2015年07月28日
桧 天然乾燥大黒柱 できますよ!
ワンポイント使い、なのかもしれない。
以前に比べて、木材の利用目的も変ってきているから、それもいい。
「木造住宅」と言われてイメージするのは、木がふんだんに使われている住宅、と感じやすいし様々な調査報告書を読むときも、そんなニュアンスの香りを感じるけれども、実際は「ふんだんに」というわけではなく「構造材が木質ならば木造住宅」というくくりになっていると思われます。
そんな木造住宅ですが、全てを無垢材でという今までのイメージと違いポイントで木材を使用する例が多く見られます。
リビングだけ無垢のフローリングにするとか、外装材に米杉(レッドシダー)などの無垢板を貼るとか、一部分のみ梁を見せるとか・・・
木材が、よりデザインの方に足を踏み入れたと言った感じかな。
そこに、思いもよらないお声がかかったりしています。
「大黒柱」です。

もう死語かと思うくらいになってしまったこの単語。
現在では、住宅の太く逞しい柱を意味していたことも知られているのかどうか心配な程に、存在を確認することができません。
15年ほど前に、上棟に際して工務店さんの施主様がおっしゃいました。
「この家で、大黒柱はどこですか?」
正確には施主様のお父様だったのですが、家の中にあの「太くて逞しい」柱が見当たらない事が気になったのでしょう。
現在の住宅では、大黒柱という定義で用いることは少ないです、と答えたのですが、ちょっと不安な様子だったことを思いだします。
必ずしもないといけない、ということは無いにしてもやはり精神的支柱という意味でも存在の大きい大黒柱。
近年になって、その存在がまた見直されてきた?ようです。
見直されてきたというか、人気がでてきたというか、ちょこちょことお問い合わせを受けます。
「できますか?!」というものや、「ありますか?!」というもの。
様々ですが、現在の住宅には見つけられない「大黒柱」をお探しの様ですね。
弊社では、先日紹介した様に「桧の御堂建築」のための「天然乾燥の桧材」の取り扱いがあり、立派な乾燥材の大黒柱も提案することができます。

ここでも天然乾燥と、しっかりとお伝えするのはやはりその「仕上がり」に差が出るから。
木材、特に特別な寸法や種類の木材の出荷量が激減している中で、オンタイムに希望の材料を入手するというのは、物凄く難しい作業なのです。
大黒柱もそう。
必要になってから急いで人工乾燥しても、肝心の桧の香りや色艶の良さが失われかねないことと、折角目に見えやすい形で活躍するであろう柱の見栄えが変ってしまいます。
だから、天然乾燥の桧の大黒柱って予想以上に貴重です。
もちろん、ウチはもっと豪華にケヤキの大黒柱にしたい!という場合もオッケー!
桧よりも大きく育つケヤキは、大きな柱を生みだすにはもってこい。
社寺などに使われている物を見てもそう思いますよね。

この柱、本当は40cm以上の太さがありますが、上にかかる丸太が太すぎて大きさが過小評価されてしまうと思いますが立派なケヤキです。

大きく力強い木目は、まさに「大黒柱」。
これの存在感は大きいですね。
決して木造住宅では無くても、それがあるだけで空間のイメージをガラッとかえてしまうもの。
それがケヤキの大黒柱だと思います。
そうやって、背丈を刻んでいった昔ながらの大黒柱、というよりもカッコよく木を見せるという観点からの大黒柱もいいのかもしれません。
木材も、固定観念ではなく、柔軟に要望に対応していかないといけませんし、アピール方法を考えておかなければなりません。
もちろん、しっかりと荷重を支える「赤松乾燥材」をはじめ水湿に耐える「能登あて」の無垢の構造材もどんどん取り入れていただきたいものの一つ。
そんな大きい木材はない、乾燥材はないですよ、集成材の方が強くてきれいですよ、などの言葉で諦めることの無いように、弊社取扱の優秀な樹種たちを周知して行かないといけません。
良質な大黒柱、ありますよ〜