ミャンマーチーク幅広無垢フローリングが貼りあがり
日本家屋の一室を、洋間に改装するお部屋にミャンマーチーク幅広無垢フローリングを使っていただきました。
チークについては、詳細記事としてはまだ紹介しきれていないので、近日中に紹介することとして、先にフローリングを見てもらいましょう。
チークと聞くと、世界の銘木として有名で高級船舶そのほか家具にも使用されていたりすることをイメージされるかもしれません。
それほど有名ですが、一口にチークと言っても産地によって大きく2つに分けられます。
一つは、今回使っていただいた「ミャンマーチーク」。
そしてもう一つは「インドネシアチーク」です。
どう違うかというと、木材のこと。全然違います。
杉でも産地によって違いが出ることもそうですし、さらにいうと白檀やローズウッドに関しても産地の違いがあるように、それぞれのキャラクターは同じ木材でありながらも産地の個性を持っています。
その為、「チーク」とひとくくりにせず分類されているわけですが、お施主様には最近知られるようになったことではないかと思います。
どちらが良いとか悪いではなく、産地の違いを楽しむのが木材のいいところなのですが、今回はミャンマーチークですからやっぱり少し濃い目の茶褐色と黒っぽい筋の流れる木目でしょうか。
視覚的な印象は個人の感覚に大きく左右されるところがありますが、インドネシアチークに比べて色調が深く、油分の多さを感じるのが特徴だと思います。
しかしながらその良さを強調するため、もしくは誤解を解消しようとするために、ちょっと工夫(!?)をされている場合があるので、チークフローリングを見る際私はその工夫がされているかどうかを確認します。
その工夫、というのは調色です。
上の写真を見てもわかるように、チークといえども木材としての色調の濃淡は現れます。
材料の入荷が豊富だったころは、私の記憶でも色調のそろった濃茶褐色のチークフローリングが多くありました。
しかし、木材資源の有効活用を考えた場合、チークといわれてイメージするような色調よりも薄い部分を省いていくと大きなロスになりますから、木材として利用できる部分はきちんと活用されるわけですが、そこに例の「工夫」が生まれるわけです。
無垢フローリングすべてに言えることですが、カットサンプルで見たものと現物の木目や色合いが異なることがあるように、チークの場合のそれに当てはまるのが色合いの差を調色により「イメージに近づけている」工夫。
写真のように、色の濃い部分もあれば反対に薄い部分もありますが、この薄い部分に濃い目の着色をして、他の部分と色合いを合わせている場合があります。
チークはこんな色だ、というイメージに近づけるためですが私は色差があっても、その木材自体を楽しみたいタイプですので調色は必要だと思っていません。
その為、今回のこのミャンマーチークフローリングは、調色をされていないものを提案しています。
それが私のこだわっているところで、本来の木材そのものを味わってもらいたい、という気持ちからくるものですが、通常考えると「色がそろっていない方が不自然」と思われる場合もあり、誤解を招くことがありますから説明の際には注意しないといけないのです。
それでも、本物を感じてほしいと思っているという事です。
だから、これが本来のチークの姿そのもの。
もちろん、原木によって色差の少ない、もしくは色のそろっているものもありますが、それが誤解を生む部分になるので、なぜそうなっているのかという事を知って使ってもらえるようにと思っています。
無垢の木材には均一性を求めるのではなく、本来の自然な風合いを楽しむもの。
その風合いを生かすためにこだわっている部分が今回のチーク材のお話です。
あれ?色の差が大きいな、と思われるかもしれませがそういった理由があるという事を知ってもらうために、今日もその素材の特徴をお話する毎日です。
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