建築に対する姿勢 −それでももっと木を活かせるように私は木にかたよります−
前回のお話で、建築や材料そして建築家の方に対する考えが少し変わりました。
こんな事を言っては本当に失礼なことですが、建築家さんにはあんまりいい印象はありませんでした。
全員の方ではありませんが、いつ現場で打ち合わせしても「木」の特性を無視したような設計や使い方が多かったり、木についても意匠性の為に使うのみで、生き物であることや、木を使う事による恩恵などは一切含まれていない場合はほとんどであったからです。
確かにカッコよかったり、その家に訪れるお客さんは「うわぁ!すごい!!」と言ってくれるかもしれないけど、前回に書いたような私が想う「家の本来の姿」とは全く違うものでした。
本来のお施主様のための木の住宅ではない、ということですね。
本来のものではない、というとやはり資格試験からして頭でっかちの元なのかもしれません。
資格取得のために勉強はするけども、それは机上の勉強であって実際に活躍する場所では殆ど役に立たないか、若しくは現実とはあまり関係のない場合があります。
試験のための勉強であって、実務に生きる勉強でない場合が多いと少し思います。
それは建築だけではなく、そのほかのこともです。
資格がなくても、いろんな知識や教養をお持ちの方はたくさんいらっしゃるし、本当は資格が基本となってスタートできると良いのに、今は資格を取ることと実務での内容が離れているので、どうしても頭でっかちになっちゃうんじゃなかろうか。
そういう意味でいうと、今回の隈さんの本は、いろいろなことを考えさせられるものでした。
建築家について、建築材料について・・・
もちろん、そういう私たちもしっかりとした材木の専門家である必要がある上でのはなしですね。
本の中には、「ムク」の素材という表現が出てきます。
それは木材に限った「無垢」ではなく、「ムク」です。
材料そのもの。
木でなくてもいいんです。
ただ、そんな「ムク」の材料がいろいろとある中で、やはり確かなものを、価値のあるものを、安心できるものを、その「ムク」材の情報と共に届けたい。
そういった思いからです、私の記事に「本物の無垢木材」とあるのは。
無垢=本物、と思われるかもしれませんが、中にはいろんな「ムク」があります。
そのなかで、先に行ったように安心できる情報を持って確かな「無垢材」を届けられる、「本物の」材木屋であるために、大きい商売でなくても「大阪で一番、本物の無垢木材を扱える材木屋」として信頼される為に、取り組んで行きたいと感じています。
「そう思っているんだろ?!」と問いかけられているような、本の締めくくりでした。
全てのニーズにはこたえきれないかもしれないけど、それでも「大阪では木のことは戸田に聞こう」と普通に連想してもらえるようになりたいものです。
そうすれば、私も隈さんの本の「素材」のなかに、「材木屋」みたいなくくりで出られるかな?!
頭でっかちかもしれないけど、やっぱり私は「本物の無垢木材」にこだわる材木屋でありたい。
同業者や他の人から笑われても、お客様が求められる情報を持つ材木店として、日々邁進するのみ!!
お客様に「木」という無垢の素材のことを伝え、喜んでいただけるように・・・
今日も頑張るぞ!