本物の無垢木材　～茨木市戸田材木店・セルバの木の虫ブログ～:2021年12月

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2021年12月

2021年12月30日

今年もありがとうございました。

多くの皆様は、既にお正月休暇に入っておられることと思います。
お正月もお仕事の皆様、お疲れ様です。

本年も、滞りなく運営でき喜んでいただける木の製品をお届けすることが出来ました。
拙記事は楽しんでいただけましたでしょうか。

木の事をはじめ、無垢フローリングの施工記事や巨樹巨木のことまで、いろいろとお伝えできたかな、と思います。
昨日で通常営業は終了しました。
しめ縄を飾り、新年を迎える準備もできました。

もちろん、時間がなくてご紹介できていないこともたくさんありますし、宿題をのこして冬休み？！というところもあるのですが、来年にはしっかりとご紹介していきたいと思います。

日本の広葉樹シリーズのうち、クリの土台は紹介することができましたが結局、新シリーズのフローリングは出来上がりの写真を掲載したものの、正式に紹介できずじまいでした。
その樹種を、ここで一足お先に紹介しておきたいと思います。

日本でただ一つの、日本の広葉樹無垢一枚物フローリング。
その樹種は「キハダ」。
いい出来になっています。
ほれぼれの色合いと木目。

是非、紹介の記事をご期待くださいね！

弊社の通常営業は1/7からとなります。

来る年もどうぞ、よろしくお願い致します。

・弊社へのお問い合わせはこちらから
・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ

＊2019年以前のリンク表示をクリックしても過去リンク記事が見られない場合は、こちらの手順でお願いをいたします。
＊消費税10％への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。（ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。）

木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧　
http://muku-mokuzai.livedoor.biz/archives/1611916.html

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http://selva-mukumokuzai.jp

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muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

2021年12月27日

専門職の認識を、当たり前にしないこと

今年もあと数日となりました。
年度は替わりませんが、一年のことを考えるにはお休みに入りますしこの時期が一番頭を整理出来る時。
今年はどんなだったかを想像してみると、やはり物事進めにくい年（材料不足もあり）であったことと、まだまだ課題があることが見えた年でした。

課題のうちの一つが、業界の習慣について。

もともと私自身でもおかしいと思うようなところがあった業界ですが、年末になって今でもその傾向が残っている場面にあいました。

「材を化粧して見せる」ということも一つ。
一昔前は、市場で売られる材の多くは節ありのものなのに、節が無くきれいなものがありました。
価格は節のあるものと同じ。
それなら、節が無いものの方がきれいだし高級材だから得をした！という気分になる。
しかし実際、梱包されているものをほどいてみると、内部からは節だらけの材が出てくる・・・という当然のオチなのですが、こんな感じで外側だけきれいに見せておくことは当然でした。

だからこそ、きちんと材を見なければいけなかったわけですが、プロ同士だから通用する話。それでもあんまりよいこととは思いませんでした。
それとは別に、今回は梱包をほどくと傷だらけの材が出てきたことがありました。

節有材には、原木時の傷や丸身が残っていることがあります。
素材自体がそのまま見える使い方ではない為に、使用に支障がない様なものは含まれていたりします。
しかし、今回は傷だらけ。
強度にも多少影響しますが、それ以前にあまりにも傷が多いものは、お客様にとっては「傷物」というイメージになってしまう。
外から見えればまだしも、ご丁寧に見えないようになっていた。

そんなことがあるから、私はフローリングでもなんでも、検品をしたり中身を見てみないと信じられない疑心暗鬼タイプになってしまったのかもしれません。

そしてもう一つ。
同じく一等材においてのアテや虫食い。

これも程度などによりますが、含まれているものもあります。
しかし、見た目の印象で酷いと思われるほどの物や、一般消費者が見た時に「これは大丈夫なのか？！」と疑問をいだくような状態の物は、取り除かれるべきだと思っています。

それが今回、仕入れたものに多く含まれていました。

出来るだけ材を活かすことは当然なのですが、心配になるようなものは問題なくても事前に説明をする事が必要。
私もお伝えしていたものの、その程度がお客様の想像を超えていて、私も全て検品できていなくて。

ただ、きちんと今回の使用には問題ないことを伝えると、すぐに納得いただけたのですが説明至らずと検品不足を後悔。
もちろん、私が想定以上の程度のものが入っていたからなのですが、やはり「これくらいは・・・」という業界の習慣が出た結果だと思います。

今回はいい気付きを頂いたと思っています。
大分改善されてきた業界の風習で、油断していたところでした。
指摘を受け止めて、来年度もさらに良い木材をお届けできる材木屋であるために、心新たにする年末でした。

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2021年12月23日

女夫（めおと）の先には悟りの仙人　～大山白山神社の大スギ～

ここ数年で、「一カ月が過ぎるのが早い！」と如実に実感する時の一つに、担当が毎月業界紙に寄稿している「材木屋の巨樹木甦」があります。
掲載紙は毎月の月初に届くのですけど、その原稿の締め切りは当然前の月の中旬より早め。タイミングとしては、掲載紙が届く頃には次の紙面用の原稿が出来かけているような状態になるので、原稿素人の担当には意外とタイトなのです。

原稿を仕上げること自体は楽しいですし、締め切りを意識するなんて、少年誌を呼んでいたころに「編集者さんから締め切りを迫られ・・・」みたいな状況が書かれている場面を想像し、漫画家さんや作家さんて大変なんだな・・・と思っていたところに近づいたような気になり、ちょっと背伸びしているような気分。

さて、そんな状況なので巨樹木甦の原稿を担当させて頂いているのは幸せなのですが、どうしても紙面の関係で記載したい内容を削ったり、2色印刷の様な紙面の写真（1枚掲載）では伝えきれないことなどがあり、近ごろはその補足的なことも兼ねて拙ブログでも同じタイミングで同じ巨樹を紹介するようにしている月があります。
今回もその一つ。
しかし、補足ではありません。巨樹木甦ではお伝えしていない続編？です。

先月、当記事でも紹介した大山白山神社の女夫杉（めおとすぎ）。
その特殊な姿を覚えていらっしゃいますか？
今回は、その女夫杉の奥にある大杉についてです。

女夫杉のある駐車場のはずれから戻ってきて、長い階段が見える鳥居の前。
ここから社殿を目指して登っていきます。

途中、「快晴日に振り向けば名古屋市が望めます」という立て看板がありますが、当日は見えず。
それよりも、長く続く階段に足が重く・・・汗

境内の巨樹のはずなのに、どうしてこうも勾配がきつく階段が長いのか・・・
思ったほどの巨さではないのでは？！
そう思いながら歩を進めると、社殿にたどり着きました。
しかし、ここからが大杉の舞台です。

本殿からさらに上部、奥の院へと続く石段があります。
先ほどまでとは趣が全く異なり、白川町指定有形文化財に指定されている薄い割石をつんだような階段は、なんと、大阪府は泉南市の石工の手によるものとのこと。

意外なところで、大阪府との繋がりを感じる事ができて、若干いい気分。
しかし、見た目はよろしいものの登るには非常に困難なので、併設の通常の石段を行くことにします。
左右に広がる林も見事なもので、中には掲載したくなるほどの巨さのものもちらほら。

それらを後回しにしてみつけた大杉は、神木とされるだけあって迫力のあるものでした。

他の樹木が非常に小さく見えるその姿。
国指定の天然記念物の大山の大スギです。

威厳をもって空間を占有している姿は、しばし眺めていたくなる迫力です。
先に数字の話で恐縮ですが、現地の解説板によると樹齢およそ700年。
古い看板には1200年、とありますがそれくらいであってもいいのでは？と思ってしまうほど立ち姿は見事です。

かの伊勢湾台風においても、周囲の巨木が倒れながらも倒壊をまぬがれたとのことで、いよいよ神木としての存在価値が大きくなっていると思われます。
（とはいえ、万一この立地で倒壊するとなると、どのようなことになるのかを一瞬考えると怖ろしくなりましたが・・・）

雪の影響と強風の影響。
双方を相当うけているのでしょうか。
大きな枝は、ウラスギのそれよろしく立ち上がっていて、頂部に枝が集中しています。
そのおかげで、威風堂々とした姿を離れていてもしっかりと眺める事ができ、一層の迫力を感じさせます。

どのアングルから撮影しようかと迷うほど、じっくりと眺めたくなる大スギ。
先ずは、私の大好きな巨樹アングルの一つである、斜面を利用して見上げてみたくなりました。

大スギの下方に立ち仰ぎ見るようになると、押しつぶされそうな質量と言うか存在感に圧倒されます。
視覚効果も大きいのですが、斜面に立つスギらしく張りだした株周りと曲がりくねった大枝は、写真からでも迫力を感じられるかと思います。

私の視覚的には、非常に巨さを感じるのですが実際は目通り8.9mということなので、クスやイチョウなどの巨樹に比すると通常サイズ、という感じ。
実際は、その数値を事前にインプットしていたために期待はしていませんでした。

しかし、その先入観があったからこそ余計に、出逢ったときの感激が大きかったのも事実なので、いい意味で期待を裏切ってくれました。

枝を見ると、元気に成長！というよりもむしろ壮年期なのかというイメージが持たれます。
それが、エネルギッシュな若々しさではない風格を醸し出しているのでしょう。

途中で折れたり枯れたりした枝がシルバーグレーになっている部分など、神木にふさわしい佇まい。

見る角度によっても、日光によっても印象は変わるのですが是非、遠近双方少しづつ回りながら見て頂きたいのです。
巨樹の中には、一方向の巨さが傑出している所謂「扁平」なものも多くあります。

数百年を経て生き抜くわけですから、木材として利用する理想形のような円形にはならないのは当然。
しかし、樹木って円いものだと思っていませんか？

だから、多くの巨樹はいろいろとみているうちにベストアングルが見えてきます。

この大スギは、木立にありながらも樹幹が開けていることと奥の院への階段があるために、周囲の樹木の距離以上に区画された広さがあるので、太陽が雲に隠れた時と顔を出したときだけでも、印象ががらりと変わり嬉しくも苦戦するアングル探し。

しかし、それも幸福な時間。
海抜862mという比較的高地にあることと、非常に広大な駐車場を要するものの平日の参拝（巨樹目当てですけど・・・）は私一人ですので、静けさと澄んだ空気と青空を大スギとともにゆっくり共有できました。

因みに、大スギとの出会いの感動が落ち着いたら奥の院へ参拝しましょう。
奥の院社殿奥に回ると、美しい山々が連なる景色を見る事ができます。

完全に澄んでいる、という状況ではなかったものの美しい稜線は、その上を簡単に歩いていけるのではないかという錯覚を感じるほどに美しいものでした。

展望台の様になっていたことを考えると、やはりこの景色を求めて奥の院まで上がる人も多いのでしょう。
方角など確認することを失念しましたが、もしかするとご来光を拝めるのかも・・・と思ったりしていましたがいかがなものか・・・

予想以上に素晴らしい大スギとその立地でした。

そして、女夫杉では叶わなかった巨さ比較の時間です。

立派な大スギに近づける幸せ。
私がちっぽけなことがよくわかります。

単純なスケールだけでいえば、巨大杉は他にも多く存在します。
しかし、地上から少し離れた場所、見下ろすような場所に位置することや、大木を含めた森林に囲まれた環境と広大な境内が、大スギをとても貴重な存在に感じさせるようです。

大スギの周りにはこんな杉たちも・・・

大スギの周りを、いったい何周したのかわかりません。
カメラ越しと肉眼と、近づいたり遠のいたり、触ってみたり仰ぎ見たり。

神聖な空間で、大スギと私だけが感じられる時間を過ごしているような気になりました。

もし来年のいい夫婦の日に、ご夫婦で出かけられるならば女夫杉もいいですが是非、頑張って石段をもぼって大スギに逢って下さい。
見あげる存在に、きっと心洗われることと思います。

大山の大スギ所在地

岐阜県加茂郡白川町水戸野1097-7
大山白山神社駐車場より鳥居をくぐり、本殿を抜け奥の院への石段途中にあります。

広い駐車場があります

タグ：: 巨樹; 巨木; 材木屋の巨樹木甦; 杉; 岐阜県; 大山の大スギ

muku_mokuzai at 13:30│コメント(0)

2021年12月19日

情熱溢れる大工さんの、無垢材溢れる手づくりの家　③ メープルの階段と全体像まとめ

素材そのものだけではなく、造り込みやこだわりの考え方などまで想像しながら建築を見てみると、改めて気づくことや流石だなぁと感心することが多くて、楽しいものの時間ばかりが過ぎていく・・・

見学当日は、無理を言って私の到着に合わせて大工さんも現場にいてくださっていたので、最終の細かなお仕事や調整をされていたとはいえ、私を待ってくださっているのではなかろうか・・・と気になることもありながらも、時間によって変わっていく色合いや雰囲気、それからいろんなところを細かく見ていきたくなる気持ちから、すっかり夜になってしまい非常に申し訳なく・・・

でも、そのおかげでゆっくりと施工の事などを聞くことが出来ました。
その中の一つが、前回に記載していたフローリングの割り付け。きちんと考えられていたことが分かりました。

しかしながらもったいないことに（？！）、その思慮深い建築と大工仕事への想いは目に見えにくいのです。
上の写真を含む窓の周囲もそう。
窓枠が普通についています（もちろん無垢材）が、実は普通じゃない厚みの無垢材を使っているのだとか・・・
それだけでも語りだすと長くなります。
見えないところなのに・・・

つまりは、聞かなければわからない部分が多いということ。
因みに、おうちの中は柱などの構造材が見えない大壁造りですが、大黒柱のみはしっかりと見えるようになっていますし、本来の大黒柱の役割を果たす位置に立っています。

ヒノキの無垢の大黒柱、180mm角。
一般的な柱が105mm角ですから、どれくらい大きいか。
いや、ここでいうべきは太さではないのですよ。こだわりなのです。
もちろん、鉋で仕上げられている美しさはあるのですが、見えない部分である２階より上部がポイントです。

ワンポイントで3mの柱を大黒柱の様に見せている場合もあるものの、こちらの大黒柱はなんと8m！！
2階の更に上、つまり屋根をそのまま支える柱となっているのです！！
住宅の通り柱は通常6m。
桁という構造部材につながっているのですが、ここの大黒柱は屋根まで一本の無垢材が通っていて、家全体を支えているのです。

それも、建築後は見えないのに・・・
大工さんの、大黒柱とおうちへのこだわりで、しっかりとその役目を果たすには8mで屋根まで通さねば！ということで、超長い大黒柱のご注文をいただきました。

本当に見えないことがもったいなくて仕方ない。お施主様は御存じなんだろうか・・・

もう一つ、部材へのこだわりは階段！

写真では全く分かりません（汗）。

しかしこの階段、全て無垢一枚物なんです。
側板、蹴込という部材に至るまで。もちろん廻り階段も無垢材を幅はぎ加工した、弊社OPCボードの特注版を使ってもらっています。

この階段は、私の想いも少し入っているんです。
フローリングを楓にすると決めて頂いた時から、それなら階段も楓の無垢材で！という私の勝手なこだわりと、ちょうど階段を無垢材でと考えてらっしゃったことが合致し、完全無垢一枚物の階段を作ることになりました。
4m弱の長さになる側板まで無垢一枚物にするために、樹種はメープルを用いましたが貼りものでもなんでもなく一本物！

階段は、無垢材で作るのが簡単そうですが思うほど簡単ではなく費用もかかるもの。
それに、蹴込や側板は無垢材かどうかなどは施工してしまうとほぼ分かりません。
それを贅沢に無垢一本物で・・・

これもお施主さんには知っておいてほしい。自慢してほしい・・・
他のおうちにはなかなかないことだから。
他にも、ウソみたいにきれいに仕上げられたカエデのキッチンカウンター、もちろん無垢一枚板、というのもあるんですけどね・・・

見えないところに手間をかけたり材料費をかけることは、自己満足と言われたり不必要と言われることがあります。
私がそういわれてきたので分かります。
でも、見えないからこそこだわる。
住まいは、物でも商品でもないのだから。
出来ることを精いっぱい、こだわりを持ってすすめる矜持。

壁の垂直角度の「通り」一つとっても、そしてその隅部分のでっぱりの処理にしてもそうです。
壁紙を貼れば見えない上に、相当な職人さんでないとそんなところ気にしないと思うところすら、こだわって造られている。
見学中に、あたたかな雰囲気なのにすごくシャープな印象もあるのは何故だろう・・・と思っていた理由がこれだったのです。

デザインやアピールポイントの為の装飾ではなく、言われなければわからない部分がはるかに違う。
しかしながら、コストも考えつつ・・・

非常に悩ましいところが多くあったはずですが、高次元でのバランスを目指されているスタディーモデルのようで、今回依頼されたお施主様はお幸せだと思います。

そんなこだわりと想いの詰まった建築を、京都を中心にすすめていらっしゃるのは良工務店さん。
木材と仕事内容にこだわり、現在では少なくなっている手刻みでの建築ができ、鉋がけも得意でしかも、長身のイケメンという非の打ちどころのない大工さんが経営されています。

仕事もルックスも良く、仕事に対しての姿勢や考え方も素晴らしい大工さんですから、納品させてもらう立場としても材を大切にしてもらえますし、とてもやりがいを感じます。
大きく広告をすることはしておられませんが、たくさんの仕事をこなすのではなく確実に大工仕事の矜持とともに向き合っておられる工務店さんですから、もし、京都で真剣に木のおうちの建築やリフォームリノベーションをお考えの方は一度ご連絡を！

当方でもおつなぎしますので、是非面談してみてください。
住まい手に向き合いながら、手仕事をしてくれる貴重な大工工務店さんです。

さて、最後に私のお気に入りの一枚を掲載して締めくくりたいと思います。

・板屋楓（いたやかえで・ペインテッドメープル）幅広無垢一枚物フローリングはこちらから
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・板屋楓（いたやかえで・ペインテッドメープル）幅広無垢一枚物フローリング130幅プルミエグレード施工写真はこちらから
・板屋楓（いたやかえで・ペインテッドメープル）幅広無垢一枚物フローリング130幅セレクショングレード施工写真はこちらから
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・板屋楓（いたやかえで・ペインテッドメープル）幅広無垢一枚物フローリング90幅セレクショングレード、フリースタイルなおうちの施工写真はこちらから
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・板屋楓（いたやかえで・ペインテッドメープル）幅広無垢一枚物フローリング110幅床暖房向けプルミエグレード、旧家のメインに！の施工写真はこちらから

＊板屋楓は、一部寸法とグレードで欠品が続いています。在庫も少なくなっていますので、一部入荷の予定がたっていない商品もありますのでご注意ください。

・高耐朽！屋外木製デッキ材日本の栗（くり）を紹介した木まぐれコラムシリーズはこちらから
・高耐朽！屋外木製デッキ材日本の栗（くり）木目の見えるホワイト塗装の施工例はこちらから
・高耐朽！屋外木製デッキ材日本の栗（くり）長尺デッキ用材納品例はこちらから
・日本の栗（クリ）木製デッキ材、加工中の記事はこちらから

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タグ：: 板屋楓（ペインテッドメープル）; カエデ; メープル; 無垢フローリング; 無垢フローリング選び; 一枚物; オイル塗装; 幅広

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2021年12月16日

情熱溢れる大工さんの、無垢材溢れる手づくりの家　② 板屋楓（ペインテッドメープル）幅広無垢一枚物フローリング編

室内に入る前から、木の質感を活かして頂いている仕事ぶりを拝見し、ワクワクとして入らせていただいた室内。
縁の下の力持ち的に隠れてしまっている地松に対して、室内にてしっかりと見える形で使ってもらっている無垢材が楓（カエデ）です。

使ってもらっているのは、楓の幅広130mm幅の一枚物フローリングのオイル塗装。
暖色系のダウンライトによって、ほんのり柔らかな色合いになっているように感じます。

白っぽい部分、黒っぽい筋のある部分、赤茶色い芯材が多い部分安くない部分などと、様々な表情が見られます。
もちろん、節もありますし節のパテ埋めもあります。

楓のイメージといえば、白をイメージされる方もいるかもしれません。
確かに、白い部分もありますがむしろそんな部分は少なくて、今回の様に多彩な色のついた部分が多くあります。

そうだ、変色がある部分も含まれます。
白っぽい色合いの樹種は、どうしても原木の状態でも原板の状態でも、菌の影響を受けやすいからです。
そんな様々な表情があるのも楓ですが、セレクショングレードやプルミエグレードでは、表情の差はわずか。
それはそういうグレーディングをし、仕分けをしているからです。

ある意味、その時の原木によってどんな表情が含まれているか分からないところなのですが、今回は今までにも使ってもらっていて、ネイキッドグレードがどのようなものかを御存じの上で、「楓の一枚物を使いたい！」と言っていただいたことで、大きなおうちの隅々まで（2階もすべて）貼りこんでいただくことが出来ました。

きちっと3尺ズラシで貼っていただいていますが、実はこの貼り方の振り分け（どこから始まってどうやって終わるかなど）も考えられていて、巾方向はもちろんの事、長さ方向も計算されているというから驚き。

何気なくきれいに貼ってあるようでも、現地で聞くと「ここからこうすると、あそこでこうなるからね。こうしたんですけどね。」という、本当に言われなければわからないような細かな気配りや考えが見えてくるのです。

そういうの、とても好きです。

プレカットという、工場で全て加工され組み上げられるような住宅が多い中、機械と人間の仕事の違いはそこだと思います。
気持ちが、思慮深さが、お客さんへの想いと完成するおうちへの想いが違う。
仕事や物に対する心が通っている。

無垢材と合板フロアーの違いも、ある意味そこに集約されると思っています。

最近では、印刷技術の向上で写真の木目と殆どわからないような印刷シートの合板フロアーが多く見られます。
本物のカエデ材をスキャナーで読み取っているんだから当然なのですが、見た目では分からないほどの木目と無垢材との違い。
もちろん、肌触りなどは当然と思われるでしょうけども、一番違うのは施工する人が考え手を加え、そして一つずつ個性のあるものを仕上げていくこと。
そこに大きな違いがあると思います。

集成材の構造梁桁でも同じです。

強度もあって実績も多くなってきて、劣っているわけでもなく用途によっては非常に可能性が大きいのが集成材。
しかし敢えて、今回の様に無垢の地松を構造材に使うのか・・・
どうして、無垢フローリングといえばUNIタイプが多い中で一枚物を使うのか・・・

なぜ、手を動かす職人さん仕事をするのか・・・
その答えが、この無垢フローリングの貼り方ひとつにも大きく現れているように感じます。

冒頭に、京都らしい奥に長い立地とお伝えしていますが、そこには一枚物の伸びやかな木目がよく似あいますし、それだからこそ貼り方ひとつで印象がかわるために、細かなことまで考えて納められている。
大工さんとしては当然？！と言う声もあるかも知れませんが、そういった気配りや木使いだけではなく、そこに通じる人間性が素晴らしいということを感じられる施工をみることができたというのは、もう少し後で報告します。

前回に紹介した、日本のクリ材をふんだんに使ったデッキへもリビングからも廊下からもアクセスする事ができ、しかも中庭の様になっていることもあり、プライベートな空間が空に開かれていて、ものすごく贅沢なんですよ。

で、私が好きなアングルの一つが上の写真で、L字に組まれているデッキですが縦方向と横方向の板の交わるところに注目。
ちょうど、双方の板が中途半端なところで交差しないように、ぴったりと板の端で合わさるように施工されている。
そう、フローリングの割り付けと同じように。

気持ちいい。

こういうところ、きもちいいんですよ。
何気ない、当然と思ってしまうくらいに普通の仕上げ。
でも、当然と見過ごしてしまうほどに違和感なく仕上げられていることほどに、考慮された時間や手間が詰まっている。
はず、なんです。そこまで聞いてはいないけど、絶対そうです（笑）。

そんなことを考えていると、細かなところが気になって・・・
どこでどんなことを考えておられるのか・・・
いや、私がみてもわからないところは多くあるのですが、そうやって見てみると大工さんの愛情というか想いがとてもよく伝わってきて、材料を納めた人間としてもとっても嬉しいのです。

もちろん、フローリングやデッキも喜んでいるでしょう。
いや、一番喜んでるのは私自身なんですが、、、

そんなことを考えながらも、へたくそなカメラを構えているもんですから時間ばかりが過ぎていき、刻々とその表情を変えていく無垢材。
いつの間にか周囲は暗く、日光の赤みがなくなったことで楓の表情もまた一味変わっていく。

あ！お月さんが窓に縁どられて！！

と思ったら、ダウンライトでした（汗）。
でも、壁の落ち着いた黒色が夜の帳のようで、もう少しダウンライトの感覚が広ければ、完全に月に錯覚するのになぁ・・・と、いい感じの「映える」写真を期待したのですが、その辺もへたくそカメラマンには細工の余地がなく残念。

でも、このアングルと色合い、気に入ってます。

図面からは分からない色々な発見があり、やっぱり完成見学は楽しい！！

・板屋楓（いたやかえで・ペインテッドメープル）幅広無垢一枚物フローリングはこちらから
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2021年12月13日

情熱溢れる大工さんの、無垢材溢れる手づくりの家　① クリの屋外デッキ編

ずっと楽しみにしていました、完成を。
無垢材を使ってもらったおうちを拝見出来る時はいつでも、弊社から旅立った木材達の姿に逢うことが楽しみです。
特に今回は、建築の計画が決まるかも知れない、という段階からお話を聞いていてその完成を想像していたこともあり、首が長くなってしまったのかもしれません（笑）。

そしてそのおうちには、つくり手である大工さんのたくさんの想いが詰まった無垢材が使われていて、有難いことにその多くに関わらせていただいているから。
だから早くその完成した姿を見てみたかったのです！

京都市内の京都らしい街区の一つに、京都らしい奥に伸びる宅地。
そこに今回のおうちが建っています。

外周りの最終仕上げ段階でのお邪魔でしたが、玄関さきでは早速お出迎え。
今回は、内装においては構造材が殆ど隠れてしまう大壁造りという仕様ですが、屋外では反対に木が程よく見えていて、「木の家」であることがよくわかります。

外壁は焼杉板と塗り壁、そして屋根面や玄関部分の下屋根部分は天井や構造材の梁などが見えています。
そこで迎えてくれるのは、地松（じまつ）の梁！
日本の建築構造材として、私がおすすめする日本の赤松の梁材です。

実はこのおうち、隠れてしまっているのがもったいなすぎる位、土台と柱、屋根部分の材料以外はすべて地松の梁で構成されています！
地松の家！なのです。

現在の住宅の多くは米松（べいまつ）。日本の木を使っているところの多くは杉材。
そこを地松としているのは、大工さんが構造材としての地松の持つ力を知っておられ、大事なお施主様のために地松を使いたい、と思っておられるから。

地松は強度が高いだけではなく、樹脂分のおかげで非常にツヤがあり仕上げられたその素材は、しっとりと美しい輝きを放ちます。
今回、はっきりと見えるのはこの玄関の一部分などのみ。
隠れてしまっているのは非常に残念と思ってしまうのは、材木屋だから。

お客様にとっては、その美しさとともに大切なのは住宅本体。
陰にかくれていたとしても、その強い骨格によって大切なおうちをささえてくれているのが、とても心強いところです！

さぁ、いよいよおうちの中へ・・・と思うのは早計。
今回は外にも見どころがあるのです。

午後からの訪問のため、暗くなる前に撮影しておかねばならなかった場所、デッキです。
京都市内の和風に近い外観ですから、濡れ縁と言った方がいいのかもしれません。
ここに使われているのは、もう定番化と言ってもいい日本のクリです。

古くから耐久性が高く屋外使用にも用いられてきたクリ材を、木製デッキの材料としてご案内していたため、普通はヒノキか硬質な外国産材をつかうところを日本の広葉樹で仕上げてもらっているのです。

クリを使うことによる一番のポイントは、腐朽しづらいこと。
そう思ってらっしゃると思います。
しかし！それだけではありません。
貴重な日本の広葉樹であるクリを、わざわざ変色退色劣化する屋外に使用する理由。それは、経年変化での美しさです。

広葉樹の中でも木目のはっきりとする環孔材。
そのはっきりとした木目は、大工さんの仕上げによって美しく光りながらもしっとりと落ち着いた雰囲気も持っています。
どの樹種も仕上げた当時は美しいもの。しかし、屋外での雨や汚れや太陽の紫外線による避けられない劣化は、徐々にその美しさを削いでいくようです。
それはどの樹種でも同じことですが、クリはヒノキなどとは異なり耐久性を持っていながらも、退色してグレーになったあともその特徴的な木目がくすんでいきづらいのです。

時間がたっても、木のデッキ材であるということを感じられるのが、クリを使うことの大きなメリットです。

今はまだ、その変化を見ることはできませんがきっとこのおうちと住まい手が年を重ねるのと同じように、少しづつ表情を変え変化していく。
その変化を楽しんでいただくのも、こだわりの無垢材を散りばめて頂いているこのおうちの特徴。

ただ、皆さんはご存知のようにクリには灰汁があります。
これから雨によって少しづつその灰汁が出てきます。
茶色い樹液が流れてくるのですが、それもご承知のこと。
いつまでも変化のない模擬木材では得られない、木の家だからこその特別な無垢の木のデッキ材。

そしてその価値は、表面的なことにとどまりません。

床板を受ける大引き材とその柱となる束木理材なのですが、その接合部分を見てください。
通常は釘や金物で止められる部分に、木の栓がうちこまれています。
柱の部分と大引き部分に手作業で凹凸をもうけ、はめこんだところにくさびの様に木の栓がされています。

床板ばかりを見ていては、なかなか気が付かない足元部分。
この見えにくい場所でも、きちんと手仕事をしてあることでクリ材が一層特別な材料の様に感じます。

もちろん、そんなことで喜ぶのは私の様な人間や仕事の分かる職人さんだけだと思います。

しかし、お施主様には気が付かれなくとも気づかない部分にも気を配る。しっかりとした仕事をする。
そんな姿勢にあふれた大工さんであることは承知の上でしたが、このあと室内を拝見しお話を伺っていて、その目に見えないところまでの気配りに更に驚くことになるとは、この時は全く思いもしませんでした。

・高耐朽！屋外木製デッキ材日本の栗（くり）を紹介した木まぐれコラムシリーズはこちらから
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2021年12月10日

皮は付けているとダメで、皮を使うと良い？！　②

少し前に、缶ワインが売れる理由の中の一つに、「ワイン選びが分かりにくい」という点をあげました。
木材も同じなのです。
規格にしても強度にしても在庫にしても、そしてそこに樹種が加わるととにかく分かりにくい。
いや、乾燥の事や割れ、狂いも含めて一概に考えられない。
なんとも不親切な材料なのです。

缶ワインは、消費者がとっつきにくいと思っている部分を解消しているようですが、木材はどうでしょうか・・・

木材を保存するときに皮を付けておくといけない理由は虫が付くから。
そして、その虫が付く理由は木材であるまえに樹木であることが非常に大きなポイントです。
樹木の栄養分を求めてやってくる虫たちは、皮を食べているのではありません。
皮の内部やその下の木部を食べているのです。

だから、皮があるとその栄養分のある部分が木材に残るために、はずしておかねばならないということ。

樹皮の下

では、最初の疑問である皮を屋根などに使うのはなぜか？！
腐ったり虫が付いたりしないのか！？

それも、木材としてではなく樹木として考えた方が理解しやすいと思います。
腐らないわけではないものの、木質部分よりもそのスピードは遅いでしょうし、虫が付かないというよりも虫が好きな栄養素の部分や木質部分が付いていないので、わざわざ寄ってはきづらいでしょう。
そしてなによりも、現在のような優れた代用材料がない時代には、もっともバランスがとれ優れた素材だったのが、皮だったからでしょう。

軽く、入手しやすく、比較的耐久性があり交換することができ、管理されていれば交換サイクルを作りながら使い続ける事ができる素材。
それが樹皮。

（檜皮をはいだヒノキ）

そのうえ、樹種によっては樹皮のほうが木部よりもいろいろな意味で耐久性を発揮するものもあります。
そして、木は腐るという概念では樹皮を使う意味を理解できませんが、樹木の防御反応のひとつである樹脂の事を知っていれば、樹皮の持つ性質から屋根材に向いていることに理解が出来ると思います。
そこが樹皮を使う大きな理由の一つ、木部ではなく樹皮に樹脂を備えているから。

木材だけを見ていると気が付きにくいことですが、山に入ると見えることがあります。

伐採直後の切株の樹皮の下にあふれ出る樹脂や、樹皮が剥がれたり傷がついた部分に流れ出る樹脂。
その仕組みはわからなくても、その様子をみれば「脂分があること」を実感すると思います。

そしてその樹皮近辺（又は樹皮）に樹脂分を持っているため、屋根に使う場合にも水から建物を守り腐朽を遠ざける事ができる、ということ。
もちろん、先の通り軽くて建物にも施工的にも優しいこともあるでしょう。
樹木と木材として考えると、おそらくそのような事情が複合的に評価されているからこそ、屋根に用いられてきたのだと思います。

当初の質問の「皮」が、木材を考える場合には樹皮の内側であり、屋根を考える場合には樹皮そのもの（樹木として外側の樹皮）であるという、微妙な違いを理解するとすぐに納得できること。

木を知ることは樹木を知る事でもある。
最近、特に思います。
材木屋も樹木の事を・・・

素朴な疑問からわかること。
樹皮も木材の一部。
気にしていない部分からこそ分かることがある。
素朴な疑問から見る、木材コラムでした。

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2021年12月07日

皮は付けているとダメで、皮を使うと良い？！　①

知っている様で知らないこと。気が付かなければわからないこと。
世の中にはたくさんある。
木の事でも一緒で、言われて初めてわかる事や気が付くことはたくさんあります。

今回は特に、木材業界では話題になることがない「皮」についてのお話です。

先日、建築関係の方々と木材のお話をしているときに、木は腐るのにどうして皮を使って屋根を作ったりするんですかね、という疑問が発せられました。
む～！！
おわかりになりますか、この疑問。

社寺などで見かける樹木の皮を使った屋根がありますよね。
木は燃える、木は腐る、ということを大前提に建築物を考えているひとたちにとっては、腐るもので屋根が作られるのが大きな疑問なのです。
そういわれれば、そうではないでしょうか？

20211205_212333

そして、その疑問の発端は「丸太や木材の保管では、皮をはずさないといけない」というお話からでした。
木材の乾燥や保存についての議論で出てきたことですが、保管するためには皮をはずすのにどうして外した皮を腐朽の可能性のある部分に使うのか・・・
それが疑問なのですね。

1＋1＝2、くらいの正当な疑問。

木材を保管する場合に皮をはずす、ということが当然なのは木材業界のひと（一般的な材木屋さんでなく原木を扱う製材所さんなど）であれば当然のこと。
なぜなら、大切な原木が虫害を受けるから。

当然、そうなることは知っているしそうなるから皮をはずしておく。
しかし、どうしてそうなるのかを説明できる人はどれくらいいるでしょう。
そして、それを踏まえて、どうして虫がつく原因になる皮を屋根などに使うのでしょう。

こんな疑問一つでも、「材木屋は自分の扱う材木の事だけ知っていればいい」という旧態依然とした状態ではいけない、ということを感じます。
ヒノキの事しかわからない、と胸を張るヒノキ製材所さんや、需要が少ないからと広葉樹全体を雑木と呼ぶ銘木屋さんなどは、「昔からそうや！」と言ってしまうんだろうなぁ。
（私が会ってきた人たちでの経験。）

そんなことも一つの小さな原因として、木材利用の足かせとなっていると感じる今日この頃。

だって、木材関係者が木の事に関する疑問に答えられないんだもの。
そりゃ、使う方にとっては木材はいつまでたってもブラックボックスな材料から脱する事ができません。

みなさんも一緒に考えてみませんか？
皮はいいのか悪いのか・・・

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2021年12月04日

缶ワインにみえる自社のこと　～こだわり≠求められるものづくり～

今日は月に一度の休業日！！

正確には、ショールーム以外の通常の業務は日曜と祝祭日はお休みなので、月に一度の連休なんですけども・・・
ほぼ四六時中仕事モード（木の事を考えるときもあれば、やりくりで悩んでいるときもある）の私には、この連休がとてもありがたくて張り切って休日に仕事を片付けた翌日も休日！なんて、学生の時には信じられない感覚。

ということで、「明日も休みやし、今日はいっとくか！！？」と夕方についつい気が大きくなって始めてしまうのがワイン。
とっておきを出してきて、お気に入りのグラスを持ってきてコルクオープナーで開ける、という「儀式的」なところも、「飲める！」という幸せな感覚を後押しするからなのか、ウキウキしてきます。
しかしながら最近は、長年乗り続けている車の修理やら、なにかと出費の重なる場面が多くて節約モードでちびちびいける焼酎を・・・・という選択が増えてきているのですけど・・・

そんな時、新聞で目にしたのが缶ワイン。
皆さんは御存じでしたか、缶に入ったワイン。

ホームページの一つを見てみると、「ワイン選びって難しい、ボトルは飲みきれない、栓を開けるのがめんどう」とあり、そのイメージを覆すのが缶ワインだというのです。
その存在は、雑誌などで以前より知ってはいたものの若干抵抗感があり、多く普及するのかどうか疑問でした。

ところが、新聞記事によると非常に好調な売れ行きだと報じられています。

ワインはボトルに入っていてコルク栓がついていて、700mlほどを数日で飲み切るもの。
もちろん、栓を開ければ風味が変わってしまうため、通常はその日に「飲み切り」が望ましいと言われてきたもの。

しかし、それらが制約となり近づきにくい存在、分かりにくい存在であったということなのでしょう。

もちろん、私も一人で飲み切る場面は多くはないですから、気持ちはわかるのです。
私の場合、それらの分かりづらいポイントを乗り越えようと考えるところですが、今回の缶ワインは全く異なるアプローチ。

悩み事を解決、ではなく悩み事がないものを提供するというところが感心したところ。
当初はワインを含む飲料業界の会議でも、ボトルワインより割高で特別感がウリでもあるワインという飲み物を、缶でだすなんて売れるはずがない！と言ういけっもあったそうです。
しかし、いざ販売を始めると全く異なった結果で、現在ものすごく人気が出ている様子。

ここで思うのです。
やはり、消費者や市場のニーズが非常に大切だと。
一部の人たちやファンにとっては必要ないものの、それ以外の多くの人たちが求めている物や、一般的に求められている潜在的なもの。
それを商品として形に出来るか。

それがまさしく缶ワインだったんだと思います。
今までも、飲みきられないというニーズにはハーフボトルという選択肢がありましたし、開けるのがめんどうという声にはスクリューキャップが普及しています。
しかし、ワイン選びは難しい、というところにはいくら解説をつけてみても、味をポイントやグラフで表してみても、嗜好品であるところにはなかなか踏み込めずに、好みに合わなくても劣化していても「こんなものだ」という印象に終わってしまい、結局何が美味しく感じて自分に合っているのかを見つけることが難しいところは、解決策がなかったんだと思います。

そこに、気取らず難しい解説や産地情報や生産者情報などではない、単純に飲みたいと思えるアルコール飲料として、缶に入れたというところが非常に大きな変化だと思います。

私は、ワインには様々なことを求めますしストーリーや生産者情報も知りたい。そして、それがどのように味に影響しているのかや、産地による違いを自分なりに感じている気になるのも楽しみの一つです。
それは無垢材にしても同じこと。
産地や生産者の事、そしてストーリーや樹種の事を含めた無垢材を知ってほしい、そしてそれらを含めて無垢材商品を選んでほしいと思っていますが、それだけが無垢材のニーズではないという事実もある。

こだわりだけが全てではなくて、求められるものを考えること。木材業界にも、当社にも必要なこと。

その一部分が、無垢材を進めている中でも好評をいただいている挽板フローリングであったり、にーずによっては合板フロアーを提案したりします。
それによって、いろいろな意見やその中での長所や短所などが見えてくる時がある。
缶ワイン一つに教えられる事。

とても大きかったのですけど、やっぱり私は「じっくり選んでわざわざ開けて、味の変化も楽しめるワイン」が好きです。
そして、苦労や特別な方法を用いてしっかりとつくられる、ストーリーのある木材が好きです。

一般的に求められるものばかり紹介できるお店じゃないけれど、求められていることも知りながらこだわりを分かりやすく伝えていける、無垢材のお店にしたい。
そんなアプローチしかできない、ともいえますが来年に向けても全力で無垢材を進めていきたいと改めて思わせてくれる、缶のお話でした。

さて、ボトル開けようかな！（笑）

ワイン

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2021年12月01日

無垢フローリングを悩む、大きな理由の一つ　「隙間」

過日にも、お客様からの有難いお言葉を紹介したところですが、今日もまた嬉しい出来事を紹介するとともに、過日には書き漏れていた無垢フローリングの採用において、お施主様が抱く悩みのうちの大きなポイントに触れたいと思います。

弊社がこのブログ記事を始めたきっかけ。
それは、木の事と木材に関することを多くの人に伝えたかったから。
そして、そのお伝えする情報には無垢材に関する疑問や伝えられていない実際のところを、日々無垢材を扱う材木屋としての実情をお伝えするということに主眼を置いてきました。

無垢フローリングを紹介するにしても、良いところをたくさん見てもらいたい半面、気になると思われる特徴や一般的には欠点とされる部分を、グレードごとに大きく掲載しています。
わざわざお伝えせずともいいのかもしれませんが、そういうところを知ってもらいたい、そしてそんなところも好きになってもらってこそ、愛着ある無垢材との生活が始まるとおもっているからこそ、わざわざとりあげているのです。

さて、今回弊社にたどり着いていただいたお客様からのお問い合わせは、挽板フローリングでした。
表面に3mmの樹種を用いているS3シリーズから2mmのS2シリーズ、そしてリーズナブルなうえに床暖房への採用が多くを占める1mm挽板のS1シリーズまでを展開している人気シリーズ。

なんだ、こだわりの材木屋が無垢材じゃないじゃないの！！と言われそうですが、実際のお施主様の中には無垢材を使いたいけれども、様々な理由で踏み出せない（採用できない）ことがあります。
先日の床暖房もその一つ。
今回迷われていたのは、「伸縮による隙間と汚れ」でした。

無垢材が伸縮し、反りが出るなんて当たり前。
木材関係者においては言うまでもないと一蹴されること。
無知なうえに若輩であった私も、先輩方の「知ってて当然」の無言の圧力にその理由や現象の起る状況を聞くことすらできませんでした。
でも実際は、みんな経験則として知っているだけで、その状況と理由を理論的に説明できる人は私の周りには殆どいませんでした。

ですから、お施主様が分からないのは当然。
そのために、私がいるのだ！！と存在意義を見出したのがこの記事を続けている理由の一つ。

汚れに関しては今回は割愛しますが、無垢フローリングにおいて気になることの大きなポイントはやはり、隙間。
みっともないとか、ゴミが溜まってイライラしているので無垢材には絶対に反対、という意見も目に入ります。

特に、迷っているお施主様にすれば、そんな話をインターネットで目にすると不安になるばかりでしょう。
フローリングを扱っているところでも、隙間について言及しているんですからなおさら不安は深まるばかりでしょう。

そこで！！、弊社のショールームの一例をご紹介します。
十数年、冬季は床暖房を併用し運用している無垢フローリングと無垢木材のショールームである「木志庵」。
そんな状況下でどのような状態であるのか・・・施工当初はもちろん、最低限のクリアランスです。

まずはロシアンバーチの一枚物。

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見えにくいですが、隙間はおよそ1mm。
紙の名刺でいうと4枚分。
4枚？！すごい隙間！！と思われるかもしれません。

しかし、生活レベルで見えるであろうもっとも床に近い状態と思われるしゃがんだ状態でみると、意外と気にならなもののはず。

そう思いませんか？
上に見えている、カエデでさえ厳密には名刺1枚分の隙間がありますが、もう写真では視認できません。
床暖房を使用し、十数年経過してこの程度です。
しかも、検証のためもあり接着剤不使用です（汗）。
良い施主様は真似しないように・・・

これが弊社での現実。
因みに、生活はしていない為に多くのホコリは出ませんが、それでも十数年で気になるほどの事はありません。

そして、もっとも伸縮による隙間の木になる樹種の一つであるスギ！！

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おぉ～・・・
こちらは完全に隙間と認識できる、およそ2mm。
名刺8枚分です。

旧規格の古希杉浮造りフローリングですが、葉枯らしの天然乾燥材であることを考慮すると敢闘賞ものじゃないでしょうか。
一般的には人工乾燥させ、伸縮を抑えても同じようなすきまができることを経験してきました。

そして、原材料の性質と同じくらいに重要なことが乾燥方法とその工程であることも、とても理解しています。
だからこそ、天然乾燥材でこれくらいの隙間であるということは、私にとっては十分に許容範囲。

しゃがんだ目線で見てもこれくらい。

どちらにしても、お施主様が暮らす状況の方がはるかに吸放湿の状況が過酷ですし、実際に生活している状況とは異なります。
しかし、たとえ2mmの隙間がすいていたとしても、無垢材であることと伸縮作用を理解していれば、家族が暮らすうえでの最小限の堆積物や汚れは気にならないどころか、それ以上に無垢材の質感に満足されることと思うのです。

無垢材を検討する理由が、健康的であるとかカッコいいとか、そんな表面的な事じゃなくて生活に寄り添ってくれる存在であり、家族とともに歳をとる天然素材であり、それを楽しめることであってほしい。
無垢材が一番良い、じゃなくて無垢材と暮らしたいが選択肢であるように。

その検討理由を後押しできる、そんな存在であるために。
今日も商品紹介よりも先に、「欠点紹介」を心がける材木屋です。

本当は、無垢材に欠点はありません。人と同じように一生懸命自然の中を生きてきたんですから。
寄り添ってくれる生活の仲間としての無垢材。
商品ではなく、無垢材の純粋な魅力はどんどんとお伝えしていきますので、拙ブログ記事どうぞよろしくお願いします（笑）。

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