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どうしようもない木材の状態 胴折れ 追記


先日何気なしに在庫確認のために倉庫に入った時のこと・・・

バラバラっと立ててある木材に、「こんなとこになんやかんや立ててるから、ごちゃごちゃになっていくんや・・・」と心の中でぼやきながら片付けようと近づいてみると、なんとも見事な標本木であることが判明!!

これは! 1

何だかわかります?!
よく見てみると、木材の表面にうっすらと波型にクモの巣の様に筋が入っているのが見えるでしょうか?
4mの木材のあちこちにこんなのが見られます。
平面だけではなく、両サイドにも同じ様な模様が・・・

これは! 4

それも上の写真はまだ良い方。

こんなところもちらほらと・・・

これは! 2



ここまでくると、異常な事がわかると思います。
これ、前にも一度書いた事のある業界では「胴折れ」とか「胴打ち」とか「もめ」とかいろいろ言うんですが、雪や風、その他伐り倒された時の衝撃などによってもできる事があると言われる木材の繊維の破断した状態のものです。
破断しているといっても、上の写真の様に、木材が完全に折れているわけではありません。
完全に木部が破壊されると折れていたり裂けたりするものですが、そこまで極端に荷重がかかったわけではない場合や、ジワジワと長い時間かかって荷重のかかった時や、木のたわんで風や振動をいなす性質を超えてたわんだり揺れたりした時に起こるもの。
枝に降り積もった雪の重みや、山に吹きすさぶ台風の風など。

これは! 5

今回の材では節のまわりに集中していたことから、この材の産地である北欧特有の雪の影響ではないかと想像します。
大きな枝は何とか持ちこたえたのかもしれませんが、それでも枝の組織の結合が無くなったからか、死節になってしまっています。

先程の写真を拡大で見ると、小さな枝周辺部はやはりひどくてクモの糸の様な筋意外に、明らかに木の繊維!という縦方向の配列がほどけているのがみてとれます。
もう折れる寸前だったんでしょう。
結合していてこその木部ですが、その結合がほどけている状態と言ったらいいのか。


これは! 3


このような状態になると普通に見る限り、折れてはいないのですが、実際は破断されている状態か元々は結びついている(から木材は強い!)繊維がほどけている状態ですから、残念ながら「木材」としての用途は果たし得ない場合が多いです。
もちろん、工作や短く切って破断していない部分を使うのであれば問題はないので、通常はそういった使い道を模索するのですが、ここまで見事に「状態把握」できると、これはもう「良いサンプル」になります。
お客様に難しい言葉で「細胞組織が破断していて云々・・・・」といっても全くイメージできませんが、これを見てもらうと一目瞭然言葉の如し!
理解していただけると思いますので、貴重なサンプルとして「博物館行き」(笑)です。

これは! 6

これなんかはもう木部が裂けていく様がそのままわかりますよね。
見たいと言ってもいつでも見られるわけではない自然の産物。
木材の特徴を知る一つの手掛かりとして、活躍してもらおうと思います。


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