床(フローリング)にもっとも適した木材とは・・・ 〜住宅の床に求められるものとは〜
木の床(いわゆる無垢フローリング)に適した材料とは何なのか?!
このテーマについての、今回は住宅の床に求められるものは何か?を見ていきたいと思います。
まず、床に対して求められるものとはなんでしょう?
次に挙げていくと、
・荷重(荷物や人の重さなど)に耐えられる事
・滑りにくい事
・弾力性
・耐衝撃性
・耐摩耗性
・堅牢さ=硬さ
・足触り
・保温性
などです。
一概に、一言では現しにくい表現も含まれていますが、おおよそこういったところです。
これらにあげた要素は、ほぼ木の床でカバーできるものだと思います。
だからこそ、木の床が使われるわけですが、今の住宅はどうでしょうか?!
ほとんどの場合、「木の様な」床である事が多いです。
合板である場合がほとんどですが、中には木の柄(がら)をプリントしたものまで床に使う様になってきています。
その方が、耐摩耗性、耐衝撃性がよく、更にワックスをかけなくてもよく、均一な仕上がりが期待できるということです。
さてさて、これらは床に対する必須条件でしょうか?!
耐摩耗性や耐衝撃性というのは上記の条件に含まれていますが、ワックスがけしなくてもよいとか、均一な仕上がりというのは含まれていませんね。
これらの、均一であるとかワックスをかけなくてもよいという美観上の点を重視しすぎて、肝心な事を忘れてしまっているようです。
いや、現実として合板メーカーも美観を優先的に選びましょう、というようなフローリング選定法を提唱されていますので、重視してしまうのは仕方ないと思います。
ですが、最初が一番美しく、年を重ねるごとに美観を損ねる可能性があるから、とにかく硬くとにかく均一に仕上げておかないといけないのでしょう。
私が今まで改修工事を見てきたお宅で、たくさんの「美観どころか機能まで失った」フローリングをたくさん見てきました。
とにかく硬く、とにかく均一な物が剥がれてしまうと床としての機能まで失ってしまいます。
どれもこれもバリバリとめくれてくる表面は、床として使えない物ばかりでした。
確かに初めは美しく均一で傷が付きにくいので、印象は良いでしょう。
でも、印象だけで床材が決まって嬉しいのは販売業者さんだけです。
なぜなら、わざわざ今回のコラムの様に時間を割いてお客様に「床材とは?!」、「求められる性質とは?!」というような事を説明しなくてもよいからです。
いつ、誰が頼んでも同じものが施工できるのですからそれはそれでメリットかもしれませんが、住まいの床としての機能性や本来の必要性は全く無視されています。
ただ「床として使っている」だけの状態です。
この状態を基に「フローリングを選ぶ」といっても、迷うのは当然です。
床にとって他に必要なものの情報が無いのですから。
ましてや、無垢の木のフローリングとなると一枚一枚違う色、木目、そして樹種によっても異なる柔らかさや香りなど、様々な要素が入ってきます。
それらの情報はあまりにも少なく、未だに無垢の木のフローリングでも名前から来る印象や、木に関する乏しい情報のみで選定しないといけない様な状態です。
特に、木の持つ弾力性や本当の意味での求められる硬さについて説明してもらえる機会は少ないと思います。
そして、それらこそが本当に知ってもらわないといけない選定法と関係している、と私は思っています。
では、木のフローリングの樹種選定をどうやっていけばいいのか?!
次回に少し難しく?!お話しする事にしましょう。