2014年09月19日
レッドシダー無垢一枚物羽目板の再スタートに向けて
木材のお問い合わせは、全てに正確にお答えできる訳ではありません。
一番悔しいところです。
何故かというと、工場で作ってくるように「同じ寸法で同じ材料のもの」というのがないことと、材種が多くご希望が多岐にわたることも理由の一つです。
折角連絡を頂いているのに、どうにもできないのは申し訳ない瞬間です。
そして、それ以外の理由で仕方なくお断りすることもしばしばあって、最近幾度かご連絡頂きながらお応えできていなかったものがあります。
レッドシダー幅広無垢一枚物羽目板です。
その特徴的な濃淡と、節は少なくとも表情豊かな板目と柾目のランダムな組み合わせが、店舗の内外装から住宅の外壁まで(不燃処理はしていません。)様々使っていただいていたのですが、加工をお願いしていた工場がお店をたたまれてしまって、少し前から受注をストップさせていただいていました。
その間に、「えぇー、できないんですかぁ?うわー、残念・・・」というお言葉を何度も頂いて、とても心苦しく思っていました。
そんな時、いつもお世話になっている工務店の社長さんが、自宅の軒天井材に作ってくれへんか?!とお話をもらいました。
皆さんにもご希望は貰っていたものの、加工場が変わるとコストの面でも厳しく、加工の仕上がりや原板の善し悪しの調整などがきっちりとできるかという要素を抱えていたので、踏みきれていなかったところ、以前から店舗や住宅で無垢の木材を使ってもらっていた社長宅のご希望だったこともあり、ついに別工場にて製作チャレンジしてみる事にしました。
まずはじめに一部分だけで、後にガレージ部もする事になる予定なので、先のことも含めて色々と模索しながら工場との連絡を取りました。
しかし、やっぱり以前の価格では到底無理・・・
製材所と加工場が離れている為に運送費もかかるし、加工賃も以前よりはかかってしまう・・・
とにかく今回はトライアルの意味も込めて、第一弾をつくってみました。

おぉー、なかなか期待以上の仕上がり。
加工場が違うので実の形状などが若干違いますが、ほぼ前回と同じ様に仕上がっています。
満足の仕上がり。

レッドシダー材は、針葉樹の中では耐朽性が高く、また針葉樹であるからこそ軽くて加工性もよく、優しい木目がある為に好んで使用されます。
もちろん、先日の記事の通り、耐朽性は芯材の部分に頼ることが多いので、材の都合上芯材と辺材がまじる為に全てが高耐久とは言いづらいですが、そこは塗装も含めたメンテナンスは必ず必要ですので、塗装とメンテナンスの力を借りて、より一層の耐朽性をつけてあげて欲しいものです。
後に紹介する、中央唐松幅広無垢一枚物羽目板の外装用も木の外観を象徴する様な雰囲気ですが何より、濃淡のコントラストと木目の美しさに定評を頂いているレッドシダー羽目板を再開できそうだということが一番の報告になりそうです。
材の供給状況と新しい価格の設定が準備でき次第受注ストップを解除したいと思っていますので、また皆さんよろしくお願いいたします。

*レッドシダー材自体は不燃処理などはされていません。また、針葉樹の中では耐朽性の高い部類ではありますが、水平面使用や常時水の流れの悪い場所、常に湿潤な環境の場合は吸水性が高くなり、予想よりも腐朽を早めることがありますので、垂直面使用並びに塗装とメンテナンスは定期的にされることをお勧めします。