日本の木が無い!
今年ももう師走、という忙しない頃になってやっと、去年から案内し続けてきた「木材利用ポイント」制度の申請が徐々に増えてきているようです。
ようです、というより弊社も申請受付窓口をさせてもらっていますから、「本当に始まってる制度なの?」と感じていた最近までとは異なり、問い合わせの電話や申請持ち込みが徐々に増えていますから、全国で見るとそろそろ周知されてきたのかな、と思います。
しかしながら喜ばしいことながらも、一転あんまり喜ばしくない展開にも発展してきています。
実は今、国産材で最も丸太の量と製品数を持つはずの、「増え続けている森林をどんどん使って下さい!」といっていたはずの杉・桧が市場から消えようとしています。
なんで?!
とお思いでしょう。
当たり前です、私も思います。
それでも、実際のところ商品がありません。
色々と理由はあるんでしょうが、国産材のウィークポイントである供給力の薄さを露呈したような形になっています。
もちろん、それだけではないとは思いますが、どの講演会やセミナーに行っても、増えている森林を有効活用しようという趣旨になるのですが、一転製材品はとなると、入荷未定!という回答。
なんじゃこりゃ、です。
現在は住宅市場も消費税の駆け込み需要などの影響も重なってか、着工数も順調に伸びているようですから資材も少なくなるのは理解できますが、どうしても増えた需要に対応しきれないのが杉・桧が市場のリーダーになれない所以だと、独断と偏見の目では感じています。
実際、扱っている私が困るんですから、一因ではあるでしょう。
皆さんは知っておられるか定かではないですが、以前にも同じ様に市場から杉・桧の商品が消え、丸太すらないと言われた時期がありました。
でも、自身が産地に行くとこんな状態でした。
![丸太がいっぱい 2](https://livedoor.blogimg.jp/muku_mokuzai/imgs/f/8/f856234e-s.jpg)
これは一部分ですし、これくらいの径のものばかりではもちろんないのですが、手頃な太さの丸太がゴロゴロと・・・工場の中に吸い込まれていって、それでも減らない数でした。
![丸太がいっぱい 3](https://livedoor.blogimg.jp/muku_mokuzai/imgs/7/0/704b2434-s.jpg)
一体、市場に何が起こっているのか、目を疑いたくなりました。
1か月前の注文の荷物が来ないなんて当たり前の時期でしたから、ほんとこの様子には呆れましたし、流通はどうなっているんだ?!この業界は、という感じでした。
国から有難い予算を頂いて進行している木材利用ポイントですが、一時の「泡」が湧いたようで、その勢いが消える頃を想像すると、何とも言えない気分です。
それ位、製材品が品薄です。
決してあおるわけではありませんが、真剣に大切なおうちに国産材をと考えていらっしゃるお客様は、なるべく早く商品手配を済ませ、ポイント申請に備えた方がよろしいかと思います。
事実、少なくとも弊社が受け付けている申請に関しては、町の工務店さんはかなり少数です。
ハウスメーカーさんの住宅のお客様が多い、=そちらに国産材が?!?
ゲスの勘繰りですね。
杉や桧を進めたくても進めにくい現状に、いつもながら困っています。
これは、日本の木材自給率を上げる上でも、かなり大きな問題だと考えています。
もっともっと、本当に日本の木材を理解して、日頃からの需要を作っておかないと、急な需要には対処できません。
ないないと騒ぐなら、常日頃からストックが出来るくらいの需要を作らないと、供給する側も困りますよね。
文句は言えません。
こんな時だからこそ、慌てず信頼のおける山や製材から仕入れをしたいものです。
改めて、日本の木材と森林の置かれている現状を痛感したような、苦い侍月(さむらいつき)11月でした。