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昔出来たことを今、できるようにするためには・・・「しんかい」に考える継承のこと

技術は日進月歩、そしてすさまじいスピードで進化する社会を巻き込む革新に、どこまで進んでいくんだろうと感じますが、そんな中でも「昔は可能であったことが、現在は不可能に近い」こともあるということも、知る必要があると感じます。

少し前の新聞記事で目に留まったのが、そのうちの一つ。

「失われた技術」

そう題された小さなコラムでした。

しんかい6500を御存じだろうか。


しんかい6500


その名前の通り、深海に潜航できる有人船ですが、コラムによると1989年に完成したこの潜水船に、後継が無いそうです。

無い、ではなく今の技術ではつくられない、そうです。
先の船以降、潜航に必要な大型の耐圧殻に対する需要が無く、製造機械も試験をする設備も既に失われているうえ、再度製造するには巨額の費用が掛かるとのことで、製造は極めて困難、とのこと。

技術がこれほど進歩した時代に合って、35年前に造る事ができたものが現在はもう造られない。
こんなことがあるのです。
時を同じくして別の記事では、文化財を虫害から守るための燻蒸ガスが供給されなくなるため、文化財保護が危機的になる、という記事も目にしました。

そちらは、いくつかの理由とともに製造会社の撤退も理由なのですが、それには燻蒸機会の減少など需要の問題があるそうです。
需要が無いものは継続できない。

いろんな場面で必ず直面する問題。


非常に難題です。

弊社が取り組む伐採授業もそうですが、そこで利益を上げるわけでも需要を確保しているわけではありません。
馬搬もそうです。


馬搬


馬搬については、趣味や遊びでやっているからできるのだろうと嘲笑されていることを知っています。
それでも、馬搬を継続したい、次世代につなぎたい。
そして、そこから見える林業や動物とのかかわりや、森との繋がりを感じていきていたい。
さらに、それらを願わくは業務と両立していきたい。
材木屋は森の恵みを頂いていることとともに、そうしなければどんな活動も、遊びや趣味と言われ続けてしまいます。

その「業務」とは、やはり需要です。
その需要の為に、続けていくことや伝え続けていくことが大切だと考えています。


深海への潜航技術は、日常生活に関係ないのかもしれない。
馬搬も、木材利用には反対に無駄なのだろうと思います。

しかし、関係ないかもしれないことが遠いところで何かとつながっている、無駄だと思うことこそ今、知らなければならないことかもしれない。
技術や科学が進歩した時代だからこそ、憂うことも増えるように感じる時代。

自分がどうにかできるわけではないので、今出来る事だけは確実にこなしていきたい。
そう思いながら、休暇に資料の整理をしていたお盆でした。


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