2020年01月11日
神話受け継ぐ奇し姿 〜クスノキ・樟 その壱〜
前回紹介した加茂の大クスは、そのスケールを感じて頂けたでしょうか。
私の好きな巨樹の中の一つですし、クスノキという樹種を語る上でのお手本として紹介しておきたいものの一つでもありました。
今までに巨樹としてクスノキの記事を書いてきたことはあったものの、クスノキという樹種の詳細をまとめていなかったことに、昨年の末頃になってようやく気が付きました。
というのも、別件で古事記に関する本を読んでいた時にふと、「木材業界でよく使う、スサノオノミコトが●●の毛を抜くと○○の木に・・・、という件があるのに、そこに出てくるクスノキをとりあげてないぞ!!」となったから。
確かに、私の本業(?!)である建築資材としてのクスノキというのは、現在ではほとんど表舞台に出てくることはありません。
あるとしてもおそらく、太く大きくなりやすい性質から幅の広い一枚板として流通する場合、テーブル用材としてやカウンターとして使われるくらいでしょうか。
建築以外では、彫刻その他の用途があるものの、やはり木材としての流通は決して多くはないと思います。
だからこそ、私の記事にも出番が遅れたのかもしれません。
自分のなかでは、かなりお勧めしたい樹種ではあり、自宅ではお手洗いのカウンターとしても使用していますが、使う理由の大きな要素である「特有の香り」から、敬遠されることが多いのも流通量の少ない理由の一つなのかもしれません。

そこで、今回から大いにクスノキを掘り下げてみよう!と思うわけです。
和名:クスノキ・樟
英名: camphor tree
学名: Cinnamomum camphora
分類:クスノキ科 ニッケイ属(書籍によってはクスノキ属)
和名の語源は、奇し木(くすしき、またはくすしきき)に由来するという説や、特徴的な香りに由来する「臭木(くさのき)」や「薫木(くすのき)」と聞いています。
学名の Cinnamomum は「ニッケイを思わせる」、 camphora はアラビア語の樟脳を意味する言葉が語源とされています。
英名の camphor も、梵語の純白である kapur またはアラビア語の kaful に由来するということなので、歴史の香りがプンプンしますね。
そう、クスノキは特有の香りがプンプンする木です。
それは木材となる幹からもそうですが、その葉っぱからも同じようにスーッと鼻に抜ける香りを感じます。
その香りこそ、学名の中にもある「樟脳」の香り。
クスノキがクスノキである所以ともいうべき香りですね。
私の自宅のトイレに使っている材も、20年近く経とうとしているにもかかわらず未だに仄かに香りますから、爽やかなトイレ空間としてくれています。
私は暑い夏に街中を歩いているとき、少しリフレッシュするために街路樹になっているクスノキの葉っぱを一つ拝借します。
小さなその葉をプチっとちぎると、そこからはすっきりとした樟脳の香りが漂ってきます。

その香りを嗅いでいると、汗が流れることを一瞬忘れて清涼感のある気持ちにしてくれます。
もちろん、体感温度が下がるわけではないので涼しくはないのですが、街中で樹木の魅力を感じる瞬間の一つでもあります。
公害に強く、本州南部から四国、九州・沖縄までの主に暖かい地方によく育つため、私の住む大阪にも巨樹が多く、その出で立ちを誇らしげに表す名称で有名な薫蓋樟を筆頭に、とても身近な樹種なのです。
それを表すように、兵庫県・佐賀県・熊本県の県木に指定されていますが元来、自生していたと考えられている場合もあるものの、はっきりとはしない部分もあるようです。
ただ分布としては、日本一の巨樹であり日本で最大のクスノキである蒲生のクスを有する鹿児島県にもっとも多くみられ、宮崎県や熊本県が続くなど、温暖な九州にまとまっているようです。
街の樹としてのクスノキに話を戻しましょう。
成長が早く長命で、しかも公害にも強いという特徴をもちさらに樹高も高く、緑の葉を年中茂らせる枝の広がりもあることで、街路樹のほか公園木としても各所に植えられています。
樹高は30m以上、直径5m以上にもなる巨樹の卵の素質を持つクスノキですから、夏の強烈な日差しを免れるために樹下に涼を求める、という光景も見られます。
もっとも、そこに集まる人たちはクスノキのことなど微塵も知らないことと思いますが・・・
・弊社へのお問い合わせはこちらから
・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ
木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。
・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧
http://muku-mokuzai.livedoor.biz/archives/1611916.html
・戸田材木店・セルバのホームページ
http://selva-mukumokuzai.jp
私の好きな巨樹の中の一つですし、クスノキという樹種を語る上でのお手本として紹介しておきたいものの一つでもありました。
今までに巨樹としてクスノキの記事を書いてきたことはあったものの、クスノキという樹種の詳細をまとめていなかったことに、昨年の末頃になってようやく気が付きました。
というのも、別件で古事記に関する本を読んでいた時にふと、「木材業界でよく使う、スサノオノミコトが●●の毛を抜くと○○の木に・・・、という件があるのに、そこに出てくるクスノキをとりあげてないぞ!!」となったから。
確かに、私の本業(?!)である建築資材としてのクスノキというのは、現在ではほとんど表舞台に出てくることはありません。
あるとしてもおそらく、太く大きくなりやすい性質から幅の広い一枚板として流通する場合、テーブル用材としてやカウンターとして使われるくらいでしょうか。
建築以外では、彫刻その他の用途があるものの、やはり木材としての流通は決して多くはないと思います。
だからこそ、私の記事にも出番が遅れたのかもしれません。
自分のなかでは、かなりお勧めしたい樹種ではあり、自宅ではお手洗いのカウンターとしても使用していますが、使う理由の大きな要素である「特有の香り」から、敬遠されることが多いのも流通量の少ない理由の一つなのかもしれません。

そこで、今回から大いにクスノキを掘り下げてみよう!と思うわけです。
和名:クスノキ・樟
英名: camphor tree
学名: Cinnamomum camphora
分類:クスノキ科 ニッケイ属(書籍によってはクスノキ属)
和名の語源は、奇し木(くすしき、またはくすしきき)に由来するという説や、特徴的な香りに由来する「臭木(くさのき)」や「薫木(くすのき)」と聞いています。
学名の Cinnamomum は「ニッケイを思わせる」、 camphora はアラビア語の樟脳を意味する言葉が語源とされています。
英名の camphor も、梵語の純白である kapur またはアラビア語の kaful に由来するということなので、歴史の香りがプンプンしますね。
そう、クスノキは特有の香りがプンプンする木です。
それは木材となる幹からもそうですが、その葉っぱからも同じようにスーッと鼻に抜ける香りを感じます。
その香りこそ、学名の中にもある「樟脳」の香り。
クスノキがクスノキである所以ともいうべき香りですね。
私の自宅のトイレに使っている材も、20年近く経とうとしているにもかかわらず未だに仄かに香りますから、爽やかなトイレ空間としてくれています。
私は暑い夏に街中を歩いているとき、少しリフレッシュするために街路樹になっているクスノキの葉っぱを一つ拝借します。
小さなその葉をプチっとちぎると、そこからはすっきりとした樟脳の香りが漂ってきます。

その香りを嗅いでいると、汗が流れることを一瞬忘れて清涼感のある気持ちにしてくれます。
もちろん、体感温度が下がるわけではないので涼しくはないのですが、街中で樹木の魅力を感じる瞬間の一つでもあります。
公害に強く、本州南部から四国、九州・沖縄までの主に暖かい地方によく育つため、私の住む大阪にも巨樹が多く、その出で立ちを誇らしげに表す名称で有名な薫蓋樟を筆頭に、とても身近な樹種なのです。
それを表すように、兵庫県・佐賀県・熊本県の県木に指定されていますが元来、自生していたと考えられている場合もあるものの、はっきりとはしない部分もあるようです。
ただ分布としては、日本一の巨樹であり日本で最大のクスノキである蒲生のクスを有する鹿児島県にもっとも多くみられ、宮崎県や熊本県が続くなど、温暖な九州にまとまっているようです。
街の樹としてのクスノキに話を戻しましょう。
成長が早く長命で、しかも公害にも強いという特徴をもちさらに樹高も高く、緑の葉を年中茂らせる枝の広がりもあることで、街路樹のほか公園木としても各所に植えられています。
樹高は30m以上、直径5m以上にもなる巨樹の卵の素質を持つクスノキですから、夏の強烈な日差しを免れるために樹下に涼を求める、という光景も見られます。
もっとも、そこに集まる人たちはクスノキのことなど微塵も知らないことと思いますが・・・
・弊社へのお問い合わせはこちらから
・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から
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