じさせてくれます。

おそらく、ご来店のお客様はこのフローリングには注目されないでしょう。

施工されているのは、厨房手前のカウンターの部分のみ。
テーブル席にはないからです。

ある意味、特等席はカウンター席ですよね。
いや、本当に。

このフローリングを眺めながら、というのは担当の趣味かもしれませんが、カウンターをスリスリできますし、シェフや奥様の姿も見る事ができますよね！

テーブル席とは異なる、お店での食事感を感じられるのがカウンター席。

椅子の色目やそのほかの部分とのアクセントの役割も十分。

一般的なUNIフローリングではない、一枚物の存在感は、カウンター席の端に座るべきでしょうね！
130mm幅広の一枚物無垢フローリングを、贅沢に店舗の土足仕様にするなんて、そんじょそこらのお店ではありませんよ！

いくら大阪市街でも。

そんな無垢材一杯の空間ですが、決して木のコテコテ感がないのはやはり使い方でしょうね。
メープルのすっきり感はもちろんですが、バーチも存在感を打ち消すとけこみ方なうえに、視線のむきやすい床は敢えてざっくりとしたコンクリート。

そして、おぼろげに視界に入る天井にコレです。

分かります？
この、なんともいえないバランス感。

天井には、ラーチ合板の無節材を選別使用。
それにうっすらと分からないくらいのホワイトオイル塗装です。
さりげない木質感。
木目がはっきりあるけれど、強すぎない。

分からないことに手間をかける、そこが良いじゃありませんか。
そういう施工のひとつが、何より心地よい空間を作るのです。

そう、忘れてはなりませんよ！
ここはレストラン、ナチュラル（自然派）ワインレストラン！！
施工写真撮影時から、こんなものが見えていてはオープンを期待せずにはいられませんよね。

ということで、オープン初日に前のめりで行ってきましたよ。

何に期待していたかと言うと、納入材料が日々の営業の中でどのような姿を見せるのかということもありますが、ナチュラルワインが飲めることがはっきりしていた事、そしてなによりもお料理が楽しみだったこと。

インターネットには、ワインやお料理をアピールする広告やサイトが多くあります。
種類を誇るものや、高級ワインの空き瓶の写真を掲載しているもの、価格を安く見せているものなど、期待を裏切るものも多くあります。

だからこそ、納品したお店でどのような味が待っているのか！と偵察（笑）に行くのです！

あぁ、幸せ。

美味しそうな赤ワイン！、じゃないんですよ。
ワインの話をすると長くなってしまいますが、写真撮影の時にセラーを覗き込んで目を付けていた一本を、初日に早速開けて頂きました。

倉庫で熟成させていたメープル材のテーブルに、ナチュラルワンが並ぶ。
至福の時です。

そして、それとともに担当にとって大切なのはお料理！

胃が弱い担当は、お料理を食さずに呑むことはできません。
そのため、お料理は気になるところ。

そこも大きくクリヤーされるところが、大きなおすすめなのです。

ラベルのおっちゃんも、グー！してるでしょ？！

もう、美味しいんだから。
メインディッシュが写ってなくてすみません。
もう、美味しくて（笑）。

ワインはもちろんの事、お料理もシェフがこだわり食材で丁寧につくってくれるもの。
肥えてまうやろー！、と笑顔になりますよ。

きちんと食べられる、味わえるレストランで、本物の美味しい、それもナチュラルワインが飲めるところは貴重です。
先日も、ネットで話題のワインバーに行きましたが、場所に似合わずテーブルチャージが高く居酒屋ばりのお通しがあり、2杯しかのんでいないのにそこそこなお代金。
定価＋αで飲めることがウリで、確かにワインはいいのだけれど結果高い代金になるのは、オプションばかりで安く見せる分譲住宅会社の様・・・

それなら、絶対こちらに来て！
至福の時間が待っています。もちろん、店内仕上げも見てね！

そんなことを考えているとき、隣の若いカップルが、なにやらテーブルをなぞっている・・・
何をしているのかと思えば「これ、模様なん？！」と、メープルの杢やカスリの部分を触っている。
汚れか何かと思ったようです・・・

天然木の勝ち！、と横にいる材木屋さんはニンマリしていましたよ！
その、本物感を知らない若い世代にも、本物の木を触ってもらえるテーブルに。

うっすら何気なく、空間を仕切るマジック。
こんなところにもセンスを感じます。

今回、施工を担当されたのは、中野工務店さん。
以前に、和室改修でお世話になってからこのかた、センスあふれる現場の数々に毎回期待しています。

今回は、レストランでしかもナチュラルワインを出されるということで、計画段階からワクワクでたまりませんでした。

なにより、仕事でよく足を運ぶ、大阪木材仲買会館から近い！！
会議帰りに寄れる！（実際は、会議時間が中途半端でなかなか寄れない・・・）

繰り返しますが、お料理がおいしくてナチュラルワインが普通に楽しめて、しかも無垢材に触れる事ができる！お店です。
あ、それとともに忘れてはならないのが人！

過日のワインバーでは、若いおにぃちゃんが「あざーっす！」的な応対でそこそこな価格のワインを持ってきてくれるので、どこか興醒めなのですがここは違いますよ。（そりゃ、レストラン・・・汗）

ほっこり以外考えられない雰囲気の笑顔が迎えてくださいます！

全てに御馳走様でした。
びっくりするようなお値段設定ではないので、有難くボトル2本頂きました（笑）。
もちろん、体重増加のお料理もしっかりと、ソーセージなどを・・・・・

帰りにこの笑顔をいただいて、満足しないわけはないですよね。

また、早く行きたい！（会議、早く終わらないかな・・・・・・）

大阪、それも人気の堀江地区の少し北ですが、ぜひ足をのばしてみてください。
ほっこり美味しい、レストランで至福のナチュラルな時間を！

cafe&restaurant compasiiさん

大阪市西区立売堀（いたちぼり）5丁目5-14 アワーズグランデ西本町1階
インスタも更新されてますよ～！

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タグ：: 施工後のお宅にお邪魔しました; ロシアンバーチ; 樺; カバ; メープル; カエデ; ロックメープル

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2024年05月23日

ちゃんと食べられる、ナチュラルワインレストラン「compasii」さんへ納品完了！ ①

たまに記憶が錯乱します。
ブログ、フェイスブック、インスタグラム・・・
二兎どころか三兎も追うもんだから、何を投稿して紹介したのか訳が分からなくなってしまいます。

大事なこの現場の納品も、楽しみにしていたオープンから既に8カ月！も経過しているにもかかわらず、記事にしていないことに今さら気が付きました。

大阪市は西区。
「キタ、ミナミ」と呼ばれる場所とは少し異なる場所にある、cafe&restaurant compasii さん。

こちらに納品させて頂くお話を頂いたのが、ほぼ今から1年近く前。
ワインを出されるレストラン、と聞いて普段の数倍のやる気を出していた現場です（笑）。

結論、納材もうれしかったのですがそれ以上に美味しいお店に出逢えたことの喜びも大きかったのです。

工事に入られる工務店さんから、木を使いたい旨のお話を頂いて、図面の段階からご相談いただいていたので、さまざまな提案をさせて頂きました。
まず一つは、テーブルやカウンター等の木材。

お話の中で、無垢材で製作されることは大方決まっていくのですが、お店の雰囲気や全体とのバランスが崩れないように、樹種を提案していきます。

採用になったのはメープル。
本当は、もう少し芯材の交じったものでもいい、とのことだったのですが結果的にとっても大人しくきれいな板材での仕上になりました。

実際、私の場合はワインの色合いを見たりもしますから、白っぽいほうが有難いことが多いですし清潔感があることもお店には重要。

無垢材を使うといっても、予算の都合からすぐに杉材や節有材を多用する場面を見かけますが、居酒屋さんや和食の低価格路線ならばいざ知らず、やはりレストランというのは少し筋が通っていないと加工がつかないと思います。

そう考えると、やはり広葉樹のちょっといいところをさりげなく見せるという意味で、メープルは非常に有効なんです。

木目がきつくなく、その上で適度な色差がありつつもくどくない。
その上白色系であり、どのような場面にも合わせやすいのが大きな利点。

もちろん、弊社の在庫木材であることも、融通がきく点。
贅沢な木取りでお出しします（笑）。

普通は安い耳付きの一枚板を使いたくなるテーブルですが、敢えて3枚～4枚の幅はぎ材で製作されています。
特に、30mm仕上げの厚みは、重さを感じさせずふんわりとした感覚を与えてくれるため、テーブルに並べられるお料理の邪魔をしないと思います。

それでいて、自然に主張する小節や入り皮等の表情。

杢のある部分なども、メラミン樹脂の化粧板では証明での揺らぎまでは出せないものの、無垢材ではその揺らぎが何ともほっこりとする、目に優しさを与えてくれますよね。

因みに、大人しいだけではないんですよ。
施工者さんは、いろいろと見せ場とご自身の感性を爆発（笑）させる場所を造っておられます。

お手洗い。

一部の壁を、濃い茶色に仕上げていますが、他の壁の素材とは異なりラワンベニヤ。
他の壁は、木目を白く化粧したラーチ合板。

そして、手洗いカウンターはエイジング加工を施したメープル。

奥行感を感じさせるうえ、豪華なミラーもしっくりと納まる質感に仕上げておられました。
トイレにどれだけ籠るねん！位に写真撮ってしまいました（汗）。

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2024年05月20日

学び多い研修会、参加してきました！　②

初日に皆伐とその後の意外性を経験した一行。

二日目は、道づくりを踏まえた森づくりを実践されている貴重な場所の見学です。

予備知識なしでのこの写真は、いったい何を意味しているのか分からないはずです。
担当も、何の説明もなく見ればわからないものですが、現地では非常に多くの情報を頂きました。

それは、現在の日本の道づくりや林業での考え方とは、全く異なる手法による関わり方。
日本のやり方が全てダメ、と言いたくありませんが理に適っていることを実践してみる事の大切さと、それを頭で理解することとともに実現されているこの風景が貴重なのです。

道の内容、付け方、切土、角度、植生の様子、その後・・・・
滝の様に流れる情報。

参加の皆さんも一生懸命に拾う情報ですが、もう掌どころか頭からも零れ落ちてしまうほどの情報量で、もったいなくて仕方ない位に満載。
日本の手法、そしてそれぞれの関係者の考え方それぞれが全て違い、そこに地域性や土や植生や天候や、もう無数の因子が関係している中で、どれが正解で必ず同じ場所にたどりつくわけではないので、これしかない、これ以外は間違いでは決してないけれど、実践し理論を整理し先を見据えてらっしゃる姿勢と取り組みは、非常に重要で更に他の地域にも照らし合わせてみたいと思う内容でした。

植物そのものに造詣の深い仲間は、様々な植生に目が留まり、担当はそこかしこにある実生に感激。
人工林を伐り開いた場所に実生が根付く。

それもあちらこちらに。

実生の何がいいのかは、今日は語りませんが人が関わる中に自然の命があることに、材木屋ですが感じるものがあります。
ここにも、人工林は間伐して植林して伐採する、という通り一辺倒なサイクルがすべてではなく、様々な関わり方や地域性があり、そして森は遷移していくものであることを実感する場面があります。

もちろん、実生が育ちにくい人工林もあり、実生が全てではありません。
しかし、こうなるような森づくりの未来が想像できる場面も、経験として知ることは非常に重要であり、思慮深く森林を見る第一歩になると考えています。

この場所は、針葉樹優先の場所もあればしっかりと広葉樹が茂っている場所もあり、所有者も違いがある場所。
そういった森で、針葉樹を見ながら広葉樹のある森を考える。
日本では針葉樹人工林が多いとされますが、広葉樹は種類も多く植生も様々で生き方も多様です。

それらを複合的に知ることで、翻って針葉樹の森の事や植生、そして利活用を考える事ができる。
そしてその中での課題や自身の不足部分も見えてくるように思えます。

国産材を使おうという中で、どうして流通量が少ないのか、入手困難なのかということも森をとおして流通をみること知ることで、理解できる部分も多くあるはず。
担当はそう感じながら、遠回りかもしれませんが関わりを続けようと思います。

街の材木屋が、知ったような顔で森づくりや山の事、道のことや作業の事を語るなと批判されることもあります。
真剣に関わる皆さんには失礼なのかもしれません。
単なる材木屋が、森になにも貢献していない身で地域や関わる人の事をとやかく言うなと、言われる場面もあります。

これ以上関わると、ミイラ取りがなんとやらではなく材木屋が林業家になる、的なことが起りそうなくらいに入り込んでいることは、なかなか周りからは見えませんから甘んじてお怒りのお言葉も受け止めます。

家具製作を山に入り原木を調達し、製材から乾燥選別、用材選別と完成検品、納品まで、全てに関わりフローリングも原木からつくり、生徒に対して無償での伐採授業と馬搬実践まで企画し行っていているんですから、もうかなり山人（やまんちゅ、造語）に片足突っ込んでると思っているんですけれど。

趣味の車も、いかに高性能車で高性能レーシングタイヤを履いて大きなウィングをつけようとも、本来の車の性能を100％理解し操る事ができなければ、タイヤもウィングも、その車のパワーやコントロール性すらも手中に出来ません。

脱線しました・・・・

けども、車に載せられていて本当のポテンシャルを知らないことは、スギとヒノキの一面性しか知らずに人工林が増え続けている、と語るようなことに似ている気がします。
分かりにくいですね・・・・・・

LSDのないFF車で苦労して、LSDの効くハイパワーFFに乗り換えた時の様に、面白いほどの回頭性を得られる世界の広がり。
あ、また分かりづらい・・・

とにかく、自身のデフォルトを知り更に高めること。
「11000まで、きっちり回せ！」です。（笑）

スポーツカーに興味が無い人には、訳が分からない例えのオンパレードですみません。

でも、全ての人に認めてもらおうとは思いません。
おこがましくも、50年後の人が笑ってくれる森に今関わりたい。
材木屋として。そう思うだけ。

それを、自分のアプローチ方法ですすめていくこと。
それを再度確認できた、充実の研修会が終わりました！

関係者の皆さん、本当にありがとう！

あ、エピローグがあるんです。

胃が弱くお肉を余り食せない担当にとっての御馳走は、お魚料理と山菜！
今回、豊かな山の植生の産物を、お土産として持ち帰りました。

それらも林業の産物の一つである場合もあり、まぎれもない山からの贈りもの！
命を繋いでいる有難いものですから、大切に頂きます。

出張研修の疲れを癒す、ビールと天麩羅。最高です。
やはり、山は好きです。海も好きだけど（笑）。
また、明日からも頑張るぞ！！

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2024年05月19日

学び多い研修会、参加してきました！　①

コロナ禍以前は、様々な活動でいろいろな場所で仲間と過ごしてきましたが、それができなくなった時期から現地での学びの機会がすっかりと減っていました。
それが昨年より徐々に戻り、今年は同じ宿泊場所に集い、山と街双方の事を知る研修に参加する事ができました。

当日はいい感じの気温の朝。
緑の中を走っていく心地よさは、やはり格別です。

この写真を見て、関西ではないことを感じる方は凄いです。
いや、本来そういう見方ができるように、当地に来ているのです。
担当は生き慣れた場所ながら、そのほかの参加者の方にとっては異国位の自分の生活地とは異なった場所、だと思います。

そこが今回の研修の狙い。
といっても弊社企画ではないんだけれど、今までもずっとお話をして自分も関わっているフィールドだから、想いもひとしおな場所に木材コーディネート基礎講座の修了生が集まるのです。

集合してすぐ、原木のストック土場へ。
広葉樹原木が積まれているなか、参加者の皆さんはワクワクの様子。
本当は、ハイシーズンである冬季であればもっと感じるものがあったのでは？と思うのは私と企画者のみ？！

参加者の多くが関西や広葉樹の素材生産の少ない場所から参加、という状況からもわかる通り、広葉樹の丸太が目の前に、そして製材品が、国産広葉樹の製材品が目の前にあるだけで、質問が飛び交います。
といっても、担当は次の仕事の話をせねばならず、少し離れていたのですけれど、予定時刻を十分に過ぎてしまう熱気ぶり。

参加者の皆さんにとっては、普段は目にしない広葉樹の板材たちは刺激の塊。
しかし、ここで担当が伝えねばならないことは、ここから最終製品に、特に建築材料の最終製品になるものはごくわずかだ、ということ。

それは、小さい単位の利用ではなく、一定の量で一定の品質に仕分けするから。
いま見えているのは、丸太からそのまま切りだされたもの。
検品の目を通っていないもの。

材料があるだけではだめで、乾燥や養生、その木の応力を考えた製材と乾燥方法の両立があった上での選別作業なので、材があるだけではまだ途中なのです。

材を無駄にすることではありません。しかし、無垢材だから何でも仕方がない、ではだめ。
だから、検品をとおして木材製品とする。

特に広葉樹は乾燥が難しく、木の性質が出てくることで暴れが生じやすいものもの。
だからこそ、高樹齢木であったり、製材の方法を考えたりで活用されてきたもの。

どうして高樹齢木が良いのかはまたの機会にしますが、材木屋としては針葉樹と同じような考えでは簡単に行かないのが広葉樹だということを知ってもらうべきだと感じました。
製材品があるだけではだめで、それからどれくらいの精度で木材製品にできるか。

そこが非常に難しいところで、未だに外国産広葉樹が多く流通することと関連していると感じます。

さて、製材品を見た後は山に移動！

木材コーディネーターは、製材品を扱うだけではありません。
山と街をつなぐのが、木材コーディネーター。
その方法は様々ですが、だからこそ山にも踏み込み学びを求める。

今回は見ての通り、広葉樹生い茂る場所。
最近、広葉樹林の中の人工林部分であるスギ林を皆伐した現場を見学します。

ここで、非常に大きな差が出ます。
皆が想像している山と、当地の差。

現在、木材利用や環境問題というと、人工林ことさら杉の人工林の話に固定されてしまいます。
山のデフォルトがスギになっていませんか？

そうじゃない場所を経験すること。
それによって深まる考え。それが当地の目的。

目的のスギ皆伐地。

皆伐、というのは全てを伐ってしまうこと。
収穫と同じです。
決して悪いことではありません。
それが目的で育てた山や、その後があるための過程であるならば。

問題は、その後です。
地域により、その後が異なるのです。

そこが、今回の研修の大事なところ。
広葉樹と針葉樹のちがい。そして地域性の違い。
今回の学びの主役はそこです。

山では出逢いたくない彼らも、休憩の道の駅では触れ合うことができますね（笑）。

muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

2024年05月16日

信ずるべからず、苦難の道のり～平岩家のイチイ～

文明の利器があふれる現代社会。
もう、頼ることなしには生活できないといっても過言ではないと思います。

ネットショッピングもしないし、ネットバンキングすら使わず、支払いも現金派の担当が言うのですから間違いない（笑）。
そんな担当でも、やはりスマホのナビ機能はよく使ってしまいます。

昔は、地図を広げて知らない道を走ることが好きだったものの、仕事に追われる中若しくは、今回の様に巨樹探訪となると位置情報から追跡しての訪問になるために、頼らざるを得ないうえに大幅な時間短縮になるために、欠かせない機能となっています。

しかし、過信は禁物！
それを改めて思い知った今回の訪問記・・・

最終目的地へ入る手前の道路。
山あいの集落です。

ここを目指すために、まさかあんなことやこんなことがあるなんて想像もせず、いつも通りに位置情報を入れ込んでナビをスタートしたのです。

ここは、木材はもちろんのことながら、趣味のスキーやその後の楽しみである某ハムで有名な岐阜県郡上市。
東海北陸自動車道の郡上八幡インターから東へ、高山市方面へと通じる風光明媚な「せせらぎ街道」を目指します。
せせらぎ街道は、高速道路が無かった時代から好きだった道。
四季ごとの樹種の様子や景色が楽しめ、自然の中をドライブできる爽快感は本当に心地いい道なのです。

そのせせらぎ街道から所在地までは、ほんの少しの位置関係。
しかしながら、スマホのグー●ルマップナビは、目的地よりもはるかに南方の道からの迂回炉を案内。
もしや、一方通行か、と地図を拡大してみると確かに→マークが東向きに。

そうか、西からのアプローチしかできないんだ。
そう思い込んだ私がバカでした。

意気揚々と登り始めた道は、ほどなくいつも通りの林道、というよりも作業道となり凹凸はもちろんのこと、枯れ枝や落石に急勾配の九十九折れ道の連続に。
それくらいはいつものこと・・・
そう思っていたものの、やがて最初の難所に到達。

お～い！！！
なんじゃこの段差！！！

スポーツカーならここで延々バックでの退避（笑）ですが、乗用車でもフロントオーバーハングの長い車はアウト。
幸い、出張愛車はコンパクトカーなので何とかクリヤー・・・、と思いきやエアロパーツのアゴがもう少しで餌食に！
それ以上に幸いしたのがサイドステップをたまたま外してきていたこと。
もし、装着のままきていたらお釈迦でした。

なんとか段差地獄を抜けたものの、次の難所はなんと倒木！
完全に道路を塞いでいる20cm上の直径の枝付の木。
えらいこっちゃ！、通行止め・・・・と思ったもののこちらも幸い腐朽が進んだものだったため、枝を折ったり無理やり幹を引きずったりしながら、何とかギリギリ通れる道幅を確保して通行！

コンパクトカーえらい！、というか、枯れ木でラッキーでした。

そして、目的地が近づいてきた最後の難所を目撃した時、もう泣きそうでした。
なんと、道路が無い！！！！！！
いや、正確には道路を横切って滝の様に斜面下に流れ落ちる水で、川になっていたのです。

オワタ―・・・今までの道をバックで戻る・・・・・・・・・・・・

あり得ない状況（もちろんですがスマホ不通）に、本当に涙目になるものの、最後の力を振り絞り、周囲の枝や石、土を使いながら水の流れを変えていき、護岸の様になっていた段差にも倒木と石を傾斜に積み、本当にギリギリの状態で何とか通行！！！

もう、倒木のところからは写真が無いんです。何度絶望したことか。
それらを乗り越えた先に待っていたのは、お目当てのイチイ！

新しい墓所の奥、民家から奥へと通じる道を入って行くのですが、実際は本当に民家への入り口を通過する為に、念のためにはお声かけが必要と考えます。
訪問時、担当はこの入り口が分からず集落の住民の方にお声かけをして入らせてもらいました。

道を進んでほどなくして、お目当てが視界に入ってきます。

期待通りのその姿。

当地岐阜県の県木でもあるイチイ。
イチイ＝一位という名称のとおり、縁起担ぎで使われることもありますが、成長が比較的遅いうえ幹が真円になりづらく凹凸ができるために、木目が複雑で美しい紋様をていすることがあることで、工芸品や床の間材などの特殊用途にも供される樹種。

おっと、完全に木材目線になってしまいましたが、これだけ完満な幹を見せられると、そんな邪（？！）な考えも頭をよぎるというものです。

いや、それ以前にさきほどの酷道を通ってきたことで、出逢った悦びが大きくそのような考えに至ったのかもしれません。

上部での幹分かれはしかるべき姿。
入り組むようでもあり、それぞれがそれぞれを意識して広がっているようでもあり。

比較的若さを感じさせる樹皮といい、旺盛な枝ぶりと言い樹勢の良さを感じます。
いや、見た目の印象だけの話なのですが、おそらく大切にされてきたからでしょう。
訪問時は、ちょうど周囲を整備された後だったのでしょうか。

伐倒された木々が転がり、とても明るかったこともあるかも知れません。

整備にはもう一つ、理由があるのでしょう。
それはこの名称からも分かる通り。

少し見えづらいですが、「平岩家のイチイ」が登録名称として採用されていることからもわかる通り、現在でもその名を冠する家と関係があるものと思われ、その関係というのは入り口にも有った通りの墓所なのです。

もう、あと何十年かで完全に自然に飲まれてしまうのでしょうけれど、よく見るとイチイの周囲には、かろうじて確認できる墓石を見る事ができます。

そうか、墓所守の巨樹ということなのか。

伐倒された幹に紛れ苔むしている墓石とおもわれるもの。
いつまでここが正式な墓地だったのかは分かりませんが、立ち入らせていただいている事と見事なイチイに出逢えた事の双方に合掌。

そして、有難いことに周囲が開けている為に、いろいろな角度で一位を観察できます。
下部より見上げるのが最も「映える」アングルなのですが、上部からみると如何に枝が枝垂れているのかをかんじることができ、視点の違いが大切だと改めて感じます。

視界が開けている上に民家がすぐそこで、しっかりと明るい為にすっかりと忘れていましたが、ここは熊も出るはずの岐阜県の山中！
油断禁物、周囲に注意！

そう思って我に返ると、視線の先に視線を感じる・・・
むむ？！
大丈夫か？！

と思っているとがさがさと木々が震え、一瞬ドキッとしたものの正体はカモシカでした（汗）。
ビビってしまって写真を忘れてしまいましたが、彼らも岐阜県美濃地方以北ではよく見かける住人。

ごめんね、驚かせて。と私があいさつ。

存在に気が付かなかったのは、これのせいもあるのです。

大瀑布、ではないものの堤体から流れ落ちる水音で、ガサガサ音が聞こえなかったのでしょう。
もちろん、安心しきっていたことと一位に見とれていたのは言うまでもありませんが。

この滝の音が、鳥のさえずりや陽光で蒸散する森の香りと相まって、物凄く癒されます。
あ、もちろんしっかりと手入れされた直後で明るく、一層癒しに感じたのかもしれませんが、それらは人が関わっていることでもたらされるもの。
堤体の水もそう。人工物です。

そう思うのは、山深い巨樹での冷や汗（自分だけかもしれませんが）体験があるから。
自然はそんなに甘くないし、優しいばかりじゃない。
そう思います。

あ、脱線しましたがここは自然と人里の境、里山集落。
だからこそ、そのように感じたのだと思いますが、このような見事な姿にすぐ逢えるのはいつもながらに有難いと感じます。

はい、担当の長男命名の「ありんしゃん目線」で見上げた姿。
「蟻さん」が言えなかったころを思い出します。

本当の蟻さん目線だと、遥かに巨大なんだろうけどもこのアングルがやはりもっとも迫力を感じます。
幹分かれしていないことと、イチイとしては真円に近い樹幹。

それが斜面に立っている為に一層の迫力を感じる。

もし、周囲に人工林が広がっていたならば、人工林の主という感じであったかもしれません。

さて、そしたらいきますよ。
担当との巨さ比較、昌志メーター！

やっぱり写真では迫力でませんねぇ。
この場所からだとシダレ具合もいい感じなはずなんですけれども。

巨樹、というサイズと感じないかも知れませんが、材木屋としてイチイという樹種を考えた時、これほど大きくなるものはなかなか想像できません。
台湾一位では、幅1mの板材などを扱ったことがありますが、日本のイチイではなかなかそんなものお目にかかれません。

おっと、邪目線でしたがやはり材木屋としてはそう考えてしまいます。

さて、巡り合えたのは非常にうれしかったものの、やはり悔やまれるのは往路。
非常に大きんな時間ロスの上に、かなりデンジャラスな道のり。

本当に、皆さんはマップ機能とナビ機能を過信してはいけませんよ。
私など、まだ記事にしてはいないものの以前にも、マップ上の位置表示にだまされて遠方の巨樹を逃した経験がありますが、それでも今回の始末ですからね。

そんなことを考えながらの帰路。
目の前に、往路に入る以前の街道で追い越した車が停まっていました。
やっぱり、一方通行じゃなかった・・・・と、一層がっかり。

そんな気持ちをいやすべく、帰路は定番の某ハム工場直営店へ。
おかげで、いいお土産ができたものの更に体重増量確実になった、郡上訪問記でした。

平岩家のイチイ所在地

岐阜県郡上市明宝奥住

路上駐車になりますので、周辺の方の邪魔にならないように。

緯度：35.88211703
経度：137.05180073

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タグ：: 巨樹; 巨木; 所在地; 岐阜県郡上市; イチイ; 平岩家のイチイ

muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

2024年05月10日

2023年度の伐採丸太、皮むき会、開催　②

前回は前置きが長くなってしまいました。
しかし、それだけ愚直に森と木材に向かい合っている証拠！ということです。

さぁ、いよいよ丸太の皮むきです！

当日は、たくさんの手仕事に携わる大工さんが弊社に集い、様々な方法で皮を剥いていきます。
一般の方にとっては今どき、このような作業を経験することが無いというのは意外かもしれませんが、現在の大規模製材所などでは、機械が皮を剥いてくれる場合が多いことと、森に入り丸太から手にする材木屋さんや大工さんが殆どいないこともあり、大工さん自体も皮むきを経験したことが無い人が多い現実。

弊社では、15年ほど前までは必ず、一棟の建築に2～3本の丸太を使う大工さんがいたために、担当はかろうじて丸太やその皮むきを見て経験した世代です。

とはいえ、その時はこのような道具は見たことがありませんでした。
機械の皮むき機です。

実は、これが無いと地松の皮むきは至難の業なのです（汗）。

赤松、黒松などの地松は鬼皮と通称される、分厚い皮を持っています。
そのため、この機械が無ければ通常の皮むき作業では、文字通り歯が立ちません。

今回もこの機械に加え、斫り機の改良版機械を含めた人力で、少しづつ作業が進んでいきました。
機械があるとはいえ、地道に進める作業は想像以上に体力と時間を消費します。

しかし、この経験をすることで材に対する向き合い方もかわりますし、自身が選木して伐採したものへの大切な想いもうまれる上、それ以上に森の産物への生長の感謝と人の手で行うことの大変さを身をもって知る事ができます。

それは、「タイパ」が叫ばれる時代に逆行することですが、非常に大切な経験。

手で行う仕事は、大変な事やしんどいこと、そしてそれに対する価値や悦びなどを、時間をかけてゆっくりと教えてくれます。
丸太がなくとも、家は建ちます。

人の手を掛けずとも、地震に耐える家という名の「箱」はできるでしょう。

プレカット加工という、工場で骨組みが完成する時代。
工場加工の優れた点は数多くあるものの、人の手でしかできないことや見られない性質の利用、それ以上に手で行うことで得た技法や考え方は、機械では再現することはできません。

そういったことも、はじめから経験する機会が無ければ気付くことも無いかもしれません。

経験することで、四角い製材品のありがたさもわかることでしょうし、なにより皮とその下（虫が大好きなところ）がどのようになっているのかも理解できます。
機械で自動的に剥かれるのとはわけが違います。

森を育てる伐採と、人を育てる皮むき。

それは、飛騨の山が与えてくれるチャンス、なのです。
森をつないでいき、関わる人をつなぎ、大工さんの伝統技法をつなぐ。
そしてそれを使って建築してもらう人の想いもつないでいく。

大量利用の収奪ではない、遷移にかかわろうとするチャレンジ。
森とともに、少しづつ進む伐採とそれにかかわる人を育てる取り組み。

もちろん、上の写真の新しい仲間の馬搬による丸太とともに。

森に、少しだけ分けてもらう木材利用。
伐採の結果など、自分が知ることはできないかもしれない。でも、かかわることで何かを残せればと思います。
材木屋に今できること。
それが、森の遷移を目指す伐採。

かかわる人、もちろん授業を通じての生徒さんをも育て、伝統の建築様式を伝え、森にかかわる人との関係性をつなぎ、もしかすると森が少しでも多様な方向に向いてくれるかもしれないこと。

その出口の一つが、この丸太たち。

数年眠ってから、大阪で生きつづけることになります。
その第一歩。
手入れを済ませました！

見てくださいよ。
夜に輝く、この艶肌！

タグ：: 材木屋と愉快な仲間たちの伐採授業; 馬搬; 伐採; 丸太; ゴロンボ

muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

2024年05月07日

2023年度の伐採丸太、皮むき会、開催　①

今年も桜の季節が過ぎていきました。
早いもので、もう5月。

毎年、この季節の風物詩は鯉のぼりとこれ。

入荷は3月末（生憎雨模様）でしたが、手入れ時期がちょうどいま！

そう、丸太の皮むきです。
昨年12月に伐採して大阪に入荷した、飛騨の丸太たち。

皮をつけたままの丸太を放置しておくと、たちまちに虫さんがおいしい部分を食べに来ますし、梅雨時期に向かって湿気と温度が上がると、腐れの原因になるカビも生じます。
そのため、皮をはいでおきます。

皮自体には問題があるわけではなく、本来は樹木を守る鎧。
ポイントになるのは、その奥にある栄養素のある部分です。

そこを介して、木質部分にも食害が及ぶことがありますし、腐れまではいかずとも大きな変色になる場合もありますので、すぐに製材する場合を除くとこの作業は必須。

製材する丸太は、わざわざすべての皮を剥いてしまう必要はないのですが、弊社に入荷するものはこれから用途を決めるものばかり。
その上、通直で製材品として高価で流通する丸太を狙って伐採しているのではありません。

というより、どちらかというと曲がりの丸太の方が多くを占めています。

その理由は、今までの記事にもたくさんあるとおり、伐採の目的は収奪的利用ではなく「森の遷移を目指す頂きます」だから。
森に関わる中で、材木屋に出来ることは何か、と考えた時やはり、無駄なく利用する事。
そして、それを伝えつないでいくことなのです。

担当も弊社も、所有者でもなく森に入り施業したり保育したりすることはできません。
それは、いつも一緒の仲間が日々想いをもって活動しています。

だから弊社の山への関わり方は、人の関わる森の「遷移」が50年後や100年後に求められる姿であるように、今関わること。
伐採という方法で、遷移に関わる事なのです。

その方法の一つが赤松の伐採です。

成熟に向かう森の中で、100年を経た先駆種である赤松を伐らせてもらう。
少しづつ。

少しづつ。

そうすることで、赤松の作った土壌と環境に他の樹種が入ってくる。
もしかしたら、生産性の低い森になるかも知れない。
でも、生物や森の状態として人との良い意味での共生関係の持続する森になっていれば、それが目指す姿です。

伐採量を増やさねばならない花粉の元凶とされるスギの様に、乱伐（と敢えて言う）の時代にわざわざ人の手で一本ずつ伐る。
それも、学生に伐採方法や森の事、流通の事を教えながら、大工仕事や加工の事や建築材料の事までを見せて体験して学びの場をつくる。

大阪の、一零細企業がやる事ではないことをしています。

仲間がいるから。
もう何度も何年もお伝えしていますが、コロナ禍の後の初年度にもう一度。

仲間がいるから、また50年後につないでいこうとしています。
その活動の中の産物である丸太を、大事に手入れする第一段階である「丸太皮むき」を、ワークショップ形式で開催しました。

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muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

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