空を見上げて
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2014年06月

注意書き賛成!


まだまだ若い!と自分のことを信じるのは人の常。
私もいつまでもそのつもりでしたが、昨年から急に髪に白いものが増え出して・・・
まさか今の年(38歳)ででてくるなんて・・・・と若干ショッキング。
子供のころは、失礼ながらも白くなり始めるのは初老というような印象がありましたが、少しづつ自分の廻りで「銀色化」している人を見るようになってきて、それはそれで素敵だと思っているのですが、やっぱり一気に自分に対する印象がかわって・・・
まだまだ若々しい外見(どこまで廻りが思ってくれるかは別ですけども・・・)を維持しているつもりだったのですが、そろそろ、私によってきてくれるのは限られたものだけになっているようで・・・

このシーズン、本当に寄って来てくれるのは「蚊」だけですね。
イヤで仕方無くても寄って来てくれます。社内事務所では、節電も兼ねてですがなるべく朝夕はエアコンを使わず空気の循環をさせているわけですが、もう朝一番からジャンジャン近寄ってきます。
すかさず蚊取り線香をともすわけですが、すると蚊は退散するのですが小さい事務所内では線香の匂いと煙が漂って、風の無い日などは少し苦しく感じます。

そんな想いを知ってではないと思いますが、先日の新聞記事に「植物オイルで蚊よさらば」という見出しがあったので、腕をかきむしりながら読んでいました。

蚊取り


内容としては、現在使用されている医薬品会社などが製造販売する虫よけスプレーは医薬品や医薬部外品が大半で、蚊を寄せ付けない化学成分が配合されているけれども、敏感肌や香りが苦手というかたには使いづらいものだということで、植物の精油成分(エッセンシャルオイル)を主原料とした商品が様々紹介されていました。

私がいう蚊取り線香も、もともとは天然成分である除虫菊に含まれるピレトリンが原料の一つで、タブの木の枝葉を乾燥させて粉にした「タブ粉」(こんなところにも木材が!)を使って線香に加工したものですが、その主成分は現在、似た成分のピレスロイドという物質になっているということ。
蚊取り線香自体も、植物由来から転換されている中、今回の新聞記事の中に「天然」や「植物由来」という言葉だけが大きく飾られていて、そういう言葉に敏感に反応する職業柄。
気になって最後まで読み進めると、なかなかいい締めくくりをされていました。

それは、「これらの商品は、安心で安全、ナチュラルという印象だが、(中略)植物由来の成分でアレルギー反応をおこすこともあり、自然界のものが全ての人に安全とは限らない。自分に合うか試すことが必要」と書かれていたこと。

良い事書いてあります。こういう注意喚起は大切です。
メディアで「天然・自然」という言葉が出ると、どうしても手放しで「いいもの」というイメージがつきやすいもの。
こと無垢の木材もそうだと思います。
木材だって厳密にいえば科学物質を放散していますし、敏感な方は無垢の桧にだって反応してしまいます。
現実、私の知人も「安全・安心」がアピールポイントの植物原料由来の塗料を使っているにも関わらず、かぶれてしまった経験があります。

盲目的に、自然はいいものだ、と思うよりも自分にあったものを見つけることが大切。
また、今回のような天然物をとりあげたメディアの記事に、注意書きがあった事に驚くとともに、内容が正しく伝わることに安心をした次第です。

線香




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誰かの役割と自分の役割


来る7月の12日(土)に、大阪市北区の近畿中国森林管理局にて、「誰が日本の森を救うのか2014」という講演&ディスカッションが開かれます。

誰が日本の森を救うのか 1

誰が日本の森を救うのか 2

木材利用ポイントや映画 WOOD JOB の影響で、少なからず「国産材」というものに注目が集まってきていますが、言葉だけの「国産材」というものではなく、映画の中で描かれている林業についてと、それに伴ってどの様に木を使っていくのかという課題はまだまだ出口を見つけたとは言えません。

そういった課題を少しづつクリアーして、本当の意味で国産材を有効に活用して、木を使った人が喜び、木を伐った人もやりがいを感じるという循環に近づこうという、簡単そうで難しいテーマを話し合う機会の様です。

講演会の後に実際に木材を活用した木材コーディネートの事例紹介、そして森林所有者の声を聞いたうえでの参加者も含めたディスカッションタイムというものが設けられていますので、聞くだけではなく自分の思っていることを質問したりしてみることができるようです。

誰が日本の森を救うのか・・・それは誰かではなくみんなが意思を持って動かないといけないことだと思います。
でも、いざ自分にできることは何か、木造住宅に住んでいないし、木のものをかうことも無い・・・それでも出来る事は何かあるかもしれません。
誰かの出来ないことは他の誰かが補填すればいいんです。
今、広葉樹の植林イベントが多く行われています。大切に育ってくれればいいと思います。
でも、私は材木屋でありながら植林には行っていません。時間やその他の都合もあってですが、だからこそ、私は私という材木屋にしかできない「自分が選んだ材を積極的にお客様に届けて喜んでもらうこと」に力を注いでいます。
真面目に製材している地方の事業所の材や、お客様のことを考えて毎日木を触っている山の人の木を。
木を使わないといけないからと、無理矢理「国産材」という名前をすすめるのではなく、御客様が日本の山で育ち、こんな情熱を持ってもらえる材を使いたい!と思ってもらえるようにするのが私の役割だと思っています。

日本の木材の事、山の事。気になっている方、参加してみませんか?!
申し込みが必要ですので、詳しくはNPO法人サウンドウッズさんのホームページをチェックしてくださいね。




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神域に至る一里塚 大塚丘のヒノキ


北口本宮さんのヒノキの林の香りに誘われて境内をうろうろ・・・

地図で見てもどうも少し離れている。けれども境内外は道路で、それを辿っていくと富士登山道の一つ吉田口へと続きます。

大塚丘のヒノキ 7


ここで頭をよぎるのは距離。

携帯で表示される地図は特にですが、拡大縮小がスムーズなだけに、安易に考えていると結構距離が離れている場合があります。
ましてや歩いて向かおうという時は要注意。行けども行けどもたどり着かない場合は、もう少しか?という淡い希望を持っていくのですが、不発だった時の戻りのしんどさと言えばたまりません。
今回はしっかりとタクシーの運転手さんに聞いておきました。
北口本宮さんからは歩いて5分程で次の目的地、「大塚丘」にたどり着くということ。

一安心して歩きだすと、予想よりも早く大塚丘に到着。
看板もありすぐにわかりました。

大塚丘のヒノキ 2


緑の続く道路の端にあるため、車だともしかすると通り過ぎてしまうかもしれない位、こじんまりした静かな場所です。
今まで北口本宮さんのスケールに慣れた体には小さすぎると感じますが、華美ではないことが廻りの森にもよく馴染んでいると思います。

大塚丘のヒノキ 1


先程、スケールが小さいなどといいましたが基。
解説板を見てみるとなんと、日本武尊が東征の折この丘より富士を遥拝し・・・・とあります。
えぇー、そんなに昔のお話なの?!
昨年、お伊勢さんと出雲大社の遷宮が重なる大遷宮年だったこともあり、日本に伝わる神話のお話も盛んに語られていたので、日本武尊のお話なども耳にされたこともあるかと思いますが、遥か神話の時代にこの丘に最初に浅間大神を祭り、その後に北東に社殿を創立したとあります。
そんなにスケールの大きな丘だったのね。

おみそれしました。どんな丘やねん、と思っていた自分が恥ずかしい。

そんな由緒正しい丘にはやはりヒノキが似合うのか・・・
「スサノオノミコトの胸毛」が飛んで来ていたのかどうかは定かではありませんが、北口本宮さんの社殿裏を始め大塚丘にもヒノキがあります。
そのなかでも一番大きいと思われるのがこの大塚丘のヒノキ。

大塚丘のヒノキ 4


急斜面にしっかりと根を張ってまっすぐに伸びている紅い羅針盤、と言ったところでしょうか・・・
ガイドさんから聞いた話だと、富士山の「1合目、2合目」の”合目”とは、登山道で登ってくる道中で持参しているランプの油一号が無くなるところが「○●合目」とされているらしいです。
つまり、いくつかある富士山登山道ごとに、1合目や2合目の場所が異なるそうなのです!!
知っていましたか?私は知らずにビックリです。
ただ、登山道を山頂まで10分割しているだけだと思っていました。お恥ずかしや。
無知とは罪なものですね・・・
他にも諸説あるそうですが、こういうお話は興味をかきたてられて日本一の山にふさわしいとも感じますね。

それと同じ?!く、道中の目安というのは昔から存在するもので、今のように携帯のナビやマップなど勿論無い時代には、その道中の道しるべになるものが必要でした。
街道の約4キロ毎にエノキ等の木を植えて目印にされていた歴史が残っていますが、まさしくその役割をこの大塚丘のヒノキが果たしている様な気がします。
もちろん、実際にそんな意味合いはないでしょうけれども、丘にスクッと立つヒノキの紅い木肌は良く目立ち富士の山頂の雪や雲の白と合わせて紅白の色合いがとても印象的です。

大塚丘のヒノキ 5


最初に書いている様に、ホントに小高い丘に小さなお社のあるだけという立地ですし、丁度ヒノキの立っているところが急斜面ということもあり、カメラを据える場所とアングルが限られるので、あまりいい写真がとれていません。
廻りの緑の木立にひきたてられるように存在するヒノキの美しさがつたわるでしょうか・・・

大塚丘のヒノキ 6


このあたりも雪が降るからなのか、それともやはり大樹の貫録か。
大塚丘のヒノキも散在する枝が触手の様に伸び、少し垂れ下がっているのです。
もちろん、自重によるところが大きいと思いますが、下から見上げる自分に覆いかぶさるような印象はどの巨樹にあっても心に残ります。

今回の北口本宮さんからの巨樹巡りは、本当に五感で楽しめた(といっても食してはいませんが・・・それは宿でのお楽しみ・・・)ものでした。
静かでいながら枝や葉がこすれる風の音、その間に流れる鳥たちのさえずり、そして目の前には巨樹が立ちどこからかヒノキの甘い樹液の香りが漂ってくる・・・
スギとは違いヒノキの巨樹というのは、なかなかお目にかかれるものではないものですからこの五感で感じる森の存在は、流石に富士のお膝元!と、妙に富士に敬意を表したい様な気持ちになりました。

もし、吉田口登山道によることが出来る方はリラックスがてら寄ってみてください。
日本武尊の御利益もいただけるやもしれません。


大塚丘のヒノキ所在地

山梨県富士吉田市上吉田5619

北口本宮さんの駐車場より徒歩約5分




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北口本宮冨士浅間神社の大樹の森


皆さんは旅行というと一人がいいですか?仲間と一緒がいいですか?!

私も両方好きですが、近年巨樹巡りをするようになってからは一人の方がいいんです。
だって、早朝旅館を一人抜け出したり、昼食の間の少しの時間で巨樹の待つ神社参拝をしたりするので、どうしても時間の制約と待たせている感覚があると、ゆっくりと廻ることが出来ないからです。
まぁ、自己中心的に行かないとなかなか思うようなスケジュールで巨樹を巡ることはできません。(私のスケジュールがタイトすぎるということは周知の事実です。)

さて、前回さわりをお伝えした北口本宮冨士浅間神社ですが、境内の巨樹はここからが本番です。
最初に言っておきますと、前回のイチョウを抜いても4本の巨樹が立ち並んでいます。
また、周囲の森もとても良い雰囲気で、心落ち着きます。
では、先ず最初に太郎さんから・・・

北口本宮さんの森 7


こちらスギ=直ぐい木、の俗説の通りまっすぐに高く聳えています。
手水屋に向かうまでに、イチョウよりも先に目に入るので、夢中になって身を清めることをお忘れなく・・・

北口本宮さんの森 4


通称冨士太郎杉の特徴は、解説板にもある様に漏斗を逆さまにして立てたような、まさしくそんなイメージです。

北口本宮さんの森 5


巨樹の根廻りでよく見かけるのは、夏山の大スギの様に根が大蛇の様に這いまわっている場面ですが、これは見事という以外ないほどにこんもりと盛り上がっています。
いつもながらに、なんでこんな形になったんや?!と問いかけてしまいたくなるのをこらえながらながめていると、裏側?は少し印象が違っていました。

本殿に向う側から見るととても元気そうで、すくすくと育っているような印象を受けますが、やはりそれなりの年月が流れている証拠か、裏側は「お化粧」がかなり厚く施されています。

北口本宮さんの森 6


こちら側のみ何かあったのか?!
根の際からかなり上部まで、ビスなどで皮が固定され木部表面が見えないように覆っている様に感じます。
まさか、縄文杉のように人為的に葉がされたのか?!!と思いそうなところですが、おそらく解説板にある台風の影響を受けた時の損傷なのでしょう。
以前巨樹という言葉についてのお話で、日本には幹回りの立派な巨樹は存在するのに高さは世界に比べれば高いものが少ない理由の一つとして、台風の襲来を挙げましたが、どうしても日本においての巨樹の樹高は台風や落雷などによって、そう高くは伸ばさせてもらえない様です。

そんな冨士太郎杉と双璧を成すように鎮座しているのが、拝殿に向かって右側に位置する冨士夫婦ヒノキです。

北口本宮さんの森9


社殿の前に立つ2つの巨樹は、もともと北口本宮さん自体が、富士山への信仰と拝殿以降の富士を神域とする場所であることも含め、太郎杉と夫婦桧が大きな鳥居の代わりというか、門のような意味を持っているようです。

北口本宮さんの森 8


スギの巨樹を見慣れてしまうと、ヒノキは太さや迫力にかけるかもしれませんが、夫婦ヒノキは合着木の一種で、根元と末(すえ)部分でつながり、中間が離れているという変わった形をしていますから、太さよりも珍しさに目をひかれるかもしれません。

また、各地に夫婦スギや夫婦ヒノキというのはよくあるもので、以前紹介しただけでも、切越の夫婦ヒノキや宍粟市の巖石神社の夫婦ヒノキがある様に、2本一対か、合着している様なものはその名で呼ばれ、「夫婦円満、恋人と結ばれる」などという、俗世の迷い事(笑)の救いの神の様に、またパワースポットなどと言って人を集める事があります。
もちろん、私も若くて意中の人がいれば必死に手を合わせたことでしょう。なんなら札の1枚や2枚、貼りつけていたかもしれません。
逆に、そんな命名を穿った見方をしてしまう感性の鈍った自分が恥ずかしくなる次第です。
そんな事を言っているとやはり、ヒノキの廻りでイチャイチャと・・・・してはいませんが、若い男女が大樹を眺めています。

北口本宮さんの森 10


最初は、パワースポットとか思わず二人で訪れる事が出来たことをきっかけに仲良くなればいいなぁ、と思っていたのですが、団体行動を抜けてきている時間の制約がある私がヒノキをシャッターに納めようとしているところを、なかなか場所を開けてくれません。
うーーー、時間がぁ・・・・と言ってもおれず、まだ夫婦前であると思われるカップルも一緒に写ってもらう事にしました。
こういうこともあるか。


こうして見ると、まさしく門構え。双璧です。

北口本宮さんの森 11


この2本だけでも立派なところ、この記事と同じように駆け足で巡らないといけないのには訳があって、これらのすぐそばに「上吉田諏訪神社の大スギ」が聳えているからということと、さらにその奥があるから・・・・


社名が異なるので、すぐ近くに別のお社があるのかと思いきや、北口本宮さんの敷地内、といっても間違いではないところに鎮座されています。
元々はこの地の氏神さまで、北口本宮さんよりも歴史が古いそうですが、明治時代に浅間神社に統合されたそうです。

北口本宮さんの森 13


特にこれと言った指定は受けてはいない様ですが、社に向かって左側は見事な太さ。

北口本宮さんの森 12

解説板が無い為に詳しいことはわかりませんが、この左側の一本は根元から幹が分かれているので、「わかれたのか、はたして合着なのか」と詮索したくなりますが、どちらにせよ見事。
太郎杉と同じく、上部に一部損傷、というか皮の剥がれている部分があるので、少し心配ではあります。
あまり葉に力を注がず、治癒してもらいたいものです。

一般的には木は大きくなるものだとおもわれているのでしょうか、または地元の人々は慣れているのでしょうか、私が巨樹を巡っていても参拝の方はそんなに気にする様子もない場合が多いのですが、この北口本宮さんは地元の方以外にも多くお参りにあがられるのでしょう。私が訪れている間も写真を撮影したりお参りの後境内を散策されたり、もちろん巨樹達をながめたりしていましたから。
その中でも巨樹はやっぱり目をひくもののようです。

北口本宮さんの森 15


娘さんが双方の巨樹を行ったり来たり。
見上げては触れています。いいことです。

その大きさや存在感、自分と比べて木々の大きさなどを実感して、人間性の大きな女性になってもらいたいもの。
木の好きな人に悪い人はいません(笑)。

もうここまで来ると、ちょっと太い木でも皆さん驚きませんね。
実は社殿を裏へ廻って行くと建物の際に聳えるもう一つの杉があるのですが、驚きが薄いのは慣れでしょうか?!

北口本宮さんの森 17

こちらも根の張りが大きい、冨士次郎杉です。
太郎と次郎というわけですね・・・

それにしてもこんな際に存在するのはどうしてか?
植えられたのか、それとも種が落ちたのか・・・
太郎杉にも負けない立派さから想像すると同じような時期に芽吹いたものと思われますが、やはり実生でしょうか・・・
次郎杉は社殿立ち入りできないため近づくことはできません。


しかし、これだけの巨樹がある境内ですから、本当は別々に紹介したくなる位ですが、巨樹専門ページでは無いだけに簡単になってしまいますが、なにとぞご了承を・・・
なにせ広い広い。ゆっくり参拝したいのですがそれもかなわず。


ここ北口本宮さんは参道前の道路の交通は決して静かなわけではなく、どちらかというと主要道路なので、車の通りがひっきりなしなのですが、参道を抜けて境内に入ると嘘のように静かです。
これも木々が立ち並ぶ森が車の走行音などをかき消してくれているからだと思いますが、普通の社寺と少し違ったのは音以外に香りがあったこと。

北口本宮さんの社殿に入ると、どこからかヒノキの香りがするなぁ・・・とぼんやりと思っていたのですが、後になってそれは本当にヒノキの香りで、木材ではなくヒノキの林からの香りであることがわかりました。
目で見る緑や耳から聞こえる小鳥のさえずりや静寂だけではなく、鼻を通り抜けていくヒノキの油の香りは、甘くもありすっきりとしていて団体行動で少し疲労のある夕方に訪れた体を、少し軽くしてくれた様な気がします。

後の写真だけではおそらくこの感覚は戻らないでしょう。
今、この時だからこそ一握りの香りが鼻に残っている間に、この記事を仕上げてしまいたかったのが今回の北口本宮さん紹介の理由の一つです。(まぁ、初山梨という事で、一つは記事にしておきたかったのですが・・・)

そして次回、社殿の裏のヒノキの林を抜けて更に奥、大塚丘なる場所にヒノキがあるという事でそちらに向かいたいと思います。
あぁ、ヒノキの香りは大塚丘へのいざないか・・・と、フラフラと香りに誘われながらすぐ近くにあるという大塚丘へ向かう足でした。
やっぱりヒノキの林や森の香りはいいですね!

あと一回、山梨の旅は続きます。


北口本宮冨士浅間神社所在地

山梨県富士吉田市上吉田5558

駐車場あり


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ご神木に無事を祈願して・・・ 北口本宮冨士浅間神社


誰かの巨樹巡りの記事で見たような覚えがあるのが、「記憶が薄れる」っていうこと。
訪れたその時は鮮明に記憶に残っていても、人間というのは忘れる生き物。少しづつその記憶は薄れていきます。
実際のところ、とても探究心旺盛であったと記憶する学生時代の心理学の先生曰くは、「人間は忘れる事ができる、生き物よ」との事。
イヤなことも怖かったことも心配事も、忘れる事ができるから生きていける、と言われた覚えがあります。結構私には衝撃的な言葉で、とても印象に残っていますが、忘れないとすると反対にどんどんと記憶の脚色が色濃くなるのではなかろうかと思います。
特に男性諸氏は、「あの時の」彼女との想い出などはとても美しくデコレーションされているのではなかろうかと思います・・・邪推。

さて、何故そんな事を思うかというと、いつも思うんですが巨樹をたずねた時に感じる独特の雰囲気や匂い、感覚というものは写真では表現できませんし持って帰ることはもちろん、かないません。
だからこそ、その瞬間を大切にするようになるのだろうとも思うのですが、やはり良い記憶は出来るだけ鮮明にのこしておきたいもの。
どうしてそう感じたかは後で触れるとしましょう。

先日、取引先の2年に一度の懇親旅行に参加してきました。
場所は山梨県。
実は私、日本人ながら今まで一度も富士山に訪れたことがありませんでした。目的地が富士山という場合は、まぁ例外なく御来光を拝みに行く時だと思うのですが、5合目すらも訪れたことが無かっただけに、山梨方面周遊富士山5合目観光に喜んで参加してきたわけです。

それで、です。いままでそちらの方面にはおりたったことが無い、ということはその周辺の木々にもまだ会った事が無いということ。この機会に会いに行かずにおくべきか!!という事で向かったのは、富士山登山の入り口の一つであるとともに、昔は入山する前に登山の無事を祈ったとされる神社のうちの一つである、「北口本宮冨士浅間神社」に行ってきました。

北口本宮さんの森 1


バスのガイドさんに念の為聞いてみました。

  私   :北口本宮と東口本宮とあるけど、南口とか西口もあるの?!

ガイドさん:いやぁー、それはきいたことないねぇ・・・・

あ、そんなもんなのね。富士山を起点に東西南北にそれぞれの浅間神社があるのかと想像していましたが、どうもそうでもないようです。
実際のところの回答は、北口本宮冨士浅間神社のホームページのよくあるご質問(やっぱりね・・・)に掲載されています。思想的にもとっても見ごたえありますので、是非読んでみてください。

ただ、訪れたい木々のある浅間神社だけでも「小室浅間神社」や「忍草浅間神社」などが周囲に点在していますから、えぇーっとぉ次は何浅間神社やったかな・・・・・ということになりますので、注意が必要。
因みに、河口湖近くにある七本杉で有名な「河口浅間神社」は”せんげん”ではなく「あさま」と読む、と早朝に巨樹巡りする私を載せたタクシーの運転手さんは教えてくれました。
ホンマにややこしい。
余談ながら、同じ様な名前のある神社の代表と言えば「白山神社」!!これは外せません!もちろん、「○●稲荷」も相当数存在しますが、白山神社だけはもう、ホントに各地にあるどころか村となり位の距離に点々とあったりするもんだから、正確な住所や場所の不明な「市町村指定」クラスの樹木や指定外(または未指定)の樹木が白山神社にある場合はぞっとします。

それはもちろん、以前に迷いに迷って周辺にいながらたどり着くまでに2時間ほどかかった覚えがあるから・・・
皆さんも名称や所在地はしっかりと調べて向かいましょうね。

さて、本題の北口本宮さんです。

車道に面した参道には見事な並木が立ち並び、道路際から眺めても「これも巨樹のうちの一つか?!」と思う位のサイズのものがあり、歴史の永さを感じさせます。

北口本宮さんの森 2


その参道を抜けると新しい朱塗りの鳥居が出現します。
私の訪れる少し前(平成26年4月頃?)に鳥居の式年大修理がおこなわれたらしく、色鮮やかで、しかも木の香りがプンプンしていました。
(写真は参道入り口に向かって撮影しています。)

北口本宮さんの森 18


ガイドさんは最大の木製鳥居です、というようなことをおっしゃっていたように記憶しているのですが、うーん、確か記憶では明治神宮がタイワンヒノキ製でもっとも大きかった様に思うのですが、ここはガイドさんのお話に耳を傾けてじっくりと見てみることにしましょう。

いや、見る前に匂いで感じますよ。
プンプンと香るこの材はおそら米ヒバですねぇ。
私の鼻が間違っていなければ、風にのってくる香りがそっくりです。

また、いつものように社寺仏閣のこの様な大型の建造物に使われる桧というのは、日本には潤沢に存在しません。
もちろん、全部伐ってしまえば無いとは言えませんが、通常は供出できません。
だから、針葉樹で大径木で目が細かく加工のし易い材料で、しかもあたりまえですが屋外ですから、水湿に耐えることのできる樹種として白羽の矢が立つのは、やはり桧の仲間である米ヒバでしょう。

その材の色合いや、発する特有の香りが日本のひば(あて)のようであることから、日本での流通名は米ヒバ(べいひば)と言っていますが、紛いものとバカにするなかれ。
樹齢が高く大径木である事から、通直で木目の詰まった美しい材がとれる上に耐久性も高いとなると、木曽ヒノキの代用と言われるよりも、使われて当然のことなのです。

よく見ると、柱には鉋(かんな)の跡が見えますし、木目もはっきりと確認する事が出来ます。

北口本宮さんの森 19


さて、鳥居のまわりをグルグルと回って匂いを嗅いでいるおかしな材木屋を尻目に参拝の方が通り過ぎて行かれますから、写真スポットを確保すべく足早に境内へ向かいます。

一歩足を踏み入れると、境内の広さが感覚的に伝わってきます。
大きな社殿とその左右前後に広がる緑の存在感と境内独特の「音」。それらが私に境内の奥行と豊かな緑に包まれた厳かな空気を伝えてくれます。

私がこの北口本宮さんに訪れたかったのはもちろん、巨樹が存在するからですが、境内の空気と雰囲気だけでもとてもこころ落ち着くものがあります。
また、杉並木以外でも手水舎の傍にそこそこの大きさと樹高のイチョウもあります。

北口本宮さんの森 3

一本の株立ちで、そこそこ立派な太さです。
それにしっかりと背を伸ばしています。
これから何十年、百年後には立派なご神木に成長していることでしょう。
そういう意味で言えば、今この写真は「かぐや姫」のようなもの。私がおじぃさんになった時に、立派に成長したイチョウをまた愛でる事ができるかどうか・・・それまで頑張らないと・・・


さて、この後が本題の巨樹ですが、続きは次回におとどけしましょう。
だって、ここを訪れた時は珍しく時間に余裕があったので、90分ほど写真撮影をする事が出来たため、記憶を鮮明に残しておくために少しゆっくりと進めたいのです。
しばしお待ちを。

シリーズになってしまいそうですが、それ位に見どころのある北口本宮さん。
次回もゆっくりと見てくださいよ。




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旺盛だからこそ衰退させられるプラタナス

 

2回に分けて続けてきた樹種シリーズですが、今回3回目はシカモアと呼ばれるばかりに誤解を生みやすい樹種のプラタナスについて、もう少し話を続けたいと思います。

プラタナス 6


その名前とシカモアという呼び名との関係は前回紹介した通りですが、日本語にあたる「スズカケノキ」は「篠懸」とかいてスズカケと読みます。中国名も「懸鈴木」というそうですから、これは大きな違いはなさそうです。

英語名を sycamore,button wood,plane-tree, などといいますが、plane-tree は platanus (ラテン語)から来ていて、そのもとはギリシャ語の「大きな葉」がもとになっているそうです。実物を見てみれば、カエデに似てはいるものも、サイズの二回りほど大きな葉っぱに気が付くでしょう。
また lace wood と言う呼び方もされているそうですが、これは縮み杢などを持つ他の樹種にも使用されている名称ですので、前々回の記事の写真にあるプラタナスの斑模様からついたものではないかと想像しています。

プラタナス 7

また、前後しますがスズカケの名は、秋にできる集合果が山伏の着る篠懸の衣の房(梵天房)の形に似ているところからきているそうです。

そういえば、フサフサの球体はまさしくそのイメージ通り。人も植物も名前というのはユニークで面白いものですね。

ヨーロッパをはじめ、インドや北米、メキシコにまで広がっているらしいこの属の木は、6〜8種だと言われています。病虫害に強く大気汚染にも強く、さらに幾度の刈込にも耐えることから、街路樹に求められる資質を完全に備えたと思しきその性質。世界四大街路樹の一つ、と言われているほど、世界中で知られた定番中の定番だと言われます。因みに他はニレ、ボダイジュ、マロニエ(セイヨウトチノキ)だそうです。

プラタナス 5

そこへもってきて成長が早い樹種なので、整備したての道路際などにも早いうちからなじむことと、少々の空気環境でも育つことで、枯れたりする心配はなかったわけです。

大気汚染でいえば、1952年のロンドンスモッグ事件という1万人以上が死亡したといわれるときでも、プラタナス(モミジバスズカケノキ)は生き残ったと言われていますから、そのタフさは推して知るべし。

早くから葉を茂らせて木陰を提供してくれるその木は、古くから神話にも多く登場しています。ゼウスと女神たちが関係するお話や水と関係の深いお話に多く登場して、木の陰で広がる物語に華を添えています。
また、古代からプラタナスの木の下で医学や哲学を論じていたと言われ、今でも医学部のキャンパスなどではプラタナスが植えられていることが多いそうですが、果たして、この話を知ってのことか否か・・・・医学部の方、キャンパスを見て、学部の歴史に詳しい方に実地見聞とっていただけませんかねぇ・・・

こんなに優秀で愛されているプラタナスだからこそ、神話の時代から親しまれ、カエデよりもきっと印象が深かったのでしょう。そこから似ている樹木ということで、カエデの方がシカモアと呼ばれるようになってしまったのではなかろうか?!興味は尽きません。

とはいえ、ここからが問題で木陰ができるということはそれだけ多くの葉をつけるということで、しかもその葉は結構な大きさですし落葉樹ですので、時期が来ると葉を落としていきますから、今度はその葉の処理を如何にするかという問題が出てきます。

成長が早く大きな葉をつける、いいところばかりに思いますが、街路樹として考えると、葉の処理や手入れ、剪定の費用が多く発生し、最近では樹種転換などで植え替えが進んでいたりすると事が多いようです。
俳句では秋の季語とされているらしいスズカケの葉も、現実の世界では落葉の美しさよりもその後の処理に観点が移ってしまうようで、少し残念。


プラタナス 3

公園などでのびのびと育つと、大きく枝を広げてそこに大きな葉っぱがつく姿は悠然としていて気持ちのいいものですが、一方先の街路樹はというともちろん刈り込まれることが多いので、その姿は少し異様だったりします。
まだ暑さの残る季節に、丸坊主どころか無残に刈り込まれたプラタナスをよく見てみると、枝先や刈り込みされた部分にボコボコとしたコブの様なものが出来ます。
これは剪定コブ、といって、同じ部分を伐る事によって出来るものだそうですが、それだけ頻繁に刈り込みされているということ。
確かに落ち葉の処理が大変(これらに関わるお役所の清掃費もバカにならない金額らしい・・・)という理由はわかるんだけれども、とにかく葉っぱのつくところは根こそぎ切り落してしまえ!的な刈り込み(というよりもぶった切り・・・)の後の街路は、何のために街路樹があるのか意味がわからない位に殺風景になります。
もう少し何とか方法ないものかと、晩夏の風物詩の様になってしまっているのもまた残念。

人間たちめ、そんなに俺たちを刈り込んでいるとしまいに痛い目にあうぜ!!
ガブリ!!
とばかりにガードレールを一かじり!!

プラタナス9

なんでこんなに近くにガードレールするんでしょう。
そらかじりますわね、腹へってなくても・・・
鉄を与えると元気になると言われる「ソテツ」ではあるまいし、鉄分不足とも考えにくいですからねー(冗談ですが・・・)。

その特性をかわれて植えられたにもかかわらず、成長してくると刈り込まれ近年ではその成長スピードと多く茂る(落葉する)葉が逆に敬遠され、また、大きく育つ割には根が浅く風に弱いこともあり、特徴的な「鹿の子模様」も街路樹として採用されなくなっていているといいます。
以前に聞いた、どこかの公園のお話の様です。

プラタナス 2


しかしながら、そんなプラタナスだからこそ立派な板材が取れたというのは材木屋としては嬉しいところ。
斑も綺麗だし、優しい木目はインテリアも邪魔しないことでしょうし、成長の早い割には材の重硬さの目安である「比重」が0.6〜0.8という珍しい樹種ですので、しっかり感は醸し出せそうです。
あとは写真でみた割れがどうなるか・・・・
この夏の暑さでどう割れるかが怖い様で、楽しみです。

プラタナスは先の神話のお話に通じる、「正反対のものとのバランスをとるもの」としてバランスのシンボルと言われます。
広く枝を広げ、様々なものをその木陰で覆い守り、まるでその枝が天秤であるかのように・・・

プラタナス 8


プラタナスの木語は「天才、非凡」

あぁそうか、やはり一般には理解されにくい才能や非凡なものというのはその優秀さゆえに刈り込まれていくのだろうか・・・
全てに受け入れられ認められるというのは難しいもの。
本来、人も植物もみんな天から授かった才能と、生きていくための術でそれぞれ進化し特徴をもってきたもの。
だからみんなが天才で非凡なんじゃないかな。
街路樹の様に等間隔で並び、大きさを制限されているような枠にはプラタナスは似合わないのかもしれません。
みんな画一的である必要なんてない、のびのびと育ち大きな葉をつけるプラタナスの様に、自分を伸ばしていけばいいんだ。
プラタナスの木陰では、そう思えるような気がします。

最後に有名な勧進帳の謡い出しは「旅の衣は篠懸の・・・」とある。
梵天房まではないにしろ、篠懸の葉が落とされる前に街路の木陰を歩いてみましょうか。




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メープル・シカモア・プラタナス・・・ふうぅ〜、、、、、


今回の樹種シリーズは、前回から始まった「シカモア」のお話。

シカモアという名前を聞いて、ピクピクとした人は結構いるのではなかろうかと思います。
特に楽器や無垢フローリングについてご覧になったことのある方は、一度は興味をもたれたのではないかと想像します。
私もその一人です。

その興味の最大のポイントは白く美しい木目と、響きは良いが紛らわしいその名称に尽きるのではなかろうか・・・
シカモアという名称のイメージは、白くてトチの様な縮み杢の美しい木目を持った木の名前。見るものは異なるかもしれませんが、そんな印象ではないかと思います。
そして大抵の解説では、美しい材はヴァイオリンなどの楽器の裏板に賞用され、とても高価な材料である、とされています。

ここが木の名称の難しいところであり、ハマりこむ最大のポイントです。
弊社にも一時期、御社の無垢フローリングにシカモアはありますか?!、といった問い合わせを多く頂いたものです。
その際に聞かれる「シカモア」という名前で語られるものの多くは「セイヨウカジカエデの仲間のメープル」を意図していることが殆ど、いや全てです。
それでは、シカモアはメープルなのか?!前回の厚板もメープルか?!ということになりますが、これが不思議な世界への入り口なのです。

ここからは、よく陥りがちな何が本物なのか?という考え方ではなく、あくまでも人間の分類した名称における「通称名と流通名、学名から見る樹種の違い」に観点を移しましょう。
もうかれこれ5年前になります。先に書いたように「シカモア」に関する問い合わせが集中していて、そのたびに説明するには話が永くなりすぎて困っていた為、この記事にて一度まとめておかなければいけないと思い、書きかけたのですが、その当時にはまとめきれずに中途半端になってしまっていた位に私にもややこしい樹種名なのですが、その理由を一つずつたどっていくことにしましょう。

結論から言いましょう。
前回の割れが出たものは、シカモアとも呼ばれている「プラタナス」という樹種です。
板材の写真を思い出してください。
私が遠目でビーチ(ブナ)かと思ってしまった位に、白っぽいというよりは淡紅色が混ざった印象の木目は、さきほどからの「白っぽく縮み杢のでるシカモア」とは違うと理解していただけるでしょう。
事を複雑にしているのはここです。

今まで多くの木材を見てきたであろう先輩材木屋さんも市場でこの材の表記を見たとき、「シカモア?!!?これ、シカモアかぁ?こんなんかぁ?!ちゃうやろ〜」とおっしゃっていました。その続きを聞いてみると、「昔はプラタナスゆぅてなかったかぁ?!」とかなんとか・・・

そう、それが真相です!!

流通しているヨーロピアンメープルの類もシカモア、そしてプラタナスもシカモアと呼ばれていて、しかも双方葉っぱの形まで似ているもんだから、同じ仲間同じ樹木と勘違いされやすいのだと感じます。
少し難しくなりますが、樹種の区分を明確にしてくれる一助は「学名」です。
「シカモア」という通称名や流通名ではなく、植物学上の科目や種で区分されている学名をみれば、何がどう違うのかがはっきりと見えてきます。

先ず第一にカエデ=メープル。

コハウチハカエデ


板屋楓ロックメープルに代表される強固で摩耗に強い優れた材であるとともに、紅葉(黄葉)を楽しむことが出来る樹種として親しまれています。
学名はカエデを意味する Acer で始まります。 ロックメープルの Acer sacchrum などです。
ここでも小さな問題があって、カエデとモミジは違うものか?!という疑問が出てくるのですが、わかる方いらっしゃいますか?!


広義でいうと同じもの。カエデの中に「○●モミジ」と名前のつくものが存在しますから。
それは、山の木が紅葉(黄葉)することを、古くは「紅葉づ=もみづ(または黄葉づ)」と言った為に、紅葉の代表格となる「高雄カエデ=イロハモミジ」(葉の切れ込みを数えると、いろはにほへと・・・から)と付けられたというところからの様です。

要は、紅葉(黄葉)するものの総称だったのが、いつしかその代表格に名称を独り占めされたようなもの?!かな。
ただ、区別するとなると、園芸上はカエデの仲間でも、より葉の切れ込みが深いものを「モミジ」といっているという区分もある様です。


とうかえで


そして次に本題のシカモア=sycamore

これは木材のややこしい流通・通称名の例にもれず、話がこじれます。
なにせ専門書を紐解いても、写真や解説がその本毎に若干違っていたりするのです。
解説文はほぼ同じなのに学名が異なる=全く違う樹種のこと、だったり学名は同じでも写真と解説が異なるもの=ミスプリントか情報の錯綜か、と言った感じです。
それ位難しいものですから、ここからは私の経験も含めてのお話になることを了承くださいね。

一般的にシカモアと言う名前で想像されるのは先にも書いたとおり、メープルの仲間のグレートメープルやオオカエデ、ニセスズカケノキなどと呼ばれる Acer pseudoplatanus で、流通名をホワイトシカモア(または単にシカモア)、シカモアメープルといい、和名をセイヨウカジカエデのこと。そして広義にはその仲間の波状杢(縮み杢)のあるもの、とされているようです。

学名は、「プラタナスに似たカエデ」といったところでしょうか。これは、次に紹介するプラタナス(orientalis)の葉に似ているカエデだからこう呼ばれるようになったと言われます。

ただ、sycamore の名は本来はクワ科のエジプトイチジク Ficus sycomorus に使われていたものだそうですが、やはり葉の形が似ているということでカエデに転用されたのではと推測されているようです。

次に、板材を紹介した方のシカモア(ややこしいですが・・・)は、スズカケノキという樹種で、一般的には「プラタナス」という名前で知られていて、学名の英語読みがそのまま樹種名になっている木です。

プラタナスの中で北米東部原産のものをアメリカスズカケノキといい、学名を Platanus occidentalis 、西アジアや南東ヨーロッパ原産のものを Platanus orientalis といいます。

前者の種の後に位置する学名は「西」を、後者は「東」を表していて、ヨーロッパから見ればアメリカ大陸が西側に位置するからだそうです。この学名は分類学の権威であるカール・フォン・リンネによってつけられているのですが、彼の命名にはこの「東西」が比較的多くみられるのはやはりその性格や思考(嗜好)の現れでしょうか…

そしてこの2種の雑種が日本で最もよく目にする「モミジバスズカケノキ」で、学名を Platanus acerifolia といいます。

これは先に出てきたカエデの意の acer と似た葉の folia から来ているもので、まさしくこれがカエデとシカモアとプラタナスの紛らわしい名称のトライアングルの原因ではないかと推測するのです。

プラタナス 4

葉を見れば、予備知識のない人はカエデの仲間だと思うでしょうし、「モミジバ」ということはモミジ=カエデという思考が働いたのかどうかは邪推の域を超えませんが、そう考えたくなってきませんか?!

蛇足ながら、さらに事をややこしくする奴がいるんです。

マンサク科のその名は「モミジバフウ」。漢字を楓香樹。

学名を Liquidamber styraciflua といい、これは「琥珀色の液体」と「樹脂を含む」という意味で、独特の香りの高い樹脂を含むモミジの葉っぱに似た植物という意味になります。その通りで、この葉は5裂の掌状で、秋には紅葉することがまるでモミジです。

フウ 1

単なるフウ L.formosana (後者は台湾を表している)のほうはカエデに似た葉をもっていて、3裂の爬虫類の足跡のような形をしています。双方似ているのはモミジやカエデだけではなく、プラタナスとも似ているところがあり、その果実はフウはとげとげしいがプラタナスはとげに感じない丸みのある形であることが違いであるけれど、とてもよく似ています。

フウ 2

フウの仲間とモミジを含むカエデとの区別点は葉っぱの付き方。

対生といわれる同列でつくものがカエデ、ひるがえって互生というつき方をするものがフウだと考えれば見分けやすいです。

そして更に追い打ちをかけるように紛らわしいのがその漢字。

カエデが日本で一般的に「楓」とされているのに対し、中国ではそれはフウを表し、カエデには「槭」を当てています。

まぁ、元々は漢字が日本にやってきたときにはフウが無く、葉の形や色がそっくりなカエデにその漢字を当てたことが始まりのようですが、最初にもっと整理できなかったものかと、いまだに考えさせられてしまいます・・・・とはいえ、そういうことを知るのも樹木の大きな楽しみであることは、もう今更いうまでもないことですよね!


因みに、「サテンシカモア」という流通名を持っている樹種はシルバーハートという木で、こちらは熱帯材で、まったく違う種であることを付け加えておきましょう。

もうここまで来た皆さんには今更の上塗りですが、無垢のフローリングでたまにみかける「カエデカバ」なる思わず「どっちかはっきりせぇ!!」とつっこみたくなるほど不思議な樹種名(いや商品名)が存在しますが、これはあくまでも販売しやすいように意図された名前で、カエデに似た白いカバを集めたものである場合もありますし、赤白混合の色合いのものである場合もありますから、木が好きで無垢材を求めるのならやはり、無垢フローリングは同じように木が好きな材木屋さんに相談することをお勧めします。

さて、横文字やらカタカナが多くて分かりにくかったかもわかりませんが、極端にいうとその横文字の意味さえ理解できればややこしい木材の樹種名の海も、すいすいとわたっていけるようになるということですので、是非、この機会に日本語の樹種名以外に英名と学名も覚えてみることにチャレンジしてください。

きっと木材だけではなく、樹木観察や屋外散歩が楽しくなること間違いなしですよ!

ということで、次回「樹種シリーズ シカモア(プラタナス)」の最終回はもう少し焦点を絞ってプラタナスのほうを掘り下げていきたいと思います。





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中から割れたがるシカモア?!


ここ最近、テーブルや天板用の木材の在庫が減っていたので久しぶりに新しい材を入れてみました。
近頃は、自分の中での材としての魅力と価格面の魅力のバランスで丁度良いものがなかなか無く、在庫放出ばかりしていましたので、いつもはあんまり手を出さない変わったものも入れてみました。

それがこちら。

プラタナス 4


残念ながら、離れてしまうと色も木目もはっきりと見えないので仕方なしにこれくらい近づいて・・・
はっきりとした色や濃い木目があると良いのですが、こういった薄い色でしかも木目も優しいものは、控えめ過ぎてみてもらいにくいのが難点の一つかな。
そう思っていると、木目以上に主張してきたのが「割れ」。

木材の割れというと木が立木として成長している時に吸い込んだ水分が、木材となった時に放出され乾燥していく過程で生じる乾燥割れは、いつの時代も我々材木屋を一喜一憂させるに値する、「割れるなよぉ、ねじれるなよー・・・」という願いを起こさせるものですが、この板材、ちょっと普通の割れとは感じが違うので、特有の性質なのか興味のそそられるところです。
それはこんな感じ。

プラタナス 2

画面の左右方向に2本の筋が入っているのが見えるでしょうか?
これがその割れです。
因みに弊社に到着した時は無かったものです。
完全に乾燥割れだと思しきもの。
しかしながら、通常は写真に見えている「かすがい」という金物の間がパックリと割れてくるので、わざわざ金物でその部分(つまり木の中心部分の木材の性質上割れの出やすいところ)が開かないように保持されているのですが、そこをわざと外すかのように、材木屋としては意外なところから真っ先に割れが出始めました。

普通はこうやってパックリと・・・・(涙)

干割れ


良い例えになり過ぎな位、いい感じに板目の中心(つまり芯の部分)で割れてくれています。
もう、裂けていると言った方がいいような位です。
こうなるから、さきほどのように「かすがい」なるものをうちこんであるんですが、私の知識不足ですね、本当に意外な割れ方の先の木材。
住宅の柱や梁などで用いられる「高温乾燥」という過程を経たものには、さきほどのように木材の表面からではなく、内側から割れが走る現象が見られます。
内部割れなどと言われるものもそうですが、それは表面に割れにくい層をつくってから内部の水分を抜いていく手法を用いるから、通常であれば表面から乾き始めて内部に割れが走るところを、内部から割れが出始めると言った具合です。

プラタナス 3


割れのメカニズムを語り出すと話がそれてしまうので、それはまた別のコラムにするとして、つまりは人工乾燥で無いものでこのような割れが、しかもいくつも入るのは珍しいのではないかと思います。(同じ様な割れでも上の写真のように表面にも達する割れが入ることは他でもたまに見かけますが・・・それでも材の中側から割れてきているんです。)

変わったやっちゃなー、こいつは。名前、なんちゅうーねん。
そう聞いてみたくありませんか?!

この板材の樹種、一瞬見た時は「?!ビーチ(ぶな)にしては白いなぁ・・・・」位で特別食指の動く様子は無かったものの、良く見てみると材名の表示には「シカモア」とあります。

シカモア

これほど悩ましい木も珍しいのではないかと思う位に悩ましいです。
もちろん、木自体に問題があるわけではなく、我々人間の分類とその名称区別自体に問題があるのですが、これ以上に悩ましい木材名も少ないのではなかろうかと思い、またこの「おもろい割れ方」をすることも手伝って今回からの樹種シリーズにてとりあげる事にしました。
割れから始まった興味が、ずっと以前から課題になっていたややこしい樹種名のお話につながりそうです。

割れについては私の個人的な推測では、今回の割れは芯を含んだ板材だから起きやすかったこと、ではなかろうかと推測してます。
この材だから特殊だったというよりも、芯を含んでいる材でしかもそこそこの厚みがあるために、木材の特徴である角材面での収縮率の違いが強烈に現れたからだろうと思います。
やっぱりちょっと脱線しますが、木材はその繊維(細胞)の方向により強さや伸縮の度合いが極端に異なるものです。
忘れないで頂きたいのですが、樹木は生き物ですから細胞を持っていて、工場で全種全方向同性能で出荷されるものとは全く異なり、一本一本はもとより使う方向によっても同じ木でも引き出される性質の違うという材料です。

これが、木材を使いにくいとされる理由の一つです。
強度にバラつきがあって困る、伸縮の方向性によって寸法のバラつきが出る、割れる、反る、などです。

これら、それぞれの製材面での性質の違いによって生まれる「木材の動き」が今回の様な割れ方のメカニズムに深く関わっていることは言うまでもありませんが、やはりセオリーを破って現れてくる物もあるもんです。
もしかして、弊社の保管環境の問題か?!!


そこで、次回はいよいよシカモアという名を含む、もっとも泥沼底なし木材天国にお連れする事にしましょう。
遠目ではあまり木目のはっきりしない樹種ですが、実は柾目面ではこんなに見事な斑模様を出すものもあります。
板目面でも注意深くみれば、私が勘違いしたような「ブナの木のような斑」がみられますから、判別の一助にしてください。

杢木

さぁーて、来週の木の虫ブログはー・・・・・

メープル、シカモア、プラタナス、これだけ知れば楽器も語れる?!の巻(仮称)です。
お楽しみに〜。



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杉埋め節フローリングを使って木材利用ポイント


昨年始まった木材利用ポイント制度。
蓄積量の豊富な木材を使う事で、木材利用の推進と生活、地球の双方の環境に寄与しようという名目の精度ですが、フローリング部門でポイント付与されるモノの中で、合板フローリングを除き一番需要が高いのがこの「杉埋め節フローリング」です。

杉埋め節フローリング 7


前回にも古民家の改修と同時にポイントを申請される為に使っていただきましたが、今回もまた鉄筋コンクリート造の住宅の改装に使用していただきました。

杉埋め節フローリング 2


もう御存じ頂いていると思いますが、この杉埋め節フローリングの特徴は、しっかり「節による埋め木」がされていること。
一般的な杉の無垢フローリングというと、抜け節の部分にはパテによる補修が施されています。もちろん、問題があるというわけではないのですが、御客様のなかには味気のない茶色いパテよりも、折角の節板を楽しみたい、という要望があることも事実。
広葉樹フローリングの場合はパテ補修になってしまいますが、ヒノキや杉の場合は抜け節部分に同じ様な節を埋め込む事で補修していますので、木を楽しむにはもってこいです。

また、この埋め節フローリングの加工は古希杉浮造り(うづくり)フローリング高樹齢百年杉柾浮造り(うづくり)フローリング高樹齢杉純白無節浮造り(うづくり)無節羽目板などと同じ加工場で作られていますので、加工精度はピカ一!

埋め節の部分も綺麗に納まっています。

杉埋め節フローリング 4


部屋に入ると杉のいい香りがします。
これは杉や桧などの針葉樹フローリングの特権ですね。
杉は安眠効果やリラックス効果、桧はすっきりとする覚醒効果がそれぞれの香りに証明されていますので、落ち着きとシャキッと感は抜群でしょうね。
それで無くとも、やはり木の足触りというのは自然と落ち着くものだと思います。

杉埋め節フローリング 3


とっても敏感な人間の足の裏は、ちょっとした節の感覚や天然乾燥がゆえに人工乾燥材よりは若干は起こるであろう反りも、感じ取れることでしょう。
それがわかる位に脚に優しい、ということ。
それに人工乾燥材の方が寸法安定性は高いかもしれませんが、この杉特有の綺麗な色合いと優しい香りは、断然この埋め節フローリングの天然乾燥材の独壇場!
存分に楽しんでもらえるものと思います。

杉埋め節フローリング 1


家じゅう木に囲まれる必要はありません。
家にいる間はずっと触れているであろうフローリング位は、木にしませんか?!
雄大な木目のものから足触りの温かいものまで、色々と提案いたします。
木材利用ポイントもまだまだ続きます。
精度を利用して無垢のフローリング、使ってみてくださいね。

杉埋め節フローリング 6



時間をかけた天然乾燥の杉材から生まれる貴重なフローリング・羽目板は下記からどうぞ

・杉埋め節幅広無垢一枚物フローリングはこちらから
・高樹齢 百年杉柾浮造り(うづくり)フローリングはこちらから
・高樹齢 古希杉浮造り(うづくり)フローリングはこちらから
・高樹齢 杉純白無節浮造り(うづくり)無節羽目板はこちらから

御案内済み無垢フローリングはこちらから

弊社へのお問い合わせはこちらから

*施工写真に加工などはしていませんが、撮影日が曇り時々晴れの様な状況だったことと、撮影時間の日光の入射の加減でカメラを通したフローリングの色合いに違いが出る事があります。(どちらも杉の芯材を多く含む赤身勝ちの原板を使用していますが、見え方の違いが大きい部分があります。)
同じ個所ではありませんが、白っぽく写ると下の様になりますので、色合いや風合いは是非実物を手にとって、また弊社ショールームにて確認頂くことをお勧めします。

杉埋め節フローリング 8





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ネットワークが不完全、だからこそ・・・


あんまりよくわかっていないものが、最新の機械をもつのはあんまりよくないですね。
この6月から、某N○T社の携帯電話の通話料金形態が変わることと、私のスマホ初期号のバグ状態(動かない、突然のシャットダウン、連続リダイアルなどなど)の時期が重なり、最先端のLTE機種に変更する運びとなりました。
幸いにもポイントがたまっていたので、実質0円くらいで交換する事ができたので嬉しい(というか、それだけ通話料払っているっていうこと・・・・)反面、すぐに不便さも痛感。

機種変更してすぐに感じたのが、エリアの狭さと通話の途切れの多さ。
ちょっとした場所でも相手から「もしもし・・・途切れてるなぁ…」と言われるし、少し山間部にいくと電波0・・・
丁度兵庫県の北の方に位置する福知山方面に仕事で訪れたのですが、ちょっと山に入ると、民家があるにも関わらず電波0。
地図も持参していっているものの、結構曖昧な住所を教えられる場合があるので、スマホのマップが頼りになるのですが、電波が来ないのでマップも位置特定できず?に無意味。
初期型スマホはGPSか何かである程度測位してくれたのですが、新型は現在地検索するととんでもないところを表示する始末で使い物にならず・・・

LTEが普及しだして結構なると思っていたのに、やはりまだまだ電波がたりないんでしょうか。
初期型が使えなくなったとはいえ、正確な場所が特定できないと困ることが私には一つ・・・

趣味の一つである巨樹巡りの際、訪れた巨樹の場所を正確に記録する目的でマップ機能を活用しています。
訪れたその場所でマップ上に印をつける事で、曖昧な住所や市町村合併による地名の変更、山間部で住所の表示の無い場所などでの位置特定にとても重宝しています。

星印

地図上に星印がついているのが訪れた巨樹の場所です。初期型になるまでに訪れたところなどは登録できていませんが・・・

たとえば、前に見てもらった夫婦ヒノキなどはその良い例です。
あんなの、マップに表示が無かったら行く気になりません。
一本道とはいえ、自車の通行で精いっぱいな道をひたすら走り続けるんです。Uターンもできないところです。
そこにいけたのは、マップが自分の位置を測位してくれて「もうすぐ着く」という意識があったから。
でないと、途中棄権です。

そんなこんなですから、本当にお世話になり続けた初期型なんですが、最新機は電波なのか設定が出来ていないのか、どうもダメです。

しかしながらそれだから良い事もありました。

目当てを探して右往左往、もう1時間半もうろちょろとしていたのですが、その途中で3人の方に道をたずねました。
おばぁちゃんお二人、おじぃちゃんお一人。
迷ったら地元の人に聞くのが一番。それに話をした方が色々なことを聞けますし、特に巨樹探訪などでは頒布されていないような、その木にまつわる言い伝えや昔の状況、自分たちとその木の関わりなどを聞く事ができ、とってもいい体験談となります。

今回も最新機種の頼りなさゆえ尋ねたところから、場所もわかりお目当ての樹木に関するお話を聞く事が出来ました。

福知山市 大年神社のイチョウ

とんがった太い乳が印象的な福知山市の大年神社のイチョウ。
決して巨木というほどではないですが、若々しく大きく立派です。
道を教えてくれたおじぃちゃんは言っていました。

昔はこの木の葉っぱが落ちると雪が降ってくると言われていて、まさしくその通りになっていた、との事。
冬になると結構な積雪になる場所だけに、地域の人たちのふれあいと季節を知る羅針盤の役割を担っていたということですね。

さらにおじぃちゃんは言いました。
あぁー、しかしざんねんやなー、もうイチョウは伐ってしもうたで・・・株しかのこっとらんわ・・・・え?!でも写真ではちゃんと生えている?!
ちょっと、いや、かなり話が大きくなっていたおじぃちゃん、社殿にかかる大きな枝を選定したお話をしてくれたのですが、あたかも切り株になっているかのようなお話だっただけに驚きましたが、上の写真のように無事逢うことが出来ました。


こんな話が聞けるのも、人と話すから・・・

電波がどこでも追いかけてくれて、言い忘れたこともすぐに伝えられる。
でも、やっぱり本当に顔を見て表情や感情を交えて人と話をすることの大切さは更に強く感じます。
ふれあいや共感は電波の力に負けていません。
地図上に保存されている私の星の数は、ふれあいと感動の数です。
本業の材木も、電波の上やネットの世界だけではなく、本当にお話して触れあって(木に)共感してもらいたいです。
その為に、御買物カートがあるような販売は私には向きません。
電話やメールでじっくりとじっくりと、そしてお会いして共感していただけるように。
最新機種が改めて教えてくれたこと、でした。


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