空を見上げて
トップページ » 普通ではない桧と栂に、普通は無いひばの柱

普通ではない桧と栂に、普通は無いひばの柱


私が普通の材木屋ではないのは既にご存知のことと思いますが、普通ではない材木屋がすすめる木材というのは、やはり普通ではないのです。
その、普通ではない、は時間をかけ話を聞いてもらってこそ初めてわかる部分なので、こうやってお伝えしていかなければならないわけです。

今回の普通ではないは、桧と栂とそれにひばです。

正直、ひば以外はその名を聞いても特段普通に思えるかもしれませんが、そこが普通ではない材木屋の出番になったわけです。
まぁ、先に写真を見てもらいましょう。

天然の木の家3

桧の節あり幅広無垢フローリングです。
これが普通ではない理由。それは天然の木曽桧である尾州桧幅広無垢一枚物フローリングであるということ。
この文字だけでは普通でないことが伝わらないのがお施主様。
当たり前です。そんなこと知っておられたら材木屋、要りませんもの。
そこをアツく語るのが私の仕事であり楽しみ。
特段指定されることも無く、桧を希望されているというところにわざわざ尾州桧フローリングをおすすめしたのが一つ目の「普通ではない」ポイント。

天然の木の家8


見てもらえばわかる様に、若干の埋め節補修があるものの(補修なしも可)大きく赤い節とスゥーっと通る細かい木目、それに天然の尾州桧特有の香りが「普通の桧」との違いを知らせてくれます。

今回のお施主様は、きちんと材料である木の事を考えていらっしゃる方であったことから、お施主様からの声はないけれども同じ桧とはいえ、木に詳しい方が見えた時に「この桧のフローリングは普通ではないな・・・」と感じてもらうことこそが材料を真剣に考えておられるお施主様にとって一番だと考えて、おすすめしました。
「木曽桧」という産地のネームバリューというものは、古い木材業者(失礼)や社寺建築に興味のある方、彫刻をされている方には影響力があると思いますが、実際の住宅建築ではその姿も話も出る事が無いので、材木屋が思うほどの訴求力はありません。
ですが、やはりよいものは良い。

天然の木の家12


詳しい方が見ればわかりますし、目で見る質感も大きく異なります。
今すぐはわからないかもしれませんが、これからお見えになるお客様が「おっ・・・この桧、普通と違うな・・・いい材料を使っておられるな。」と感じていただければ、これしてやったり!
お施主様の株も上がるというものです。

フローリングと合わせて、同じく天然尾州桧丸面羽目板も腰板として使っていただきました。
和風の廊下にピッタリです。

天然の木の家13


さて、その次は栂ですが、普通はドアやアルミサッシ周りに使われる様な枠材としての用途のベイツガなのですが、普通ではない材木屋は国産栂(地栂・じつが)です。
そう、これも今まで多くの木の家で使っていただいた化粧梁としておすすめしたのです。

天然の木の家7

もちろんこちらも樹種の指定は無く、化粧梁ということでしたので他にも選択肢はあるのですが、敢えて国産栂です。
国産の栂は、決して産出量が多くない貴重な材。
だからこそ、今の世の中ベイツガは有名であれど地栂を見る機会はありません。
白く細かな木目と、時間の経過により晩材と呼ばれる部分が光る様に艶が出る様に感じる経年美は、他の樹種にはあまり見られません。
それに、先の様に材の供給量は物凄く少ないので、一般的には目にする事がありません。
やっぱり自分の家の中に「これ、ちょっと特別やねんでぇ〜」という部分って欲しいですよね。
床の間かもしれないし、無垢のフローリングかもしれないしドアかもしれない。
それが、今回は頭上にどっしりと構える国産栂だということです。
実際に見えている部分は少しですが、きちんと材成30cmオーバーの大きな盤としてリビングの構造材の役目を果たしていますから、決して「見える部分だけの化粧」ではないのですよ。

天然の木の家6

実は施工される大工さんに構造としての加工をしてもらったのですが、大工さんですら、その材の良さと稀少な国産栂が使われる事を驚かれていましたから、お施主様にも自慢してもらいたいポイントです。

尾州桧も国産栂も、貴重な天然林から産出する木材です。
「あぁ、桧か。あぁ、栂か・・・」とは決して言われない、普通じゃない家になっています。

最後の普通ではないのは「ひば」。

以前の記事でもお伝えしていますが、近畿地方で、特に大阪でいうとひばというのは殆ど知られていないと言っても過言ではないほど、材は見かけません。
その為に、材木屋も扱いが無く材自体も知らない場合があるので、使われることはまずないのですが、ここも普通ではない材木屋の出番です。

雨のかかる和風住宅の玄関ポーチの柱ですし、玄関を開けると見えるのが尾州桧のフローリングですから広葉樹というのも少し違う。
そこで登場、「ひば」です。
正確には能登あてという樹種ですが、針葉樹の中では耐朽性が高くまた桧に似た節目も綺麗で、私の大好きな芳香を発する木材。
ポーチの柱には耐朽性の高いものを、というご希望により提案したものですが、能登あて(ひば)に親しみの無いこの地で受け入れられるのか?!という心配もよそに、私のアツい能登あて推しが伝わり、採用していただきました。
それに大きさがすごい。

天然の木の家1

全体はお見せできないもののお宅も立派ですが、負けない位に太い。200×250というサイズです。
存在感満点。良い香り。

もちろん、永久に腐らないのではなく表面の紫外線劣化や、防ぎきれない割れからの雨水の侵入などで変化はしていくことと思いますが、その時間を共に過ごすことができるのも、無垢の木材だから。

もうここまで来ると、材木屋の矜持。
自身の家に想いを込めるお施主様に対して、全てが伝わるかどうかではなく後によかったと思って頂けるような贅沢な提案を全力でぶつけたつもりです。
無垢の木材を選ぶにも様々な理由がありますが、やはりその樹種ならではの持ち味を感じられることは大きな理由になります。
足に触れ、香りを感じる尾州桧、落ち着いたリビングの掘りごたつで仰向けに天井を眺めた時に目に映る国産栂の美しい木目、毎日の往復で目にする玄関で少しづつ年をとる能登あての柱。
無垢の木材ならではの変化をも感じてもらえるであろうと思います。

普通ではない材木屋の、普通ではない提案を受け入れてもらえる有難さを今日も感じ、次の普通ではない家のお客様を探しているのであります。

天然の木の家2


・天然!尾州桧(きそひのき)幅広無垢一枚物フローリングはこちらから
・天然!尾州桧(きそひのき)幅広無垢一枚物羽目板はこちらから
・国産栂についてはこちらから
・国産栂幅広無垢一枚物フローリングはこちらから
・柱以外 能登あて幅広無垢一枚物フローリングはこちら、羽目板はこちらから

弊社へのお問い合わせはこちらから



コメントを書く




情報を記憶: 評価:  顔   星