心地よい空気のちょうどよい住処 〜高樹齢杉埋め節フローリングと天然素材の珪藻土エクスウォールと杉白波羽目板〜
このところ10年位、旧家や民家の改装や建て替えなどの工事を多く見かけるような気がします。
弊社近くもそうですし、そのほかの地域でも祖父母と一緒に住むためのリフォームや建て替えというケースです。
それ以外にも、広すぎる本宅を子育て世代に譲り離れを建築される例もあります。
今回もその様子。
立派な旧家の木のイメージを大きく変えることなく、住みやすくちょうどよいサイズでの離れのリフォームに弊社の高樹齢杉埋め節フローリングを床に、そして壁には天然素材の塗り壁材 エクスウォールを、エントランス天井に白波羽目板を使ってもらいました。
まずはエントランス。
白い壁に白い天井。
木目がはっきりと見えている杉材の羽目板ですが、すこし木目が揺らめいているのがわかるでしょうか。
白波羽目板は、高樹齢杉原木の貴重な白太部分の無節部分のみを選別し、さらにその表面に細かな凹凸のラインを刻んでいるものです。
近づいてみると、表面の凹凸が見て取れますが、少し離れると浮造りとは一味違う質感があり天井材としてはその凹凸により目線が安定する効果を期待でき、さらに木目が揺らめいているように見えることで、視覚的なゆったり感を演出する事ができると思います。
エントランス奥行きは80cmほどですが、すっきりとしながらも明るくそして木目が楽しめる木の天井となっています。
スギは高樹齢木になるほど節なしの辺材部分を板材に出来る割合が少なくなります。
芯材と辺材の割合ではなく、原木となった状態では辺材が多いものは節も多くなるからです。
貴重な節なしの辺材且つ、木目の良いものを選んでいるものが白波羽目板。
暗くなりがちなエントランスには、純白羽目板とともにとってもおすすめです。
白い天井に対して床は赤！
きれいな赤ピンク、とでも言いたくなる赤身の杉。
大人気の高樹齢杉埋め節フロ―リングです。
最低樹齢70年以上の素直に育った杉の赤身材を中心にしている為、節有材にも関わらず節が少なく、杉フローリング特有の抜け節部分も丁寧に埋め木処理をされている床材。
更に、一般的な杉フローリングが人工乾燥材であるのに対して手間と時間のかかる天然乾燥材であるために、杉の優しい香りがそのまま残っていることと、色合いもツヤも抜けることなく美しく維持されていることが大きな特徴。
単なる高樹齢の杉は、日本で増えてきています。
しかし、手入れをされ色味がよく木目が素直で香りのよい杉は、一部のみ。
全国に散らばっている杉を一言で語ることはできません。
品種も違えば育ちも違う。土も違うのです。
その違いの特徴を長所として発揮しているのが、埋め節フローリングなのです。
予算を考えたら杉フローリング、という選択肢ではなく喜んでいただける特徴を持った杉フローリングだと自負しています。
ただし、天然乾燥だからこその特徴も見えてきます。
フローリングにうっすらと見える白っぽいライン。
これは、天然乾燥材である証の桟木（さんぎ）の跡。
乾燥工程において、長期間隙間を開けて積み上げておく最中に、積み上げの桟の部分と周囲の部分の色差が出来てしまう。
どうしても避けられないもの。
目立たない場合もありますが、一部には見られるものなのであったとしても「うちのは天然乾燥材！」と逆に自慢してもらいたい部分なのです。
かけた時間の証明！なんですよ。
そして今回、私のイメージで提案させてもらったものの一つが、この上がり框。
土間スペースから段差の少ない上がり降り部分で、赤身のフローリングとの色合いのバランスと柔らかな杉のイメージに合わせて、日本のサクラを提案しました。
デン！と威風漂う姿ではなくて、当たり前のようにそこにある姿。
足触り温かく柔らかな杉の風合いを邪魔することなく、そのうえで磨り減りにくくも硬いイメージを持たせない選択肢であるサクラ！
やんわりとした木目なので、なかなか特徴的にみえないのが残念なほどですが、思惑通りに納まってくれていて非常にいい感じの自画自賛。
さて、白・赤・・・ときて再度白に戻ります。
壁材は、天然素材100％の珪藻土「エクスウォール」です。
このお宅は、自然素材たっぷりですがきちんと気密換気の計画がされた高気密高断熱住宅。
訪問時も汗の滴りを気にしなければならない夏の日中でしたが、一台のエアコンの涼しいこと！
通常であれば、過乾燥や過湿度の状態を心配するところですが、経験と確かな施工で計画的に行われている断熱気密のうえに、自然素材のフローリングや天井板、そして壁全体の珪藻土エクスウォールによって、調湿作用と空気の質はバツグン！
エクスウォールがどれほどの調質効果を持っているのかは、是非弊社ショールームで体験をしてもらいたいと思いますが、簡単にいうと「霧吹きで直接水を吹きかけてもすぐに吸い取る」ほど。
そんな状況、住まいでは起こりえませんがそれくらいだということです。
その機能的な調湿作用がありながらも、天然素材のみで構成され職人さんが仕上げる豊かな表情が味わえる。
今回は、塗りパターンを極力つけない仕上げをされていたために、近づいてみないとその表情は分からないほどにきれいに塗り込んでもらっていましたが、見えないのに力を発揮する「縁の下の力持ち」的な活躍をするのが、エクスウォール。
他の素材を邪魔することなく、気配はしないもののしっかりと自然素材としての役割を果たしてくれるのです。
時間の経過とともに差し込む日差しの陰影も、じっと見続けたくなるのが塗り壁材のもつやさしさの特徴ですね。
機能性と素材の質感の良さを兼ね備えた自然素材に囲まれた、心地よい空気と暑さ寒さを我慢しない快適性のちょうどよいサイズの住処。
平屋で、手の届くところにすべてがある、という何とも贅沢な暮らし。
弊社こだわりの素材で演出して頂き、今回もありがとうございました！
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