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一般的になってきたのか・・・ナラ枯れの記事


美しい山々が連なり、初夏には新緑のすがすがしさを感じ、秋には紅葉を楽しむことのできる、日本の素晴らしい森林。
いつまでも、それらの情景を楽しむことができることを祈るのですが、実際は予想以上に森林荒廃が進んでいるところがあるのも現状です。

それは、杉や桧などの針葉樹と、ナラや欅などの広葉樹とのバランスだったり、植林地などの手入れが行き届かない現状だったり、だれの責任とは言い難い問題があり、悩ましいところです。

が、そこに一つ、「こいつの責任だ!」と言えるものが存在します。

それは、松の木を枯らしてしまう「松くい虫=マツノザイセンチュウ」と、ナラ系の木を枯らせてしまう「キクイムシ類」です。

松くい虫は昆虫ではなく、昆虫が媒介するものです(詳しくは国産黒松・雄松無垢フローリングの記事をご覧ください。)が、キクイムシは、昆虫その物ですから、彼らも生きていく為の食害なのでしょうが、あまりにも被害が広がってしまうと、森林などのバランスがくずれますし、キクイムシの数が増えることになるので、やはりどちらもあまりよいとは言えないことでしょう。


少し前には、有名な「京都五山送り火」において、大文字山にナラ枯れが増えて、送り火の火が燃え移る危険があるとして薪の本数を2割程減らすというような話もでていました。
皆さんの知らないところで季節の風物詩でもあり、大切な行事も影響を受けているのです。


また秋にはまだ早いのに紅葉!?と、新聞記事にも2日連続でナラ枯れを引き起こすキクイムシの記事が載っていました。
ナラ枯れは、キクイムシが食害するために木に穴を開けます。
その穴から入ったキクイムシのもっている菌が木の中で増えて、木の生命線である水を吸い上げる機能を持つ導管と呼ばれる組織を詰まらせてしまうことで、立ち枯れしてしまうというものです。

ナラ枯れをおこした木は、紅葉しているかのように葉が紅く染まることで感染が確認できるのですが、京都や奈良、そして我が茨木市の隣の高槻市にも被害が拡大し、高槻市では今夏も100本の被害木が出たそうです。

以前、茨木市の森林ボランティアの方に伺ったのは、松くい虫による松枯れがひどいのに、打つ手がない、ということでしたが、もしかするとナラ枯れも時間の問題なのかもしれません。

生活には直接関係のないことかもしれませんが、資源の少ない国日本の自給できる大切な資源です。
木材関係の人間だけでなく、一般の方の関心を高めてもらって、森林保護、保全等にもっと取り組んでいかないといけない時期に来ているようです。



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