2022年02月16日
ウッドショックの世界と何年後かへの備忘録
一般ニュースでも話題になったウッドショック。
既にウッドショックが普通の状態であるとさえ思える日常になり、木材の価格も上昇に驚く状況ではなくなっていく自分が不思議に感じます。
未だに「値段が高い」とおっしゃる方もいますが、もう以前までの安すぎる木材価格と比較する考え方は終わりにしなければならないと思います。
もう33年前に発行されている業界の大先輩執筆の書籍にも、「物価の優等生」と形容されている木材。
品質や設備品の向上が大きいにも関わらず、住宅価格も数十年変わることなく続いてきたのは逆説的に考えると、木材価格が下落していたからかもしれません。

今まで、室内装飾用の木材や希少性の高い樹種には価格高騰や入手の先細りによる需要の集中が起る事はありましたが、現在のウッドショックが特殊なのは一般建築用材、つまり一等材と言われる節ありの下地用木材(表面化粧性の不問な)の価格が急騰した点。
それも、今までは日本国内の需給状況や原木状況、製材の稼働や出荷量に左右されていたところが現在は世界的な状況に左右されている為に、いつ「落ち着く」のかを気にかけられています。
そんな中、先日海外の大手生産者からのニュースレターが届きました。
そこに記載されている内容の一つに日本の港湾取扱量の減少があります。
1980年と2020年を比較しコンテナの取り扱い個数を比較しています。
前者では4位の神戸港をはじめ20位以内に3つの港湾名があったものの、後者になると19位に京浜港として名がでるのみ。
如何に日本の港湾の荷扱いが少ないか。
上位には中国の港湾が名を連ねているため、アジアが弱いわけではなく日本の港湾が弱くなっている現状が浮き彫りになっています。

以前から、輸入商社との会話の中で中国の港湾の巨大化や日本へのコンテナの到着量の減少は聞き及んでいましたが、それが顕著な数字として見られたということです。
他国経由のため到着が遅れる上、優先順位が下がるということは魅力が薄れている港への荷物の寄港は優先されないということ。
昨年も、いやというほど「今月はいるはずの荷物が来ていないから」という理由で、ホワイトウッドなどの木材の品薄が発生していました。
そしてもう一つ、港湾労働力の不安定化。
テレビのニュースなどでも、アメリカにおける港湾労働力の不足やトラックドライバーの不足による、物流の停滞や麻痺に近い状態を報じられていますが、日本でもステイホーム以来物流量の増加とドライバー不足が報じられる以上に深刻なようです。
コンテナが到着している大きな港で荷物が動かないのですから、物流が乱れるのは必至。
世界情勢を把握していない私でも、簡単な流れは理解できます。
そんな世界の状況の中、日本では木材だけではなく様々な商品が今でも安く、早くで販売され続けています。
ポイント還元や○%割引など、確かに購入できる価格が身近な方が有難いには違いありませんが、物の価値を見誤ることになりかねないと危惧します。

いえ、価値という人により違う感覚だけではなくモノが流れる中で、主流から支流、そして支流にすらならない淀みへと日本の存在が変わっていくように思えてなりません。
世界から取り残されていく。
木材業界も SDG's というお題目を掲げる場面が見られますが、それ以上にみんなが正しい消費行動をしなければならない時代になっているようにも思います。
年間契約でモノの供給を確約させる大手会社の為に、流通市場に商品が流れてこない現状。
違約金の発生の為に、多くの小さな流通会社が商品不足でお客様に不便な思いをさせてしまう。
大手会社ではなくても、地域のパワービルダーもそう。
上限金額を決めて納品を半義務化する。
量を扱うことに特化しだすと、その量を維持しなければ業務が続けにくくなるために、量を追わずにいられなくなる。
もうそんなことをしていてはいけない時ですが、ウッドショックもいつか納まるという感覚なのか、変わる兆しは見えません。
自然素材である樹木を原材料とする木材製品は、工場での製材や加工を経るとはいえ自然の産物。
そのスピードをインターネットや物流、製造の効率化によりコントロールできるとしても、どこかでひずみが出てきているのかもしれません。
明日以降、どのように変動していくのかもわかりませんが世界の状況からいっても、既存の価値観には戻りそうもありません。
弊社も今までよりも一層、木の事から日本の山の事を考え世界の山や環境の事を視野に入れながら、木材業と建築を見つめていかねばならないと思っています。
日本の広葉樹利用を含め、この状況をどのように進んでいくか。数年、数十年後に改めて振り返った時の為に、現状をここに記しておきたいと思います。
・弊社へのお問い合わせはこちらから
・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ
*2019年以前のリンク表示をクリックしても過去リンク記事が見られない場合は、こちらの手順でお願いをいたします。
*消費税10%への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。(ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。)
木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。
・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧
http://muku-mokuzai.livedoor.biz/archives/1611916.html
・戸田材木店・セルバのホームページ
http://selva-mukumokuzai.jp
・戸田材木店・セルバのフェイスブックページ:無垢の木材を愛し語る「木のビブリオ」がいる材木屋、合資会社戸田材木店 から!
・同じく、、、 インスタグラムページ: toda.zaimokuten も随時更新中!
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既にウッドショックが普通の状態であるとさえ思える日常になり、木材の価格も上昇に驚く状況ではなくなっていく自分が不思議に感じます。
未だに「値段が高い」とおっしゃる方もいますが、もう以前までの安すぎる木材価格と比較する考え方は終わりにしなければならないと思います。
もう33年前に発行されている業界の大先輩執筆の書籍にも、「物価の優等生」と形容されている木材。
品質や設備品の向上が大きいにも関わらず、住宅価格も数十年変わることなく続いてきたのは逆説的に考えると、木材価格が下落していたからかもしれません。

今まで、室内装飾用の木材や希少性の高い樹種には価格高騰や入手の先細りによる需要の集中が起る事はありましたが、現在のウッドショックが特殊なのは一般建築用材、つまり一等材と言われる節ありの下地用木材(表面化粧性の不問な)の価格が急騰した点。
それも、今までは日本国内の需給状況や原木状況、製材の稼働や出荷量に左右されていたところが現在は世界的な状況に左右されている為に、いつ「落ち着く」のかを気にかけられています。
そんな中、先日海外の大手生産者からのニュースレターが届きました。
そこに記載されている内容の一つに日本の港湾取扱量の減少があります。
1980年と2020年を比較しコンテナの取り扱い個数を比較しています。
前者では4位の神戸港をはじめ20位以内に3つの港湾名があったものの、後者になると19位に京浜港として名がでるのみ。
如何に日本の港湾の荷扱いが少ないか。
上位には中国の港湾が名を連ねているため、アジアが弱いわけではなく日本の港湾が弱くなっている現状が浮き彫りになっています。

以前から、輸入商社との会話の中で中国の港湾の巨大化や日本へのコンテナの到着量の減少は聞き及んでいましたが、それが顕著な数字として見られたということです。
他国経由のため到着が遅れる上、優先順位が下がるということは魅力が薄れている港への荷物の寄港は優先されないということ。
昨年も、いやというほど「今月はいるはずの荷物が来ていないから」という理由で、ホワイトウッドなどの木材の品薄が発生していました。
そしてもう一つ、港湾労働力の不安定化。
テレビのニュースなどでも、アメリカにおける港湾労働力の不足やトラックドライバーの不足による、物流の停滞や麻痺に近い状態を報じられていますが、日本でもステイホーム以来物流量の増加とドライバー不足が報じられる以上に深刻なようです。
コンテナが到着している大きな港で荷物が動かないのですから、物流が乱れるのは必至。
世界情勢を把握していない私でも、簡単な流れは理解できます。
そんな世界の状況の中、日本では木材だけではなく様々な商品が今でも安く、早くで販売され続けています。
ポイント還元や○%割引など、確かに購入できる価格が身近な方が有難いには違いありませんが、物の価値を見誤ることになりかねないと危惧します。

いえ、価値という人により違う感覚だけではなくモノが流れる中で、主流から支流、そして支流にすらならない淀みへと日本の存在が変わっていくように思えてなりません。
世界から取り残されていく。
木材業界も SDG's というお題目を掲げる場面が見られますが、それ以上にみんなが正しい消費行動をしなければならない時代になっているようにも思います。
年間契約でモノの供給を確約させる大手会社の為に、流通市場に商品が流れてこない現状。
違約金の発生の為に、多くの小さな流通会社が商品不足でお客様に不便な思いをさせてしまう。
大手会社ではなくても、地域のパワービルダーもそう。
上限金額を決めて納品を半義務化する。
量を扱うことに特化しだすと、その量を維持しなければ業務が続けにくくなるために、量を追わずにいられなくなる。
もうそんなことをしていてはいけない時ですが、ウッドショックもいつか納まるという感覚なのか、変わる兆しは見えません。
自然素材である樹木を原材料とする木材製品は、工場での製材や加工を経るとはいえ自然の産物。
そのスピードをインターネットや物流、製造の効率化によりコントロールできるとしても、どこかでひずみが出てきているのかもしれません。
明日以降、どのように変動していくのかもわかりませんが世界の状況からいっても、既存の価値観には戻りそうもありません。
弊社も今までよりも一層、木の事から日本の山の事を考え世界の山や環境の事を視野に入れながら、木材業と建築を見つめていかねばならないと思っています。
日本の広葉樹利用を含め、この状況をどのように進んでいくか。数年、数十年後に改めて振り返った時の為に、現状をここに記しておきたいと思います。
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*消費税10%への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。(ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。)
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