2023年08月18日
離島に鎮座の大社殿 〜志々島の大くす〜
巨樹巨木を訪ねる、という目的が同じでも移動手段や方法、心持ちや撮影の有無(動画も回すなど)という違いがあると思います。
もちろん、訪問するペースもさまざま。
担当の場合は休日も業務の時が多く、なかなか巨樹訪問メインで動くことのできる日、というものが取りにくいので、移動手段やスケジュールも入念に「下ごしらえ」していきます(笑)。
特に気を付けないといけないのが離島です。
フェリーの時間を逃すと、行くことも帰ることもできなくなってしまうので、普段のように「ここで遅れた時間を次で短縮!」なんて言うこともできないので、より計画的に進めなければならないプレッシャーがあります。
今回訪れたのは香川県西部の離島、志々島。

宮ノ下という港から、小型の連絡船に
定員いっぱいになると乗れず、また島民優先ということだったので、乗れなかったらどうしよう、と思いながらも余裕で乗船し一安心。
島まではおよそ20分。人口20人ほどという小さな島に到着。
本当はゆっくりと歩いていたいものなのだけれど、先に考えるのは巨樹撮影の時間と往復を合わせた所要時間。
帰りの船までおよそ2時間半。
いつもの撮影では、素晴らしい巨樹に出逢えた時には現地で2時間半なんてあっという間なので、帰りのフェリーまでに満足な撮影ができるか?!、という心配が先に立ち島を満喫するよりも先にとにかく巨樹へ!という気持ちで、速足になってしまいます。
今回目当ての巨樹は、相当撮影時間が必要なことは自覚しているのです。
事前に確認しているその姿が立派だから。
そのお目当てまでは、港から曲がり角のたびに看板(亀板?!)があり、迷うことができない程にありがたい案内で到達することができます。

家並みを抜け、墓所を通り過ぎるあたりから勾配が急になります。
まだまだ若いつもりで登り始めたものの、すぐに息が切れはじめ、そうかと思うと少し蹴上が異なる段差では足がひっかかかりそうになるほど、歩が進まない。
急勾配ではあるものの、まさかこんなにへばるとは・・・
お目当てまでの時間がないというのに・・・
と焦りながら歩いているのですが、そんなに距離はないのに、振り返るとさっきの港がこんなに見下ろせるんだから、どれほど上るかがわかるでしょうか。

勾配を登りきると、最後は夏に伸びてきた藪のような下りを抜け(この区間の虫が半端ない・・・。口呼吸から入ってきそう。)、平坦な場所が見えてきたと思うと、視界右手に現れるのが、志々島の大くすです!
おぉ!!!っ!!!(息切れ・・・)
お決まりの感嘆詞しか出てきませんでした。
まだ横からしか見ていないにもかかわらず、その姿が特別であることを感じさせるに十分な迫力。
そして、のちにその理由を紹介する立地環境。
額を流れる汗が、メガネのレンズに落ちないような角度で足元を確認しながらも急ぎ足で大くすの正面へと向かいます。
もう、その姿には「はぁ〜・・・」のため息でした。

斜面中腹を見上げる位置に、雄大に構える大くす。
訪問時はちょうど大くすの背に、太陽を纏うような光景になり神々しさといったら素晴らしいものでした。
目視の場合は有難いほどの光景ながら、写真を撮りたい気持ちでカメラを向けるも、物凄い逆光になり上手に撮れないことがもどかしい。
それでも、ここからすべての枝先までをしっかりと見たいと思わせる光景に、しばらくは歩を進める気になれませんでした。

当然だけれども来てよかった。
ネット記事で写真は見ていたものの、やはり現地で出逢うのとは印象が異なります。
四方に驚くほど伸びた大枝、立派な幹回り、そして見上げるような位置に鎮座するありがたさ。
島に滞在する時間の制限が、一層特別な印象をもたせるのかもしれませんが、限られた時間の中でどれ程自分の中にこの光景を焼き付ける事ができるか、という思いを生むのかもしれません。

広げた枝ぶりはほぼ四方に20m以上。
加茂の大クスには及ばないものの、受ける印象は同等以上のインパクトがあります。
それに数値以上のインパクトは、その枝が地表面すれすれに・・・いや既に地表面に接しているように思う(近づけないので確証がない)その姿から受けるものです。
いくら広葉樹といえど、勝源院の逆カシワのような特殊な例を除いては、ある程度の高さまでは直立した幹の上部に枝が広がるはず。
しかしここでは上部の枝に比べて、地表面付近の枝が太く地についている。

その秘密は、大クス周囲の地表が崩れたことによって、主幹が埋もれたため本来は地表より離れていた大枝が現在の位置になったということだそうです。
なるほど、この地形は土砂崩れによるものだったのか。
そのおかげで、他に見ないような特異な姿になった大くす。
しかも、それが功を奏したとおもわれるのが向かって左側の枝。
地面についていると思われる枝は、もし現在の地表が形成されていなければ、見る事ができなかったかもしれません。
その理由はこれ。

その重さゆえか、若しくは何らかの原因(傷からの腐朽か外的要因か)で主幹付近で折れてしまっているのです。
完全に破断していないため、根系からの通水などのやり取りはされているとは思えど、ぽっきりといってしまっています。
いつ折れたのかは分かりませんが、地表すぐの枝は皮一枚で断絶することなく繋がっているのは、巨大な枝が地面に達したことからだと推察します。
その折れている枝にも、元気に葉が茂り折損していることを感じさせないのは、もしかするとウラスギよろしく伏状更新をしているからではないだろうか?!という邪推さえ誘うところが神秘的ではありませんか?!

もし、この左の大枝を欠損していたと考えると、素晴らしい樹形は現在の印象とは異なったものになっていたように思います。
現地で唯一残念だったことは、大くすの近くまで行く事ができなかったこと。
ネット記事では、大くすに寄り添ったり大枝の直下で記念撮影したりしていましたが、上の写真で分かるように、大くす周辺の木杭より手前に立ち入らないようにと看板があるのです。
てっきり木杭手前までは行けるものと思っていたために、巨さ比較も楽しみにしていたのですが、非常に残念でした。
もちろん、一日にほぼ3便(宮ノ下港より)しかないとはいえ、その度に数人から数十人が大くす周辺の土を踏み固めてしまい、樹勢が衰えることを思うと自分の写真のことなどどうでもいいことです。
といっても、やはり入る人が居るのはどの巨樹に訪問しても見かけるもの。
今回も、担当より前の時間の船での来訪者が、木杭の内側へも立ち入って入念に撮影をされていました。
実は、時系列で言うとこれが到着当初の写真。

てっきり地元の方がお世話されているのかと思ったら、お遍路さんの寄り道のようでした。
年配の男女でしたが、担当よりも相当立派な一眼カメラを双方もち、周囲の草むら(ここには季節になると美しい花が咲くといいます・・・)もお構いなく、遠近様々な位置からタイマーも使用し撮影をされていました。
(撮影の後は、この装束をちゃんと脱がれるところがあざとくて、一層失望・・・)
自分だけの写真を撮りたい。その気持ち、わかります。
しかし、入ってはいけないところには入らない。
情けない。
木杭の外にはロープもされているのです。
年配ゆえ(本当に立ち入られないかも定かではないし)、あえておこえかけはしませんでしたが、厳粛な想いで逢いまみえる感動を返してほしい・・・
ということで、担当で比較できませんので比較対象として登場してもらうことにしました。
気持ちを取り直して大くすに並んで森の切れ目をみてみると、向こうには橋が見えます。

あれは瀬戸大橋?!
ということは、こちらが東か。
大くすは東に向いて立っている、ということなのだと思います。
陽光を真っ先に正面で受け止める、そんな姿を見てみたいと思います。
鳥居を抱く大くすは、その大枝を広げた様子から荘厳な社殿のような印象を受けました。
平等院鳳凰堂のよう、といえば担当の想像が伝わるでしょうか。
担当のカメラではその全貌が入りきらず、苦肉の策でパノラマ撮影に挑戦してみました。
それがこちら。

写真右、大枝を支える支柱が密集する左位置に担当が立っているのがわかるでしょうか。
これが、大枝のほぼ横に位置するところなので、人と比較するとどれ程のスケールかがわかるかと思います。
背面に陽光をうけているのですが、こうしてみるとその樹形が水平線から登り行く太陽の様にも感じられ、一層の威厳を放っています。
街中の巨樹も素晴らしいものは多く存在します。
しかし、離島の山中にこれほどの巨樹が残っていること自体、有難いと思います。
少しのハイクで訪問できる、この場所に。
さて、そろそろ帰りの船の時間が気になってきます。
まだ余裕はあるものの、万一時間を間違っていると帰る事ができませんからね。
可愛いモチーフのあるベンチともお別れです。

しかし、ここでまた問題が・・・
往路に頑張りすぎた?こと以上に、しっかりと水分を採ってきたつもりが、御手洗いが無いことを心配した影響で、発汗により買える頃には口がカラカラ。
水分持参を勧告してもらってはいたものの、夏の気候と日差し、そしてなまった体の体力を削ったのは急勾配。
帰りの港に着いた頃には、塩水すら波打ち際を見ると飲んでしまおうか?!と血迷ってしまいそうになるほどに枯渇している状態。
しまったなぁ・・・、持ってくるべきだった・・・
帰路の船まではあと15分・・・
島には自動販売機もない・・・
炎天下、もうろうとし始め無駄を承知で周囲をmapで見ていると・・・
お店、有るやん!!
15分で戻ってこられるか、急いで向かっているとすぐあった!!

この缶の絵。
一生忘れないでしょう(涙)。
助かった・・・
そんな気持ち。
その上、中に入るとものすごく良心的!

ありがとうございます!!!!!
冷蔵庫見ただけで、涼しく生き返った気持ち。
日影になる建物でさえ有難い上に、扇風機まで使用可能(ちゃんと消すこと。)。
しかも「冷たい」飲み物150円!
本当にありがとうございます。
後で気が付いたんだけど、目指していたのはここじゃなくてもう少し奥だったのですけれど、もう危機的な状況で何も確認せずに入ったのがこちらで、さらに奥には営業されているお店があるとのこと。
巨樹に訪れることしか頭にない担当、もう少し計画的に(甘く見ず・・・)せねばなりません。
みなさんは、気をつけましょうね。特に、夏場はきちんと水分持参で!
とにかく、なんとか船の時間迄に水分補給を済ませ(下船後に更に2本飲んだんだけど・・・)、帰路につきました。

ありがとう志々島。
そして大くす。
いろんな想い出が出来、結果的に期待以上の離島訪問になりました。
先ほどまでの、海水すら飲もうか、という枯渇とうって変わり潮風が心地よく感じる船尾から、小さくなっていく島を眺めながらの帰路になりました。
できることなら、もう一度訪れてみたい。
今度はもう少し涼しい時期に(汗)。

志々島の大くす所在地
香川県三豊市詫間町志々島
GISコード
緯度:34.27256483
経度:133.67923737
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もちろん、訪問するペースもさまざま。
担当の場合は休日も業務の時が多く、なかなか巨樹訪問メインで動くことのできる日、というものが取りにくいので、移動手段やスケジュールも入念に「下ごしらえ」していきます(笑)。
特に気を付けないといけないのが離島です。
フェリーの時間を逃すと、行くことも帰ることもできなくなってしまうので、普段のように「ここで遅れた時間を次で短縮!」なんて言うこともできないので、より計画的に進めなければならないプレッシャーがあります。
今回訪れたのは香川県西部の離島、志々島。

宮ノ下という港から、小型の連絡船に
定員いっぱいになると乗れず、また島民優先ということだったので、乗れなかったらどうしよう、と思いながらも余裕で乗船し一安心。
島まではおよそ20分。人口20人ほどという小さな島に到着。
本当はゆっくりと歩いていたいものなのだけれど、先に考えるのは巨樹撮影の時間と往復を合わせた所要時間。
帰りの船までおよそ2時間半。
いつもの撮影では、素晴らしい巨樹に出逢えた時には現地で2時間半なんてあっという間なので、帰りのフェリーまでに満足な撮影ができるか?!、という心配が先に立ち島を満喫するよりも先にとにかく巨樹へ!という気持ちで、速足になってしまいます。
今回目当ての巨樹は、相当撮影時間が必要なことは自覚しているのです。
事前に確認しているその姿が立派だから。
そのお目当てまでは、港から曲がり角のたびに看板(亀板?!)があり、迷うことができない程にありがたい案内で到達することができます。

家並みを抜け、墓所を通り過ぎるあたりから勾配が急になります。
まだまだ若いつもりで登り始めたものの、すぐに息が切れはじめ、そうかと思うと少し蹴上が異なる段差では足がひっかかかりそうになるほど、歩が進まない。
急勾配ではあるものの、まさかこんなにへばるとは・・・
お目当てまでの時間がないというのに・・・
と焦りながら歩いているのですが、そんなに距離はないのに、振り返るとさっきの港がこんなに見下ろせるんだから、どれほど上るかがわかるでしょうか。

勾配を登りきると、最後は夏に伸びてきた藪のような下りを抜け(この区間の虫が半端ない・・・。口呼吸から入ってきそう。)、平坦な場所が見えてきたと思うと、視界右手に現れるのが、志々島の大くすです!
おぉ!!!っ!!!(息切れ・・・)
お決まりの感嘆詞しか出てきませんでした。
まだ横からしか見ていないにもかかわらず、その姿が特別であることを感じさせるに十分な迫力。
そして、のちにその理由を紹介する立地環境。
額を流れる汗が、メガネのレンズに落ちないような角度で足元を確認しながらも急ぎ足で大くすの正面へと向かいます。
もう、その姿には「はぁ〜・・・」のため息でした。

斜面中腹を見上げる位置に、雄大に構える大くす。
訪問時はちょうど大くすの背に、太陽を纏うような光景になり神々しさといったら素晴らしいものでした。
目視の場合は有難いほどの光景ながら、写真を撮りたい気持ちでカメラを向けるも、物凄い逆光になり上手に撮れないことがもどかしい。
それでも、ここからすべての枝先までをしっかりと見たいと思わせる光景に、しばらくは歩を進める気になれませんでした。

当然だけれども来てよかった。
ネット記事で写真は見ていたものの、やはり現地で出逢うのとは印象が異なります。
四方に驚くほど伸びた大枝、立派な幹回り、そして見上げるような位置に鎮座するありがたさ。
島に滞在する時間の制限が、一層特別な印象をもたせるのかもしれませんが、限られた時間の中でどれ程自分の中にこの光景を焼き付ける事ができるか、という思いを生むのかもしれません。

広げた枝ぶりはほぼ四方に20m以上。
加茂の大クスには及ばないものの、受ける印象は同等以上のインパクトがあります。
それに数値以上のインパクトは、その枝が地表面すれすれに・・・いや既に地表面に接しているように思う(近づけないので確証がない)その姿から受けるものです。
いくら広葉樹といえど、勝源院の逆カシワのような特殊な例を除いては、ある程度の高さまでは直立した幹の上部に枝が広がるはず。
しかしここでは上部の枝に比べて、地表面付近の枝が太く地についている。

その秘密は、大クス周囲の地表が崩れたことによって、主幹が埋もれたため本来は地表より離れていた大枝が現在の位置になったということだそうです。
なるほど、この地形は土砂崩れによるものだったのか。
そのおかげで、他に見ないような特異な姿になった大くす。
しかも、それが功を奏したとおもわれるのが向かって左側の枝。
地面についていると思われる枝は、もし現在の地表が形成されていなければ、見る事ができなかったかもしれません。
その理由はこれ。

その重さゆえか、若しくは何らかの原因(傷からの腐朽か外的要因か)で主幹付近で折れてしまっているのです。
完全に破断していないため、根系からの通水などのやり取りはされているとは思えど、ぽっきりといってしまっています。
いつ折れたのかは分かりませんが、地表すぐの枝は皮一枚で断絶することなく繋がっているのは、巨大な枝が地面に達したことからだと推察します。
その折れている枝にも、元気に葉が茂り折損していることを感じさせないのは、もしかするとウラスギよろしく伏状更新をしているからではないだろうか?!という邪推さえ誘うところが神秘的ではありませんか?!

もし、この左の大枝を欠損していたと考えると、素晴らしい樹形は現在の印象とは異なったものになっていたように思います。
現地で唯一残念だったことは、大くすの近くまで行く事ができなかったこと。
ネット記事では、大くすに寄り添ったり大枝の直下で記念撮影したりしていましたが、上の写真で分かるように、大くす周辺の木杭より手前に立ち入らないようにと看板があるのです。
てっきり木杭手前までは行けるものと思っていたために、巨さ比較も楽しみにしていたのですが、非常に残念でした。
もちろん、一日にほぼ3便(宮ノ下港より)しかないとはいえ、その度に数人から数十人が大くす周辺の土を踏み固めてしまい、樹勢が衰えることを思うと自分の写真のことなどどうでもいいことです。
といっても、やはり入る人が居るのはどの巨樹に訪問しても見かけるもの。
今回も、担当より前の時間の船での来訪者が、木杭の内側へも立ち入って入念に撮影をされていました。
実は、時系列で言うとこれが到着当初の写真。

てっきり地元の方がお世話されているのかと思ったら、お遍路さんの寄り道のようでした。
年配の男女でしたが、担当よりも相当立派な一眼カメラを双方もち、周囲の草むら(ここには季節になると美しい花が咲くといいます・・・)もお構いなく、遠近様々な位置からタイマーも使用し撮影をされていました。
(撮影の後は、この装束をちゃんと脱がれるところがあざとくて、一層失望・・・)
自分だけの写真を撮りたい。その気持ち、わかります。
しかし、入ってはいけないところには入らない。
情けない。
木杭の外にはロープもされているのです。
年配ゆえ(本当に立ち入られないかも定かではないし)、あえておこえかけはしませんでしたが、厳粛な想いで逢いまみえる感動を返してほしい・・・
ということで、担当で比較できませんので比較対象として登場してもらうことにしました。
気持ちを取り直して大くすに並んで森の切れ目をみてみると、向こうには橋が見えます。

あれは瀬戸大橋?!
ということは、こちらが東か。
大くすは東に向いて立っている、ということなのだと思います。
陽光を真っ先に正面で受け止める、そんな姿を見てみたいと思います。
鳥居を抱く大くすは、その大枝を広げた様子から荘厳な社殿のような印象を受けました。
平等院鳳凰堂のよう、といえば担当の想像が伝わるでしょうか。
担当のカメラではその全貌が入りきらず、苦肉の策でパノラマ撮影に挑戦してみました。
それがこちら。

写真右、大枝を支える支柱が密集する左位置に担当が立っているのがわかるでしょうか。
これが、大枝のほぼ横に位置するところなので、人と比較するとどれ程のスケールかがわかるかと思います。
背面に陽光をうけているのですが、こうしてみるとその樹形が水平線から登り行く太陽の様にも感じられ、一層の威厳を放っています。
街中の巨樹も素晴らしいものは多く存在します。
しかし、離島の山中にこれほどの巨樹が残っていること自体、有難いと思います。
少しのハイクで訪問できる、この場所に。
さて、そろそろ帰りの船の時間が気になってきます。
まだ余裕はあるものの、万一時間を間違っていると帰る事ができませんからね。
可愛いモチーフのあるベンチともお別れです。

しかし、ここでまた問題が・・・
往路に頑張りすぎた?こと以上に、しっかりと水分を採ってきたつもりが、御手洗いが無いことを心配した影響で、発汗により買える頃には口がカラカラ。
水分持参を勧告してもらってはいたものの、夏の気候と日差し、そしてなまった体の体力を削ったのは急勾配。
帰りの港に着いた頃には、塩水すら波打ち際を見ると飲んでしまおうか?!と血迷ってしまいそうになるほどに枯渇している状態。
しまったなぁ・・・、持ってくるべきだった・・・
帰路の船まではあと15分・・・
島には自動販売機もない・・・
炎天下、もうろうとし始め無駄を承知で周囲をmapで見ていると・・・
お店、有るやん!!
15分で戻ってこられるか、急いで向かっているとすぐあった!!

この缶の絵。
一生忘れないでしょう(涙)。
助かった・・・
そんな気持ち。
その上、中に入るとものすごく良心的!

ありがとうございます!!!!!
冷蔵庫見ただけで、涼しく生き返った気持ち。
日影になる建物でさえ有難い上に、扇風機まで使用可能(ちゃんと消すこと。)。
しかも「冷たい」飲み物150円!
本当にありがとうございます。
後で気が付いたんだけど、目指していたのはここじゃなくてもう少し奥だったのですけれど、もう危機的な状況で何も確認せずに入ったのがこちらで、さらに奥には営業されているお店があるとのこと。
巨樹に訪れることしか頭にない担当、もう少し計画的に(甘く見ず・・・)せねばなりません。
みなさんは、気をつけましょうね。特に、夏場はきちんと水分持参で!
とにかく、なんとか船の時間迄に水分補給を済ませ(下船後に更に2本飲んだんだけど・・・)、帰路につきました。

ありがとう志々島。
そして大くす。
いろんな想い出が出来、結果的に期待以上の離島訪問になりました。
先ほどまでの、海水すら飲もうか、という枯渇とうって変わり潮風が心地よく感じる船尾から、小さくなっていく島を眺めながらの帰路になりました。
できることなら、もう一度訪れてみたい。
今度はもう少し涼しい時期に(汗)。

志々島の大くす所在地
香川県三豊市詫間町志々島
GISコード
緯度:34.27256483
経度:133.67923737
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