2023年02月21日
閑話休題 辺材（白太）のこと ��
辺材の適材適所。
視覚的にも用途の上でも、はっきりとわかるのが酒樽。
酒樽のよいところ、そして酒樽にスギが使われる理由の一つに「木香（きが）」。
もともとは、関西で作られた清酒を江戸へ輸送される時に「容器」として使われていた樽。
それが輸送中、スギ材に接している酒にその香りが移ることで、馥郁たる日本酒の旨さが生まれたのだといわれます。
さわやかというのか、ほんのりと鼻に抜ける木の香り。
日本酒のきりりとした液体に、木のあたたかさが備わったような仕上がりになりますね。
その木香がつくことも目的に使われるスギですが、実は樽材用のスギの多くは「表が辺材、裏が芯材」という構成になっていることは、知られていません。
つまりは、酒に触れる樽内部には芯材を使用し、目で見える樽の表面には辺材を使用している、ということです。
使用している、と表記したのは理由があってそうしているからです。
つまり、木香をつけるためには香り成分のある芯材にしなければならないから、酒に触れる部分には芯材（赤身）となるようにし、人目に触れる表面部分には香りは関係ないけれども白く清涼で白無垢なイメージを連想させる、辺材（白太）を使っているのです。
意図的に、です。
上の写真の「樽丸」、と呼ばれる樽の材料となるものをみるとよくわかりますよね。
樽とするべく形作られたものの辺材部分と心材部分がちょうど裏表になるような、そんな形状に加工されています。
追記しておくと、すべてがそうであるわけではありません。
木材利用において、このように都合よく木取できるものは一部です。
では、そうでないものはどうするのか。
もちろん、利用します。
表面に見える部分が辺材と芯材が所々に混じっていたりする赤白材などは、表面のスギ材がみえなくなる菰をかぶせる樽に使ったり、人目に触れる化粧性がなくとも構わない輸送用や単なる貯蔵用など、化粧性のない部分に活用されています。
そのあたりは、建築用材と同じように等級分けや適材適所の使い方で無駄にしていない、というわけです。
上記も、私が知る情報だけのお話なので、そんなことは関係ない、という場合もあるでしょうし芯材のみのほうが良いという場合もあるかもしれません。
それでも、昔は利用価値がない木材であると考えられる辺材部分にも、適材適所が存在し、しっかりとその役目を負っていたことがわかる、非常に良い例示ができたのではないかと思います。
・弊社へのお問い合わせはこちらから
・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ
＊2019年以前のリンク表示をクリックしても過去リンク記事が見られない場合は、こちらの手順でお願いをいたします。
＊消費税10％への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。（ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。）
木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。
・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧
http://muku-mokuzai.livedoor.biz/archives/1611916.html
・戸田材木店・セルバのホームページ
http://selva-mukumokuzai.jp
視覚的にも用途の上でも、はっきりとわかるのが酒樽。
酒樽のよいところ、そして酒樽にスギが使われる理由の一つに「木香（きが）」。
もともとは、関西で作られた清酒を江戸へ輸送される時に「容器」として使われていた樽。
それが輸送中、スギ材に接している酒にその香りが移ることで、馥郁たる日本酒の旨さが生まれたのだといわれます。
さわやかというのか、ほんのりと鼻に抜ける木の香り。
日本酒のきりりとした液体に、木のあたたかさが備わったような仕上がりになりますね。
その木香がつくことも目的に使われるスギですが、実は樽材用のスギの多くは「表が辺材、裏が芯材」という構成になっていることは、知られていません。
つまりは、酒に触れる樽内部には芯材を使用し、目で見える樽の表面には辺材を使用している、ということです。
使用している、と表記したのは理由があってそうしているからです。
つまり、木香をつけるためには香り成分のある芯材にしなければならないから、酒に触れる部分には芯材（赤身）となるようにし、人目に触れる表面部分には香りは関係ないけれども白く清涼で白無垢なイメージを連想させる、辺材（白太）を使っているのです。
意図的に、です。
上の写真の「樽丸」、と呼ばれる樽の材料となるものをみるとよくわかりますよね。
樽とするべく形作られたものの辺材部分と心材部分がちょうど裏表になるような、そんな形状に加工されています。
追記しておくと、すべてがそうであるわけではありません。
木材利用において、このように都合よく木取できるものは一部です。
では、そうでないものはどうするのか。
もちろん、利用します。
表面に見える部分が辺材と芯材が所々に混じっていたりする赤白材などは、表面のスギ材がみえなくなる菰をかぶせる樽に使ったり、人目に触れる化粧性がなくとも構わない輸送用や単なる貯蔵用など、化粧性のない部分に活用されています。
そのあたりは、建築用材と同じように等級分けや適材適所の使い方で無駄にしていない、というわけです。
上記も、私が知る情報だけのお話なので、そんなことは関係ない、という場合もあるでしょうし芯材のみのほうが良いという場合もあるかもしれません。
それでも、昔は利用価値がない木材であると考えられる辺材部分にも、適材適所が存在し、しっかりとその役目を負っていたことがわかる、非常に良い例示ができたのではないかと思います。
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＊消費税10％への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。（ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。）
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