2025年03月25日
思い入れのある、飛騨のヒノキ丸太の保育園 完成!
1月末にお伝えしていた、思い入れのある丸太を使った保育園。
先日、完成ということでその雄姿を見に行ってきました。
商業施設の一角。
鉄筋コンクリートの施設の一部屋に、本物の木が木材として立っている保育園ができました。
そこには、木材としてではなくまるでそこに生えている樹木そのものであるように、シンボリックにたたずんでいました。

いやぁ、この案のパース。
見たときに、設計者ってこういうことなんだろうな、と思いました。
優秀な設計者さんや有名な設計者、実績のある設計者さんはたくさんいらっしゃるのですが、材木屋も納得する木材の活かし方をしてもらえる設計者さんの仕事は、本当に見ていて感心しますね。
まさしく、ほかには無垢材などないスペースの園のなかに、一本の木が立っているかのようです。
枝の広がりやそこにあるであろう葉の緑、そして陽光や地面。
全てがそこにあるような印象をうけるのは、材木屋からするとマジック!

木材や樹木に関心のない方からするとどう感じるのだろうか。
「とっても好評です!」と言っていただいたのですけれど、担当が一人で興奮していたような状況。
そりゃ、生えている・生きているところから知っていて、自分たちが関わって「伐る」と決めて伐らせてもらった森の恵み。
興奮しないわけありません。
材木屋なのに、そんなに関心があるの?!と思われるかもしれませんが、そうなんですよ。
材木屋さんは日々、四角い木材を扱っています。
最初から四角かったかのように、ふつうに。
しかし、木々は四角じゃないんですよね。
そして、オートマティックに梱包されて届くわけじゃない。
理屈ではわかっていても、実感としてないものは本当に理解しているとは言えません。
担当だって、木が好きですが本格的に森に入るまではそのような意識を持っていたかというと、今ほどではありません。

しかし、今回の丸太のように「曲がり」があっても立派な木。
そしてなにより、そんなに大きくは見えませんが樹齢100年に近い立派なヒノキ。
そんじょそこらのヒノキとは違いますし、森の遷移に関わると決めて伐らせてもらっている木。
じつは、木口にはきちんと弊社の伐採の印を打痕しているのですが、一本ずつが大切な丸太。
それを、こうやって保育園のシンボルツリーに仕上げていただき、うれしいわけです。
それも、単なる自然のシンボルとしてではなく、森の木立のようにそこにある。

ここは、保育士さんが読み聞かせなどをするスペースとしても使用されるそうです。
芝生のようなカーペットの床に腰掛けて、園児が輪になっている。
そしてそこには、一本の木が立っていて木漏れ日が射している。
木の枝になる部分の間には、スポットライトが埋設されており、まるで本当の日差しのようです。
枝の大小も表現されているようで、緑のあいだから漏れ出る陽光そのもの。
よく考えられたものだと感心しきり。
枝付きの丸太を据えて木登り、のようなことはよく見ます。
しかし、このような印象深い使い方は初めて。
設計とはこういうことか、と思いました。
本当に、最初に見せてもらったパースそのものですから。

そして、昔に言われた一級建築士兼工務店社長の言葉を思い出しました。
「お前、材木屋のプライドないんか!!」
弊社は材木屋ながら、材木だけが商いではありません。
商売の範囲として、住宅設備機器を営業した時に受けたかなり侮蔑的に叱責された言葉。
工務店社長も、大工仕事はできない設計者としての社長。
その社長さんは確かに、奇抜なものや強引に無垢材を見せる手法はできたけれど、大工さんの仕事や本来の木材の使い方などは無知でした。
デザインも、安いものを高く見せるという手法。
いつしか、一級建築士さんはそんな感じなのか?!というイメージも生まれていました。
その反面、自身は材木屋だ!というプライドも大きくなったものです。
それを思い出し、一級建築士さんでもこんな仕事を考えてくれるんだと、うれしくなったのです。
もちろん、自身は胸を張って材木屋だといえる経験を積み上げて・・・

木漏れ日のような木の下で、しばし昔のことも考えたりして。
丸太の新たな利用の一つ、木を森を想起させる例。
四角くしたりするだけが木材じゃない。
人が何かを感じる使い方と、それが森と繋がっているという事実関係がわかる木材利用。
これからどんどん増やしたい、今まで以上に強調したい活用方法。
人気になるに違いない?!保育園で灌漑深い丸太との対面に酔いしれた訪問記でした!
・弊社へのお問い合わせはこちらから
・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ
*2019年以前のリンク表示をクリックしても過去リンク記事が見られない場合は、こちらの手順でお願いをいたします。
*消費税10%への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。(ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。)
木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。
・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧
http://muku-mokuzai.livedoor.biz/archives/1611916.html
・戸田材木店・セルバのホームページ
http://selva-mukumokuzai.jp
・無垢材と樹木が大好きな材木屋が配信する、きのむしラジオ | Podcast on Spotify
https://open.spotify.com/show/6HBMrFR3UFHaNLNfgdFE8l?si=ff6525ab5d0f464a
先日、完成ということでその雄姿を見に行ってきました。
商業施設の一角。
鉄筋コンクリートの施設の一部屋に、本物の木が木材として立っている保育園ができました。
そこには、木材としてではなくまるでそこに生えている樹木そのものであるように、シンボリックにたたずんでいました。

いやぁ、この案のパース。
見たときに、設計者ってこういうことなんだろうな、と思いました。
優秀な設計者さんや有名な設計者、実績のある設計者さんはたくさんいらっしゃるのですが、材木屋も納得する木材の活かし方をしてもらえる設計者さんの仕事は、本当に見ていて感心しますね。
まさしく、ほかには無垢材などないスペースの園のなかに、一本の木が立っているかのようです。
枝の広がりやそこにあるであろう葉の緑、そして陽光や地面。
全てがそこにあるような印象をうけるのは、材木屋からするとマジック!

木材や樹木に関心のない方からするとどう感じるのだろうか。
「とっても好評です!」と言っていただいたのですけれど、担当が一人で興奮していたような状況。
そりゃ、生えている・生きているところから知っていて、自分たちが関わって「伐る」と決めて伐らせてもらった森の恵み。
興奮しないわけありません。
材木屋なのに、そんなに関心があるの?!と思われるかもしれませんが、そうなんですよ。
材木屋さんは日々、四角い木材を扱っています。
最初から四角かったかのように、ふつうに。
しかし、木々は四角じゃないんですよね。
そして、オートマティックに梱包されて届くわけじゃない。
理屈ではわかっていても、実感としてないものは本当に理解しているとは言えません。
担当だって、木が好きですが本格的に森に入るまではそのような意識を持っていたかというと、今ほどではありません。

しかし、今回の丸太のように「曲がり」があっても立派な木。
そしてなにより、そんなに大きくは見えませんが樹齢100年に近い立派なヒノキ。
そんじょそこらのヒノキとは違いますし、森の遷移に関わると決めて伐らせてもらっている木。
じつは、木口にはきちんと弊社の伐採の印を打痕しているのですが、一本ずつが大切な丸太。
それを、こうやって保育園のシンボルツリーに仕上げていただき、うれしいわけです。
それも、単なる自然のシンボルとしてではなく、森の木立のようにそこにある。

ここは、保育士さんが読み聞かせなどをするスペースとしても使用されるそうです。
芝生のようなカーペットの床に腰掛けて、園児が輪になっている。
そしてそこには、一本の木が立っていて木漏れ日が射している。
木の枝になる部分の間には、スポットライトが埋設されており、まるで本当の日差しのようです。
枝の大小も表現されているようで、緑のあいだから漏れ出る陽光そのもの。
よく考えられたものだと感心しきり。
枝付きの丸太を据えて木登り、のようなことはよく見ます。
しかし、このような印象深い使い方は初めて。
設計とはこういうことか、と思いました。
本当に、最初に見せてもらったパースそのものですから。

そして、昔に言われた一級建築士兼工務店社長の言葉を思い出しました。
「お前、材木屋のプライドないんか!!」
弊社は材木屋ながら、材木だけが商いではありません。
商売の範囲として、住宅設備機器を営業した時に受けたかなり侮蔑的に叱責された言葉。
工務店社長も、大工仕事はできない設計者としての社長。
その社長さんは確かに、奇抜なものや強引に無垢材を見せる手法はできたけれど、大工さんの仕事や本来の木材の使い方などは無知でした。
デザインも、安いものを高く見せるという手法。
いつしか、一級建築士さんはそんな感じなのか?!というイメージも生まれていました。
その反面、自身は材木屋だ!というプライドも大きくなったものです。
それを思い出し、一級建築士さんでもこんな仕事を考えてくれるんだと、うれしくなったのです。
もちろん、自身は胸を張って材木屋だといえる経験を積み上げて・・・

木漏れ日のような木の下で、しばし昔のことも考えたりして。
丸太の新たな利用の一つ、木を森を想起させる例。
四角くしたりするだけが木材じゃない。
人が何かを感じる使い方と、それが森と繋がっているという事実関係がわかる木材利用。
これからどんどん増やしたい、今まで以上に強調したい活用方法。
人気になるに違いない?!保育園で灌漑深い丸太との対面に酔いしれた訪問記でした!
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*2019年以前のリンク表示をクリックしても過去リンク記事が見られない場合は、こちらの手順でお願いをいたします。
*消費税10%への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。(ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。)
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