こころ、うごくこと
本日の新聞のコラムに、私たち材木屋や住宅関連の人にも馴染みの深い「松下幸之助氏」のお話が掲載されていました。
といっても、氏の名言ではなく、氏に対して苦言を呈した方の言葉でした。
「君のおかげで、こんなに心がなく物ばかりのいやな日本になってしまった。君の責任で直してもらわねばならん・・・」
京都仏教界の重鎮、立花大亀老師の言葉だそう。
確かにいろいろなものが普及し、暮らしは豊かになったのだが心は相反して・・・・というような意味でしょうか。真意まで汲み取る力は私にはありませんし、君のおかげで・・・というところも引っかかるところはありますが、それにしても少なくとも今の世の中は豊か過ぎて、少し淋しい様に感じる場面もしばしばある事も頷けます。
と言いながら、私も普通の人間ですので、いらいらとする事も怒る事もあるのですが、先日そんな私の心を動かす場面に会い、とても嬉しくなった事を少しお伝えします。
欠けたお茶碗がお恥ずかしいところ(ほんとは使ってはいけないんですが、思い入れがあり・・・)ですが、いつも家内が一日外出の時は、こうやって夕飯の最低限の用意をして出て行ってくれます。
ご飯と、お味噌汁、サラダと・・・・写真上を見てください。
普段は置いていないものがあるんです。最初私も気がつかなかったのですが、コップの隣に焼き物のおちょこがあります。
因みに弊社社長作ですが、どうしてこれがでているのか?!
いつも晩酌するから・・・・それなら納得できます。
が、私は家ではそんなにお酒をあおることはありません。
近頃は、おかげ様で多忙につきお酒を飲みたくても、まったく飲む時間がありません。
ですので、無くてもいい様なものですが、近頃の私の忙しさと疲れを見て察してくれたのでしょうか、少しはお酒でも飲んでゆっくりして、というサインだったのかもしれません。
家内にはあえて確認はしていませんが、その人の気持ちや状況を見て欲している物を用意できるその心に、身内のことながらいつも感謝しています。
自身も毎日子どもに追われ大変なのは私も承知。
それでもこうして気を使ってくれるというのは、本当に有難く心に沁みます。
物が豊かになり、いろいろなものが選べる時代になっていますが、やはり人の心は物だけでは満たされないと思います。
そんな中において、写真の様にいつもは目立たない存在であっても、人の心に沁みる人間でありたいなぁ、としみじみ感じた夏休み最終日の出来事でした。
いつも支えてくれている皆さんと、家族に感謝!