2012年04月16日
木の虫、木の鬼に会う
やっぱり、虫と鬼では存在感も迫力も違いますなぁ・・・
先日、大阪での公開初日に、お伝えしていた待望の映画「鬼に訊け」を見に行ってまいりました。
この作品は、今までに収録されていた西岡棟梁へのインタビューなどを編集して、今の日本だからこそ見て聞いてほしいものなのです。
こんなセリフ、私の様な「木の虫」ではまだまだ説得力にたりません。
もう、首が伸びきってしまいそうなくらいに待ち望んだ作品ですが、やはりスクリーンで拝見する西岡棟梁には、自身が教えを乞うているかのような臨場感と言葉の重み、その存在感が満ち溢れていました。
私が会場に到着すると、既に並んでいらっしゃる方がおられましたが、やはり世にはまだまだ西岡棟梁の言葉を必要とする方がおられるんだと感じました。
西岡棟梁は、木の事も社寺建築の事も、とても平易にわかりやすい言葉で語りかけてくださいます。
それでも、その言葉の意味するところは大きく、またここまでまっすぐに生きてこられた方だからこそ聞くことのできる言葉であるがために、人はその言葉達をもとめるのでしょう。
会場に伝わる西岡棟梁の声と、木拵えの作業場独特のノミやチョウナの音は、それだけで荘厳な音楽の様で、私にとって普段は書籍の中の偉人である方が、目の前でお話されている姿は、瞬きの隙のないものでした。
この作品を見てしまうと、私自身が日本についてや、木材について、仕事について・・・という様々な事に言及するのはおこがましく感じてしまいます。
が、少しでも多くのことを西岡棟梁の遺訓から学び、木の文化を通して日本を見る事が出来る人間になりたいものです。