空を見上げて
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2012年07月

第2回開催決定 木を使ってもいいんですかセミナー(仮称)


前回、満員の会場にて公演された東京大学井上准教授の「木を使ってもいいんですかセミナー(勝手にそう呼んでます。)」。
周知方法に偏りがあったためか、一般の方の参加は少なかったようですが、業界人は諸先輩がたもたくさんお見えになっていて、会場はアツい空気に包まれていました。

その「木を使ってもいいんですかセミナー」の第二回の開催がこの度決定したようです。
お題目は「自身をもって木材を商う方法」などとなっていますが、井上先生のお話は、材木屋にとっては「目からうろこ」、一般の方にとっては「なるほど、そうだったのか」というようなお話に、適度なユーモアを交えてくださるので、聴きごたえ満点ですよ。

前回同様、詳細なお問い合わせは大阪市製材業協同組合さん 電話06−6685−4762になりますが、参加に申し込みは不要ですので奮ってご参加ください。
といっても、もしかするといっぱいになってしまうかもしれません、お早く・・・

下記案内を参照のうえ、ご参加くださいね。会場でお会いできますように。

参加 

無料!

木の伝道師

    東京大学井上准教授が語る!   

「 自信をもって木材を商う方法 」

〜木材活用の最前線〜

木の伝道師 井上先生が、木材ビジネスに欠かせない知識を 惜しみなくレクチャーしてくださる

勉強会。ご好評につき第2弾のお知らせです。今回は「木の特性」について 特に詳しくお話いただきます。

「木は鉄より軽くて強い。」「木は鉄より火に強い。」「考えて使えば木の耐久性はピカイチ。」

 木は素晴らしい力を持っています。お誘いあわせの上、ふるってご参加ください。

 

 

日時       平成24921日(金) 午後6時半〜8時 (開場は午後6時)

場所    :   オスカードリーム3階  「オスカーホール」  無料です

                     地下鉄四つ橋線・ニュートラム「住之江公園駅」 5番出口スグ

住所       大阪市住之江区新北島1-2-1 電話:06-6684-2306

                          【駐車場完備=講演参加者は、駐車料金2時間210円】

講師       農学博士 井上雅文氏 

(東京大学アジア生物資源環境研究センター 准教授)

テーマ   :  「木材:正しく理解して賢く使う!」

「飛行機開発を支えたライト兄弟と木材」 その他

 

       

井上雅文先生のプロフィール≫

 現職:  東京大学 准教授

アジア生物資源環境研究センター

環境材料設計学研究室

最終学歴:京都大学農学研究科博士課程林産工学専攻

学位:博士(農学):「木材の横圧縮大変形の永久固定」

専門:木材加工学、環境材料設計学

 

             

 主催:大阪市製材業協同組合

共催:平林会木材協同組合

 後援:木材利用システム研究会(社)大阪府木材連合会(一社)平林会

近畿天然木化粧合単板協同組合 総合木材協同組合

      【問合せ先:大阪市製材業協同組合 電話0666854762

 



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私を誘惑する続編発売! 


つい先日に、弥栄のくすの事をお伝えしたところですが、更に私を誘惑するかの如くのタイミングで、注文していた書籍が届きました。
書籍というか写真集ですね。
写真集と言っても、綺麗なおねぇさんがたくさん写っている類のものではありません。
たしかに、そちらにも大いに誘惑されそうですが、今回は(?!)もっとまともな誘惑です。

これ。

巨樹の本 1














前に、子どもの耳鼻科の診察に付き合った際に偶然待合室の本棚に見つけた巨樹の写真集、「地球遺産 最後の巨樹」の続編とも言うべき「日本遺産 神宿る巨樹」です。

以前とは違い、巨樹の対象を日本国内に絞り紹介していますが、その数が「こんなにあるの?!」と思わせるボリュームで収録されています。
その為に、一つ一つの紹介は小さくはなっていますが、なかなか行くことのできない場所の巨樹を美しい写真で見られるという意味では、とてもお勧めの本です。
他にも巨樹の本は出ていますが、ただ所在地と小さな写真を掲載しているガイドブックというものとは違い、巨樹のビジュアルを神々しくも時に畏怖を感じさせる巨躯として収録されていますから、その巨樹達の持つ存在感はその辺のガイドブックとは比較できません。

中には私も訪れた屋久杉を始め、「高井の千本杉」や「藤原の伊吹」、「杉の大杉」なども収録されており、訪れた時の記憶をよみがえらせてくれました。

巨樹の本 2


 実は、私のフェイスブックの自己写真は、この藤原の伊吹の「コブ」と握手している写真です。

 懐かしいなぁ・・・元気かなぁ。





巨樹を訪れる理由は、まさしく山と同じ「そこに巨樹がいるから・・・」だと思いますが、そのあたりの「心に響く巨樹に会う意味」も少し語られていますから、巨樹探訪に興味を向けるきっかけになるかもしれません。

私ほど木バカでなくとも、見かけたら一度手にとってはいかがでしょうか?!小さな気づきがあるかもしれません。



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でるか?!!木材エコポイント


今年も被災地復興を主な目的とした住宅版エコポイント制度が設けられていました(被災地以外では申し込み予約終了済み)が、もしかすると、来年度に「木材エコポイント」なるものが創設されるかもしれないそうです。

以下、新聞記事から引用です。

現在、13年度予算で何を行うかがまとめられている。
その中で、環境省では温暖化の対策の新たな取り組みとして、木材製品にいこポイントをつける制度の創設を検討している。
同省は、照屋石油製品と比べ木材を選べばどれくらいのCO2を削減できるかなど、木材利用の効果を慎重に精査する必要があるとしている。
ー中略ー
木材エコポイントは、地球温暖化防止のためのCO2削減を目的として、創設が検討されている。それゆえ環境省では、同じ製品でも木材で作った方が、照屋プラスチックなどに比べCO2排出量が少ないかどうかなど、様々な視点でCO2削減効果を検証しなければならないとしている。
対象製品を木材全般にするか範囲を絞り国産材とするか、また家具や日用品から柱や梁の住宅部材まで含めるかなども白紙の状態から検討されている。

だそうです。

木材の利用が伸びるのは大いに結構。
ポイントの為であれ、それがきっかけで気に触れる機会にもなると思えば、収穫もありそうです。
ただ、木の良さはCO2の吸収固定だけではありません。
それに、優れた点があってプラスチックで造られている物、明らかにコストや耐久性が有利だから金属になっているもの、色々あります。
また、プラスチックや金属では問題なかった使用方法でも、木材の場合には割れや破損の原因になる事も出てくるでしょう。
それも伝える事が出来て、喜んで頂けると更に良い制度なのですがいかがなものか・・・
一方的に、ポイントがつくから木製に切り換えよう、ではなくやはりもう少し木材の持つ本来の良さや性質を求めて、更にポイントの恩恵を受けていただくことが出来ると良いのだけれど・・・・

どちらにせよ、来る日の木材需要に向けて応えられるように備えるのは、日々の業務の一環として行っていなければなりませんね。

木材エコポイント?!















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弥栄のくすが、いま見ごろ


以前に紹介した、我が町大阪府茨木市のお隣に位置する摂津市(せっつし)に根をはる巨樹、弥栄のくすがとても見ごろです!

というのは、つい最近まで立っていた文化住宅(大阪風に・・)がとりこわされているため、府道からついにその巨躯の全体を眺める事が出来るようになっているからです。


弥栄 1














以前は両脇を文化住宅に囲まれていた為、その全体を十分に拝むことはできなかったのですが、今はとても綺麗に見えるのです。
それも、夕刻の西日を受けてその木肌の一枚一枚を確認できそうな程に感じる午後5時半頃がお気に入りです。

若干赤みがかった陽光を受けるその巨躯と、あおあおと茂った若葉がとても美しいです。

文化住宅のあった場所は、工事用のフェンスにて囲われていますから、もしかすると建築計画があるのかもしれませんから、今の内が本当に見ごろかもしれませんよ・・・・

弥栄 3














弥栄のくすの雄姿をおさめるチャンスです。
巨樹好きで、大阪近辺を廻られる方は是非寄ってみてくださいね。

弥栄 2

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イスノキ(柞)フローリングの問い合わせ


私の記事をご覧いただいている皆さんは、相当勉強熱心な方なのでしょうね。
私がどうこうというのではなく、お問い合わせいただく木材の求めておられる樹種と用途が普通ではないですね。

というのも、以前から本当に何度も何度も頂戴しているのが「イスノキのフローリング」に対するお問い合わせです。
本当にこんなのどこで勉強されたんだか・・・
イスノキ自体、材木屋さんでも知らんのと違いますか?!
イスノキありますか?!、なんて聞くと「杉でいきはるの?桧の方がえぇのかな?!」なんていう答えが返ってきそうです。
私の様な、特殊な種類(ガン○ム風に言うとニュータイプ?!・・・いや、敢えてオールドタイプか・・・・)の材木屋なら話は別ですが、一般のお客様でイスの木を希望される、しかもフローリングにという希望がでるのは驚き以外の何物でもありません。

以前に黄楊の記事の時に少し触れていますが、イスノキはマンサク科の木で、別名をヒョンノキなどと呼ぶこともありますが、それはイスの木にできる虫こぶを吹いてならすと「ヒョーヒョー」となる事から来たといわれています。
英名も isu tree だそうです。和製英語のようですがなんかカッコいいですね。


漢字で柞、雅名で「結寿=ゆす」という日本の樹種らしい名前を持った木です。
その文字の通り、「寿を結ぶ」と書いて「ユス」と読むところから、縁起の良い木・お祝い木として用いることがあります。

イスの木 鈴


 イス(ユス)の鈴。硬質な良い音色が響きます。

 寿を呼び寄せてくれるのかな?!






そしてイスノキの最大の特徴?!は日本産材の中で最重量クラスの木材の内の一つだということです。
どれくらい重たいかって?!
ちょっと屈強な10代の男性でも、2m程の長さの15cm角の位になると到底運ぶことはできません。
寝かせてあるものを動かすことは何とかなりますが、自身で持ち上げて移動はできないでしょう。
肩に自信がある材木屋さんならば、なんとか肩に担いで運ぶことはできるでしょうが、かなりの重さです。。
ずっしりとした重さは私の様なマニアや、熟練の肩には心地よい刺激(?!)です。

材色はその重量に比例して、芯材は濃い色合いで、200年を超えるような樹齢の高いものは暗褐色で艶があり「スヌケ(*)」とよばれるものがあり、昔から木刀(樫の木も一般的ですが、その鑑賞用としての色艶ではスヌケが一番だそうです。)や櫛用材、装飾用工芸品、音響に影響する為密度のある木材が必要な三線の材料などとして珍重されていたそうです。
(*病気や傷などで芯材だけを残して立ち枯れした老木を指している事もあります。)


イスの木 1


 下に見えている薄板を見ると、白太と赤身の境がはっきりしている事が見てとれますね。








手にとって頂くとすぐに伝わるその重さと密度。
木じゃないように感じるのではないでしょうか?!
それにしても荒削りながら綺麗な艶です。

イスの木 2














また、佐賀の有田ではイスノキの灰をやきものの釉薬にするそうです。
その釉薬は、透明感があり風合いがとても良いそうです。
先のスヌケも、この柞灰を取る為に行っていたものだとも聞いています。
これはもはや、私ではなく弊社社長の出番ですね・・・

しかし、そんな優れた材料であるイスノキですが、どこにでも生えているわけではありません。
そりゃそうですね、どこにでもあれば皆さんにも知られているはず。
だから、材料として安定供給できるような種類の木材ではないということです。
杉や桧、松などの針葉樹は知っての通り日本に多くの蓄積がありますが、広葉樹でも特殊なものは、その樹種の林というものが無い場合もありますから、いつでも欲しい時に供給できないのが、建築やその他の用材になる樹種との大きな違いです。
また木材として出てきても、肝心の芯材の部分が非常に残念なほどに割れます。

イスの木 4
























なんでやねん!!と悔しくなるくらいに割れています。
アップにするとこんなんです。

イスの木 6
























自然のものだから仕方ないのですが、もったいなくてしょうがないですね。

話はもどってイスノキのフローリングですが、こんな状態ですのでまさか安定的に、または注文を受けて無垢のフローリングに加工するなど出来るような物ではない事がわかっていただけるかと思います。
もちろん、白太でも良いし幅寸法もバラバラでよい、というのなら出来ない事もないでしょうが、少し現実離れしていますね。
イスノキはフローリングに最適、という文言を目にする文献も多いですからもしかすると、そういったことを学ばれて探していらっしゃる方が多いのかもしれません。
しかし、確かに優れた特性を持っていても、原木が無い事にはどうしようもありません。
他にも、古い文献などには日本の優秀な樹種のお話が掲載されていたりしますが、それも時代錯誤、既に伐採されていないか数が少なく殆ど出てこない、というような状況になっている樹種もあります。
外国材ですが、台湾桧(タイワンヒノキ、タイヒ)もそうかもしれません。
巨大な丸太から、幅の広い柾目の盤や社寺建築用の大きな柱や構造材がとれたのですが、これも今は昔。
とっくに伐採出来ないようになっていますが、当時は稀少視されてはいなかったのでしょう。そこに行けばあるのだから・・・
それだけ今ほど森林資源に目を向けていなかったのかもしれません。

以前に、古いイスノキの無垢フローリングをみたことがありますが、5cm程の幅で長さも10数cmから60cmほどのものが点在していました。
樹種はイスノキなのかもしれませんが、皆さんのイメージで求めている「イスノキ」とは少し違っていました。

優れた特性を持った木材でも、枯渇してしまうような状況では利用することはできません。
タイワンヒノキや日本のネズコ、元祖ローズウッドの類や紫檀黒檀鉄刀木(タガヤサン)などなど・・・有名なお話では乱伐に次ぐ乱伐にあったというレバノンスギも・・・・

世界中にあり、人間に様々な恩恵をくれる木々達の天敵というのはもしかすると人間なのかもしれない、と何かの本で読んだ覚えがあります。
確かにそうかもしれません。
「あるうちに尊べ」、という精神が、一部の人間には足りない部分なのでしょうか。

適切に使えば枯渇することのない資源と言われる木材ですが、やはり需要が集中したり、植林や育林が難しい樹種は特に大切にする必要があります。

イスノキから脱線しましたが、それも含めて木材というものを啓発するのがこれからの材木屋の仕事の一環になってくるかもしれません。
大切に有効に使えるように工夫しながら、稀少な木材もできうる限りお届けしたいと思っていますので、頑張って集材したいです。
なかなか思うようにいかない、イスノキのお話でした。


イスの木 5















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遅くなり、申し訳ありません・・・


皆様、いつもいつもご愛顧いただき誠にありがとうございます。

特に、弊社記事をご覧いただいてお問い合わせくださる皆様、本当に感謝しております。
顔写真はあるとはいえ、北は北海道から南は九州沖縄まで、様々なところから会った事もない私に声をかけてくださるというのは、とても思い切りのいることではなかろうかと推察しています。

どんな受け答えをされるか、質問に答えてくれるのか、こんなこと聞いてもいいのかなどなど、様々なお考えも廻ったのではないかと思います。
そう思うと、お問い合わせ第一報をいただく喜びというのは、いつでもとても新鮮で有難い気持ちに満ちています。
また、弊社に木の事や無垢フローリングの事をおたずね頂く皆様はとても丁寧な文面をいただきますので、それに対する回答も自ずと力が入るというものです。

しかし、大変申し訳ないのですが、現在の弊社は恥ずかしながらインターネット担当は私一人です。
いや、もちろん架空のネット上だけの会社でもありませんしスタッフもいます。大阪府は茨木市に事務所並びに倉庫がありますので、当然在庫もあるのです。
それでも、今のところは担当は私一人。
しかも、一日パソコンに向かっているわけでなく、業務によっては一日中パソコンを見られない、ほぼ車中で電話できない、という様な状態の時もあります。

作業 2



 小さいながらも製材木取りもします。材の顔をみてより分けたり、片付けるのも私です。







その為、どうしてもお問い合わせに対する回答や無垢フローリングやサンプルの発送業務、ショールームの予約時間の調整に時間を要する場合があります。

発送などは他のスタッフに、回答は事務員さんにでも頼めば出来なくもないのですが、やはり冒頭にも書いたように、やはり私自身が一つ一つお送りしたい、回答にしても皆さんのお考えや状況・希望を加味したうえで回答したい、想いを込めて送っていただいたお問い合わせにお答えしたいという気持ちでお返事しますので、お待ちいただいている事もあるとは思いますが、どうしても順次回答させていただく事が精一杯です。

作業 4



 こんな弊社のシールも裏書きも、全て私です。









そして、無垢の木材を検討する上ではやはりそれなりの時間も必要です。
単純な金額面でも木材というものは決して安価なものではありません。
予算で悩まれる事も多いと思います。
また、考えていた物に対する性質の違いや特徴などを知っていただくにも時間がかかります。
やはり、無垢の木材や無垢フローリングを検討頂くうえでは、それなりの時間をとっていただく必要があります。
急いで価格との天秤のみで決めてしまうと、後で悔やむことにもなりかねません。

作業 1













双方合わせて、十分な時間の余裕を見て検討頂くことをよろしくお願いいたします。
一つのお問い合わせが、より大きな喜びとなる様に私からの小さなお願いです。

作業 3
















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これでいいのか?!私が木材を知りたいもう一つの理由。


私の記事をご覧いただいている皆さんは、木材への最初の興味というのは何だったのでしょう?
その美しさ?木目?さわり心地?香り?!
いろいろとあると思いますが、私の場合は職業柄という事もありますが、それとは別に「疑問が生じた」から、です。
当然、世界の木を見てみたい、木の事は全て知りたい、と思う心があったことは言うまでもありませんが、それとともに「この木とこの木は同じもの?それとも別のもの?!」と、見分けのつかない物や、もしくは「同じと言われている物が全く違うものにみえたり」したことも、大きな理由の一つです。

具体的にいうと「モミと栂(つが・とが)」。
まぁ、これが私の木材魂に火をつけたといっても過言ではない(笑)因縁の樹種です。
この2種は、とても似ているところがありますし、生えているところまで似ているという兄弟か?!というような木ですが、言われなければ違いに気がつく人は少ないでしょうし、特に素人同然だった私には同じ物の様に見えてなりませんでした。
同じ様に見えたその訳もあるのですが、今回は本題の関係上割愛させていただくとして、他にも「桧とサワラ」や「ナラと樫(かし)」なども似ていますね。
外国材でもタガヤサンとウェンジ、カリンとブビンガなどなど・・・
当然、植物学上の同じ科目だったりする共通点があったりしますが、それでもやはり別のもの。
それらの違いや見分け方、特徴やその用途を知ることが出来た時、その時こそが深い深い木材という森の中に迷い込むきっかけとなるのです(笑)。

さて、似ている樹木については先述のタガヤサンとウェンジ以外にも、ブラックウォールナットについても書いた事がありますが、今回は「ファーとスプルース」という、二つの似た樹種のお話です。

見てもらってわかるだろうか、この違い。

スプルース 2














わかる人は相当ご存じか、木材業界の方か・・・
結論から言えば、今回は塗りつぶし塗装の下地として材料ともで加工の手配に出したものなので、樹種はさほど大きく関係しないのですが、指定として注文したものは「ファー」、そして入荷したものは「3本のうち、2本がファー、1本がスプルース」でした。
写真左がスプルース、右がファーです。

削っていないので、余計にわかりづらいかもしれませんが、こんな感じで置かれていても、同じ樹種にしか思いませんが・・・・

スプルース 1














これは右がスプルースで、左がファーです。
ほんと、ややこしいです。うっかり並べて置けません。

ファーを削るとわかりやすいところはこんな感じです。


スプルース 3















今回は樹種は関係ないと思うのですが、それでも、注文した樹種と違うものが連絡なしに「ファーとして」入荷している事に、?!!!??です。
おそらく戦法にすれば「似ているからわからないだろう」というくらいの気持ちかも知れません。
が、私は樹種不問とは伝えていません。
もし、本当に樹種指定の場合だと、このままではいけないのですが、やはりこのあたりが悪い意味での「昔ながらの材木屋気質」で、私の気になるところであり、だからこそ、しっかりと木を見ないといけないと思ったきっかけの一つの出来事に通じるところです。

似ているからと注文したものと違うものを平気で入れてくる、寸法が足りない、傷がある、その他・・・・昔はかなり苦労しました。
それでも、これくらいは・・・と済まされることが多かったのですが、これだから材木屋も木材も衰退した(それだけではないけれど・・・)のではないだろうかと、真剣に思ってしまいます。

良い木材を、喜んでいただける木材を。
それが大事。

知らずの内にまぎれている、同じに扱われている物は別として、やはり材木屋もしっかりとした材木屋さんや加工屋さんとお付き合いしないといけないということの証ですね。
もっと、材木屋さんの木材への意識が高まりますように・・・・



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ぎーこぎーこ、木挽き中!


ぎーこ、ぎーこ・・・・・・・・・


ゆっくりとしたリズムで少しづつパラパラと粉が落ちていきます。


木挽き 5















木挽き(きびきじゃないよ、こびきだよ。)です。


木挽き 6














今回は杉の大きな丸太を挽いています。
大鋸のたてるそのリズムと音が何とも言えないのと同時に、杉のすがすがしい香りが立ち込めます。


木挽き 4














なかなか見ることのできない光景。
木挽きの良さはいろいろと言われていますが、これも時代の流れ。木材需要が変わっていくのと同じく、こういった「本物」が珍しくなる世の中なのはどの世界も同じかも知れません。


しかし、んーー、たまらん。ずっと見ていたい。

いかんいかん、今週は超過密スケジュールで睡眠時間ないくらいなのに・・・・
この場で寝そう・・・

なんとか自分を奮い立たせ、撮影終了。
木の虫が木挽きにかじりついているという、虫の知らせを聞いてきたS野さんにお願いして、木挽き原木の前で記念撮影!

木挽き 3













ちょっと表情かたいか・・・・(汗)

この材はもう用途が決まっているんでしょうね。
3cm位の厚みの板にしていますから、何か注文のある材なんでしょう。
羨ましいなぁ・・・うちの和室の天井に木挽きさんの天井板使いたかったな・・・・
夢ですね・・・

また次にみられるのはいつのことか、どんな原木か・・・・

木挽き 1


























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床暖房でも大丈夫?!


床暖房でも大丈夫です、って聞いています。

お客様から聞きます。?!少し日本語がおかしい様な・・・

無垢フローリングのお話です。


無垢のフローリングの中でも、床暖房の部分用にウレタン塗装を施したフローリングもありますが、「大丈夫」という言葉は何を指しているのでしょうか?!

不思議に思う事があります。
無垢のフローリングを床暖房パネルの上に敷いて「大丈夫」、ということがです。
弊社も床暖房用のフローリングを扱っていますが、必ず隙間はすきますし床鳴りがすることや、ウレタン塗装であれ形質の変化などが起こる場合のあることを案内しているつもりですが、そこに先の「大丈夫」の一言が飛んできます。

90幅なら大丈夫、この商品なら大丈夫、その他いろいろ・・・
その基準は何でしょう?!
またお客様に対して、「大丈夫」なんてことをいう方は、木の事を知っているのでしょうか?!

鉄であっても伸び縮みすることがあるのです。熱してすぐ冷やすと割れてしまう事もあります。
それが、人と同じように細胞組織を持つ植物である木の場合ならなおさらです。
成長し、日焼けし、表情が変わるのが木です。
木は伸び縮みも反りも割れも、使い方によってはそれらが複合的に出てくることもあります。
「大丈夫」、と言われて、無垢フローリング仕上げで床暖房を運転している更にその上にカーペットを敷いていたお客様もありました。
過乾燥と熱のこもりなどによって、「大丈夫じゃない」状態であったことはいうまでもありません。
「大丈夫」と聞いていたのに・・・・

詳しくは「木の床の不思議シリーズ」を参照していただきたいのですが、木というものは人間にとてもいろいろな恩恵を与えてくれますし、実際のところ五感に働きかける様々な効果を持っています。
それに、印刷や合板では出せない味わいもありますし、これだけ「木は良い!」という情報が飛び交い、国を挙げて木の良さを大きく取り上げると、「良いイメージ」しか頭に残りません。
私がそう感じるのですから、同じく思う方も少しはいらっしゃるはず。

良い影響があるのはもう十分わかっているはずです。
が、どうしても木を使うには良いイメージを持ってもらわないといけないという観念が離れないようです。
「とにかく木がいい」というイメージからは、「想像と違う」という答えが出る事が多いです。

木の伸び縮みを知らなかったり、杢の部分が傷だといわれたり、樹脂の部分が汚れだと思われたり、隙間が施工不良だといわれたり・・・・
先の床暖房の上にカーペット敷きというのも同じです。
カーペットも気持ちの良いものですが、床暖房を入れて更に無垢のフローリングを貼っているのにカーペットを敷くというのは、木の吸放湿作用や伸び縮みの理由を理解していただいていれば、行われないと思いますし、折角の無垢のフローリングの意味がありません。

もう、良いイメージだけをうたうのは十分です。
木というものとの付き合い方をしれば、「大丈夫」という言葉を使う事もないでしょう。
工務店さんも「このフローリングで大丈夫ですか?」ではなく、「このフローリングであっても、木の特性を知っておいてくださいね」位のお話はしていただきたいものです。

無垢の表情を味わえるネイキッドグレード。
需要が多いグレードですが、この場合でも無塗装の場合だと、床暖房の熱で節の周りが縮んで引っかかることがあったりします。
大丈夫、というような業者さんは、そのような事も知っているのかな?!
大丈夫なのかな?!

「大丈夫」という言葉に全て任せるのではなく、その木の事や付き合い方の事を相談できるお店に行きましょう。

欧州楓(ヨーロピアンメープル)床暖房用














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北洋赤松(レッドパイン)無垢一枚物羽目板をふんだんに使った店舗です。


この度、北洋赤松(レッドパイン)無垢一枚物羽目板をふんだんに使っていただいたお店がオープンします。
早速、北洋赤松(レッドパイン)無垢一枚物羽目板の雄姿を拝むべく撮影にむかったのですが・・・・

とっても人気のある食べ物屋さんだそうです。
いつもいっぱいだとか・・・
それでもとても勉強熱心で、いろんなお店の状況や味を研究なさっているということ。
やはり、自分でとことん追求してこそ、喜んでもらえるものが届けられるということでしょうね。
飲食も木材も同じですね。

北洋赤松(レッドパイン)店舗 1














今回は薄いブラウンに着色されていますので、北洋赤松(レッドパイン)の元の色合いは見ることはできませんが、それでも原板となった木の表情は十分に楽しめます。

北洋赤松(レッドパイン)店舗 4














とても光が反射していますが、実は塗装のせいだけではないのです。
冒頭で、「撮影に向かったのですが・・・・」と書いていた理由は実はここにあるのです。
理由は定かではないですが、照明を主に使っていらっしゃるようで、自然光が届かないので、照明の反射した写真になってしまっています。
あしからずご了承を。

北洋赤松(レッドパイン)店舗 2














壁板の目透かし加工は綺麗ですね。
目透かしとは、壁板同士のつなぎ目がひっつかないようにわざと隙間を設け、その部分を目地の様に見せる加工の事です。
遊び心というか、材で楽しむ部分とはまた違った視覚的な楽しみがある様に思います。

北洋赤松(レッドパイン)店舗 3
























私の伺った時にはまだ機材は運ばれていませんでした。

北洋赤松(レッドパイン)店舗 6
























それでも、木がたくさん使われているところで食事できるようになると思うと、嬉しくなってきますね。

杉や桧といった国産の木材の持つ味とはまた一味違った持ち味の北洋赤松(レッドパイン)。
もちろん、杉も桧も優秀ですが、塗装への汎用性や適度な木質感を演出するには、個性豊かな杉や桧よりも使い勝手に優れているかもしれません。

弊社ショールームにも、北洋赤松(レッドパイン)無垢一枚物羽目板を展示していますので、その風合いを見ていただいて店舗に住宅に、またはワンポイントの壁などにどんどん使って下さいね。


北洋赤松(レッドパイン)無垢一枚物羽目板はこちらから

弊社へのお問い合わせはこちらから

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材木屋は試されてナンボ?!


いやぁ、おかげさまで毎日走り回っています。
来ていただいたお客様にも、時間の焦りからの「ハァハァ・・」という心の喘ぎが聞こえやしないかと思う時もしばしば・・・

昨日もまさにそんなところで、日中にはどう考えてもこなせそうにない課題が山積で、昼食の時間までを惜しんで走っていたのですが、最終のお客様のところに伺う頃には既に夕方の6時。
今の季節だから明るいですが、もうそろそろ夕飯の時間。
久々の肩で担ぐ木材だったので、張り切って荷降ろしさせてもらったのですが、それでも気がつけば夜の7時。もう暗くなってきます。
以後の現場の事を伺う事も兼ねて、作業場の上のご自宅に上がらせていただき、一通り打ち合わせをおえてお茶をいただいて、業界の話や木材の話などをしていたのですが、突然、後ろの壁の板は何かわかる?!、との質問。

見るなり杉や桧などの針葉樹であるということは一目瞭然だったのですが、ほぼ柾目であった上にクリアーの塗装がされていたことと、時間の経過で色合いからは判断できず、目の細かさから「米ヒバか、米杉か・・・」と推測。
そこから口にでたのが「米杉ですね?」という言葉であったのですが、それが見事にジャストミート!

あんた、さすがに材木屋やなぁ・・・と、嬉しいお言葉を頂戴しました。

米杉は日本でいうところの「ねずこ」という木の仲間、米ヒバも日本の桧に近い仲間ですが、どちらも見事な目細材がとれる優秀な針葉樹です。

倉庫材 1



 弊社の在庫米杉材。全て数十年前のものばかり・・・よーく乾いていますよ。








私自身、木を見ることはもちろん大好きですし、いろいろな木を見てきていますが、さすがに樹種を「同定する」となると話は別。
二つの内のどちらか、という選択肢なら数が多くてもある程度はしぼりやすいのでしょうが、世界に数百、細かく分類するともっともっと多くの樹種の存在する木材の名前を答えろ、などという問いかけは意味のないことかもしれません。
学者さんの間でも、細分化するのかどうかや、同種か亜種かの論議が続くものがあるなかで、全てをいいきること自体、不可能に近いのです。

倉庫材 3














とはいえ、木の事は全て知りたい、どんな木でも見てみたい、とにかく全て知りたい「木の虫、木ぃ君」な私としては、頭に散らばっている様々な情報を駆使して目の前の木材に対するようにしています。

先の問いかけは、私が木の事を知っている材木屋かを見るための一種の「実力試し」ですが、私自身でも「塗装された柾目板」をみて、よくわかったものだ、と思いながらも、それを楽しむ自分と、やっぱりお客さんの方も、これくらい木を見てその木の良さを知って使っていただけるからこそ、木を活かす仕事が出来るんだろうなぁ、と考えてしまいました。
一昔前までは、大工さんと木の話や使い勝手の話などを交えて木を見たものですが、最近は弊社にて木を見るのはお客様の方が圧倒的に多いですね。
それだけ木が消費者に近くなったということか、それとも木造住宅の木材離れを現しているのか・・・・

倉庫材 4














材木屋の若手も、いろいろな木の仕事や納まりをみて木の事を覚える事が出来るのですが、だんだんと木の仕事の内容も変わり、特殊な樹種や寸法などを聞く機会が少なくなりつつあります。
淋しい限り。
しかし、木は大切にすれば後世に末永く残していくことのできる財産です。
見せかけだけの綺麗な化粧板とはわけが違いますから、これからもいろいろな樹種を適材適所に使っていけるようにするためにも、上手に木材を使っていく必要がありますね。

たまには樹種当てクイズでもして、数種類の木材のみに慣れてしまった目を鍛えるのも必要ですね。
材木屋は試されてこそ一人前?!かもしれません。

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弊社倉庫2階の手つかずの宝の山。これを樹種ごとに分けていくだけでも大変な作業です。
でも、それがまた楽し!!



木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ!