金具不使用木曽桧柾目木製名刺ケース(名刺入れ)
日本人になじみのある木と言えば、ブラックチェリー幅広無垢一枚物フローリングの記事でお伝えしたように桜でしょうか。
ただ、イメージというような話ではなく、日本人が古来より生活品や建築、その他でとても身近に感じる樹種といえば桧ではないでしょうか。
今回は金具不使用木製名刺ケースの追加樹種で、桧の中の桧「木曽桧」に話題を絞ってお伝えしたいと思います。
以前に節のある板材を御紹介した時に木曽桧の事にも触れていますが、もう一度御紹介しましょう。
木曽桧、別名「尾州桧」。長野県産の良材です。
木材業界では尾州(びしゅう)と呼んでいます。
その由来には、徳川家康という超有名な歴史上の人物が関与しているのです!!
家康は、自らの子息とその嫁との新婚費用を捻出するために、高額な税金を納めることのできる土地を探していました。
その結果、自身の領地と遠方を除いては木曽地方以外に適地がなく、それから木曽地方が家康の尾張藩の物になったことから、「尾張の州(くに)の桧」ということで、その名がついています。
上の写真は木曽桧の原板です。
柾目という、木の目が縦に通るように木取りした材です。
柾目という木取りは木の芯部分を外して半径方向分以下でしか取れないため、とても貴重で、そのことから大径木からしか取ることのできないものです。
木曽桧は身近なところでは彫刻材に賞用されることと、高級なお寿司屋さんのカウンターなどにつかわれています。まな板もそうですね。
それらには木曽桧である理由があります。
彫刻には木目が強すぎずに軟らかで彫りやすいところ。
お寿司屋さんのカウンターには、油分の強い桧では台拭きなどをしているうちに黒ずんできて、見た目が損なわれるということから。
まな板には、その軟らかさで包丁の刃を傷めないことが大きな理由でしょうか。
生活以外でも、近く行われる伊勢神宮の遷宮の用材は木曽桧でなければいけませんし、その他の社寺でも古くから天然の木曽桧の大径木が使われてきました。
江戸時代には木一本首一つと言われたくらいに伐採を厳しく規制し守ってきたのですが、現在は大径木の蓄積は他の樹種と同じく減る傾向にあります。
そのため、一昔前には日本の調査団が台湾に渡り、屋久杉などに匹敵するような見事な超一級の大径木である「台湾桧」を見つけ出しました。
左が木曽桧柾板木製名刺ケース(名刺入れ)
右が台湾桧木製名刺ケース(名刺入れ)
木曽桧の代わりにかなりの量が輸入されたのですが、現在はもう台湾政府により厳しく伐採を制限され、輸出もないことから日本の社寺建築などの将来や、優良木材の自給も心配になったりもします。
台湾桧の様に「ヒノキチオール」は少ないかもしれませんが(ヒノキチオールは正式には台湾桧から発見され、日本の桧にはごくわずかしか含有されない。)、古来より私たちの身近にあった樹種の優等生として、また、貴重な森林資源として守っていかないといけないものの一つです。
そんないろいろな側面をもった木曽桧ですが、書いていますように手触りは柔らかく、温かみのあるもので、木目も柾板のためとてもすっきりとした印象を受けます。
また、我々には直接関係がないのですが、木曽桧の武勇伝?!をもう一つ。
皆さんはマイナス170度、想像できますか?
宇宙空間は絶対零度付近!!?でしたっけ?!
それより少し暖かいくらいでしょうか・・・
以前に、マイナス170度の超極冷の液体窒素を流し込むための箱が必要だということで、材質を検討されていたそうです。
ところが、いろんな金属を試してみてもどれもダメ。
そんな中、この想像してもわからないくらいの低温に耐えたのがなんと木曽桧だったのです。
金属が耐えられないものに、植物である木材が耐える!
命の力でしょうか・・・
そんな話を聞いたことがあります。
少し現実離れしていて、材が優秀なのかどうかわかりにくいようなところもありますが、そんな不思議な力をもった木材が木曽桧です。
今回は、以前より「どうして世界的に優秀であり、素晴らしい樹種である木曽桧をラインナップに加えないのですか?」というお声にお応えしての追加となりました。
お待たせしましたという感じです。
美しい柾目とその柔らかな手触りを感じ、日本の代表樹種としての木曽桧を実感していただきたいと思います。
金具不使用木曽桧柾板木製名刺ケース(名刺入れ) 無塗装
素材:木曽桧 柾目板
価格:7020円(税込)
*ご検討の前に、名刺ケースの特徴とご注意をご覧ください。
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