空を見上げて
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2011年02月

本屋久杉テーブル材(天板)ご購入御礼


やっぱり価値のあるものは、その物の価値をわかる人のためにあるものですね。
先日、弊社にお問い合わせを頂いたテーブル用の無垢一枚物天板をご希望のお客様に、価値ある一枚をご成約いただきました。
価値のあるとは・・・・・

これ。


屋久杉杢天板 8

























屋久杉です。(下はラオス桧です。お間違いなく・・・)
本物です。
その辺にあるような?!小杉ではありません。


屋久杉は、いわずもがな世界自然遺産の島(島全体ではありませんが)、屋久島にある杉の事ですが、樹齢の若いものは屋久杉とは呼びません。
勘違いしそうですが、ただ屋久島に自生しているのはやはり杉です。
そこから数百年(基本的には樹齢200年以上)を経て立派な屋久杉の候補「小杉」に、そして樹齢1000年を数えるようになり、この判別するのが難しい様な細かい年輪と、独特の油だまりを持つ、一種特殊な油の香りのする杉になってこそ「屋久杉」となのることが可能なのです。


屋久杉杢天板 1



 どうです、この油ののり具合。

 屋久独特な油の香りが心地いいです。







ですから、たとえ大径木であっても、屋久島からでていても、それは小杉でしょう。
木目も普通の杉の様な、板中央に板目がある大人しい杉になります。
当然自然の産物ですから、それでも十分に有難いのですが、やはり「本物の屋久杉」は風格と悠久の時を生きてきた味わいが違いますね。


屋久杉杢天板 4


 こんな杢、本当に貴重です。












といっても、それを感じられる人が見てこその屋久杉であり、そこが木の魅力と価値であることはいうまでもありません。
またその価値は、現在では伐採禁止であることと、良材の蓄積の希薄さに拍車がかかっている事も理由の一つです。
現在は風倒木や、昔に伐り倒した木の切り株や搬出しなかった残りの部分などを運び出している物だけが木材として出てきます。
昔は、あんな大径木を運び出す重機などなかった為、専ら野地板と言って、建築の屋根材料用に、山の中で薄い板に挽きわいて里まで降ろして利用していました。
油分が多い事で水湿に耐える事も、その用途にむいているんでしょうが、あんな大木をちっちゃな板にわいてしまうなんて、今から考えるとなんか勿体ないなぁ…とそんなことを考えてしまいます。


さて、今回そんな貴重な屋久杉の価値に気付いてくださったのが北摂からお問い合わせいただいたМ様。
数回足を運んでくださり、私の無理な日程依頼にも応じてくださって、そして一番重視します「その木についての説明・会話」に対しても貴重な時間を割いてくださいました。


屋久杉杢天板お客様




 今回は影のみのご出演で、М様お二人。









今回の天板が婚約記念に・・・というお話であり、また、屋久島や屋久杉の話で私の方も、このお客様にはこの屋久杉を使っていただきたい!と思うような出会いであったため、いつも以上に気持ちよくお渡しすることができそうです。
屋久杉につきものであるこんなのや、


屋久杉杢天板 6



 永い年月を耐え抜いた虫害による穴。

 無数の戦歴がその体躯に刻まれています。







こんなのも、


屋久杉杢天板 5



 目割れです。

 台風に見舞われることの多い屋久島。
 数百年前に強風をうけたのでしょう。年輪にそって割れが走っています。
 




これらも、理解していただいて、めでたく嫁入りとなりました。
決して安いものではありません。
が、数千年の年月の価値を考えると、そんな金銭では語れないものがあることをきっと見出して頂いたのではないかと感じています。

今回は、小杉ではなく正真正銘の屋久杉の証をお渡しして納品することにします。


屋久杉杢天板 9



 認定番号入りです。

 世界で一枚の屋久杉です。









当然、乾燥もきっちりとしていますよ。
生木を高値で売りぬくなんてことはいたしません。
一応証拠を・・・


屋久杉杢天板 2





 ほらね。









屋久杉杢天板 3




 といっても、油の近くはこれです。

 たんなる数字以上の違いがみていただけるでしょうか?!






杉の語源は「直ぐい(すぐい)木」だともいわれています。

結婚までに別々の様々な人生を歩んでこられたお二人が結婚という一つの道をまっすぐに目指していらっしゃいます。
日本を代表する樹種であり、様々な困難な環境に耐え長寿の大木となる屋久杉にあやかり、お二人が末永くお互いにまっすぐな想いを持ってお幸せに過ごされることを切に願います。

今回、婚約のお相手の女性(失礼乍お名前拝聴いたしておりませんでした・・)も遠路お越しくださり、私の話を聞いていただけた事、まことに感謝いたしております。
貴重な時間をありがとうございました。
これからまだ加工、搬入がありますので、またその時にはよろしくお願をいたします。
このたびはありがとうございました。


屋久杉杢天板 7










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百聞は一見に如かず 木の中にあるものを見る 〜含水計〜


木の事を説明するとき、抽象的な表現や目に見えない事柄を例えて表したりすることがあります。
時にそれが学術的に難しい事柄だったり、手にとって理解することができない様なもののことだったりするからですが、少しでも目に見える形で表現できるようにしたい!お客様でも一目で理解できるようにしたい!と日々思うわけですが、今回の優れ物を使えば一目瞭然!という代物をご紹介します。

これ。


含水計2















木材の中に入っている水分を計って数値化してくれる機械、「含水率計」です。
木材=木は、山に生えているときには当然水分を吸って生命活動をしているわけですが、材木になってもその水分は完全に消えることなく、材の中に残ります。
その残った水分の量を比率で表すのが含水率で、その含水率を数値化して見せてくれるのがこの含水率計です。
機械の種類によっていろいろな測定法があるので、私としては精度は目安程度と考えていますが、お客様にとっては購入する木材がどれくらい乾燥しているかの目安として数値を見ていただけるので、乾燥具合の説明にはとても重宝します。


たまに材木屋が使う「半乾燥位ですねぇ。」という、それって乾いてんのかいな?!みたいな表現を使わないで済むわけです。

基本的には、人工的な方法で無理矢理吸い取らない限り木材中の水分は0%にはなりません。
0%の状態を全乾(ぜんかん)または絶乾(ぜっかん)といいますが、そこまですると、木の細胞を形成している部分の中の水分まで無くしてしまうので、もう吸放湿の機能がほぼなくなるそうなので、木でありながら木ではない?!というような状態です。
通常は人間の生活している空間の水分量とほぼバランスのとれた状態に落ち着きます。
これを材木屋は一般的に「乾燥している」と表現します。

上の様に、完全に水分がない状態ではなく、一定の温室度下においてバランスのとれた状態での水分量を指していますが、その状態にある水分量を難しく言うと「平衡含水率(へいこうがんすいりつ)」といいます。

では、平衡含水率がどれくらいなのか?!
温室度などの条件などによって上下ありますが、われわれの生活している空間条件での値は10〜15%位です。
天然乾燥材は時間はかかりますが、乾燥するにつれてゆっくりとこの数値近辺に落ち着いていきます。
人工乾燥材は、文字通り人工的に乾燥するわけですから、狙った含水率にほぼとどめることができます。
乾燥窯で乾燥させるのですが、窯から出してくるとやはり水分を吸う事があるので、独自の乾燥メニューや工夫をされている方がいらっしゃいます。
数値とすれば、15%以下で商品にもよりますが大抵は12~13%位に設定されています。

といってもわかりづらいので、実際にやってみましょう。


含水計1


 先が丸くなった部分で感知します。

 この部分があたるような感じで木材に接触させます。








まずは広葉樹で目についたタモの杢板。
1年半位前に生材(なまざい。乾燥していない状態のもの)で入荷していたものです。
これで・・・


含水計9




 少し見えにくいですが、14.6%と出ています。

 そろそろ・・・というところでしょうか。もう少し寝かせます。





こちらは針葉樹の杉板。
水分量の変化によって木材の伸縮が大きい為、注意が必要なんですが・・・


含水計6



 右が2年ほど前のもの。左がつい先日入荷したもの。

 どちらも入荷時は手で触ってもわかるくらいに湿っているものです。





含水計5




 まずは右の古い方。
 もちろん乾燥していますので、誤差はあるでしょうが、8.5%表示です。







含水計4



 続いて左。
 おっと、びっくりしますね。といっても、生木では普通です。63.6%。

 因みに、違う部分を計っても・・・・





含水計3



 こっちの方が水分多かった・・・

 70.3%です。








極端な例ですが、杉の生材と乾燥材とでは2年でもこれくらい違うということです。
では、弊社の倉庫ではなく、機械で乾燥させ、乾燥材として入荷している住宅用の梁材はどうでしょうか?!


含水計8



 おおぉー。あっさり11.8%です。

 そりゃ、もった感じカラカラですから、想像はできます。







どうでしょう。
ある程度の目安ですが、わかって頂けるでしょうか?
ただし、同じ木材でも計る部分によって微妙に差が出ますし、辺材と芯材によっても違いますので、やはりあくまでも目安です。
また、計れる寸法にも限界があります。
が、それらを理解しながら使うと、とても便利なものです。
これを証拠に・・・とはいきませんが、目に見えないものを見せてくれる物として、説明にどんどん活用しています。

皆さんは木材をお探しの時、例の「半乾燥程度ですねぇ」の合言葉?!には気を付けて、きちんと乾燥期間やその方法、含水率などの事も材木屋さんに尋ねてみてください。
そして、きちんと答えてくれるお店での購入をお勧めします。






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宇宙の神秘 生命の神秘 宇宙帰りの桜が発芽


昨日の新聞夕刊に掲載されていたニュースですが、国際宇宙ステーション(地上350km!!)にて2008年の11月から8カ月半保管していた桜の種を、地上に持ち帰って植えてみたところ、これまで発芽しなかった種が発芽するなどの異変?!があったという。

原因は今のところ不明だそうですが、無重力な上に放射線の強い宇宙環境で、遺伝子の突然変異や細胞の活性化が起きたのではないかと推測されているそうです。
宇宙に旅立っていた桜の種は北は北海道から南は沖縄まで、子供たちが集めた14種類だそうです。

このうちの岐阜市の「中将姫誓願桜(ちゅうじょうひめせいがんざくら)」は樹齢1200年といわれる山桜の一種だそうで、米粒ほどの小さな種はまいても発芽せず、接ぎ木によってしか増やすことができていなかったそうです。
そこでその種を、地元の保存会の方たちが265粒を宇宙に送り、248粒をまいたところ昨年春に2粒が発芽し、このうち10cmの苗木に成長した一本は、他の種が混入したのではなく、誓願桜の可能性が高いと遺伝子の簡易鑑定の結果が出たそうです。

他にも、通常は1年に50cm程度しか伸びない岡山の真庭市にある「醍醐桜(だいござくら)」10本が、昨年春に発芽し現在は90cm以上になっており、うち1本は160cmを超えたそうです。
また、高知県佐川町では、1年に30cm程しか伸びないはずの「稚気桜(わかきのさくら)」が、約1年で最高135cmに成長した例もあるそうです。

通常よりもこまめな肥料の与えかたなどはあったそうですが、それだけが原因ではなさそうな感じです。

宇宙空間が人体に与える影響なども研究されていると思いますが、同じ生命である木の異変的な成長や発芽は、いったい何を意味しているのか?!
興味はつきませんが、急成長の代わりにその他の悪影響がでないことも見届けてもらいたいと思います。




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杉がなくなる?!


建築業界だけだろうか?!いつも慌ててるの・・・

経済新聞などをご覧の方々はご存知だと思いますが、今(というか昨年来ずっと)住宅用の断熱材が大変な品不足に陥っています。
事情はいろいろとあるようですが、注文しても入荷日はわからない、注文数量全てが入荷しないなど、様々なところでバタバタと苦労をしています。

そんな中、便乗なのかどうかは定かではありませんが、他の建築資材も品薄や値上げの動きがモクモクと出ています。
で、なんと、その中に「杉」も入っているような感じなんです。

杉?!今、国を挙げてどんどん使っていこう、利用しようと躍起になっているあの杉が、です。
木材市場への入荷が少ないそうです。
どういうこっちゃ・・・・・
訳がわかりません。

建築業界だけなんでしょうか、こんなおかしな現象。
いつもそうです。
仕事量が増えると、それ以上に品薄になったり値上がりしたり。
以前、住宅の耐震に効果を発揮するということで「構造用合板(こうぞうようごうはん)」という商品が出始めたころ。


針葉樹構造用合板



 これが構造用合板です。
下の写真のラワンベニヤと違って、見えない部分に使うため、抜け節や、多少の表面割れなども含まれます。







ラワンべニア



 こちらが日本人が永年親しんできた、通称ラワンベニヤです。
 主にクロス仕上げの下地(直接クロスを張り上げる面)に使うため、表面は平滑で節などの欠点はほとんど見られません。




その構造用合板の出始めの時期から、ラワンベニヤに代表される熱帯雨林材(伐採してしまうと、人の手での再生が難しかったり、再生できたとしてもとても永い年月を要する)による製品は、環境に配慮して少しづつ、他の木材に転換していこうという動きがあったこともあり、その構造用合板と称されるものは針葉樹である「唐松」を主原料に生産されていました。
それも輸入による、国産ではない外国の唐松です。


その構造用合板を紹介された時のセールストークは今でも忘れられません。

「ラワンと違って、唐松は伐っても伐っても腐るほど生えてますから」

この言葉を聞いたのはつい10数年前の話です。
それが今はというと、外国からの唐松は入手が厳しくなり、急ピッチで国産の針葉樹、殊更杉や桧を使った製品に転換されています。
たしかに、国産樹種を使ってもらうのは良いのですが、先の言葉は一体何だったのか?!

外国から何かしら探してきては、そのうち入手できなくなることの繰り返し。
木材、建築の業界はいつまでそんなことをしているんだろうかと思う。
そりゃ、きちんとした形での流通を考えている方もたくさんいらっしゃるんだろうけども、今のところ、このわけのわからないシステム?!の繰り返しの様に感じます。

今回の断熱材についてもどこか、いろんなところのいろんな事情が絡んでいそうな気がします。
本当のところはどうなのか?!

断熱材は工場が造ってくれれば商品はできあがりますが、冒頭の杉は一体どうなっているのか?本当に原木がないのか?!
気になったので、見に行くことにしました。


丸太がいっぱい 1



 どこぞの外国ではありません。

 日本です。丸太をどんどん加工していくところです。







丸太がいっぱい 2















なんじゃこりゃ。
めちゃくちゃあるやん。
これでも一部です。これの数十倍、いや、もっとか。とにかく広大な土地に文字通り山積みです。
そりゃそうですわな。
普通に考えて、なくなるわけないですもの。

ただ、木はあるけども、製品となるとまた別の話。
私が書いていた、杉がなくなる、というのは製品の話です。
今まで外国産材に頼ってきた分、いざとなったら供給力不足であったり、製品の精度や規格に細かな違いがあったり、また、一番大きなところは価格が決して安くはないということでしょうか。
供給力不足なところに、需要が集中するとそりゃなくなりますね。
他の理由もあるのですが、どちらにせよ、真面目に生産したらコストはかかる。
それをきちんとした適正価格で購入できない現在のどん底住宅建築価格があるかぎり、全体的に国産材が普及することはないでしょう。

だから、私たち街の材木屋がきちんと国産材の良さ、違い、生産コストやかかる労力の事をきちんと伝えなければなりません。
真面目に生産しているところは、そんなに量も供給できません。
だから、真面目な材料を得るにはお金だけでなく、時間も必要です。
それらとともに過ごすには、ある程度の木に対する理解も必要です。

これからはそれらを、額面だけでなく本当に理解していただけるよう、国産木材も含めて、貴重な輸入材も大切にお届けできるような体制を作っていきたいと思います。

安くて早い方が良い方はそちらの専門業者様へ。
仲間も含め私たちは少しでも誤解無く、木のもたらす恩恵をお届けできるような環境を、これからもしっかりと造っていきたいと思います。
そのために、皆さんはきちんと木に対する正しい意識を持って、適正価格で購入いただけますようにご協力をお願いいたします。

おかしな理論で、「杉丸太が入ってこない!」ということがなくなる様に切に願います。


丸太がいっぱい 3




















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金具不使用神代桧(じんだいひのき)木製名刺ケース(名刺入れ)完売御礼!!


先日よりご商談頂いていた、金具不使用神代桧木製名刺ケース(名刺入れ)がお買い上げいただき、有難く完売となりました。


DSCF0233

 神代桧木製名刺ケース(名刺入れ)






神代木としては珍しい桧ということと、数千年を経てきたであろう材からも香るその芳香から、実は手放したくない一品でした。
香りを放つ神代木は神代桧の他に神代樟がありますが、両者ともやはり私たちの時間感覚では計れない時間を生きてきた(生命としてというよりは、化石にならずに材が生き延びた)何とも言えない香りを聞くことができます。


その他ご好評いただいている金具不使用木製名刺ケース(名刺入れ)の中で、人気樹種である縞黒檀木製名刺ケース(名刺入れ)も在庫僅少となってきております。
また、金具不使用木製名刺ケース(名刺入れ)については、神代物は「神代朴」の在庫分を残すのみとなってしまいました。
ご検討中のお客様はお早めにお願いいたします。


I様、早々にお買い上げいただきありがとうございました。
末永くご愛用頂きますように願っております。


DSCF0253

















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神代木の素材について


木材を活用するにあたり、いろいろと知っておいて頂かないといけないことがあるのは、弊社からのメッセージや、今までの記事をご覧いただくとわかっていただけると思うのですが、しかし記載以上に木材は多種多様であり、生育環境や樹種による違いなどに起因する性質を有していることがありますので、その点も知っておいていただきたいところです。


今回一つ知っておいていただきたい事は、「神代木の性質」です。
神代木はその独特な色合いや稀少性などから様々な用途に使われていますが、用途によってというよりも、また、樹種によってでもない性質があります。
それは、脆さです。

とはいっても、SF映画のミイラが崩れるように急にボロボロ壊れていくというようなことはもちろんありません。
が、永年土中・水中にあったことなどにより、やはり現在の伐採された木材よりは粘りや硬さがありません。
材質が柔らかいとされる針葉樹の神代である、杉やだけではありません。比較的重硬な広葉樹の神代である欅(けやき)楡(にれ)タモ樟(くす)などもそうです。

ですから、同じ部分ばかり触るようなところや、用途上すり減るような部分には耐久性がない場合が多いので、注意が必要です。

私の自宅のパソコンカウンターも、残務整理やパソコン使用によりずっと肘が触れている部分のカウンター前面が、設置当初よりもかなり丸みを帯びてきたことと、通常の木材ならば丸くすり減ってきても肌触りは良いものですが、神代は(材質は神代楡ですが)減るというよりも、ボロボロと削れていっているというようなイメージを想像するような、少し引っかかりのあるざらついた減り方をします。


神代楡(にれ)カウンター1


 天面はそんなに変化はみられないのですが・・・











神代楡(にれ)カウンター3



 わかりますでしょうか?
 カウンターの角部分は、もともと直角からカンナで面(角をとること)をとっていたのですが・・・・・







神代楡(にれ)カウンター2


 だんだん面の部分が丸く削れてきて、少しづつボロっととれてきたところもあります。

 使用には支障ないですし、性質上の事なので、問題ではないのですが、少し服が引っかかったりはします。





当然、使用頻度や部位によりますが、神代特有の材質の暴れがきつく反るといったことや、乾燥の重要性とともに、使用部位を考えていただきながら加工をしていただきたいと思います。


せっかく入手した稀少な神代でがっかりしない予備知識として頂けますようにお願いいたします。



(本文中の「脆さ」は、科学的根拠に基づいた「強度」のことではありません。また、必ずしもすべてに当てはまるものではないと思います。)



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ご迷惑をおかけします。


今年も早いものでもう2月のなかば。
2月はいわずもがな、28日までしかないので、余計に過ぎゆくスピードの速さを実感します。
それだけ早く過ぎてしまう2月なのに、ちょっと予定が詰まり気味になってきました。

14日以降はご予約いただいている日が多く、また、何故か今月に限って日本産材、地域産材に関する会議やセミナーが集中していますので、留守にすることも増えてきます。
近頃、杉のフローリングや無垢板のご注文やお問い合わせが多い事に関係しているんだろうか?!・・・
杉以外の広葉樹フローリング(メープル胡桃(ウォールナット)板屋楓ロシアンバーチブラックウォールナットブラックチェリー・アッシュ・オーク)や針葉樹フローリング(唐松杉柾国産栂青森ひば・赤松柾・黒松)とともに、無垢の木材の方もよろしくお願いしますね!!


脱線しましたが、今月は外出・予約が集中しておりますので、お早めにご予約いただきますようによろしくお願いをいたします。





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翁杉のその後


先日、お客様との会話の中で思い出した事がありました。
以前の記事でお伝えした、翁杉が倒れたことです。


02翁杉全望





 在りし日の翁杉です。

 登山道のすぐ端にあり、近づくこともできる立派な巨樹でした。















お客様とは屋久杉の事でお話をしていたのですが、倒れた翁杉がその後どうなったのかまでは、私も知らなかったので、この際調べてみようと思い、問い合わせてみました。
もしかしたら、もう運び出されてる?!製材されて、どこかに出荷されている?!とか考えドキドキしながら電話のコールを待っていたのですが、つながった末の答えは「倒れたままになっていますよ」でした。

ほっとしました。

以前の記事の時には思いつかなかったのですが、よく考えると翁杉は登山道の近くにたっていたため、もしかすると登山道を封鎖する形で倒れていれば、即搬出!なんていうこともあったのかも知れないのです。
それが、運よく登山道とは反対側に倒れたらしく、倒木による支障は今のところ見受けられないため、そのままの状態で置いておく事になっているそうです。
今のところ・・・・という注釈つきでしたが。
ただ、むやみに出してくることはないと思うので、翁の爺さんが、若い小杉(樹齢1000年に満たない若い屋久杉)に道を譲り、またその巨躯を次代の為の倒木更新(倒れた巨木を苗床に若木が育つこと)という形で提供してくれることを祈りたいと思います。

倒木更新、または現代の小杉が2000年後に翁を超える銘巨樹として経っていることを夢見るとしましょう。






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国産黄楊 無垢半割材


生活の中に木を取り入れるということを提案するとき、やはりすぐに思いつくのが住宅の内装材料としての、壁や天井の無垢パネル・床の無垢フローリングでしょうね。
当然面積も大きいし、目につきやすく、木を感じやすいのは当然ですね。

しかし、昔の生活の中に木が取り入られているというのは、もっと小さな部分で、もっと身近?!な部分が多かったのではないでしょうか。
それは、床や天井、引き戸などの建具に至るまで、ほとんどが木で出来ていることが「普通」であったためでもあるでしょうが、ご飯の御櫃(おひつ)やしゃもじ、お風呂その物や桶、毎日生活する上で必要とする物のほとんどが木で出来ていたのです。

といっても「昔の話」。
今ではそんなことを言っても時代が違うのかもしれません。
ですが、今でもその木の特性を必要とし、貴重に扱われている木があります。
それも、ほとんどが石油製品や、安価な代替製品にとってかわられた生活の中にあるものです。


今回紹介するのは、「黄楊」。
つげの木、です。漢字でよく見かけるのは「柘」の方でしょうか。正式には前者を使います。


国産黄楊 1


 御蔵島産本黄楊。













園芸品種のイヌツゲはモチノキ科の植物ですので、それとは区別して「本黄楊」とか「真黄楊」と呼ばれています。
その名の由来は葉が密に続いて出ることから「次ぐ(つぐ)」が訛り、「つげ」になったそうです。
英名を japanese boxwood といいます。
学名は Buxus microphylla var.japonica。
輸入材によく似たもので「シャムツゲ」がありますが、あれはアカネ科クチナシ属の木材だそうですので、よく似てはいますが、異なるようです。



シャムツゲ 3




 シャムツゲ。よく似ていると思います。









とここまでいっても、あんまりピンときませんね。
それもそうでしょう。
今ではその用途を知る方も少ないでしょうし、用材として出てくるほどの安定した量もなく、木も大きくはなりません。
それでも、一部では大切に使う用途があるのです。

それは「櫛(くし)」。
特に御蔵島産の黄楊の櫛は最高級品とされ、とても賞用されていると聞きます。
いまでは、木製の櫛などまぁ見かけませんね。
おばぁちゃんの鏡台にあったような・・・といった感じでしょうか。
おそらくちょっと前まではたくさんの家庭にあったものだったんでしょうが、今ではプラスチック製のブラシにとってかわられ、一般的にその姿を見ることは稀です。
黄楊以外の櫛用材では、イスノキ(武家は昔から訳あってイスの櫛を使ったそうです。)や椿(つばき。高級シャンプーのネーミングの元はこれではないかと邪推しています!)なども材料とされますが、特に木が大きくなりにくい黄楊の櫛はそうはあるものではありません。


イスの木割盤



 イスノキの割り盤です。紫檀などの唐木の様にずっしりと重みがあります。

 なにせ、日本産材中でもっとも重い木材の内の一つ(日本最重量は他諸説樹種あり)ですから。




国産 椿2



 国産椿。

 櫛用に薄板に挽いていたものです。
 どこか優良な樺の木の様な大人しさを感じます。






最近、知人の材木屋サンから「直径20cmの黄楊ない?!櫛にするらしいんやけど・・」と連絡をいただきました。
今時珍しい!と思ったのですが、直径20cmなんて、黄楊にしたら超特大サイズ。
一応、最大で高さ10m、直径30cmになるものもあるそうですが、通常は高さ1m、直径10cmがいいところです。
今現在の蓄積でそこまで大きな木があるかどうかもわかりませんし、由緒ある櫛専門店ならいざ知らず、かなり難しいお問い合わせでした。
これも、日本の方かと思いきや、外国の方が黄楊の櫛の名声を聞いて欲しがってらっしゃるということでした。
おいおい日本の諸君!!自国の優秀な木材に目を向けないでいると、知らない間になくなってしまうぞよ!!!と、なんだか少し嬉し悲しい?!お問い合わせでした。

というくらいに、昔から有名だった黄楊の木。
もうひとつの用途は、これもとても重要なものです。

それは「印鑑」です。

写真ではご覧いただけませんが、当然私の個人の印鑑も黄楊を使っています。
こればっかりは材木屋で、木材馬鹿だからではありません。
親からの「印鑑は黄楊で」という言葉からですが、その用途にはやはりきちんとした理由があるのです。

それは、日本の木材中でも最も緻密で均一な部類に入るその材質と、木口(こぐち、一般的には小口と書くこともあるが、私は前者を使っています。)といって、木材の切り口部分が割れにくく、木口細工に向いていることから印鑑の用途には絶好の木材とされています。
他にはリョウブや、百日紅(サルスベリ)も同じような木口細工に用いられますが、やはり黄楊は優れていると言えます。


国産黄楊 5














これらの用途の他には、ねつけや定規、三味線の撥(ばち)、将棋の駒などに用いられています。
それに、昔の印刷用の版木というものがあるのですが、その材質はほとんどが桜です。版を重ねてもすり減りにくくとても重宝されていたようですが、細かい描写をする場合はちょっと困難だったようです。
その為に、細かな細工部分には、この黄楊の木を使ったそうです。
細かな細工を施すことができる緻密な材質を利用し、その細工部分を版木に埋めて使ったそうです。

やはり、日本人って素晴らしいですね。
そこまで木の性質を理解し、有効に使うんですから。
これこそ、適材適所であり、木の特性を引き出した素晴らしい使い方だと思います。

その特殊な用途もさることながら、独特の黄白色の材色と、磨けば象牙の様(言いすぎかな?)とも言われる輝きをうみだす黄楊。


国産黄楊 4















材も比重が高く、重硬な為に質感も十分です。
それに加えて耐久性もあるため、とても優れた面の多い樹種だといえます。

当然、木も大きくなりませんし、桧や欅の様にいつでも出てくるような材料ではありません。
が、今でも特殊用途として大切に使われている黄楊。
どうしても印鑑は黄楊。ねつけに是非黄楊。櫛を作りたいけれど、材料が・・・
などなど、お探しに応えられるよう、ご紹介しますので、有効に利用していただけることをお願いし、ご案内いたします。


国産黄楊 3
















御蔵島産 本黄楊(つげ)無垢半割丸太

・寸     法 :長さ1m以内×幅13cm(半割材の一番幅の広い所)×厚み4.5cm(半割材の中心から丸太外側まで)
          
・形     状 :無垢半割丸太

・価     格 :お問い合わせください。

・運     賃 :別途 地域によりお問い合わせ下さい

・状     態 :製材後天然乾燥。仕上げ加工別途。

*ご検討前に、弊社からのメッセージをご覧ください。


お問い合わせはこちらから


・国産本黄楊材は半割丸太です。よって、寸法表示は最大部を表記していますので、板材や角材の表記と混同なさいませんよう注意してください。(本文中の断面写真参照。)

・本来の黄楊の丸太そのままの形で半割にしていますので、まっすぐなものではありません。
反り、、むくりというような状態に曲がっていますので、1mの長さで均一に最大幅の材が得られるとは限りませんので、ご注意ください。

・材には節その他の表情を含みますが、小径の丸太を有効に利用できるように木取りをお願いいたします。



国産黄楊 2

















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木材の検討にあたって


この記事を見ていただいている方々の多くは、ネットでの問い合わせや質問に慣れている方であろうと推測します。
慣れてくると、問い合わせなども緊張したりすることはないでしょうか?
私の場合、こうやって記事を更新させていただいていますが、それでもいまだに自分からの問い合わせや質問をする時には、少し緊張します。
どんな人がでるかなぁ、どんなところかなぁ、うまく通じるかなぁ・・・などなど。
特に、建築や木材の業界はお世辞にも人当たりが良いとは言いにくい部分が未だに残っていると感じます。
同じ業界の人間である私がそう感じるのですから、お客さんからすると、やはりあまり印象の良いものではないと思いますので、もっと改善していかないといけないところだなぁと感じます。


有難い事に、弊社にも記事をご覧いただいて問い合わせを頂くのですが、私見ながらいくら記事を読んでも、内容を理解しても、やはりいざ問い合わせとなると、面識のないところへの連絡。
とても気をつかっていただいているんだろうなぁ、といつも思います。
ほんとに有難い事です。

場合によっては勇気をふりしぼり(私が問い合わせする場合ですが・・・)、やっとの思いで聞いてくださっていたとしても、やはり天然素材、樹種や稀少性もそうですが、やはりご希望の寸法にあったものというのは、本当になかなかないものです。
昨日まで残っていたのに売れてしまったり、その売れてしまった寸法を他の方からお問い合わせいただいたり。

同じものがないのが天然素材の特徴であり、趣のあるところですが、やはりお客様の意向に出来る限りお答えしたいと思うところもあり、悩みますが、こればかりはどうしようもなく、せっかくのお問い合わせにお答えできないこともあります。
ですので、お問い合わせ頂いた場合でも、こちらがご用意できない場合もありますし、商品は揃っても売る人物を気に入っていただけないかもしれないですし(笑。これはお手上げ!)、いろいろな条件があると思いますので、お声をかけていただく時に迷われるかもしれませんが、どうぞ、リラックスしてお問い合わせください。

一回で決めていただかなくても結構です。
当然、様々なお店がありますので、納得いくまでお探し頂いた方がいいと思います。そうしてください。
そして、その過程で納得し、ご購入いただけるのであれば、しっかりとご説明をさせていただきますので、少しお時間を頂きたいと思います。
木を気に入って使っていただくんです。
普通のスーパーで買う様に、商品を決めて支払いをして終わり、ではなく、やはりその木の事、特性の事、ご注意事項その他をお話しておかなくてはいけません。
その時間を少し見ておいてください。

決して安い買い物ではない場合が多いです。
ですので、この人から買おうか、と思っていただいてから決めていただきたいのです。

これから「問い合わせてみようかなぁ」と思ってらっしゃる方、電話でなくてもメールで結構です。
お返事させていただきますので、ご一報ください。
材木屋さんが少しでも、親しみをもってもらえるような環境になればいいなぁと思っています。
今後もよろしくお願いいたします。



木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ! 

ホワイトウッドは何の木?!


一昔前までは、こんなに変わるとは思わなかったのですが、時代の急激な流れを感じることが一つあります。
建築材料の変遷です。

その中でも、「有名な」樹種である建築材料、今回は通称「ホワイトウッド」のお話です。


ホワイトウッド 3















といっても、若干今更のような気がしますが、今更ながらでも、整理しておかないと私自身もホワイトウッド製品のJAS(日本農林規格)のラベルに記載される樹種名「スプルース」から、和室の障子などの材質を想像するだけに、その表記に抵抗があり、お客様もそうなのではないかと思いますので、掘り下げて見たいと思います。


通称「ホワイトウッド」。
いかにも怪しい?名称です。
たいてい、●○ウッド(ホワイトやレッドなどの色名を冠している場合)とか、どこどこ(産地)○○と、正式樹種の上にありそうな産地を冠しているものや、外観の色合いを用いた名前を使っている場合はちょっと気にした方がいいかもしれません。

白くて綺麗に見えるこのホワイトウッド。
実際は北欧から輸入される針葉樹「ヨーロッパトウヒ」という樹種です。
トウヒ=日本の唐桧(とうひ)という樹種の大きなくくりの仲間です。
蝦夷松やハリモミという類も含むのですが、世界からは「スプルース」という名前で輸入されています。
ギターやバイオリンなどの弦楽器に使用されていることで大変有名な樹種です。
ややこしいことに、世界は広いのでそのスプルースにも、「シトカスプルース」、「エンゲルマンスプルース」、「ホワイトスプルース」などなどの種類があり、ギター用としては「アディロンダックスプルース」が最良だと聞いたことがあります。
叔父が所蔵しているそうなので、撮影させてもらわないと・・・

で、そのスプルースにも漢名があり、中国産の物に「雲杉(くもすぎ)」というものもあります。学術的にはさらに細かく分類されていますが、ここでも杉とついていながら杉ではないものがあるということがわかります。

これらの広範囲の木材をさす「ホワイトウッド」。
実はこの名前も、ややこしいのです。
本来、通称名ではないホワイトウッドは、北米ではイエローポプラという材をさす言葉で使われているので、さらに注意が必要になってくるのであります。

また、一時百貨店にも並んでいた「アラスカ桧」。
これもスプルースをさしている言葉で、よくできているなぁ・・・と感心しますが、桧ではなく、スプルースですので、これまた注意が必要です。


DSCF0809 ウチのアラスカ桧の・・・いや、スプルースの俎板です。意外と丈夫で重宝しています。

 食洗器も経験済みのスゴイ奴!!良い主婦は真似しないでくださいね。




さて、そのホワイトウッドの材質ですが、やはり世界のスプルース・トウヒ系をさすだけあって一概にはいえませんが、建築に使われているものに絞れば、「白くて綺麗で、ぴかぴかに削ってある状態で納品されるので、見た目も扱いやすさもよい。」というところでしょうか。
ただ、人間と同じで?!外観だけをみていたのではいけません。
きちんと中身まで知って付き合わないといけません。

ホワイトウッドが普及して、輸入量が多くなってきた時のことですが、一般的な記事に取り上げられたものと、私個人が気になったことが一つずつでてきました。

まず、大きくとりあげられたのが、ホワイトウッドの耐久性についてです。
様々な雑誌などの媒体に掲載されましたが、国産の一般的な樹種「杉に比べても」耐久性が低いということです。
そりゃそうだと思います。
赤身(芯材)の殆ど見られない、真っ白な木ですから湿気やシロアリに対する耐性が低いことは想像できます。


ホワイトウッド 1



 通称ホワイトウッドの木口面。白いでしょ。










ホワイトとの比較 杉



 こちらは杉。両端は白太(辺材=木の皮に近い部分)ですが、中央部は赤身(芯材)あります。








一般的には木は、赤身(芯材)に耐久性の高い芯材物質を蓄える傾向にあるためです。
ですから、水にぬれないようにするだとか、シロアリ被害にあわない様注意するなどには配慮しないといけないと思います。
とはいえ、水濡れしない様な使い方をしてあげれば、問題ないのですが、日本人によくあると感じる「一方の意見だけが誇張されて広まる」様なもので、腐るからホワイトはダメだ!!という吹聴が一時聞かれていました。


ホワイトウッド 2



 ただし、いっちょまえにヤニつぼは結構大きいのがあったりします。

 肩に担いでヤニがべチョーっということもたまにあります。

 



どちらにせよ、木材は適材適所正しく使えば問題ないということも伝えないといけないんですけれども…

そして、私が経験したものでは、吸湿することでの寸法変化の大きさです。
一般的に日本は多湿な国だといわれます。確かにそうだと思います。
それに比べ外国産木材の故郷は温暖、若しくは寒冷でありながら、湿度は低い場合があります。(除熱帯雨林)
ですので、かの国でカラカラに人工乾燥させてきたホワイトウッドが日本の湿度にあったとき、もしくは、梅雨の雨などにさらされた時、驚くほど膨らみます。
逆に放湿して縮むこともあります。
その著しい寸法誤差が使いにくいと感じています。

とはいえ、遠方から来るのにもかかわらずたいていは、国産の杉に比べ乾燥材の安定供給が可能で、綺麗に加工して仕上げた状態で納品されることから、未だに多くの住宅に採用されています。
当然、木材として悪いわけでなく、どの樹種も長所短所があるのですから、それを理解して使わないといけないところを、殆どの方が理解していないように思います。

少しは伝わったでしょうか、木のややこしい話。
ここが面白いところでもあり、障壁でもあるんですねぇ。
ですが、どちらにせよ、正しい情報を提供するのが一番良いと思うのですが、いかがなものでしょうか・・・





木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ!