空を見上げて
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2012年10月

木の年輪からわかる事


皆さんも木の年輪というものはわかりますね?!
杉や桧などの針葉樹の丸太を輪切りにした切り口から見た時に、バームクーヘン(まさしくこれが言葉通り、木の年輪お菓子なのですが・・・)のように層になって見えるのが年輪。

みんな知っているようなこの年輪ですが、実はとても奥深いものなのです。
基本的に、日本の様に四季がはっきりとしている国では針葉樹もある範囲の広葉樹も年輪(もしくは年輪様の模様)が形成されますが、そうではない地域でははっきりと確認できなかったり、樹種によってはそもそも年輪のように見えなかったりするのは、木の不思議なところです。

年輪一つとっても、いろいろな話ができるので脱線しまくって、何のお話かわからなくなるので、今回は話題を一つに絞りましょう。
少し前の新聞記事を切り抜いていたのですが、それは、年輪が含む放射性炭素「C14」というものを調べる事で、いろいろな情報を知る事が出来るというお話です。

年輪は、その形成の仕方を見ただけでも成長のスピードや癖のつき方などを想像できるものですが、更に科学的に見ていくと出てくるのが先のC14です。
今回はこれをみることで、西暦775年に「劇的に多い宇宙線量」が確認されたそうです。
直径2m、樹齢1900年の屋久杉の切り株の年輪に含まれるC14の量を調べた結果、775年だけは通常の大気中のC14の濃度変化より1.2%多く検出されたそうです。
核実験を除くとこの年だけが多いそうで、その理由は超新星爆発か、太陽フレアの影響かと考えられているそうです。

C14を調べるのは、それにより遺跡や遺物などの年代の測定や史実の実証に役立つからだといいます。
生物の体は常に新しい炭素を取り入れ大気中とほぼ同じ割合でC14が存在するが、死骸や樹木の年輪の様に新たな供給がとまれば、C14は崩壊して徐々に減り、古いものほど少なくなる。
半減期と言われる「元の量の半分になる期間」は5730年。
このことから、様々なことをより正確に年代を特定していき、歴史検証などに活かせるようになるのです。
社寺の建築や歴史上の出来事などです。
もちろん、今回のように異常に多い場合などがあるため、さらにデータを蓄積して制度をあげていく必要があることも確かです。


そしてたとえば、神代木などもその埋没時期やその他の情報がわかるのかもしれませんね。

神代栂の年輪

 神代栂の枝。めっちゃ細かい!!







また、そのC14からわかる情報として、現在まだ生きている(立木の状態の)木のおよその樹齢を知る事が出来ます。
皆さんは不思議に思われた事はないですか?
天然記念物に指定されていたりする巨樹古木の解説板に「この○○は樹齢およそ1200年といわれ・・・・云々」なんていう表記があることを。
言い伝えで受け継がれている樹齢というものも当然ありますが、それ以外のものは、このC14の測定によって推測されているようです。
代表的なものでいうと、世界遺産として今やあまりにも有名な鹿児島県の屋久島。その屋久島にある屋久杉達の中でもっとも注目を集めるのが「縄文杉」です。
推定樹齢7200年とも言われ、あの何とも言いようのない存在感とその存在が不思議では無くなる森の風景は、ここまで人間が踏み入っていいのか?!と、思ってしまうくらいに神々しいものです。
その縄文杉の樹齢の7200年というものは、他の屋久杉に比べて突出して永く、その数字が正確なのかどうかが話題になることもありますが、これもC14を測定すると樹幹の内部より外側の方が古いという結果が出ていて、つまり実生の2〜3本の合体木である、ということが示唆されているし、樹幹内部の空洞部から採取したものを元に測定すると、2150年という結果だったそうです。
もちろん、空洞化している部分の年輪がありませんから、正確なことはわかりませんが、木を愛するものとすれば少しのロマンを残したままでもいいようにも思いますし、知れない部分に想いを寄せる好奇心を持たせてくれる神秘の存在としておいていただきたいようにも思いますね。

まぁ、縄文杉に関しては、会ってしまえば7200年といわれても納得したくなる存在ですから、嘘かまことかというような事を論争するつもりもないのですが、そんなことまでほぼ正確にわかってしまうというのは、すごい!の一言です。

すみません、やっぱり脱線してしまいましたね。
年輪とC14。
どちらも過去の記憶を維持してくれている、いわばタイムカプセルの様なものです。
人間も記憶を維持することはできますが、美化されてしまったり都合の悪い事は忘れてしまったりします。
それは人間が生きていく上での「優れた」能力だと、昔先生に教わった事があります。
それらが働かないと、頭は混乱し新しい事を覚えていくことが困難だとか・・・
つまり、人間も日々更新しながら生きているということですね。

しかし、木々は苦しんで育った時期や傷ついた事、すくすくと育った事などを全てその年輪に刻んでいます。
そしてそれを数百年、数千年経った後に私たちにも知らせてくれます。
そう考えると、木の癖があって曲がるとか、傷の部分は使えないとかいったことも言えないような気がするんですけれどもね・・・
どちらにせよ、人間の数倍、数十倍生き続ける木々の存在と、その歴史を残す年輪に感服です。



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木材シンポジウムを経て・・・


先日、お伝えしていた木材シンポジウムに参加してきました。
歴史ある、大阪は中之島の中央公会堂にて行われた「木の健康ルネッサンス」と銘打ったシンポジウムですが、とりあえず、いつ行っても風格のある建て物です。
川沿いにある事も手伝ってか、その佇まいは流石の一言。

中央公会堂 1











中央公会堂 4




 重要文化財指定です。そんな言葉を聞くのは、「国指定天然記念物」という言葉の方がピンとくるのですが、佇まいからして重要文化財のは納得。














中に入っても、木の建築とは全く違った趣ですが、独特な重硬感とどこか異国を感じさせるような雰囲気が、なんともいえません。
装飾の妙というのか、そういった「見せる」建築なのかなぁ・・・と素人目線でいつも眺めながらも御世話になっています。

中央公会堂 3






























さて、肝心のシンポジウムですが結論からいいましょう。
「時間が足らない!!」

今回は著名な先生方御三人のお話を聞く機会があったのですが、なにぶん先生おひとりでも2時間は聞きたいようなお話なのに、各先生方が20分程の持ち時間ですので、スピードは早いわ、聞き足りんわで先の様な感想になってしまいました。

実際のところ、内容としては表題通りの「木と木がもたらす健康な環境」についてのお話だったように理解していますが、こればっかりは私たち実務で木を触っていても実証することのできない分野ですし、ある程度の専門知識が必要ですので、先生方のお話と実験結果などが大いに参考になるとともに、お客様にお伝えする手掛かりとなるものです。

中央公会堂 2






























本当のところは、材木屋はそれらを理解し伝える事ができ、お客様もそれらの効果をご存じの上で依頼するという流れが欲しいところ。
現在は伝える側の知識もなく、お客様もイメージでしか木を選べないというパターンが増えています。
会場でも漏れていたのは、これからは「木だからいいんですよ」ではなく、「木の持つ効能がこれだけ実証されていますので、木を使うことをお勧めします。」というお話をしないといけない、ということ。

優美な杢や、稀少な材だとして手放しで売っていた時代はおわりました。
それらの栄華を引きずっているような雰囲気を打破するべく、木の持つ効能とさらなる木の可能性を見出すことのできるシンポジウムだったように思います。

それにしても、あれだけの先生方なのに、時間とって欲しいなぁ・・・・・
あぁ、勿体ない。

帰り際、先日の台風の影響を伝えるニュースにて「なぎ倒された木」として用いられていたと思われる、「せんだんの木橋」の栴檀を見に行ってみました。
場所の特定はしていませんでしたが、ニュースを見る限り、またその折れた木口の色をみると「以前に撮影した、その橋の名にもなっていたあの栴檀か?!」と頭に浮かび、会場のすぐ目前ですので、いってみたところ・・・

中央公会堂 7




 あぁ、やっぱり。何もない。というよりも、きっちりと後始末されています。

 丁度この場所から以前にも撮影した時には、しっかりと根を張っていたのですが、残念です。橋の名を見て、木を眺めることのできるものだっただけに悔やまれます。
















少し見えづらいですが、ほら、栴檀木橋と・・・

中央公会堂 6











そんなこと、道行く人たちの幾人が気にかけるのかはわかりませんが、私一人でも、その折れた栴檀を想い橋を渡る人間がいてもいいのではないかな・・・
少し淋しくなった橋の情景を見ながら、大阪を後にした木のシンポジウムでした。
これからも、もっと木について話そう、材木屋さん!!

中央公会堂 5





























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黒船襲来!?圧巻の厚張りフローリング


巷で話題になっている・・・
と思っているのは私だけか、いや、書き込みなどの反響も結構あるようなので間違いないと思いますが、今、厚張りフローリングがとてもアツい!
特定の建材メーカーさんの名前を出さずとも一目瞭然なので、あえて申し上げませんが、先日行われた記念展示に出席させてもらったときに見た厚張りフローリングのサンプルをさっそく届けていただけたので、見てみました。

挽き材フローリング










さすがにすごい!
合板フローリングとは思えない仕上がりです。

そりゃそうです。
表面に見えているのは厚さ2mmの挽き材単板ですから、いえば、無垢の木の薄くスライスしたものが貼ってある状態なので、表面は無垢であることに変わりはありません。
通常の合板フローリングは原木をかつらむきの様に0.数mm(1mm以下です!これはこれですごい技術!)むいていったものを貼りつけていますので、この挽き板とは木目の印象が異なります。

挽き材フローリング 7
 挽き板フローリングだと、合板の上に2mm程の木材がのっかっているのが見えます。これはオークなので、道管まで確認できます。





挽き材フローリング 8
 こちらは一般的な「かつらむき」合板フローリング。表面側(写真上面)に茶色い単板が見えますが、これもベニヤの部分です。さらにその上、写真では確認できないくらいに薄い部分がオークの化粧単板です。



そういった点も手伝って、「無垢の貼りあがり」を実現しているわけなので普通に一部分を見ても、無垢フローリングと見まがうような商品です。
塗装もコテっとしたものではなく、木の手触りが感じられるかのような塗装を施してあるので、なおのことまさか合板だとは思われないと思います。

実際ほら、こうしてみてもわかりませんよ。

挽き材フローリング 4










左がブラックチェリー、右がブラックウォールナットです。
それぞれ、上に重ねているのが無垢フローリングです。幅も同じく150mm。

挽き材フローリング 6

 こうして木口を見ればわかるのですが、表面だけではもはや判断がつきません。







挽き材フローリング 5
































こんな状態でも違和感ないです。白い縁がなかったら、遠目にはわかりません。というか、近くでも表面は無垢なんだから同じといえば樹種は同じ。
木材の良さは当然ながら、合板のフローリングの利点である床暖房に対応できることや寸法変化の少ないこと、一枚の幅が300幅(150幅の二つ並びで)なので施工性を落とさない、などを維持してこの存在感を出す技術やデザイン性はさすがです。
すごい。

こりゃ、うちも負けてられへんぞ!!無垢フローリングで勝負だ!!
150幅広だってあるし、オイル塗装もできるし、バリエーションは多いぞ!
と、そんなことは考えません。

そもそも、床に使うフローリングという用途であることは双方おなじかもしれませんが、そのもの自体は全く異なります。
勝ち負けでもなければ土俵も違います。
選ばれる方も異なると思います。

もう、一昔前の様に無垢のフローリングより安く「無垢の味」を味わえるというような合板フローリングとの競争は、施工業者側や販売側が思うほどには存在しないように思います。
どうしても売る方は、何かと「無垢はこうだから合板の方がいい。」とか「合板はあぁだから無垢のほうがいい」とかいう形で比べがち・・・
でも、お施主様にとってはそういう欠点合戦ではなく、どちらのフローリングが自身の求める生活スタイルに合うのかということが一番大切。

実際のところ、私は純粋な無垢フローリングをお勧めします。
理由は今まで散々お伝えしてきました通りですし、私自身がお勧めできると思うからです。
ただ、やはり色変化を好まれないとか、隙間は許容できない、床鳴りが気になる、といった場合には合板フローリングの方がそれらの減少の起きる確率は格段に低いので、無垢フローリングを無理にお勧めする必要はないと思います。

今日の挽き板フローリングはフローリングに対する幅広いニーズを満たして、なおかつ施工性や外観までもカバーできる優れモノです。
その至れり尽くせりの機能性には驚くばかり。

それでも無垢の木がいい、この樹種の無垢フローリングを自宅の床に、という想いがある方は弊社にいらしてください。
必ずしも床の選択肢は一つではないですが、挽き板を含めた合板フローリングも無垢フローリングもわかる立場でお話させていただきます。

それにしても、何度見てもすごいものです。十分すぎるのではないかなぁ・・・

挽き板フローリング 3


 オークの虎斑までくっきり・・・








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まだ増えていく絶滅危惧種


レッドリスト

近頃は妙に聞き慣れてきたような気がするこの言葉。
生物や植物に関して、絶滅危惧が薄れてきたという情報もあれば、新しく絶滅の危機と報じられるものもあり、それだけ頻繁にこの地球環境における動植物の生命の変化が起こっているのかと感じます。

先週にもひとつ、そのレッドリスト関連の記事が掲載されていたのですが、それが木の話となると、注目度が違います。
リグナムバイタやブラジリアンローズ、レバノン杉の様に、目にする事ができなくなってくるのでしょうか・・・

今回出ていたのは、少し木の事を知っている方であればその名前を聞いた事があるかもしれない、アフリカ南東沖の島国マダガスカル島において、ヤシの木のなんと83%が絶滅の危機にある事が、国際自然保護連合(IUCN)の発表によって明らかになったそうです。
マダガスカル島には全て固有種である192種のヤシの木があるそうですが、データの揃った179種の内149種が絶滅危惧種であるとわかったそうです。
その中で、高さが18mある「タヒナヤシ」という種は野生で30本しか見つからなかったそうです。

そこでお決まりの「伐採などによって急速に生態系が失われている」というお言葉。
うーん、確かにこんな木をむやみに伐採することは、種の保存に関わることなんだろうけれども、もっと環境の変化や単純な生態系の変化にも左右されているのではないかという気もするのですが・・・

それでもやはり、利用できる資源は有効に利用し保護すべきは保護するという方向において活動し、この先にこれ以上木々の姿が見られなくなる事を防ぎたいものです。



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王妃のかかとを支えたのは?!


先日の新聞記事に、「マリー・アントワネットの靴640万円」という見出しがありました。
いつもながらの非現実的な価格の競売記事だと読んでいると、「・・・・リボン飾りがついている。ヒールは木製で白い皮革で覆われている。」とある。
うー、急に興味が湧いてきた!!
先程までポケーっとみていた写真がみるみる華やかに見えてきます!

人の感じ方とはこうも変わるものかと感じながら、その靴の写真を眺めていました。
日本では「朴歯の下駄」なんていいながら、さりげなく使われている材の適材適所が名前になっていたりするもんですが、かかとに使われる材と言えば何でしょう?!
もちろん、朴や桂、それに桐や針葉樹系などがあったりするようですが、それは日本のお話。
外国の、それも1789年頃に着用されていたと思われるものですから、どんな樹種が使われていたのか興味はつきません。

マリー・アントワネット。
記事の解説欄にはこうあります。
1755年にオーストリアの女帝マリア・テレジアの娘に生まれフランス王家に嫁ぎ、夫ルイ16世が在位中は享楽的で贅沢な生活をし、国民の反感を集めた。1789年のフランス革命後、幽閉され、93年に断頭台で処刑された。

今回の靴は、フランス革命の頃に身につけていたそうですが、この靴はどんな生活をみて、どんな床を歩いていたのでしょうか・・・
宮殿のつややかで優美な床を叩くヒールの音は、さぞかし響いたことでしょう。

もちろん、靴自体も現在まで約220年、綺麗な状態で保存されていた事に感心します。
できる事なら(できないけど・・・)白い皮に包まれたかかと部分の中身を拝んでみたい!と思うのは私だけでしょうか・・・
そのかかとの中に、もしや木のフローリングを歩いた歴史などが詰まっている、とするとすごくロマンチックなんですけどね・・・
結局、私がみるのは金額よりも「木」の一文字に尽きるようです・・・

ヒール










(写真と本文とは関係ありません。笑。)


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木材シンポジウム 「木の健康ルネッサンス!!」近し


毎日必死のパッチなので、ご案内が遅くなりましたが一部新聞記事にも掲載されていたようなので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、来る10月24日(水)に大阪市中央公会堂(大集会室)にてシンポジウム「木の健康ルネッサンス!!」が開かれます。

内容は、健康に良いと言われる木材を心理学や医学などの学術的見地から調査したデータをもとに「木材と健康」について理解を深めるというものです。
私たち材木屋も一般の雑誌も「木材は健康的な材料」というようなイメージをもっていますし、実際にそういった一面もあります。
しかし、それをわかりやすく実際にどのような効果が現れるのかなど伝えられる方は、そう多くはないはずです。
ましてや、一般のお客様においては木材は不思議の世界、と言ってもいいくらいに深い深い世界です。
その深い世界に多く秘められた優れた性質を学術的に知る事ができるシンポジウムになりそうです。

パネラーには、京都大学生存圏研究所の川井秀一先生もいらっしゃるようです。

シンポジウムの案内










ただ、誤解無いようにしないといけないのは、これまた健康イメージが先行しすぎて、木材の性質を学ばずにいると、後からの寸法変化や色の変化、割れなどにとても敏感になってしまう事態になりかねません。
自然、天然でも漆にかぶれるように、蕎麦アレルギーがあるように、杉の花粉ですら病気になる様に、如何に自然のものでも「自然は全て健康的」でないこともこれを機に知っていただけるといいのですが…

おっと、否定的ではないのですが、やはり物事相反する事も知る必要があります。
木材の事を丸ごと知っていただいて活用できるように、シンポジウムから活用しませんか?

出席ご希望の方は下記、木材組合連合会までどうぞ。

(社)大阪府木材連合会 担当 三宅様・橋本様

電話 06−6538−7524
fax  06−6531−9184

会場でお会いできるといいですね!



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古希杉板目浮造り(うづくり)無垢フローリングの貼り上り(*旧規格品)


早く紹介したかったのですが・・・・すみません、私事でばたばたとしてなかなかできていませんでしたが、是非見てください、古希杉浮造(うづくり)無垢フローリングの完成です。

古希杉浮造り(うづくり)フローリング 施工9














この写真の整い具合を見て思い出して頂けるでしょうか・・・
前回、施工途中で伺った時に、施主様ご自身で貼る位置と材料をきちんと分けられていた事を。
色合いや木目などでの貼りわけを敢行されたわけですが、なかなかいい感じ。
もちろん、これも原木を厳選し、更に木味の良いものを選んでいるからこその賜物。

古希杉浮造り(うづくり)フローリング 施工3














もちろん、天然の木材なので如何に赤身勝ちの木味の良いものを選んでいるとはいえ、このように赤身でも色の違う部分や辺材の白太部分が入ることもありますが、杉の持つ味わいは大切にされているのがわかると思います。

古希杉浮造り(うづくり)フローリング 施工4
























柔らかな照明と、温かな建具材の色にもグッドマッチング!!

そして広々としたリビングへ。

古希杉浮造り(うづくり)フローリング 施工5














羨ましい位のスペースです。
十分に杉の木味と浮造り(うづくり)の印象を味わえる空間になっていると思います。
実は、ショールームにご来店いただいてお話している時から、4mのままの長さで貼り伸ばしたい、というご希望を伺っていました。
有難い事に古希杉浮造り(うづくり)無垢フローリングの木味とその木目の流れの美しさを気に入っていただいての採用だったからですが、無垢フローリングの多くは、加工機の都合上4mという長さになるとエンドマッチという「短辺方向のつなぎ目の加工」ができない場合が多いです。

エンドマッチ加工


 これがエンドマッチ加工です。






このエンドマッチ加工がないと、「鋸でカットしたまま」の状態なので、施工の時に直角を計って切ってからもう一方のフローリングの切り口にそのまま突き合わせて施工する事になります。
木材の性質からいうと、長さ方向の伸び縮みは幅方向などに比べてそう大きくないので、エンドマッチ加工が無いからと言って、つなぎ目の隙間が気になる、というほどの事はないように思います。

ですが、エンドマッチ加工がある方が施工は断然スムーズなので、この古希杉浮造り(うづくり)無垢フローリングも、長さを半分にカットしてエンドマッチ加工をする特注を承る事もあるのですが、今回はリビングの広さとそのリビングへのアプローチとなる廊下の長さを活かして、4mを貼り伸ばしたい、というご希望でしたので、あえてエンドマッチ無しのまま採用頂いたという経緯です。

普通の住宅ですと、4mをつなぐということが殆どないでしょうからあまり気になりませんが、今回のようなケースだと、私も貼り上りを見て納得。
こりゃ、2mだと印象が全然違いますね。

古希杉浮造り(うづくり)フローリング 施工8

























さて、ここでのもう一つのお楽しみは玄関にあります。
杉のフローリングに合わせて上り框をいかにするか?!
悩ましいというか楽しみなところですが、今回はこちらもベストマッチ!!

古希杉浮造り(うづくり)フローリング 施工1














桜の無垢一本物上り框です。
さくらといっても、樺(かば)ではありませんよ。本物の桜です。
その桜が、杉の赤身と良く合います。

古希杉浮造り(うづくり)フローリング 施工2














桜の角材自体が珍しいこともあり、これは絶対にお客様に自慢していただかないといけないところです。
浮造り加工とともにならぶ魅せ場ですね。

杉はお客様のイメージによっては「安価な無垢材」という印象があるのかもしれません。
実際、弊社にお問い合わせや来店頂いた方でも、杉ならもう少し安いでしょう?!というご意見をいただく事もあります。
確かに安価な杉もあるでしょう。選別なし、とりあえず加工のできたものは全て使う、補修はパテでも今一つきちんとされていなかったり、美観を損なうものだったり。
しかし、それも杉が安いのではなく、売り手が安く売るためにつくっているからだと思います。
手をかけ暇をかければ、ダメな木なんてないはずです。
古希杉浮造り(うづくり)無垢フローリングは原木の樹齢や木目などを吟味して製造しています。
それも天然乾燥材です。機械の窯に入れていません。
さらに埋め木もパテではなく、節を用いて埋めています。

それらは手間も時間もたくさんかかることです。
省こうと思えば省けるところ。しかし、あえてそれを続けているのは木の事を想い、その木を大切に使っていただきたいから。愛着の湧く家に住んでいただきたいから。

無垢フローリングの価格は手間暇や加工精度に直結します。
安価なものが決して悪いわけではありませんが、お客様の目で、その樹種の価格の価値を確かめていただくことをお勧めします。

そうすれば、70年以上も育ってきた古希杉達の研ぎ出されたつややかな木目の意味がわかっていただけるでしょう。

古希杉浮造り(うづくり)フローリング 施工6
























M様、採用頂き誠にありがとうございました。
存分に古希杉のパワーを受けてくださいね。

・古希杉板目節あり浮造りフローリングの1.9mエンドマッチ施工写真はこちらから(旧規格品)
・古希杉板目節あり浮造りフローリングの30mm、アトリエFUDOさま施工写真はこちらから
・古希杉浮造り(うづくり)無垢フローリング30mm、T様邸1年後経年変化の記事はこちらから


*古希杉フローリングのは、2017年に木取りの仕様変更を行っています。そのため、本記事を含む旧規格表示の商品とは現在の商品は表情が変わっていますので、ご注意ください。

木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧 http://trackback.blogsys.jp/livedoor/muku_mokuzai/1611916

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ルーツと出会い


年末に向かってひた走っている感の漂ってきた10月。
毎年おそろしくなりますが、時間は待ってくれることなく順調に進んでいくものですね。
毎日毎日、どうしてこんなに時間が早く過ぎるのだろうと考え、そんな早いスピードの毎日の中で、今日は充実した一日を過ごせただろうかと考えてしまうこの頃が、多くなってきました。
一所懸命ではあるのですが、それだけで終わってしまって「一日完結」であり、明日以降につながっているのか、つながるものを生み出せているのか不安になるときもあります。
それだけ周りのスピードが早いのか、自分の足元が見えていないのか・・・・・

そんな毎日の中でも出会いは訪れます。
会議や講習などで顔を合わせてお話させていただく機会があるのですが、中には私の拙いブログ記事を読んでいて下さったいる方だったり、人から私の噂を聞いて下さっていたりと、初対面からお話かけ頂ける事が多く、有難いかぎりです。
そう考えると、毎日とはいきませんが、なんとか更新している記事のおかげなのかな、と思い少し気が楽になるような気がします。

そんな皆さんにおっしゃっていただくのは「良く知ってはるねぇ、がんばってはるねぇ。」というお言葉。
そして、同業の方でも扱っている材料によっては得手不得手があるので、私の扱うものを全く知らない方もいらっしゃって、教えてほしい!なんて言われる事も・・・・有難い事です。
そんなたいそうな人間ではないのですが、やはり自分の知らない事を知っている方に会うというのは、人間にとってとても大きな出来事の一つであることは確かです。

先日お会いした方にもお話したのですが、私が木材の事にのめり込み始めたのは、「疑問が生まれたことと、聞く人がいなかったこと」です。
これが木ぃ君のルーツ。

スポンジはカラッカラに乾いているのに水は無い、といった状態。
それに自ら水をさしていったわけですが、その吸収スピードはすこぶる遅かったものです。
なにせ、参考にするものが無い、情報が正しいのか聞く事も出来ない、そんな状態でしたから。
今はある程度、インターネットで調べる事が出来ますが、そんな時代ではなかったのですね。

だからこそ、木の事でわからずに困っている、木の事を知りたい、好きなのに聞く人がいない、という人たちは見ていられないのです。
残念なことに、それらの理由を持っていらっしゃる方は、一般の方以外に木材業界の中にもおられます。
当然、私よりも博学で顔の広い方はいらっしゃいます。だから、私が偉そうにする事はないのですが、できる範囲では何かお手伝いしたい。
後輩や意欲のある人には自分の知っている事を伝えたいという想いです。

だから、最近頂いている出会いにはとても感謝しています。
それらの出会いが、迷える私を導いてくれる物なのではないかと思っています。
毎日毎日が物凄いスピードで過ぎる中で、何かを残していけるようにしたい。それが、木の事に関する相談や注文であり私の存在意義ではないかとも思います。

慢心しそうになる忙しさの中で、自分のルーツを気付かせてくれる出会いに感謝しつつ、更に知識と経験を高めていきたいという意欲の出る出会いをもっともっと増やしていきたい。
記事経由でも対面でも大歓迎です。
みなさん、一緒に木にのめり込みましょう!!


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ルーペで覚える樹種の見方


前回は少し趣味の関係のトピックスが大きかった為、珍しく興奮して連動記事を一つ飛ばすこととなってしまいましたので、今回、その続きのお話をしたいと思います。

前回の勉強会のお話は、ルーペを使い、木の木口面からその材質と特徴を見ていくことでしたが、それがよくわかる様でわからないのが面白いところ。
同じブナ科の栗(くり)、楢(なら)、樫(かし)の3種は何となく違いがわかってもらえたでしょうか?
難しい話をすると永くなるのですが、細胞の並び方や組織の表情でそれぞれの違いがわかるのです。
それをみるのがルーペ。

そして、前回の課題?!であった、この2つ。

木材セミナー 4














わかったでしょうか?!
似ていないのか似ているのか?
それともまったく関係のない樹種同士なのか?

どちらも丁度柾目材なので、もしかして仲間の木なのか?、と邪推頂いた方もいらっしゃるかも知れませんが、木目は関係ないとしても、良く似た樹種であることには変わりありません。
正解は、上が「日本の松」、下が「米松(べいまつ)」です。
え?!日本の松とアメリカの松とでこんなに色が違うの?!とおもわれるかもしれませんが、そういった疑問と気づきが木材には最も大事!!

私がこれを問題としたのは、私自身が若い時に疑問に思った事の一つだからです。
日本の松とアメリカの松は同じものなのか?!
素朴な疑問ですが、これがわからなかったのです。
先に書いたように、色も違うし木目も違う。匂いも違う。
なのに「松」の字がついているから同じものか?!普通はこう考えるでしょう。
しかしながら、これが木材の落とし穴。

木材には、商業名、通称、港湾名、学名、産出国によっての名称等々があります。
商業名と通称は、いわゆる「あだ名」に近いもの。米松もその一つ。
港湾名(正式な呼び方ではないですが、わかりやすく・・・)とは、輸入材などで経由した港で使われる(その国の)呼び方が、材の名称になっていること。
産出国の名称は、その国特有の呼び方の事。つまり、同じ樹種でも全く違う名前があるということです。これも輸入材、とくに熱帯産の木材に多く存在します。

これらが混在しているために、木材というのはわかりにくく体系化しにくい部分があり、だからこそ似たような樹種に似たような名前をつける商売の様なものができるわけで・・・・・

そのため、基準となる名前が必要になる事から、一般的ではないですが、「学名」が使われるのです。
学名は世界共通の名前。つまり、これを聞くときちんとどの樹種かがわかるのです(すくなくとも科目までは・・・)。
だから、私の記事でも何のこっちゃわからん学名を引用したりするわけです。

話は戻って木材の落とし穴ですが、もうお分かりですね。
そう、先の名称のお話の通り、日本の松とアメリカの松は厳密には同じ松ではないのです。
松という名前なのに・・・・
おかしいですよね。うん、おかしい。
因みに、米松は日本語で言うところの「アメリカトガサワラ」と言います。
アメリカのトガサワラ。
なんじゃ、余計にわからんぞ・・・・
そう、これだから米松という言葉が生まれるのです
本当の事を伝えるより、わかりやすく変えてしまった方がいい。そんな感じでしょうか。
しかしながら、米松材自体はとても優秀な材なので、その材質自身でもアピールできたことでしょうが、やはり最初はそうではなかったのでしょうか。

米松の仲間である「トガサワラ」という材は、日本にきちんと存在します。
別名「吉野松」。
でた、これも通称名。
材質の似ているトガサワラを「吉野の松」として販売した事に由来するとか。
で、そのトガサワラ自体も「サワラのような材質の外観がトガに似た木」という、なんとも理解しにくい、どないやねん!的な例えでついたそうで、この両者も別々の異なる樹種なのですが、名前を引用され、更に合体まで!!させられています。

つまり、名称というのはこんなものだということです。
接頭語のように、「○●オーク」とか「○●ウォールナット」なんちゅうのに注意が必要なのは、以前にも幾度となくお話していますが、それとも通じる今回のお話。

松と米松の違いはルーペにて確認できるのですが、それを試みる意味というのは、やはり材を正しく知るため、正確に知識をつける為であるのです。
そこまでせんでも、材料は売れるわい!!
そうかもしれません。

しかし、そういった情報や判断基準を欲する方もいらっしゃるはず。
だれもが、米松は松だと信じているはず。
そこに疑問が生じたときに、すっきりと判断できる手助けができるのが材木屋かな、と思います。

そういった意味を込めての今回の研修参加。
町の数百件の材木屋サンの中には、一軒くらい、アホみたいに材料を眺めルーペをかざす材木屋がいてもいいですよね。
そうした情報を持っている材木屋があってもいいですよね。

いらんやろ、アホやで・・・・

そう言われても、必要とされる事がある限り、おかしな材木屋「木の虫」は今日も材を眺めるのでした。



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感涙のF1鈴鹿(日本)グランプリ


楽しみにされていた方、すみません。
前回の木材講座のお話の続きは次回に持ち越しさせてください。

そうしても遅いくらいですが、今週初めの日曜日10月7日のF1鈴鹿(日本)グランプリにて、小林可夢偉選手が3位表彰台という結果を残してくれました!!

可夢偉 11










なんとすごい、母国グランプリで表彰台に上がるということと、それが私の大好きな鈴鹿サーキットでの出来事だっただけに、もう嬉しさは大変なもので・・・・

それなのに、こんなに遅れて記事にしているのは、今年度からフジテレビさんが地上波での放送を中止され、衛星放送一本になっため楽しみにしていた観戦ができず、先週末の予選走行の結果が3番手スタートだと知っていた為、毎度頼むことはできないところを実家に頼んで録画してもらいましたが、危うく見逃してしまうところでした。
その録画を見たのがつい、昨日。

可夢偉 1 



 スタート前の可夢偉選手。







可夢偉 2


 スターティンググリッド。「3」の文字が光ります。







もう、車が走って何がそんなにいいのか、と言われればそれまでですが、私にとっては本当に感涙の表彰台でした。

可夢偉 10

 シャンパンファイトの瞬間が、鈴鹿サーキットでみられるなんて・・・生で見た方、うらやましい・・・






途中、得意のヘアピンコーナーで前者をパスして順位を上げるなどの見せ場も作り、素晴らしい走りを披露してくれました。

可夢偉 4
 アクセル全開のブラインドコーナーの後の進行方向と逆にカント(傾斜)のついたヘアピンコーナーのインから抜いていくのはカッコいぃ!!






もう、最終ラップの迫りくるバトン選手を振り切り手にした表彰台。
バトン選手は元ホンダF1ドライバー。
なので、いつもは贔屓めなのですが、今回だけは「いかせるかぁ!!」と気合が入ってしまいました。

可夢偉 5










実は私は車が大好きです。
趣味の内の一つです。
実は鈴鹿サーキットも幾度となく走行した経験があります。

可夢偉 3

 世界屈指のテクニカルサーキット。
 その素晴らしさは走ってみないとわかりません!!






そういった事から、素人ながらもコースレイアウトやコーナーの形状、位置、そしてその角度や路面の状況などがわかるため、そのコースを信じられないスピードで駆け抜ける選手たちを見るのは、興奮と感動以外の何物でもありません。
サーキットなど何が面白いのか、ガソリンの無駄使いだ、と言われるかもしれませんので、反論はしませんが、これはこれで良いところもあるのです。ここにしかないものもあります。
その中で、今回の可夢偉選手の走りによって、たくさんの方が心ふるわせ興奮した事は事実だと思いますし、それこそが「ここにしかないもの」だと思います。

可夢偉 9










その、「ここにしかないもの」というものを実現できる人、すごいです。
感動を届けることができる人、素晴らしいです。
私も人の心を動かす事のできる人間を目指して日々精進していきます、と宣言したくなるくらいに感動しました。

可夢偉 8


 このリザルトだけでもふるえます。







可夢偉 7


 マクラーレンを従えてのチェッカーフラッグ!気持ちいい!!






木の事以外でこんなに興奮したのは久しぶりです。
面白くない、興味の湧かない記事で申し訳ないですが、こんな一面もあるんやなぁ・・・という、私の興奮を少しご紹介して、私はその余韻に浸るのでした・・・

改めて、可夢偉選手おめでとうございます!!

可夢偉 12

















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材木屋だからこそ、木のことをもっと知ろう


皆さんは材木屋サンに何を求めますか?!
サービス?利便性?!それとも価格ですか?いやいや、本来は木の事を相談するのが材木屋だったはず。
木の事、とは木に関することであり住宅から木でつくる生活用品、身の回りの道具用の材についてなどなど・・・

でも、実際の材木屋サンは他の業種に比べて扱い商品の範囲が広い(若しくは扱いが限定的な場合が多い)ので、結構木の事でも知らない事が多かったりします。
まぁ、全ての方が材木屋に木材情報を求める時代ではないのかもしれませんが、結局、その事が私を木の虫へとつき動かした原動力なのですが、先日来、2回にわたって講義を受けてきたのですが、それも一般の方からすれば「材木屋であれば知っているはず」と思われる(かもしれない)、木の見分け方のお話でした。

木材セミナー 2














内容としては私が取得した、全国木材市場連盟による資格制度「木材アドバイザー」の試験内容と同じようなことを、より多くの時間をかけて学んできたわけです。

木材セミナー 1


 このような木片をルーペを用いて覗き、その細胞組織などから樹種や針葉樹と広葉樹の区別をするのです。








木材セミナー 3



 因みに、これはビーチ。すなわちブナです。









木材セミナー 5



 では、これらはどうでしょう。
 とても外観が似ています。これを見てわかる方はプロですね。






木材セミナー 6


 上の写真の真ん中の樹種の木口拡大です。

 ココをルーペで覗くわけですが、樹種やいかに。






木材セミナー 7



 そして、こちらが写真右側のもの。

 さっきと似ています。同じ科目の樹種だから当然です。さて、答えは?!





正解は、写真の3つのうち、左から「栗、ナラ、樫(かし)」です。
つまり、拡大写真は同じブナ科の木材、ナラと樫の違いを見るためのものだったのです。
わかりましたか?

因みに、同じ科目といえば、こんなものも・・・・

木材セミナー 4



 この上の樹種と下の樹種の違い、なんでしょう?!

 これを見るのも楽しみの一つ。






正解は・・・・




おっと、ココからは次回に持ち越しとしましょう。

と、こんな感じで進むわけです。

木材セミナー 8














講師の杉山先生に拡大写真を解説してもらいながらの広義は納得の連続!!
面白いぃ!!

主催していただいた方々の想いはまた別にあるのだと推察しますが、私なりに感じているのは、材木屋であればやはりある程度の木の知識が必要だということ。
今回の講習のお話は、木を細胞レベルで見た場合のお話を交えてでしたが、一般の材木屋サンの実際の日常実務では細胞の事など話をすることはないでしょう。
しかし、お客様に求められた場合や、何かを説明する時、若しくは新たな材料などの性質を知ろうとする時には、やはり少なからず学問的な話も必要になってきます。
私自身の場合は、好きが高じたというところですんなり頭に入ってくるのですが、普通はわけのわからん話を聞いてもなかなか理解できない様な部分もあります。
ですが、材木屋であるならばやはり必要な知識だと思いますし、材木屋だからこそ知っておかないといけない、将来の木材利用の為にも理解しておかないといけない項目が多くあります。
自身を棚に上げるということではなく、材木屋全員が更に理解を深めお客様が安心して木を探す事が出来る環境をつくる事も、私たちの業務ではないかと感じています。

今回出席された方が、どのくらい習熟し興味をもたれたかはわかりませんが、立ち止まることなくレベルアップすることはとても大切だと改めて感じた講習会でした。



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神代桧の講義机


以前に御紹介していた神代桧、覚えていらっしゃいますか?!
神代桧と言うとラムネの様なサイダーの様な香りの漂う、神代(かみよ)の贈り物ですが、先日、その神代桧の厚板をお買い上げいただいたお客様が、わざわざ御足労いただき、完成後の机の写真を見せてくださいました。(以下写真はデータです。)

講義机 1














いかがです?綺麗な色合いと仕上がり具合です。

講義机 4
























講義机という形で使われるそうですが、平時はしまっておけるように足が取り外せるようになっている事も重要なポイント。
このように足をおさめる箱まであるのです。

講義机 2













開けると納品詳細一覧が・・・・

講義机 5















それにこの脚。
本漆を施してあるそうです。
すごく時間がかかったのだとか。
その値打ちあって、深い輝きが写真からも伝わってきます。

講義机 1














これら神代桧の様な特殊な材料は、いつでもあるわけでもなく、あっても寸法が希望に添えない場合が大半です。
そのため、このように隅々まできっちりと使っていただくと、神代の命も生きるというものです。

神代(かみよ)の時代の桧との相乗効果で、講義が更に有意義なものになる事を祈っています。


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塗膜があると、とっても綺麗なんだけど・・・


地域の建物や、小規模な建物を木造とする又は木質化するということが推進されている影響はいろんなところで出ているようですが、その中でも国産材といわれる中の重要樹種、杉・桧を使っている場合が多く見られます。
意匠として、防火薬剤を注入して、構造材としてなどなど。いろんなケースがありますが、実際に使われているものを見ても木目がピカッと輝いてなかなか綺麗に仕上がっていて、とても感じがいいものです。

お、ここもフローリングが木になっているぞ。おそらく最近だと思うのですが、杉と思われる樹種が使われております。

塗装 5














赤白の色合いや、補修した節の跡なども本物を感じさせるに十分で、新しいこともあり、とても艶やかな表面は、清潔感を持たせてくれます。

塗装 4














ココは施設ですが、住宅に使ったとしても貼り上がりの輝くような美しさは、お客様をすごい!というわせるものでしょう。
ピカピカの表面は「綺麗なおうち」を想像させるに十分な要素でしょう。

しかし、時間が経つと・・・いや、もう既に傷が目立ち始めています。

塗装 3



 ほら、みえるでしょうか?うっすらと糸を引くように伸びた筋が・・・









塗装 1




 ココまで来ると目立ちますね。見事に塗膜が傷ついています。







塗装 2



 まるで鏡に入ったひび割れのように伸びている傷。

 内部の木材はなんともないのにもったいないなぁ・・・






もちろん、どんなものにも傷はつきます。
むしろ、その傷も味わうべき楽しみの一つ。全く問題ないはず・・・

なのですが、どうも気になる。
周囲がピカピカなだけに、傷の部分のみすごく浮き上がって見える。
勿体ない。
綺麗、と感じるところに白い筋となって目立つ傷。

オイル塗装や無塗装の場合はこうはなりませんが、塗膜を作るタイプの塗料では、膜に傷がつくと光の屈折がかわり、その部分だけ白く浮き立って見えます。
海に輝く太陽のように綺麗だったはずの塗装が、その部分だけ全く違う雰囲気です。

なーんかもったいないなぁ。
もちろん、このままほおっておけば、塗装も剥がれてきてそれはそれでアンティークのような風合いにもなるでしょうが、そこまでの味わいを出せるかどうかも心配です。
そうなると、傷がひどくて見栄えが悪いから貼り替えようか、となるわけです。

折角利用している樹種が、塗膜の劣化で使い物にならなくなる。
それはちょっと悲しい。
百歩譲って施設は、特に土足の場合はいいとしましょう。
しかし、やはり住宅には塗膜を作らない塗料をお勧めします。
もちろん、足触りもそうですが貼り上がり直後が最高というよりも、どんどん深まっていく味わいが楽しみではないですか。

単純に木造化、木質化といってむやみに木を加工するのではなく、もう少し、環境や炭素排出量、次の修繕にかかる費用などを考えて計画したいものです。
あー、塗装勿体ない。



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