本物の無垢木材　～茨木市戸田材木店・セルバの木の虫ブログ～:2023年06月

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2023年06月

2023年06月26日

ひばあてあすなろ　2023追記～アスナロを柾目羽目板へ～　③

木材としては、ほぼ一般的には流通しづらいアスナロ。

限られた量にもかかわらず、羽目板にしたいと思ったのは、もちろん美しい姿を期待したからということと、ヒノキ科であり香気を有し水湿に耐えるであろうことから、お手洗いや洗面所、若しくは玄関周りの腰壁などへの用途を見据えたから。

期待通りの仕上がりです。
できるだけ多く活かすために、正柾目ではありません。
若干板目に近いところも含む、追柾目です。

しかし、それも豊かな表情になり、柾目だけではわかりにくい樹種の特徴を見ることができます。

こんなに美しいその材ですが、完全に無節ではありません。
下段の表情の違いにだけ異才していますが、一部分に小さな節や入皮、傷害樹脂痕を含みます。

正直に言うと、端のほうの一部に加工するまでわからなかった（表面に出ていなかった）虫の穿孔も含みます。
実は、製材ののちの検品作業で、この穿孔によって多くの部分を省くことになりました。
精油成分が多く含まれると思われえる樹種ですが、やはり辺材部分には虫害を受けます。

その部分を断腸の思いで省き、出来上がったのはわずか9㎡弱。

それも、幅寸法は105mmと150mmの混合、そして長さも1mと2mの混合になります。

羽目板の為、長さも伸びをみていることもあり長手の嵌め合わせの実加工をしていないことから、イメージ写真では2mものだけにしていますが、長さ混合。
そして、幅も数量が少ないことから150mmは掲載していません。
150mm幅は3㎡分しかないですし・・・

そんな中途半端な数量なので、普通に考えると商品として紹介するものではないのかもしれません。

しかし、この木目や色合い、そしてアスナロという木材を知ってほしいという気持ちだけで、羽目板を作ってしまうおバカな材木屋のことも楽しんでもらいたい、ということから製作していますので、特殊材なのです。

いや、正直に言えば自分が知りたかっただけ、なんですけれども。

過日に実物を見た大工さんのお一人は、非常に美しいといっていただき、反対に使う場所を選ぶ材だ、とおっしゃっていました。
「美しさは罪～・・・」
漫画パ〇リ〇のエンディング曲のように、ほかの材料との相性を選ぶ突出した存在感になりそうだ、ということでした。

まぁ、それもよし。
本当に特殊なんですから、何気なく使われるのは本懐にあらず。

担当がワクワクとした想いを共有できる人に使ってほしい。
そう思っています。

弊社では、針葉樹の柾目の定番アイテムとして百年杉柾があり、広葉樹でも清涼たも柾目フローリングがあります。
しかし、その両者とも異なる表情と色合いは、この9㎡分しか味わえません。

自分で最初からかかわってみたい、とおもっていたアスナロ材。
それが結実したアスナロ無垢一枚物追柾目羽目板。

自宅の土台に採用し、毎日の入浴タイムの楽しみにしているほどに好んでいる「ひば/ヒノキアスナロ」との大きな違いを実感することができた、非常に楽しい製品づくりになりました。

今回のシリーズの冒頭で、そんな違いを気にするのは担当の他に牧野博士くらいでは？！としましたが、本当にそうでした。
担当もすっかりと忘れていましたが、植物同定をするほどの博士ですから、やはりこの違いを見ておられたのでしょうかね。

ほら、Makino の文字。
記載されているのは、ヒノキアスナロのほうですけれども。

このようなことで嬉しがる材木屋、おかしいですよね。
でも、このようなことを気にしたり、知りたがる話したがる材木屋も、日本に居てもいいと思いませんか？
植物や樹木のこと、そしてそれらが木材になってからのことを知り語る材木屋。

植物は非常に多様で、樹木は多くの地域性の中で適応し生きています。
その違いはその土地を知ることであり、気候や特性を知ることにつながります。

豊かな植生を知ることができる日本で、様々な樹種にふれられるのですからその違いを知れば知るほどに楽しくなる。
そして、知っているからこそ活かしたくなる。

そんな材木屋が作った少量のスペシャル羽目板。
アスナロの備忘録もかねて、ここに紹介しておきます。

原木の残りがもう少し。
あとは小物用などに貯蔵しておくこととします（笑）。

アスナロ無垢一枚物追柾目羽目板貼りあがりイメージ

・アスナロ無垢一枚物追柾目羽目板以外の無垢フローリングの記事はこちらから
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ

アスナロ無垢一枚物追柾目羽目板（寸法表記はすべてmm単位）

・寸　　　　法　

12×105×2000/1000 （混合）と12×150×2000/1000 （混合）でおよそ合計9㎡分

・形　　　　状

一枚物

・エンドマッチなし

・品番と価格（表示価格全て税別表記です）

KA-183M　一枚物　無塗装　12×105（150）×2000/1000　ミックス　
￥17,000/（1.63㎡）

・運　　　　賃
別途、地域によりお問い合わせください。

・グレード　
ミックス　　　辺材と軽微な節や芯材、入皮や樹脂痕、1000mm長さと幅違いを含むミックスグレード

・納　　　　期
およそ9㎡のみの販売です

＊ご検討の前に弊社からのメッセージを必ずご覧ください。　

お問い合わせ・ショールームのご予約はこちらから

・表情の違い　参考

一部分の穿孔部

小節

入皮、樹脂痕

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・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から
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タグ：: アスナロ; ヒノキアスナロ; 木まぐれコラム; ひばあてあすなろ

muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

2023年06月23日

ひばあてあすなろ　2023追記～アスナロを柾目羽目板へ～ ②

どうしてこんなにも気になるのか・・・
それは、樹木にも多くの個性があり、その個性が土地ごとに異なり様々な表情や香りをみせてくれるから。

それは極端な話、同じ地域の街の木と山の木でもことなります。

先日の勉強会。
とある材木屋さんの親父さんがおっしゃっていました。

「昔はなぁ、人吉なんかでえぇのがあったから、買いにもいっとったんやけどなぁ・・・」

担当と同世代の材木屋さんでは、一部の銘木屋さんを除きこの意味を理解できる人はかなり少ないと思います。
弊社にもありました、人吉材。
担当よりも相当年配の銘木屋さんなら、よくお分かりだと思いますが、それほど木材にとっては産地や地域が非常に重要な情報だったということです。

おっと、今回はその話ではありません。
やはり脱線・・・

地域によってさまざまな表情を見せ、環境に適応して進化分化していく樹木。
そしてアスナロと、変種といわれるヒノキアスナロ。

両者の場合は、後者のほうが有名であり名称を「ひば」と称され、中日本以北にて賞用されています。
そちらはご存じの方も多いものの、本家（？！）アスナロは話のタネに「明日はヒノキになろう」といわれて話題にされるくらい（というか、この話でもひばの説明に用いられる）しか、出る幕はありません。

本当にそんなに違いがないのか。
同様と言われるほどのものなのか・・・
気になって仕方ありませんでした。

そんな時、アスナロの原木に出会うことができました。
これは、自分の手で製材して見てみたい！！と思い、即仕入れ！

そして、製材をしてみるとどうでしょう。

これを、同一樹種であり変種というだけの差だといえるのか、というほどにはっきりとした差がありました。
まずは色調。

ヒノキアスナロとは異なると思われる、はっきりとした黄赤～橙色。

黄色みを帯びることの多いヒノキアスナロ（ひば）とも、赤みの強いことの多いヒノキとも異なる色合いは、はっきりとその差を認識できます。

余談ですが、最低樹齢170年以上の優良木！
高樹齢木で年輪が細かく並んでいるものは、非常に性質も大人しく暴れが少ないこともあり、木材として優良であるとともに、やはり見た目に美しいと思いませんか？！

そして、はっきりとわかる特有の香り！
製材している途中も、若干油っぽいと感じるほどの香気を感じます。

これは、ヒノキアスナロである「ひば」とも全く異なるものであることは、明らかである違い。
たとえるなら、鼻を衝く焦げたビニール袋のよう・・・（笑）。
全然、良い例えじゃないなぁ（汗）。
決して臭いのではないんですよ。

でも、一瞬強いんです。
その後の樹脂感が、ビニールっぽい・・・
個人的な見解ですし、清々しさもあるんですよ！（フォロー）

実際に挽いた感じでは、材にはそれほど油をかんじないものの、香りからは非常に特殊な油感を感じるのです。
その香りは、揮発性が高いからなのか強いものの永くは続きません。
また、色合いも非常に日焼けが早いので、日光が当たると気が付かない間に変色してしまうようです。
ブラックチェリー並み、と形容したくなるほどに。

そんなアスナロ、当初より活用方法は決めていました。
この木目、追柾目に製材して羽目板にすれば美しいはず！！
その結果が、この姿です。

タグ：: ひばあてあすなろ; アスナロ; ヒノキアスナロ; 木まぐれコラム

muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

2023年06月20日

ひばあてあすなろ　2023追記～アスナロを柾目羽目板へ～　①

こんなこと、気にするのは私か牧野博士くらいではないだろうか（笑）。
いや、知人の中にも数人いるなぁ・・・

そんな冗談を言いたくなる、普通はどうでもよくなるお話なので、興味のある方以外は最後の羽目板のほうまで読み飛ばしてください。
以前に、「ひばあてあすなろ」という記事を公開しています。

樹木や木材を専門としないかたにとっては、なんのことやら・・・なのですが非常に面白いお話である、樹種の違いを長文で（汗）まとめた記事。
詳細は、その時の記事を見ていただきたいのですが、ほぼ同一のものと認識されがちな三種類の樹種について、「知らなくてもいい違い」について考察したものです。

そこで大切なのが、「アスナロ」です。

様々な地域の山で、同一種を観察されている方ならわかるかもしれませんが、木材として流通しているもの並びに、様々な書籍文献の中でも「アスナロ/ヒノキアスナロ」を詳細に分類して記載しているものは、担当の知る限りほとんどありません。

性質、外観、用途、香り、そのほか。

その理由は、ヒノキアスナロがアスナロの変種とされているから、でしょう。
いや、そこまで詳細にする必要がないから、なのかもしれませんが材木屋であり樹木も木材も好きな担当としては、その小さな違いが気になるところでした。

細かなことでいうと、ヒノキアスナロの中にも色味の異なるものや硬さの異なるものなどがあるのですが、それは口伝えのようにいわれるものの、アスナロについてはそのような話は聞いたことがありませんでした。
そこにはおそらく、木材の地域性の違いと、木材が樹木としての名称や素性との整合性をそれほど求めていないため、ではないかと邪推します。

米杉や米ヒバという言葉があるように。

木材の地域性というのは、広範囲に分布し有用で利用が続いてきたもの以外は、地域外に出ることもなく供給量も少ないために、注目されないという理由です。

担当の興味は、そんな地域性にもあるのです。
スギは屋久杉などのように、地域性が重要視される名木があることが知られていますよね
屋久杉が特殊なことは、屋久島という地域性が非常に大きく作用している。
ヒノキにとっての木曽桧もそうです。

土と天候、そして生育の環境。

それらが非常に重要に絡み合って生まれるのが、地域性。

また脱線しそうです。
話を戻すと、その地域性を無視できないのがアスナロ/ヒノキアスナロだと思うのです。

そして、その想いがはっきりとしたのが昨年に原木を入手し、自社で製材したときです。

＊写真は今回、仕入れの原木ではありません。

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muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

2023年06月17日

納まる、とはこのことか・・・　～挽板フローリングS2シリーズブラックウォールナットが似合う家～

しっくりくる。
若しくは、最初からこうだったような気がする。

それくらい自然に納まっていたように思います。

素材が大好きな担当にとっては、どうしてもインテリアよりも素材そのものがどのようなものか、ということが先に立ってしまう傾向があるのですが、今回は非常にインテリアにしっくりと納まるように、全体をまとめて施工されていた、非常に良い例でした。

ブラックウォールナットを希望されるお客様の中でも、ご自身の家のインテリアの隅までの統一感を考慮して選ばれる方は少ないのではないかと思います。

もちろん、考慮はされているはずですがそれよりも、ブラックウォールナットの特別な存在感や木目、そして特有の色合いのほうにがあこがれのウェイトとなっているのではないかと思います。

ことさら、今回のようにリフォームの場合は、既存の床やお部屋の印象に合わせて、というポイントがでてくるとおもうのですが、本当にそこを上手にまとめらていた例でした。

閑静な住宅街の中、立派な一戸建て住宅。
室内に入ると、さりげなくおしゃれな、それでいて華美ではない雰囲気がします。

そして今回採用してもらったリビングスペースには、元からこのブラックウォールナットのフローリングに合わせて使っておられたのだろうか、と思うようなソファなどの調度品があるのです。

そして、そこに新しいフローリングがあるのですが違和感がない。
新しくしました感がないのです。

もちろん、きれいになっているので新しいのですが、ピカピカ感もない。
挽板フローリングだから、木の質感による印象かもしれませんが、使い込まれたテーブルなどとも違和感がない。

こんなに自然なのかと思うほど。

その理由は、もちろん良い調度品をそろえていらっしゃる施主様のセンスもですが、そこにちゃんとこのブラックウォールナットを採用に持ってこられるデザイン力と提案力があるからでしょうね。
今回はもともとが普及品の合板フロアーであった（とは思えないけど）ところ。

その色合いと雰囲気に合わせて、というところから始まったご依頼でしたので、当初はブラックウォールナットは候補ではありませんでした。
そこをおそらく、全体のイメージと改修するイメージに合わせて選んでくださった。

インテリアデザインされるリノベを手掛ける、芦屋市のrises株式会社さま。

改修された入り口は、某メーカー製ですが壁クロスの柄や調度品とほどよくマッチングしています。
もちろん、フローリングとも。

今回は、無垢フローリングも視野に入れての当初のご提案でしたが、床暖房があることから挽板フローリングメインでの提案に切り替わり、その貼りあがりも UNI タイプよりも一枚物の貼りあがりになる挽板フローリングへ。

完成まで現場を拝見することがなかったのですが、出来上がってみるとここは断然挽板フローリングでしたね。
UNIタイプでは、ちょっと印象が変わっていたでしょう。

挽板フローリングS2シリーズは、長さが909mmと一般的なフローリングの半分です。

しかし、貼り上げるとその長さは全く意識されません。
というよりも、やはり一枚物という印象を受けるほうが強いのです。

しかし、この表情が見られたのは施主様とrises（株）様のおかげ。
撮影当日は、私が写真撮影に伺うということで、施工完了していたにもかかわらず荷物や家具を部屋の端に寄せてくださっていて、施工全体を撮影することができました。

リフォームやリノベーションの場合は、施工完了し養生をはがすとともにすぐ、生活が始まるので写真撮影のタイミングは、ほぼないといってもいいくらいです。
若しくは、撮影できても一部分や荷物だらけ、または養生を外してすぐの工事のほこりやちりが散乱した状態で、とても美しく撮影できない場合がほとんど。

それに比べて今回は違いました。

さぁ、どうぞ！的な感じで綺麗にしていただいている。
感謝感激。

大工さんもきれいに施工してもらっているうえに、きれいに掃除もされていて。
そんな中、気持ちよく撮影していたのですが、調度品を入れて撮影したり、おしゃれな既存のステンドグラスが入る角度などを探していると、お施主様のほうから「これ、あったほうがいい？」とか、「スタンドの電気つけたほうがいいかな？！」なんて言っていただいて、さらに雰囲気のある写真撮影ができました。

久しぶりの至れり尽くせりの贅沢な撮影でした。

長い工事で、施主様もお疲れだったろうと推察するものの、rises様ともとても良好な関係のようで、ご自慢のインテリア空間をすでに楽しんでいらっしゃるようでした。

素材好きな材木屋にとっては、ブラックウォールナットを喜んでいただくこともうれしいのですが、今回のように全体の雰囲気をまとめていただき、統一感のあるインテリア全体に満足されている中に納品させていただけたことが、非常にうれしく思います。

最後には、「私も撮りたい！」とrises様とアングルを共有。
「ここが一番、ステンドグラスも入っていい感じ！」なんていいながら、満足の撮影会が終了。

弊社を信頼して納品を任せていただき、ありがとうございました。
インテリア全体と使い勝手、そして素材までこだわっていただき、うれしい施工写真になりました。

さぁ、最後にお施主様ご協力のベストショットをお届けして、完成撮影会記事を終了したいと思います。

！！挽板フローリングの特徴とご注意事項！！

1.
挽板フローリングシリーズは、合板や積層板の表面に数mmの無垢材を貼り合わせた商品ですので、稀に接着材の成分が表面の挽板に変色となって表れる事があります。（特にオークは黄色変色部分が出ることがあります。）
2.
床暖房向けに使用可能ですが、主暖房とする使用方法や床材表面温度が高温になる場合は、フローリングのすき間の発生や床鳴り、反りを生じますので、使用環境には十分配慮下さい。
3.
オークは稀に、フローリングの周囲部分に黒色の変色が現れる場合がありますが、湿度と反応するなどして起る現象ですので、ご留意ください。
4.
挽板フローリングも日焼けをします。顕著な差のあるロックメープルの日焼けとブラックウォールナットとブラックチェリーの2カ月での変化の試験結果を各記事でご確認ください。
5.
チークは、ロットによっては含まれる成分が析出し、見る角度によっては表面が若干白っぽくくすんだように見える場合がありますが、樹種の特性ですので異常ではありません。（一部、樹種特有の研磨状態の差による見え方の違いも出ることがあります。）
チークフローリングについては、ネシアンチーク幅広無垢一枚物フローリングを選ぶにあたって知っていただきたいことも併せてご覧ください。

・挽板フローリング S1シリーズはこちらから
・挽板フローリング S1 シリーズバーチセレクショングレード、編込みのおうち施工写真はこちらから
・挽板フローリング S1 シリーズカスクオークセレクショングレード、無垢そのもののおうち施工写真はこちらから
・挽板フローリング S1シリーズバーチと S2シリーズカスクオークのセレクショングレード貼り分けのおうちはこちらから
・挽板フローリング S1シリーズバーチとカスクオークのシェア店舗の施工はこちらから
・挽板フローリング S1 シリーズカスクオークとバーチのシェアスペースはこちらから
・挽板フローリング S2シリーズはこちらから
・挽板フローリング S2シリーズブラックウォールナット、リビング施工例はこちらから
・挽板フローリング S2/S3シリーズロックメープル建築士さんデザインのおうちへの施工例はこちらから
・挽板フローリング S3シリーズはこちらから
・挽板フローリング S3シリーズカスクオークのちょこっとリフォームの施工例はこちらから
・挽板フローリング S3シリーズカスクオークセレクショングレード、整ったおうちはこちらから
・挽板フローリング S3シリーズミャンマーチークの贅沢なショールームはこちらから
・挽板フローリング S3シリーズ・S2シリーズオークブラッシュドはこちらから
・挽板フローリング S2シリーズオークブラッシュド、落ち着いたブラウン塗装のマンション施工はこちらから
・挽板フローリング S3シリーズカスクオーク、ネイキッドグレード150mm幅のリフォームはこちらから

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muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

2023年06月12日

日本三大桜！　三春滝桜との時間

ネタバラシ、といっても弊社の記事をご覧いただいている方にはそれに当たらないのですが、今回ご紹介する内容は、担当が連載記事を持つ木材仲買組合の組合誌の8月号に掲載される予定のものですから、ある意味ネタバラシなのです（笑）。

組合員さんは、おそらく弊社ブログを見ている方はないでしょうから、もう記事にしてしまいます。
その理由は、「巨樹はアツいうちに書け！」だからです。

年間、ある程度の巨樹をめぐっていると、その写真の整理は相当なもの（カメラとスマホの二刀流なうえに、ベストショットのために数を多く撮影するため・・・）で、現地の印象が鮮明なうちにお伝えしようと思うものの、なかなか手が付けられなかったり、若しくは寝かせすぎていつ紹介しようかと機会を逃す場合もたまにあり。

ということで、今回は懇親旅行に参加した先で、どうしても訪れなければ！！！と決意していた超有名な巨樹のお話です。

あぁ、ここまで松枯れがきているのか・・・

歓迎の言葉と地元のお話がバス車内に流れる中、車窓からずっと山を見ながら始まった福島県旅行。
巨樹巡りも出張も、基本的にはいつも単独である担当にとっては珍しいツアー旅行。
コロナ禍も明けはじめ、５年？ぶりの懇親旅行であり、その行き先が福島県。
しかも、いつかは訪れたい場所のうちの一つである、「アレ」の近くに宿泊するという予定を見てしまったときには、心は決まっていました。

ツアーの予定を確認すると、「アレ」（阪神の優勝ちゃいますよ！笑）に逢える時間は早朝のみ。
ツアー最中の巨樹巡りでのいつもの通り、早朝からタクシー作戦か・・・と考えていたところ、調べてみると宿泊先の組合にてレンタカーを宿まで配車、とある。

なんともありがたい！ということで早朝4時出発（！）の予約をし、向かった先は日本三大桜の一つであるここ。

早朝、4時45分に到着。
当たり前だけれど、誰もいません。

満開の時期には付近の高速道路の出口あたりまで渋滞し、「入場」までに2時間待ちという人気アトラクション並みの所要時間を要するという巨樹も、代名詞となる花がないこの時期には、鳥のさえずりと、たまにとどく走行中の車のタイヤの音だけが聞こえます。

サクラは、花を楽しむもの。
しかも、枝垂れ桜の巨樹日本一！ですから、本来はその時期の姿をお伝えしたいところですが、反対にその時期以外にわざわざこんな時間に訪れるという変態は、担当くらいだろうということですね。

解説板には、日本語以外に英語と中国語？も併記されています。
如何にグローバルな巨樹であるかがわかるものですね。

さて、この時期に訪れる一つの利点は、早朝から明るいこと！

担当のように、仕事で出張中であったり団体旅行中ということになれば、日中はほぼ仕事などで時間を費やすことはできません。
だからこの時期は、未明の3時半ころに起きだして現地に4時半ころ到着、という強行スケジュールを遂行することができる明るさが、大きな利点なのです。

だから、花はなくとも限られた時間で巨樹を堪能することができるということで、ある意味ではこの時期に訪れることができたのは、縁であり運命だったんだと考えるのです。

青葉だというのに、これほどの迫力。
いや、青葉だからなのかもしれませんが、その名の通りに滝の水が降り注ぐがごとくの枝垂れ方。

写真で予習をしているにもかかわらず、素晴らしい姿に見とれてしまいます。
この時期は、このような姿の場合は幹が見えないために、巨樹という情報をお伝えしにくいのですが、それ以上に貴重な名木である理由が納得できる姿です。

もちろん、あの柵の中に入り大きさ比べをできるのであれば、どれほどの体躯であるかをお伝えすることができ、巨樹であることを認識いただけるのですが、それはもちろん叶わぬこと。

どうにか正面よりズームアップしてみるものの、その巨躯は降り注ぐ枝たちに隠れていて撮影することは困難でした。

とはいえ、サクラのそれであることは見て取れることと、想像よりは幹のねじれが少ないと感じることと、大枝がしっかりと伸びているところから複数の枝垂れ枝をだしていることから、このような天蓋のようにも感じる枝垂れた姿を誇っているのだと知ることができました。

実は、これでも台風の影響で20本ほどの枝を失った、といいますから以前はどれほどの見事さだったのかと思うと、ため息が出ます。

幹や枝を撮影したい気持ちは、巨樹巡りをする人にとっては付きまとうものではないでしょうか。
そういう意味では、時期的には周囲の木道が整備されることがあるらしいものの、どうしても撮影アングルが限られるために、若干不完全燃焼は否めません。

まぁ、これだけのサクラを独り占めしている早朝だとおもえば、ありがたいのですけれども。

因みに、滝桜を見下ろす位置に掲示されている年表付きの案内板には、きちんと満開時の写真が掲載されています。
私のように、開花している時期に訪れることができない人に向けてのことなのでしょう。

有難い！
パソコン画面でみるよりも、現地で見比べるほうが想像できるというもの。
もちろん、想像の域をでないのですけれど、あるとないとでは大違い。

ここに有難く掲載させていただきます（笑）。

今回の訪問はツアー中の早朝、ホテルを抜け出して（？！）の単独行動であることをお伝えしましたが、一人では知りえなかった情報を得ることができたのは、ツアーには欠かせないバスガイドさんのおかげ。

蘊蓄好きな担当。
車窓から森を眺めながらに聞いていた時、滝桜のある三春町の名称の由来のお話になりました。

「三つの春と書いて、みはると読む三春町。モモ、ウメ、サクラの三つの春の花が咲くことから三春というようになったといいます」

というお話に、即効でメモ！
その真偽はどうであれ、その土地にまつわる言い伝えや伝承というのはその土地で聞くべきもの。
ネット情報などではなく、生きた言葉で想像を巡らせる愉しさは、やはり現地にきたからこそのこと。

こういうことは、一人旅では得られないものですから大きな収穫！
F交通のO川さん。
とってもお若い今時な女性ガイドさんでしたが、たくさんのお話とともに生き生きと案内してくれてありがとう。

O川さんはまた、福島ではシャキっと音がするほどの硬めのモモを食する文化がある、とも教えてくれました。
柔らかく甘いモモの好きな担当としては非常に意外でしたが、その話が頭によぎるような滝桜のさくらんぼを見つけることができたのは、やはりこの時期だからこそ。
もちろん、葉の形もそうです。

花の時期にはわからない、樹木木材好きには非常に大きな情報。
葉の付き方を眺めるにも、柵がありカメラ越しになってしまいますが、一つ一つがとても大切であり、二度とないであろう訪問を意識させます。

いろいろな想いを持って写真を撮影しているうちに、少しづつ朝日がまぶしくなってきました。
本来の花の時期には、見えている柵の周囲も木道になるようなのですが、この時期は近づくことができない。

それでも、遠くから逆行に輝く青葉の枝垂れは、目視では眩しくも神々しく美しい。

肌寒かった空気が、少しづつ温められていく。
季節の変化を、滝桜に知らせるように少しづつ柔らかな日差しが差し込んでいました。

美しい見どころのない、サクラ巨樹の記事となりましたが、担当にとってはとても印象深い訪問になったことと、新鮮なその印象をできるだけ早くタイムカプセルとなるこの記事に閉じ込めたく公開します。

三大桜制覇は、人生で達することができるかわかりませんが、花はなくとも当地で出逢えたことを想い出に、今後もいろいろな巨樹巡りをしたいと思った、早朝の福島県でした。

三春滝桜所在地

福島県田村郡三春町滝桜久保296

駐車場あり
開花の時期は、別途公開されている情報をもとに正しい訪問（道順や駐車場）を。

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2023年06月09日

高耐朽性針葉樹米ヒバを屋根に！　②

非常に緻密で木目も美しい輸入針葉樹、米ヒバ。

製材の挽肌すら美しい、時には銘木杉のような不思議な杢すら併せ持つ材は、魅力たっぷりです。
前回お伝えしましたが、ヒバという名称ですがヒノキに近い仲間ですので、スギのような木目という形容もおかしいのですけれど、要は高樹齢な針葉樹特有の木目だということです。

ただし、これがオイル塗装をすると一気に目立たなくなってしまうので、注意が必要。「
これは、担当の自宅での苦い経験です。
この木目が見たかったのに、べったりとオイルの黄色みがついてしまってがっかりしたものです。

そんな米ヒバですが、柔らかいイメージがつよい針葉樹の中では比較的しっかりとした木質感があり仕上がりも艶っぽくて美しいのも特徴です。
そんなこともあって、高耐朽な割には屋外使用よりも屋内化粧用としての用途が多いのかもしれません。

しかし、一つ気を付けないといけないのは、非常に加工はしやすく感じるものの、その刃物当たりからは想像できない（といっても自動加工機ですが・・・）ほど、「刃物が切れやむ」のです。
チークのように、刃物をいためる成分があるとされるものもありますが、米ヒバの場合はそんな成分が含まれるのか定かではないものの、大工さんは「綺麗やねんけど、切れやむねんなぁ・・・」といいます。

こんな具合に。

こうなるようなことを予測して、刃物を新誂したのにもかかわらず・・・
なかなか気むつかしいやつ。

全くその兆候のないところで逆目になるので、加工も気が抜けません。

ちなみに、現地ではこの米ヒバが発する強烈で特徴的な香りは、あまり良い印象はなかったそうです。
しかし、日本では似たような芳香を発する材があったため、抵抗が少なかったとされていますが、少なくとも大工さんの中には、「ひば」というとこの米ヒバを想像され、「あの臭い（くさい）やつか！俺、あかんねん・・・」、という声をたくさんきいてきました。

それほど、一時期に流通したものの影響はすごかったんでしょうね。

原産地では、香りの影響からか屋外利用が多くボートや測量ポールなどの用途があるそうです。

今回は屋外の中でもさらに目につきにくい屋根用途です。
お客様も、まさかそんなところにこんなに美しくて耐朽性の高い木材が使用されているとは思われないでしょう。

昔気質の材木屋としては、こんなに木目が細かい木材が扱えるのは本当にありがたいこと。
いつまでこのような良質材が扱えるかわかりませんが、あるうちに尊べ！で皆さんにお届けします。

良質材を、贅沢に目につかない場所に使用する。
そこまでお話をされていないだろうけども、目立たない良質材である米ヒバのことを、ここで取り上げておきます。

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タグ：: 木まぐれコラム; 米ヒバ; ひば

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2023年06月06日

高耐朽性針葉樹米ヒバを屋根に！　①

巷では、高耐朽な針葉樹といえば米杉（べいすぎ・以下レッドシダー）を思い浮かべることと思います。
不均一な色差が一部不評な時代もありましたが、それを反面デザインや無垢材の質感ととらえて、近年は色さが好まれています。

腐りにくいということで、ウッドデッキなどにも使用されます。
確かに、レッドシダーは屋外や雨がかり部分での使用にも耐えるとされていますが、担当は使用部位としては垂直面を推奨しています。
それは、非常に柔らかな素材の為、物理的な劣化（摩耗や水はけなど）が進みやすいと感じているからです。

では、水平面への針葉樹使用は何をおすすめするか。
もちろん、ヒノキでもよいとおもいます（スギでもいいですが、やはりやわらかいですね）が、ヒノキの場合でも一般流通している辺材部分が多いものだと、腐朽はとても早く進みます。
かといって、芯材部分を使用する場合は木材の性質上、無節に近いものになりやすいため、それなりのコストとなります。
そうならない場合もありますが、その場合は抜け節や欠け節、芯に近い部分ならではの反りや曲がりを考慮しなければならず、意外とむつかしい状況であるのは、意外とわかってもらえない部分です。

いつもそのようなことを説明した後に、ではどうするか・・・ということになるのですが、今回は迷わずこれをおすすめしました。

黄色い材色が特徴的な米ヒバ（べいひば）です。

建築や木材業界で長く活躍されている方だと、その名前を聞く機会は多かったかもしれません。

米材（アメリカ大陸材）が潤沢に流通していた当時は、米桧（べいひ）や米杉（べいすぎ）、米栂（べいつが・べいとが）はもちろん、米松のピーラーやカスケード材（木目のこまかな米松類）も含めて、使用頻度は多かったことでしょう。

特に、米桧とともに大径木から節がなく、木目も非常に美しい材が取れたため、社寺建築や和風建築などの化粧用材として流通していました。

担当の自宅の床にも米ヒバを採用しているのですが、木目が非常にきれいです。
塗装してしまうと、見えなくなるほどに・・・（汗）。

その名称に「ヒバ」の名前がありますが、日本のひば材とは全く異なります。

強烈といわれるほど特徴的な香りと、その黄色く見える材色から「ひばに似ている」ということで、米ヒバという流通名称があてられたようですが、正確にはヒノキ系の樹種になります。

それは、学名が Chamaecyparis nootkatensis ということからも明らか。
英名は、イエローシダーなので、黄色いスギなのか？！と思ってしまいますけれど・・・

とはいえ、日本のひばと同様にヒノキを凌ぐといわれるほどの耐朽性と耐蟻性などを有している、非常に有用な針葉樹。
その上に木目が美しい（木材業界でいうところの、目細材）ために、一般的な屋外用木材というよりは、室内装飾材や屋外使用だとしても化粧性を重視した場面に使われます。

弊社は古くから米桧や米ヒバも在庫をしていたこともあり、今でも米ヒバ材の板物の在庫を保有しています。
今回は、屋外使用であることと屋根に使用ということだったので、節が少なく良質な材ができる米ヒバを迷わず提案させてもらった経緯です。

タグ：: 米ヒバ; ひば; 屋外用使用の木材

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2023年06月03日

最近の子はアテも㎥（リュウーベー）もしらんからなぁ！

最近の子はアテも㎥（業界ではリュウーベーと発音）を知らんからなぁ！

先日、とある場面で年配の材木屋さんから耳にした言葉。
「その材、アテやろ！といってもわからない」というのです。

理解できます。
もう、一般建築材でアテを感じる場面は非常に少ない。
それくらい、乾燥と商品製造のレベルは顕著に上がっていますから。
見る機会が無ければわからないし、触れることが無ければ体験できない。

大工さんや設計士さんから、「材木屋さんが木の事を知らない」と言われる時代の、顕著な症状だと感じています。

が、冒頭の様におっしゃる年配の材木屋の皆さんも、そして大工さんや設計士さんも果たして、アテの事をきちんと説明できるかどうかというと、おこがましくも、そうではないでしょう。
単純に曲がりの部分やクセの強い部分を、そのように呼んでいる場面を多く見かけます。

写真の材はどうでしょう。

曲りがありますが、アテでしょうか。
木材の曲がりは、様々な要因がありアテの場合もあれば、乾燥収縮が要因の場合もありますし、製材による目切れや生長応力の解放によるものもあります。

樹種によっては、生長過程での光屈性によるものもあることは、材木屋さんには知られているでしょうか。
同じ業界人として、そのようなことを口にする方にはお会いしたことがありませんから、誤解の多いことと思います。
だって、担当も昔は間違っていたんだもの（汗）。

節の出方によって、山の（斜面の）方角がわかるというものや、切株で方角がわかるということと同じような理屈で、ちょっとした情報のボタンのかけ違いや伝え違い、異なる理屈を応用した思い込みが引き起こす誤解ですよね。

担当も、番頭さんから「この山は●●（方角）向きやな！」と、化粧柱の節の出方をみて教えられましたから、理屈ではなくそういった言葉の伝承が続いていたことが、勘違いにつながるのだと実感しています。

未だに、木材業界でも「夏目は夏に生長し、冬目は冬に生長するところですから云々・・・」と一般消費者向けの勉強会で説明されている場面に遭遇します。
字面では確かにそうですが、何が違うのか・・・

そのあたりも含めて、以前迄に木まぐれコラムで様々取り上げていますから、今までの記事も見てみてくださいね。

こんな材をみて、アテか乾燥曲がりか根杢かどうかや、製材するとどうなるかとか、どのように使えばいいか、なんて話ながらスタッフと木取りしているときは、本当に楽しいものです。
（とはいえ、商品にならない歩留まりの場合は汗が出るのですけど・・・・）

今回、冒頭に合わせて以前のアテに関する記事を加筆修正していますので、詳細はそちらから。
頭で理解する為には、理路整然と理解したくなるものですが、樹木や木材に必ずすべてがそうである、ということはあてはめられませんし、時代が進むとともに新しい情報に修正されていきますから、弊社の情報もまた間違い知識になるかも知れません。

そこも、自然素材や自然環境に生きる樹木の面白いところでもあるのですけれど・・・

下のリンクは、材木屋としての実感と理屈を組み合わせた、今までのアテの記事を紹介していますので、ちょっと長文ですがご一読いただければ！

そうだ、冒頭の㎥のお話は、また次の機会に！

アテに関する過去の木まぐれコラム

・陽疾（あて）の話
・ビブリオ通信から続く、久しぶりに「陽疾（アテ）」のお話 ①

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