枕木と景観を兼ねた庭づくり
少し前に木製デッキ材のお話をしましたが、建て物の外に使う木材の用途としてはウッドデッキだけではありません。
もともと特殊用途であったものを利用する事で、一味違った雰囲気を出すことのできる素材。
それがこちらです。
そう、鉄道枕木。
近年ではそのほとんどがコンクリート製となり、見る事が少なくなってきたのですが、昔はこんなところにも木が活用されていたのです。
古くは栗が適材と言われ、私も枕木といえば栗材であるものと思っていましたが、近年は国産の栗などの硬木類か輸入硬木のケンパス材が主流です。
今でも、コンクリートではダメで木の枕木を使うところがある、と聞いた覚えがあるのですが、理由までは定かではなく、鉄道関係者の方か車掌さんにでも「乗り味」を伺ってみたいものです。
このような、本来の用途とは異なる物をあえて使う事で、意外性や固定観念では想像できない様なものが出来る事がありますが、この枕木も同じですね。
やはり庭のデザインを兼ねて、支柱その他に使われます。
一時のガーデニングブーム(?!)の時には、かなり消費されたと思いますが塀や門柱、アプローチの材料としては木材でありながらも耐久性は抜群ですし、なにより木材という素材であるために、どこか柔らかな雰囲気があることが好んで使われる大きな理由だと思います。
屋外利用が前提の材料ですので、インサイジングという表面にキズをつける加工をすることで薬剤を注入し、防腐性能を確保。
鉄道などは、しょっちゅう腐れて取り替える、というわけにはいかないですものね。
しかし、だからこそ、少し・・・いや、出荷当初はかなりの匂いがします。
ちょっと触っていたり、衣服につくとなかなかとれません。
すごい匂い、といった方がいいかもしれませんね・・・
ですので、新品の場合は少し気をつけて施工していただく必要があります。
若しくは、匂いを抑えた注入材(匂いが少ない、というだけです。薬剤注入です。)か、素材のままという選択肢もあります。
また、内装材の様にきっちり角がついているという事もなく、丸い部分もあります。
そして、傷や虫跡なども含まれますから念のため・・・
そのあたりは、内装材の規格の様に考えてはいけないところですので、注意してくださいね。
こんな真っ黒になっていても、なんか雰囲気を醸し出す木材。うーん、すごい。
近隣からのお宅の景観を左右する御庭の雰囲気をグッと押し上げてくれるに違いありません。
木材といえば、日頃内装に目が向きがちですが、デッキを始め樹種固有の特性を利用し、メンテナンスをしていけば風合いよく長持ちさせる事が可能です。
もっともっと、外装にも木材を使っていただけるように、外装用羽目板なども紹介しないといけませんね・・・
レッドシダー(米杉・べいすぎ)や国産唐松などあるんですが・・・・
うー、やることいっぱい!!
ボチボチで勘弁してくださいね。