2023年02月24日
閑話休題 辺材（白太）のこと ��
担当は、自身のことを「古いタイプの材木屋さん」だと思っています。
考え方が、です。
木材になる樹木の産地のことにしろ、樹種の利用方法にしろ、そして今回のテーマである辺材のことにしろ。
それは、木材を利用する上での基礎知識であるものの、時には自由な考え方を阻害する要因にもなります。
こうだから使えない、この用途にはダメ。
そういった固定観念に陥ってしまいます。
そういう意味でいうと、現在は考え方が自由な時代。
芯材か辺材かにこだわらず、「美しい」や「面白い」などほかの素材にはない感覚が評価される場合もありますし、ネット社会では「バズる」ということも一つの考え方なのかもしれません。
さて、辺材利用の最後になる適材適所利用は、「腐ること」です。
いや、きれいな言葉でいいましょう、「朽ちること」です。
写真は、弊社で長期間「リンギ」と呼ばれる「敷板」がわりに使われていた角材をカットしたものです。
土の上に置かれ、その上には大切な材料をリフトで救い上げることができるように、リフトの爪の隙間分を確保できる厚みが必要な部材。
数年間、敷きっぱなしも少なくありません。
雨も湿気も、さらされっぱなしです。
写真はヒノキですが、ひび割れて色が変わっている部分がわかりますね？
この部分は辺材で、すでに腐朽菌により朽ちきっています。
形状を維持していますが、もうボロボロ。
少し手で触っただけで、こうなるほど。
取れてしまった部分は、先の写真で割れていた部分。
すっぽりそのまま取れてしまいます。
ボソボソになっていますが、たいして残っている部分は芯材部分。
写真で分かるように、年輪に沿ってしっかりと辺材部分までで普及の進行が止まっていることがわかります。
誤解してもらいたくないのは、この状態は、決して芯材は腐らないということを意図していないということです。
辺材が普及しやすい、という意図の写真です。
それにしても、くっきりと芯材と辺材によって腐朽の進行度合いが分かれているためにサンプルとしているもの。
建築そのほかの場合は、腐朽は欠点と考えますが実は、それも考え方によっては用途を見つけることができます。
それは仮設。
コンクリートなどの枠や仮設土台などの一部で、施工後は取り外しができない場合があります。
その時、辺材を使っていれば次第に朽ちていき仮設の役目を終えてくれます。
また、一部建築材料によっては、樹脂分をもつ木材との相性が悪いものがあります。
金属製品でも、鉄は樹種によっては木材の成分と反応し、茶褐色や黒色の灰汁を生じる場合があります。
そんな場面でも、辺材であればその析出を最小限にすることができます。
この場合は、辺材本体も化粧部材として使用する場面を想定していますが、木材に含まれる部分を少しでも有効に活用しようと考えた場合のお話。
人工物では朽ちることはなくとも、自然に還ることも（ほぼ）ない。
最小限のスペースで、と思っていた辺材シリーズ。
冒頭で語った、産地などへの固定観念も本当は適材適所や産地の特性を理解して利用するためのもの。
とても大切で、それがあるからこそ見えてくる辺材のこと。
大きく両方を知ってほしい。そういうことですね。
また長くなってしまいましたが、想いを出し切ったシリーズとなりました。
・弊社へのお問い合わせはこちらから
・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ
＊2019年以前のリンク表示をクリックしても過去リンク記事が見られない場合は、こちらの手順でお願いをいたします。
＊消費税10％への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。（ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。）
木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。
・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧
http://muku-mokuzai.livedoor.biz/archives/1611916.html
・戸田材木店・セルバのホームページ
http://selva-mukumokuzai.jp
考え方が、です。
木材になる樹木の産地のことにしろ、樹種の利用方法にしろ、そして今回のテーマである辺材のことにしろ。
それは、木材を利用する上での基礎知識であるものの、時には自由な考え方を阻害する要因にもなります。
こうだから使えない、この用途にはダメ。
そういった固定観念に陥ってしまいます。
そういう意味でいうと、現在は考え方が自由な時代。
芯材か辺材かにこだわらず、「美しい」や「面白い」などほかの素材にはない感覚が評価される場合もありますし、ネット社会では「バズる」ということも一つの考え方なのかもしれません。
さて、辺材利用の最後になる適材適所利用は、「腐ること」です。
いや、きれいな言葉でいいましょう、「朽ちること」です。
写真は、弊社で長期間「リンギ」と呼ばれる「敷板」がわりに使われていた角材をカットしたものです。
土の上に置かれ、その上には大切な材料をリフトで救い上げることができるように、リフトの爪の隙間分を確保できる厚みが必要な部材。
数年間、敷きっぱなしも少なくありません。
雨も湿気も、さらされっぱなしです。
写真はヒノキですが、ひび割れて色が変わっている部分がわかりますね？
この部分は辺材で、すでに腐朽菌により朽ちきっています。
形状を維持していますが、もうボロボロ。
少し手で触っただけで、こうなるほど。
取れてしまった部分は、先の写真で割れていた部分。
すっぽりそのまま取れてしまいます。
ボソボソになっていますが、たいして残っている部分は芯材部分。
写真で分かるように、年輪に沿ってしっかりと辺材部分までで普及の進行が止まっていることがわかります。
誤解してもらいたくないのは、この状態は、決して芯材は腐らないということを意図していないということです。
辺材が普及しやすい、という意図の写真です。
それにしても、くっきりと芯材と辺材によって腐朽の進行度合いが分かれているためにサンプルとしているもの。
建築そのほかの場合は、腐朽は欠点と考えますが実は、それも考え方によっては用途を見つけることができます。
それは仮設。
コンクリートなどの枠や仮設土台などの一部で、施工後は取り外しができない場合があります。
その時、辺材を使っていれば次第に朽ちていき仮設の役目を終えてくれます。
また、一部建築材料によっては、樹脂分をもつ木材との相性が悪いものがあります。
金属製品でも、鉄は樹種によっては木材の成分と反応し、茶褐色や黒色の灰汁を生じる場合があります。
そんな場面でも、辺材であればその析出を最小限にすることができます。
この場合は、辺材本体も化粧部材として使用する場面を想定していますが、木材に含まれる部分を少しでも有効に活用しようと考えた場合のお話。
人工物では朽ちることはなくとも、自然に還ることも（ほぼ）ない。
最小限のスペースで、と思っていた辺材シリーズ。
冒頭で語った、産地などへの固定観念も本当は適材適所や産地の特性を理解して利用するためのもの。
とても大切で、それがあるからこそ見えてくる辺材のこと。
大きく両方を知ってほしい。そういうことですね。
また長くなってしまいましたが、想いを出し切ったシリーズとなりました。
・弊社へのお問い合わせはこちらから
・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ
＊2019年以前のリンク表示をクリックしても過去リンク記事が見られない場合は、こちらの手順でお願いをいたします。
＊消費税10％への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。（ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。）
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