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2015年02月

戸田先生の出張授業 お礼という名の最終評価に目はにじみ・・・


好評のうちに幕を閉じた(と勝手に思っていた)戸田先生の出張木の授業ですが、時間が経つほどにやっぱり「自己満足でおわってしまっていないか?!」と若干の心配が出てくるのはやはり未熟な証拠・・・
そうやって色々と思い返していたわけですが先日、その私の心配を払拭してくれる宝物(あえてそう呼びます。)が届きました。

中身はこれです。

木の学習の成果4

手造りで表紙をつけて、中には児童一人一人からの御礼状が入れられていました。
色を塗ってくれていたり、2年生とは思えない様な綺麗な字で書いてくれていたり、中には想いが多すぎてか接続詞がちょっとおかしくなっていたりするものもあるんですが、大半は「ありがとう」、「たのしかった」や、木が好きになりました、といった内容の物で、気にかけていた私を安心させるには十分すぎるものでした。

木の学習の成果2

そしてみんな小学校2年生だというのに、私の仕事が忙しいのに用意してくれて・・・とか、たくさん作ってもらって・・・という「ありがとう」の気遣いをくれていたことがとても心に嬉しく感じました。
中には、「戸田先生は天才ですね!」っていうのもあって、嬉しいようなもっと頑張らないといけない様な、有難い御礼状でした。

授業当日は、もちろん木のいろいろな事を伝えるのが目的ではあったのですが、大人が何かの目的(たとえば森林環境や木材普及)で集まるものとは違い、自然と自分から興味を持ってもらえるようにすることが最初の課題だったので、それをクリアーできたことと用語だらけになりがちな木材の世界を、なんとか平易に伝えられたと感じました。
児童の集合した体育館での挨拶でも話しましたが、私が教えるばかりではなく、私も2年生の表情や口をついて出てくる素直な感想を聞く事で、大人では見えない木の世界を知りたいと思っていたことも実現でき、私からも「ありがとう」という気持ちでいっぱいなのです。

日々の業務としては、必ずしも毎回木を届けて喜んでいただけるとは限らない(建築現場で仕事をしていて木を見て毎回喜ぶことは無い)為に、丸太を見て驚く様や色々な木を見て触って歓声の上がる様子は、やっぱり木は感じてもらわないと伝わらないと改めて思った今回の授業。
たくさんの元気をもらいました。


はじめは100名をゆうに超える数の児童が手書きしてくれた「御礼状」を、笑顔で一つ一つめくっていた私でしたが、次々と出てくる労いの言葉や「がんばってください」、「戸田先生のじゅぎょうをわすれません」といった文字に、自分では意識していなかった何かが、瞼のダムを押し開き目の前の文字をどんどん滲ませていきます。

木の学習の成果3

あぁ、そうか。本当の意味で感じるってこういうことか。
ただ感覚で知るのではなく、やっぱり人の心を動かしてこそ「感じる」ということなんだ・・・と、最後に児童に教えられた様な気がしました。
そう、これが私の原動力。
木を伝えることって素晴らしい。

私もまだまだ発展途上。
また学校にきてください、その言葉を胸に更に木の道を歩んでいきますよ。

木の学習の成果1


2年生のみんな、ありがとう。
戸田先生も、みんなとの授業の事は忘れません。
まとめでお話した様な、個性豊かな人間になってくださいね。また会える日を楽しみに・・・・


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普通ではない桧と栂に、普通は無いひばの柱


私が普通の材木屋ではないのは既にご存知のことと思いますが、普通ではない材木屋がすすめる木材というのは、やはり普通ではないのです。
その、普通ではない、は時間をかけ話を聞いてもらってこそ初めてわかる部分なので、こうやってお伝えしていかなければならないわけです。

今回の普通ではないは、桧と栂とそれにひばです。

正直、ひば以外はその名を聞いても特段普通に思えるかもしれませんが、そこが普通ではない材木屋の出番になったわけです。
まぁ、先に写真を見てもらいましょう。

天然の木の家3

桧の節あり幅広無垢フローリングです。
これが普通ではない理由。それは天然の木曽桧である尾州桧幅広無垢一枚物フローリングであるということ。
この文字だけでは普通でないことが伝わらないのがお施主様。
当たり前です。そんなこと知っておられたら材木屋、要りませんもの。
そこをアツく語るのが私の仕事であり楽しみ。
特段指定されることも無く、桧を希望されているというところにわざわざ尾州桧フローリングをおすすめしたのが一つ目の「普通ではない」ポイント。

天然の木の家8


見てもらえばわかる様に、若干の埋め節補修があるものの(補修なしも可)大きく赤い節とスゥーっと通る細かい木目、それに天然の尾州桧特有の香りが「普通の桧」との違いを知らせてくれます。

今回のお施主様は、きちんと材料である木の事を考えていらっしゃる方であったことから、お施主様からの声はないけれども同じ桧とはいえ、木に詳しい方が見えた時に「この桧のフローリングは普通ではないな・・・」と感じてもらうことこそが材料を真剣に考えておられるお施主様にとって一番だと考えて、おすすめしました。
「木曽桧」という産地のネームバリューというものは、古い木材業者(失礼)や社寺建築に興味のある方、彫刻をされている方には影響力があると思いますが、実際の住宅建築ではその姿も話も出る事が無いので、材木屋が思うほどの訴求力はありません。
ですが、やはりよいものは良い。

天然の木の家12


詳しい方が見ればわかりますし、目で見る質感も大きく異なります。
今すぐはわからないかもしれませんが、これからお見えになるお客様が「おっ・・・この桧、普通と違うな・・・いい材料を使っておられるな。」と感じていただければ、これしてやったり!
お施主様の株も上がるというものです。

フローリングと合わせて、同じく天然尾州桧丸面羽目板も腰板として使っていただきました。
和風の廊下にピッタリです。

天然の木の家13


さて、その次は栂ですが、普通はドアやアルミサッシ周りに使われる様な枠材としての用途のベイツガなのですが、普通ではない材木屋は国産栂(地栂・じつが)です。
そう、これも今まで多くの木の家で使っていただいた化粧梁としておすすめしたのです。

天然の木の家7

もちろんこちらも樹種の指定は無く、化粧梁ということでしたので他にも選択肢はあるのですが、敢えて国産栂です。
国産の栂は、決して産出量が多くない貴重な材。
だからこそ、今の世の中ベイツガは有名であれど地栂を見る機会はありません。
白く細かな木目と、時間の経過により晩材と呼ばれる部分が光る様に艶が出る様に感じる経年美は、他の樹種にはあまり見られません。
それに、先の様に材の供給量は物凄く少ないので、一般的には目にする事がありません。
やっぱり自分の家の中に「これ、ちょっと特別やねんでぇ〜」という部分って欲しいですよね。
床の間かもしれないし、無垢のフローリングかもしれないしドアかもしれない。
それが、今回は頭上にどっしりと構える国産栂だということです。
実際に見えている部分は少しですが、きちんと材成30cmオーバーの大きな盤としてリビングの構造材の役目を果たしていますから、決して「見える部分だけの化粧」ではないのですよ。

天然の木の家6

実は施工される大工さんに構造としての加工をしてもらったのですが、大工さんですら、その材の良さと稀少な国産栂が使われる事を驚かれていましたから、お施主様にも自慢してもらいたいポイントです。

尾州桧も国産栂も、貴重な天然林から産出する木材です。
「あぁ、桧か。あぁ、栂か・・・」とは決して言われない、普通じゃない家になっています。

最後の普通ではないのは「ひば」。

以前の記事でもお伝えしていますが、近畿地方で、特に大阪でいうとひばというのは殆ど知られていないと言っても過言ではないほど、材は見かけません。
その為に、材木屋も扱いが無く材自体も知らない場合があるので、使われることはまずないのですが、ここも普通ではない材木屋の出番です。

雨のかかる和風住宅の玄関ポーチの柱ですし、玄関を開けると見えるのが尾州桧のフローリングですから広葉樹というのも少し違う。
そこで登場、「ひば」です。
正確には能登あてという樹種ですが、針葉樹の中では耐朽性が高くまた桧に似た節目も綺麗で、私の大好きな芳香を発する木材。
ポーチの柱には耐朽性の高いものを、というご希望により提案したものですが、能登あて(ひば)に親しみの無いこの地で受け入れられるのか?!という心配もよそに、私のアツい能登あて推しが伝わり、採用していただきました。
それに大きさがすごい。

天然の木の家1

全体はお見せできないもののお宅も立派ですが、負けない位に太い。200×250というサイズです。
存在感満点。良い香り。

もちろん、永久に腐らないのではなく表面の紫外線劣化や、防ぎきれない割れからの雨水の侵入などで変化はしていくことと思いますが、その時間を共に過ごすことができるのも、無垢の木材だから。

もうここまで来ると、材木屋の矜持。
自身の家に想いを込めるお施主様に対して、全てが伝わるかどうかではなく後によかったと思って頂けるような贅沢な提案を全力でぶつけたつもりです。
無垢の木材を選ぶにも様々な理由がありますが、やはりその樹種ならではの持ち味を感じられることは大きな理由になります。
足に触れ、香りを感じる尾州桧、落ち着いたリビングの掘りごたつで仰向けに天井を眺めた時に目に映る国産栂の美しい木目、毎日の往復で目にする玄関で少しづつ年をとる能登あての柱。
無垢の木材ならではの変化をも感じてもらえるであろうと思います。

普通ではない材木屋の、普通ではない提案を受け入れてもらえる有難さを今日も感じ、次の普通ではない家のお客様を探しているのであります。

天然の木の家2


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戸田先生の出張授業 会議室番外編


ちょっと割愛気味なところがありながらも、できる限り平易に伝えたつもりで終えた前回の木の先生戸田昌志の出張授業。
フリータイムにして、いろんな木に触れる時間中には児童の方から「戸田先生、これって何?!どういう意味?」と声をかけてくれることもあり、興味をひくことはできたんだ、と自負しています。
これから先に、木の需要なり研究なり、誰かがどこかで関わってくれると嬉しいと思うのですが、それには継続的な授業が必要。

それを痛感するのが、授業終わりに招かれた会議室にてのお話。

当日を含め、準備段階の苦労もねぎらって下さって、会議室にて先生とお話していた時の話の中に、これだ!!というポイントがありました。

業務の中ではいつも感じているのですが、大きく宣伝流布されるイメージというのは、本当に影響力が大きいということ。
木を扱う材木屋ですら、近年の啓発セミナーなどで知ることの多いであろう日本の森林率の話や山が荒れているという話、国産の木材の不振といわれる状態・・・
木材業界にとどまらず、一般的にもニュースとしてとりあげられているだけあって、先生方もご存知でした。
そこで出てきたのが「安い外材の影響で、日本の木材は使われていない」という言葉。
バットの真芯でとらえた打球が一瞬でホームランだとわかる様に、その一言で、よく情勢に目を向けておられることが分かると同時に、宣伝流布の力の大きさを実感する瞬間です。

私も息子がいながら気がつかなかったのですが、実は現在の小学校では5年生の社会科の中で環境問題の一環として日本の森林についての記述が(たったの)4ページ記載されています。
その中にやはりあるではないですか、そのフレーズが!

授業の後1

「外国から値段の安い木材が多く輸入されるようになったため、コックさんの木材の利用が減ってきています」とあります。
輸入材と国産材の量を比べたわかりやすい棒グラフも添付されていて、顕著に
輸入材が増えて国産材が減っているのが一目瞭然。
こんなに減っているのか・・・そんなに安い外材が多いんだ・・・となってしまうんでしょうね。

それで先生も「安い外材」を知っておられたのですね。
大きく報じられる力というのはやはり影響力は大きくて、またもっともらしく聞こえるものです。
しかし、決して外材だけが安いわけではありません。

簡単に比較することはできませんが、必ずしも「外材」が安いのではないということが顕著にわかるのが販売価格を優先した住宅の中に見る事ができます。
現在街を歩いていると、多くの場所で柱やその並びの下地材といわれる木材に白い木を見かけます。
それは今や外材の代表格になった感のある、有名なホワイトウッドですが、実はそれらは安いからという理由だけで使われているのではありません。
以前に見かけた住宅で、下地材に杉を使っていた為に「国産材指定の家か・・・」と思って大工さんに伺うと「予算が優先らしいで・・・」という悲しい言葉が返ってきたことを考えても、決してホワイトウッドをはじめとする「外材」が安いわけではないということが、私の実体験としても見えてきます。
価格で言うと「安い外材」より国産の杉の方が安い場合もあり、少なくともこのケースでは先の理論は成り立っていない事がわかります。

もちろん、いつも書いている様に木材はそれぞれ個性があるので、「杉」というひとくくりでは語れない事を話に加えないといけません。
付加価値の高い杉もあれば、一生懸命に努力をして価格を抑えている杉もあるでしょう。
それらを単なる価格という側面だけの指標では判断できないという意味です。
そういった意味では、販売に携わる私たち材木屋はやはりもっと話すべきでしょうし、業界だけで理解しているのではなく一般に流布される誤解を解消する事が使命の一つになりつつあると思います。

また、確かに外国産材が住宅分野でも多いのは、柱や梁などの構造材にも使われていますから納得はできますが、単に木材といってもそれだけではなく、建築だけではなく他の用途にも使われていますしそれらの分野の外国産材比率の方が高い場合だってあるかもしれませんからやはり一概には言えませんよね。

順を追っていくと長くなるために、価格の一面だけが問題ではない事のみをお伝えしてきましたが、こういうことに対しても、実際に肌で触れている木材業の人間として、木材の特徴とともにきちんと伝えていかなければいけないところだと、改めて感じました。

授業の後2


また、私は今回出張授業を行うに当たり、敢えて木工という方法をとりませんでした。
木に触れる、というとどうしても木工を優先させたくなりますが、今回は様々な木を見る事で木に対する想像力や多様性、そして多様性の持つ木の性質を理解することで、木材に限らない教養の一部として位置づけたかったからです。
木材を利用することを考えるのは、何故使うのかや何故その材なのかということを理解してからでも遅くはないと思います。
「No think,feel」(感じること)です。
そういう意図で始めた授業ですが、やはり次回も座学が必要な様です。

まさか未だに割り箸と環境問題と結びつけたりしていないよね?!、とちょっと心配になりながら、今後の戸田先生の授業の構想を練り始めるのでした・・・

そんな事を考えながら帰路についたのですが、朝はあんなに良い天気だったのに、授業内容の採点をされているかのようないきなりの寒〜い吹雪。(これしきで?!といわないでください。ここは大阪。)

授業の後3

大阪では非常に珍しいにもかかわらず、小1時間ほど降り続きました。
決してそんなに寒いお話では無かったのになぁ・・・と思うのですが、おそらくこれは、自己満足注意報!
今回の事を成功と思わずに継続しろよ、と天からの・・・否授業前にお祈りした木の神様からの叱咤激励と捉え、次回案を考え始めることにするのでした。
めでたしめでたし・・・・・



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木の先生、戸田昌志の出張授業終了


先日お話していた材木屋の出張授業が終了しました。
こうやって報告できるということは・・・・・自分ではなんとかうまくできたかな、、、、と思っていると言うことなんですが、子どもたちや担任の先生方はどの様に思っておられるか。
それはまた別の話にするとして、自分の記憶の整理という意味も込めてその内容をお伝えしておきましょう。

今回の出張授業のテーマは「木に学ぶ」ということ。
いつもお伝えしている様に、想像以上に木というものから生活が離れている世の中で、木の事を知り木に学ぶことで、これから様々な物への興味の入り口となってくれるようにと企画しました。

今回は、企画から実行までほぼ一ヶ月あるなしというスケジュールで動いていたので、正直めっちゃハードでした。
もちろん、日常の業務のほかに講習の資料作成、その他の資料やプレゼンの作成などが重なり合う毎日で、最後の方は資料が混ざって頭も混乱状態でした。
そんな中迎えた当日でしたが、雪の予報にも関わらず朝のうちの天気は良好。
先生方よりも速く学校に到着して準備と心構え。
そして迎えた朝の9時。いよいよ木の先生の出番です。

戸田先生出張授業1


先ずは軽く自己紹介がてら、先日提供した教材のお話から始まりあくまでも「勉強」ではなく「体験学習」であることをアピール。
そんな事をせずとも、教室からでて体育館で集まること自体、自分の子供の頃の経験から言うとワクワクとしたもの。
それが観劇や体験学習ならなおのことです。
子供たちのワクワク顔を見ながら戸田先生の授業が始まります。

最初にしたのは「木を感じること」。

「木」というものは知っているという児童は多くいましたが、実際に小さな丸太を見せると驚いていました。
その辺にも立っている「ただの木」が、伐採されて皮を取り去っただけでも驚いていて、それを角材にしたり板にしたものを日々扱っている事を説明しました。
やっぱり、木というのは立っている状態で存在するもので、材木として使われていたり、それこそ昔から身の回りにあったことなんて、想像がつかないんだろうなと一人考えていました。
それから後は、木の虫特選の4樹種+スペシャルバージョンの5つを実際に感じる番です。
特選木は、クスノキ・木曽桧・青森ひば・カリンです。
それぞれが特徴的で、尚且つ香りのする木材を選びました。
各クラスごとに分かれて、匂いをかいだり実際に持ってみたり、木とは思えない様な赤い色を見たりと、冬の寒い体育館が子供の元気に満たされた様な状態になりました。
4つ以外のスペシャルバージョンというのは、実は「神代樟」です。

戸田先生出張授業2

これは、通常のクスノキと比較ができるだけではなく、1000年という時間を感じてもらいたいと言うことと、通常のクスノキよりも更に特徴的な香りを児童がどの様に表現するかが知りたかったからです。
実は、先生と威張っている私も子供たちの様々な意見を聞きたくてウズウズしているのです!!

期待通りの「うっわ、臭い!」とか「変なにおいぃ!!」とか、「これは、う○こや!」というちょっとお下品な感想まで飛び出し、更に大賑わい。
ただ、女の子の中には「ミントみたい!」と美しく形容してくれる子もいて、「ふむふむ、それいただき!!」と次回の説明に使えそうな言葉が出たことも報告しておきましょう。

ホント、子どもたちの素直な乾燥には私の頬も緩みます。

一通り感覚を使って木を感じた後は、いよいよメインイベントです。
水槽を使ったドキドキとする実験の始まり。
勘のいい子は、「木を浮かべるんやろ?!」と私の喋りにかぶせてくるわけですが、そこは年の功、負けてません。そんな単純な答えではないですよ。
今回は、木は浮くか沈むかということと、その理由を解説して理解を深めることが目的なので、ただ浮かべるだけではないんですよねー。

戸田先生出張授業3

本当は、みんなに体験してもらいたいところですが、水槽の容量と授業という進行の都合上、各クラスの代表さんに出てきてもらって実験スタートすることにしました。(といっても、あとからわやくちゃになるんだけど・・・・・)

使用した樹種はヒノキ、ベイマツ、黒檀、ナラ、ムラサキタガヤ、そしてリグナムバイタ。

児童にはあらかじめ、木は沈むのかな?!、と質問を投げかけてみます。
すると、殆どは「浮く」と答えます。大人と同じです。
想像している色や、イメージが軽く感じるのでしょう。

そこで、見た感じ大きく見えるヒノキの角材を見せて、この大きなのは沈むんじゃないかな?!、と質問すると先程よりも迷っている様子。
想定通りです。
それらを実際に浮かべてみるとどうなるか・・・・

もうここからは、木材を水槽に投入するたびに歓声とガッツポーズの嵐!!!!
その場から立って、スタンディングオベーションよろしく手をたたく子もいて、大盛り上がり。
最終目的地のリグナムバイタに到着するころには、「ちっさいヤツも沈むかもよ・・・」と大きさや単純な重さ以外の「何かの理由」に目を向け始める児童もいて、まさしく狙い通り!!
木を浮かべる、なんていう単純な発想ではなく立ちあがるほどに面白く演出してこその材木屋!!
どうや、すごいやろ!!とちょっとしてやったりの戸田先生。

戸田先生出張授業4


興奮冷めやらぬ中最後の体験は、「世界一を体験しよう」というもの。
子供達は、樹種名は伝えていますがその性質までは知りません。
ましてや、リグナムバイタが世界の木材で最も重いと言うことは知る由もありません。
私の喋りにかぶせてくる児童には、ちょっと大人卑怯かもしれませんが、ジョーカーである世界一を登場させて、子どもの予想を大きく外すという手に出たのです。
ふふふふふ、そんな簡単に読まれてなるもんか!、と意地になるのも専門家のプライド。
こうなったら、子供と目線を合わせたせめぎ合い。楽しい!!

「卑怯な手」を使った後は、そのジョーカーを実際に体験する時間を設けました。
1.5mほどの割り板なのですが、女の子のなかには持ちあげるのを断念する子もいて、こちらもしめしめ。
更に隣にはもう一つの世界一、重いの反対の軽い世界一「バルサ」を設定。
この急激な重量差は大人も子供も笑顔になります。

ばかばかしい位の軽さで、やっぱり子供といえど関西人なのか、バルサで頭をたたく仕草を見せるくらいな軽さを体験してくれたのでした。
これも期待通り。

熱気ムンムンの体育館でしたが、朝の2時限といえど私のとめどなくなる木材談義には短すぎて、あっという間の終了時刻。
何とかメリハリを設けて時間配分をしていった結果、3分前に終了することができました。

果たして「木」というものをどれだけ伝えられたかはわかりませんが、木に対する目線や気持ちは変えることができたと実感しています。
色々な香り、重さ、色、肌触りを体験し個性を感じてもらうこと。
そうです、今回は木からできる木材を使ってもらうのではなく、敢えて木の持つ違いや楽しさ、そしてそれぞれの木材の持つ個性というものを感じてもらうのが狙いでした。

もちろん、将来的に木材を好きになってもらい木材を活用してくれると嬉しいのですが、今必要と感じるのはやはり「木の事を伝えること」だと思っています。
諸手を挙げて「木はいいものですよ、使わないと森が云々・・・」なんていっても、その良さや木の育つ森を理解していないと伝わらないと感じています。
それは、日々の業務からも思うことです。

リグナムバイタの重さを経験すれば、誰もそんなもので頭を叩こうという真似はしません。
一方、バルサの軽さと発泡スチロールの様な柔らかさなら万が一当たっても怪我はしないだろう、ということの危険性の判断を、実際に感じる事で児童でも瞬時に行えるのです。
木は性能を買うものではありません。
感覚を満たすものです。

これから色々な物を学んでいく上で、更に感覚を研ぎ澄まし様々な物事を理解していけるような、そんな糸口になってくれると嬉しいな、という本当の狙いを少しは達成できたかな・・・と思っています。

大盛況のうちに終了した戸田先生の出張授業でしたが、これからが大切。
更に多くの人たちに伝えていくために、戸田先生の道は続くのです。
子供たちを見ていて更に木材が好きになった、そんな充実した一日だったことをここに報告しておきます。




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顔の見えるワイン シャトー ランシュ・バージュ


皆さんご存知の通り、私の趣味のうちの一つにワインがあります。
趣味といっても、最近では殆ど口にする機会が無くなりましたが、現在でも年に数度はボトルを開ける事があります。

趣味がワインというと、やたらと高級なお店に行ってそうだとか、数万円するようなワインばかりを好んで飲んでいる、というようなあんまり良いイメージを持たれない場合が多いので、説明するには時間がかかるのですが、簡単にいえばワインも元はブドウで、ブドウは木になるものですからそのあたりで木材との共通点がある事から、のめり込んでしまう世界でもあります。

さて、今日はそんなワインのことですが、ワイン全般を難しく語るつもりもなければ、味を云々言うわけでもありませんので、材木屋の好きなワインとはどんなものか?ってな感じで見てくださいね。

私のお気に入りの一つであるこの「シャトー ランシュ・バージュ」。

ランシュバージュ 2


一時、ランシュ家が所有し旧バージュ村に由来する名を持つ本場フランス産の赤ワインですが、1855年に万国博の開催に合わせて制定されたワインの格付けにおいて5級にランク(1〜5級にわけられている)されているもので、本来ならば特別扱いされるものではないのですが、実はランシュ・バージュは「5級筆頭」と言われたり「2級に匹敵する」という様な形容詞がつくほどに、有名で味わいの深いワインなのです。

私の同年代であれば、「筆頭」ということばだけでかの有名な漫画、「魁!男塾」を連想するはずですが、あの漫画でもある様に「筆頭」というとその威厳たるや他を寄せ付けず、懐の深さといえば皆が感心する器量の持ち主であるわけですが、ランシュ・バージュもやはり5級という枠を超える味わいを持っている事で有名なのです。

そんなランシュ・バージュには個人的な思い入れもあります。

深く想い出に残るものはやはり印象が強いものですが、ワインの場合は知識が無い時に感動した経験というものが大きく作用する場合が多いです。
ランシュ・バージュもその一つで、当時現在ほど価格が高騰していない時に手が届く有名銘柄の一つであったそれは、私を喜ばせるに十分な美味しさで、公私ともに頑張ってまた飲みたい!と思わせるものでした。

当時はミニワインブームの様な時期だったこともあり、色々な場所でテイスティング会なるものも盛んに行われ、例にもれずランシュ・バージュもその機会が訪れたのです。
大阪梅田のレストランを貸切にし、シャトー(造り手)のオーナーを招待して蔵出しの年代物ランシュ・バージュをヴァーティカルテイスティング(年代違いを飲み比べること)できるというイベントが開かれ、オーナーと記念撮影するとともに数本購入したボトルにサインを頂いたのも大きな想い出です。
その時に、1本単独ではわかるはずの無い年代ごとの差や、造り手の苦労や工夫などの背景を聞いていますから、蘊蓄大好きな私がのめり込まない筈はありません。
(ボルドー地方の赤ワイン生産者にも関わらず少量の白ワインをつくっていることなんかも、マニア心をくすぐるアイテムです。「あの、シャトーの造る白やで!!」と喋りたいマニアアイテム。)

それ以降は、生まれ年のランシュ・バージュを購入する程に愛好家になりました。

ランシュバージュ1


しかしながら近年の価格の高騰には驚きます。
この記事をしたためる為にネットをはじいてビックリ!
なんと、今回飲んだボトルを購入した2002年に比べ13年後の今日には約3倍の値付けになっています!!
ワイン自体の年代が異なるので同じ様に比較はできませんが、桁が増えていることに久しぶりにビックリしました。
それだけ周知されて価値も上がったということなのかな。

因みに冒頭で、一時ランシュ家が所有した、と書いていますが実はフランスでは生産者や責任者が変ることは珍しい事では無いといいます。
つまり、以前はこの所有者だったけど今年は投資会社に売られた、などです。
以前の書籍によれば、フランスは相続税が高額でブドウ畑を相続し維持していくのは物凄く大変なことだそうです。
そのため、相続の時に分割されたり所有が変ったりすることはよくあるパターンで、時には味わいが全く変ることもあるくらいです。

これって、日本の森林相続にもにてないかな?!

伐採してお金を生むものならば払っていけそうな森林にかかる相続税も、木材として販売する様な金額にならなかったり、もともと手入れしていなかったりすれば、維持していくのは相当困難だと推察します。
実際に、そういった事例もあるといいます。

一面では何とも言いづらいことですが、やはり味や価値を維持していくにはそれなりの方法を考慮していかないといけない時代であることには変りないのかもしれません。
ほらね、ちょっとは木材にも関係あるでしょ?・・・

ランシュバージュ 3

最後に少しだけ、味わいの感想を書いておきます。
ブドウ品種の7割は、「渋い」と言われがちなカベルネ・ソーヴィニョンであるにもかかわらず、渋さはなく反対に甘みを感じるのはやはりその品種の持つ熟成の妙があるのかもしれません。
さすがに自然の産物!
その為に口に含んでもほっこりと落ち着く様な味で、美味しいワインのお手本の様に感じます。
産地のポイヤックという地区の中でもボリュームがあり力強いタイプ、と言われますが、決して重くのしかかるのではなく、しっかりと味わえるという意味です。

私の木材鼻でかぐ香りは、少しバナナっぽい甘さの香りと、甘い蜜を持った綺麗な花の様な香り、という印象でした。

木もワインも、気にいって落ち着ける環境を作ってくれることでも似ています。
自分のお気に入りを見つけて、リラックスタイム。

ランシュバージュ 4

 

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昌志、いきまぁ〜〜〜す!


戸田君って、緊張せぇへんよなぁ。羨ましいわ。
って、よく言われます。
何を基準にそう言われるのか不明ではありますが、どうもそういう風に見えているそうです。
少なくても、見えているのだといいますが、本人はそんな事はなく普通に緊張もします。
だから、何かの発表の時やグループワークの説明役などは、一斉に指名されてしまうので、半ばあきらめていますが、明後日は流石に本当に緊張するだろうなぁ・・・・

昨年末に教材を提供したことがきっかけで実現した出張授業。
ついに、戸田昌志先生になる!

気持ち的には、ホワイトベースから飛び出すアムロのような、声が裏返りそうな緊張です。
色々と準備はしていくものの、今までは少人数だったことやいつもショールームにて大人相手に説明していることもあり、今回の様に子供さんばかりということになると、言葉も選びながらペース配分も考えなくちゃいけなくて、それが心配。
そうそう、子どもさん相手なのです。

実は今回、ちょっとした縁があり地元小学校で出張授業をさせていただきます。

教材2


材木屋の出張授業というと、どうしても木工がメインに考えられるところですが、そこは他の方たちが精力的にやってくださっているので、私には私独特の味を、子どもたちに味わわせてあげようと悪だくみしています。
普通の授業じゃ面白くないもんね。
自分もそうだった。
先生が、何か自分の中に響く物を投げかけてくれた時、その教科や授業に対する気持ちが一変したものです。
そんな一石、投じられるかな・・・

教材1


しかしながら大人の視点とは違い、楽しみながら興味を持ってもらう事が目的で、自分の欲しい木材の話を聞きに来るショールームとは訳が違い、何もないところに興味喚起しないといけないということがあるので、果たして先生しきれるか?!・・・
学校の先生のご厚意で最初の予定よりは余裕を持って時間がとれることになったのですが、いつも通り調子に乗って喋り過ぎるのではないかと、火がつきすぎることも心配の種・・・

近頃は、この企画の用意や準備もあり、更に他のプレゼンや書類の作成で忙しくないのに忙しい状態で、かなり寝不足・・・
明日、最終のレジュメをまとめて(今頃遅いけど・・・)本番に挑むこととします。
木の神様、どうか私に木を伝えるお力をさずけたまえぇー。
心で応援していてくださいね。

上手くいけば、風景をお伝えしようかと思います。(お伝えしなかったら、滑りまくったのだ、とご理解ください。汗。)

DSCF0701




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広葉樹浮造り(うづくり)フローリング


以前はそれほどでもなかったのに、急に聞かれることが増える質問というのが何故か存在します。
同じ樹種に対するものだったり、無塗装のものがあるかどうかという質問だったりするのですが、今回は浮造り(うづくり)と呼ばれる仕上げについてのものでした。

浮造り。浮かびあがる造りと書いて「うづくり」。
最近では一般的に殆ど見ることのなくなった杉の無垢板を使った和室の天井板の表面は、ただ綺麗にフラットに仕上げてあるだけではなく、この浮造りと同じように「木目が浮き立ったような」仕上げをされていますので、立体感を感じるようになっています。

弊社がお届している百年杉柾無垢一枚物フローリング古希杉節あり無垢一枚物フローリングなどもそうですが、杉という樹種には多く使われてきた仕上げ方法です。
最近でこそ流行の様に、杉は温かいのでフローリングにぴったり、といった感じで普通に無垢フローリングとして受け入れられていますが、一時は「杉は柔らかいから傷がつく」とか「床にするには堅さがたらん」といって敬遠されていた(誤解も多い)ものです。
杉の柔らかさ=足触りの良さや温かさにつながることなので、とてもいい事です。
そんな杉には浮造りがよく似合います。
元々早材部(そうざいぶ)といわれる木質部分が柔らかい杉の特徴をうまく利用して、その部分のみをブラシなどで削り取ってやると、反対に堅い部分である晩材部(ばんざいぶ)のみが残り、木目が浮き出たように見えると言うわけです。
杉ではよく用いられる手法ですが、最近はこの浮造りを広葉樹フローリングで出来ないかという話を耳にします。

杉であれだけ綺麗なんだから、広葉樹の木目ならば更にいい表情が出るんじゃないか?!という様な期待もあるのでしょう。
結論、広葉樹でも・・・・出来ます。
出来ます、というより出来ないことはない、という方が正しいのかな。
こんな風に。

浮造り2


写真はタモです。
うーむ、なんか違う様な気がするなぁ・・・写真ではわかりづらいこともあると思いますが、確かに表面はザラザラボコボコとしているから削れてはいるんだけれども、どこか浮造りという風合いでもない・・・
広葉樹は単色に近い色目だからか?!
同じ単色部分を加工した針葉樹である、杉の純白浮造りと比べてみよう。

杉純白浮造り羽目板 13

やっぱり、針葉樹である杉の晩材(ばんざい」)の浮き立つ表情と広葉樹であるタモでは印象が違う。
何が違うのか・・・といわれると、私が感じるのは広葉樹を加工した場合、道管の印象の方が強いということ。
針葉樹と広葉樹の大きな違いである「道管」という組織が、加工したことによって晩材よりも強調された様な印象で、材面に無数のこすり傷というか、近くで見ると道管自体がピンホールのように見えて仕方ないのです。

浮造り4

基本的に、同じ木材といえど針葉樹と広葉樹では組織自体が異なるので、材面に違いが出て当たり前。
それがあるからこそ、様々なキャラクターがあるんだから。

もちろん、下写真用に右側の加工なしと比べると、表面に加工がされているのがよくわかると思いますが、赤身(芯材)と白太(辺材)の色差や早材と晩材の木目の差が針葉樹とは異なることから、材木屋としては浮造りと呼ぶのは違和感があります。

浮造り6


もし、杉の浮造りの様なイメージを持っておられれば、広葉樹は少し違った風合いになると言う事を覚えておいてください。



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木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ! 

杉と松の梁の強度差は?!


多分、無垢の家に関心が出始めて内装材や外装材、フローリングを含む建材類を無垢の木で考えていくと、家の骨格である構造材の樹種にも関心が出てくるもの。

そこで思うのは、梁(はり)や桁(けた)という部材にも杉を使いたい、ということ。
フローリングや羽目板などに杉板を使って節や木目を楽しむ時や、構造材まで日本の木で、と考えられる場合に多いお話ですが、一般的に構造材には「ベイマツ」が使われています。
そこに持ってきて、杉の梁桁材はどうして少ないのか?!と思われるでしょう。
もしかすると色々と調べているうちに、杉は柔らかくて弱いから使われていないんだ、という結論に至ることもあるかもしれません。
実際、そう聞かれることもしばしばあります。

では、比べてみるとどうなのか。
こちらは一般的に使われている米松の梁材。

梁破壊試験 1

これを試験機にで荷重をかけていくと・・・・

梁破壊試験 2

約7tくらいの力がかかったところで梁としての役目を終えました。

次に杉の梁です。
こちらは、一般的によく行われる手法で米松よりも梁成を30mmアップさせていることが違いです。

梁破壊試験 3


こちらもじわじわと荷重をかけていくと・・・

梁破壊試験4


先ほどと同じように、破壊されてしまいますがなんと、その荷重は約7.5t!
30mm大きいとはいえ、強度的に劣ると言われることの多い杉の梁が、米松の値を上回っています。
それに写真ではわかりづらいですが、杉は物凄く初期からたわむものの、結果的に米松以上の荷重に耐えました。
単純に比較はできないとしても、そのしなやかさと粘りは目視する事が出来ました。

そして、荷重のかかった部分をみてみるとこんなにめり込んでいます。

梁破壊試験 5


このめり込みも木材のすごいところ。
こうやってめり込むことで力を逃がし、突然の破断を防ぎ粘り強く耐えるのです。
杉も米松も、木材すごい!!


映像の力はとても強いので注記しておきますが、無垢ベイマツと杉の木材は必ずしも全てがこの結果であるわけではありません。
また、単純な強度比較でもありません。壊れ方の試験です。
現在構造材でも集成材が重宝されるわけは、この様な実験をしてもほぼ結果が均一にでることが優れているからで、無垢の木材の場合は材質によれば結果が逆転することもあるでしょうし、包括的な強度とくくるとベイマツは優秀ですし、「どちらが強い」の比較ではなく、「どれくらい差が出るか」の試験画像ですから誤解無き用に!
ただ、弱い・柔らかい・脆い、といった杉のイメージとは違う結果になっている、というメッセージの一つです。

前提として無垢の木材での構造は、この様な壊れ方をする使い方をしないようにするのが第一です。
もちろん絶対はありえませんから、性能が数値で表示される集成材を使いたくなるのですが、それでも無垢を考える場合は当初の想定サイズよりもワンサイズアップさせる方法が一般的ですし、構造設計される場合は各県などが出しているスパン表というものを使うのも一つの判断材料だと思います。

無垢の木をつかうのであれば、無理に同等性能を意識して選ぶのではなく、差があるものをどの様に考えて使うのか、と思ってもらう方がいいでしょう。
一時は「傷つきやすい」と敬遠されていた杉の無垢フローリングも多く受け入れられるようになりました。
フローリングに求めるものが、傷つきにくさだけではなくなったからだと思います。
もちろん、構造材にも単純にどちらが強いではなく、長所を活かす考え方を持って選定しましょうね。




木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ! 

この日だけは・・・・


寒さ厳しいこの時期、温かい部屋でのんびりするのは最高に気持ちいい。
時間が過ぎるままに任せて、大好きなフレーバーコーヒーでも飲みながらちょこっと読書なんてすると最高。
と思いながらも、毎年更に寒い場所に赴くのはなぜか・・・

さて、非常に申し訳ありませんが2月10日と11日の2日間は、担当がお休みを頂くためショールームはお休みとなります。
来週にと考えていらっしゃるお客様には申し訳ありませんが、日程ご検討お願いいたします。
また、2月の週末はおおよそ予約が詰まってきていますので、ご来店の予定はなるべく早いうちに頂けますようによろしくお願いいたします。

年に一度、しかもおりひめとひこぼしの様に、特別な曜日が重ならないと実現しない友人(もちろん男性)と雪国にこもってまいります。
ここのところずっと業務で休みが無かったので、その日だけはご勘弁を。
真っ白い雪で、雑念を真っ白く染めてリフレッシュして帰ってきます。


なお、期間中に頂いたお問い合わせや予約のご連絡は戻り次第順次回答いたしますが、場合によっては若干時間がかかることがありますが、なにとぞご了承ください。

雪国



木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ!