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ホワイトウッドはダメですか?!


物事にこだわるのはとっても大切なこと。
自分の信じる物事を重んじるのはいいことだと思いますし、私自身も記事の内容からもわかると思いますが、こだわりの強い方ですので否定はしません。
がしかし、あまりに偏重しすぎたり深く追求しないままのこだわりは、もしかすると「こだわっているものの半分しか見えていない」ということもあり得るから注意が必要です。

はっきりいって、そのとおり私にも当てはまる事で、昔は余りにこだわる為に「あいつは木の事では特に融通きかんからなぁ」と言われたものです。
あまり木の特性に関係無い部分や、コストを考えると他の木材に代替できる部分でも「頑なにこだわっていた」ためです。
少し年齢を重ねて自分なりに丸くなったといいますか、人の話も聞くようになりましたが、自分ではこだわっているつもりでも、周りが見えていなかったりその他の選択肢に気がつかない事が多く、今では反省材料でもある部分です。

お客様のこだわりも色々とあり、樹種へのこだわりも様々ですが通常の建築に関して樹種のこだわりがでてくるのはまず、2つ位でしょう。
一つは先日も話題にした「土台や外部用木材にヒノキ」という点。そしてもう一つは「ホワイトウッドは大丈夫ですか?!」という点です。
今回は後者のお話ですが、最近は一時騒がれた時に比べれば殆ど聞かなくなったとはいえ、工務店さんや大工さんでも「ホワイトウッドはあかん」とおっしゃる「こだわり」を持っておられるところもありますから、やはり「ホワイトウッドの負のイメージ」というのは今も残っているのかもしれません。

ホワイトウッド 1


木材を愛している身からすると、「悪い木材」というレッテルを貼られるのはとても可哀想だと思います。
木材は人間に利用される為に生まれたわけではないのですから・・・・・・
そんな精神論を語り出すとそちらの方がキリがないので話を戻しますが、木材には適材適所はあれど嫌がられるものは無いはずなのですが、どうしてもイメージがつくと払拭するには相当な時間が必要になります。

ホワイトウッドについては以前の記事を参照していただきたいですが、一時は住宅に大量に使われる柱や間柱(まばしら)、筋交い用の木材として使うことを危ぶむ様な情報が多く流れ、ホワイトウッドは使わないでほしいとか、ホワイトウッドの柱で建った家は不安だ、という旨の情報も見られました。

ホワイトウッド 3

日本の木材であるスギやヒノキはいいが、外国から入ってくる白い木はダメだ!そんな単純な話。
白い木は腐るから住宅には使わない方がいい。
確かに白っぽい木や辺材(へんざい。主に白色系が多い)は腐朽しやすい上に、ホワイトウッドと称される木材は耐朽性が高いものではありません。

ですから、外装材にしたり常時水気のある部分、湿気にさらされる部分に使い続けることは避けた方がいいのはいうまでもありませんが、その為にその樹種が「ダメ」というレッテルを貼られるのは少しおかしなところがあります。

スギやヒノキも腐ります。特に辺材はシロアリの被害も大きく出ます。それに芯材(赤身)のみの建築材などは一部を除いて殆どありませんから、材に含まれる精油がもたらす耐朽性の付加はあるにせよ、条件的には大きくは変りません。
なのに、ホワイトウッドが物凄く劣等材の様に扱われ、「ホワイトウッドは使わないというこだわり」を生んでいるのは、悲しい一面です。
久しぶりに「ホワイトウッドは使わないでほしい」というお客様の声を聞きましたが、誤解しないで頂きたいのは、湿気の多い場所や湿気のたまる場所、水かかりのある場所には避けた方がよい、という上でこの部分はスギやヒノキにしてほしい、というお声を頂きたいということです。
あまりにこだわり過ぎると、「○か×、白か黒か、正しいか間違っているか」というような話に飛躍してしまいます。

木材も生き物、人材と同じく適材適所があります。
昔の私の様に、こだわり過ぎてその木材の事を見誤らないようにしてください。
その為の街の材木屋です。
木材アドバイザーがいるお店に相談してみましょう。きっと色々なお話が聞けるはず。(脱線もするでしょうから、たっぷり時間をとってお越しくださいね・・・笑)

ホワイトウッド 2



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