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無垢の木材を大切に使うにあたって・・・


近頃は多くの方に木の特性や特徴を知っていただくことができ、節ありの材や多少の傷のものなども適材適所に使っていただける場面がおおくなってきたことが嬉しく思います。
それは無垢のフローリングに関しても同じで、節や多少の変色などのあるネイキッドグレードを採用いただく機会を頂いています。


クルミネイキッドグレード 4


 胡桃(くるみ・ウォールナット)のネイキッドグレード。

 節や芯などが入っていますが、とても天然の木材らしい表情です。






節や変色などの少ないプルミエグレードや無節グレードも当然素晴らしいものですし、日本人は古来から、節や欠点のない材もある材もその用途や美観に応じて使い分けてきた民族ですから、これこそ木を使う上での本来の礼儀なのかもしれません。

それらのおかげで、一本の丸太からでる「プルミエグレードからネイキッドグレードまで」を余すことなく利用でき、本来捨てるところのないはずの木材を上手に活用することが出来るのです。

とはいえ、なにも無条件に節やその他のキャラクターの個性的なグレードを採用いただくのは早計です。
当然、プルミエグレードとは違い、「床としての強度などに問題がない程度の節や変色他の補修などを含む」為、価格は無垢のフローリングの中では負担の軽いものになりますが、上記のように床としての使用に問題のないものは加工して出荷していますので、中には施工すれば隠れる部分になる「実(さね)」といわれる部分に節や補修がかかっていた場合は、加工中に欠けている場合があったり、木の中心部分で「芯や髄」などと呼ばれる部分を含んでいる場合もあります。

節補修




 節の割れにパテを入れていますが、割れが広がる事も稀にあります。







フローリング実の節1




 フローリングの節補修を裏側から見たところ。








フローリング実の節2



 同じものを違う角度で。写真下側がフローリング表面側です。
 貼りあげて表から見ると、裏の割れは見えません。






もし、これらを欠点として切り捨ててしまえばそれは美観上は「欠点のない」綺麗なフローリングとなるかもしれませんが、一本の丸太からとれる材料の割合は急激に減ってしまい、使えない部分が多く出てしまいます。
それらはコストと言う問題以前に、私たちに恵みを与えてくれる木々を「無駄にしている」ことになります。
地球温暖化の防止などの問題から、木を有効に使うことは当然ですが、それ以前に、少なくとも数十年、多いものなら数百年育ってきた木々の命を使わせてもらうのです。
その育つ上での過程で生じる個性を「欠点」と称して切り捨ててしまっては、本当に勿体ないことこの上ありません。

ネイキッドグレードだけでなく、セレクショングレードやプルミエグレードにおいても、特別な加工の不良や配送時の傷などの部分以外の「天然の木材由来の部分」というものをしっかりと見ていただいた上で採用いただくと、さらに愛着が増し、住む方と紡ぐ時間もとても良きものとなると思います。

可能な限り、それらの部分もご紹介していきたいと思いますので、ご覧いただき採用いただく木々が更に愛着の湧くフローリングとしていただきたく思います。


また、無垢の木材を検討いただいているお客様は、それぞれのフローリング幅誤差や樹種によっては補修部分の広がり、幅方向の反りなどの特徴もあわせて、弊社からのメッセージを必ずご覧頂きご理解いただきますように宜しくお願いいたします。

木を無理矢理私たちの都合に合わせる使い方ではなく、木を理解して使っていけるようにしたいものです。



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